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更新日:2023年11月27日

鉄筋工とは?仕事内容や平均給与、やりがいや向いている方の特徴を解説

鉄筋工とは?仕事内容や平均給与、やりがいや向いている方の特徴を解説

※この記事は5分30秒で読めます。

「鉄筋工ってどのような仕事?」
「鉄筋工で働くやりがいや魅力が知りたい」
など、鉄筋工に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

鉄筋工とは、マンションなどに使う鉄筋を加工したり組み立てたりする仕事で、仕事を通じて建物やインフラといった人々の生活に必要不可欠なものを作れる魅力があります。

今回は、鉄筋工の概要、仕事内容、やりがいや魅力、向いている方の特徴などを解説します。この記事を読めば、鉄筋工のことがよくわかり、自分に向いている仕事か判断できるようになります。

1.鉄筋工とは?

鉄筋工とは、鉄筋コンクリート造りの建物の骨組みになる「かご状の鉄筋」を加工し組み立てる仕事です。設計図をもとにしながら、施工・加工・組立を担当します。

構造物にとって重要な役割を担う鉄筋を網目状に組みあげるうえで、さまざまな知識と技術が要求される仕事です。鉄筋コンクリート造のマンションや橋の建設現場など、鉄筋工事が必要となるあらゆる工事現場で活躍できます。

休憩時間や休日は、会社ごとに規定が異なるほか、工事の進捗や天候によっても左右されるので、一概にはいえません。ただ、現場の稼働に合わせて週末と祝日が休みになる週休2日制、かつ1日2時間程度の休憩を設けることが一般的なようです。

2.鉄筋工の仕事内容

職場によっても多少異なりますが、鉄筋工の仕事内容には主に以下のようなものがあります。

  • 施工図・加工帳の作成
  • 加工
  • 組立
  • 自主検査

それぞれの仕事内容について、詳しく見ていきましょう。

2-1.施工図・加工帳の作成

発注元から提供される仕様書や図面は建設関係者全員が理解できる仕様になっていますが、それを見ていきなり鉄筋を取りつけるわけではありません。

仕様書や図面をもとに、鉄筋工事に使用する鉄筋などの費用を見積もり、必要な発注をおこないます。同時に、仕様書と図面をもとに現場で職人が取りつけるための施工図を作成します。

2-2.加工

現場から出された加工帳をもとに、加工場にて鉄筋を適切な長さに切断したり曲げ加工をおこなったりする工程です。

金のこ、ロッド曲げ機、溶接機などの工具や機械を使用して鉄筋を加工します。加工された鉄筋は、工事の進捗に応じて現場に送られます。

2-3.組立

加工場から送られた鉄筋を施工図をもとに取り付ける工程です。経験豊富な鉄筋工が施工図を見て作業の段取りや配筋の指示を出し、鉄筋を組み立てます。

配筋して組み立てる際は、篏合(かんごう・鉄筋をつなぐ作業)をおこないます。篏合にはいくつかの方法があります。

例えば「機械式継手」と呼ばれる方法ではカプラーと呼ばれるもので鉄筋をつなぎ、つなぎ目にエポキシやグラウトといった接着剤を注入して鉄筋をつなぐことになります。

篏合のあと、鉄筋工は結束線(針金)とハッカー(鉄筋同士を結束線で締めつける道具)を使って鉄筋を拘束します。

結束線には、鉄、鉄/溶融亜鉛メッキ、ステンレスの3種類があり、仕様図や設計図の指定を守って選択します。

2-4.自主検査

配筋、篏合、結束までの工程が終わると、次に自主検査に入ります。コンクリートが流し込まれたあとは鉄筋が見えなくなるため、不具合を発生させないためにも自主検査は非常に重要です。

自主検査のあとには第三者機関による配筋検査などがおこなわれ、コンクリート打設など次の工程に進んでいきます。

3.鉄筋工のやりがいと魅力

鉄筋工のやりがいには、主に以下の3点が挙げられます。

  • 人の役に立てる
  • 職人として日々成長できる
  • 鉄筋施工技能士の取得を目指せる

3-1.人の役に立てる

仕事を通じて人の役に立てる点が、鉄筋工の大きな魅力とやりがいです。

どれだけ現代建築が進化して複雑な形状・デザインになったとしても、その建物に鉄筋が入っていなければ自立することはできません。

鉄筋をふんだんに使う橋も同様です。インフラ・生活に欠かせない建造物を作るうえで欠かせず、人の命を守ることにもつながります。

3-2.職人として日々成長できる

鉄筋工は大工やとび職などと同じく職人に分類される仕事であり、技術や経験、知識がものをいう世界です。

日々の現場で経験を積み技術を身につけられる仕事のため、働けば働くほど職人として成長できます。

最初は見習いとして大変な日々が続くかもしれませんが、職人として一流になれれば現場中から頼りにされる人材になれるでしょう。

3-3.鉄筋施工技能士の取得を目指せる

鉄筋工の技術や知識を客観的に証明できる資格として、鉄筋施工技能士という資格があります。厚生労働省が定める技能検定です。

1級や2級の資格を取得するには原則として鉄筋工事業での実務経験が必要ですが、鉄筋工として働くことで実務経験の要件を満たすことが可能です。

4.鉄筋工の大変さ

鉄筋工は職人仕事として多くのやりがいや魅力がありますが、以下のような大変な部分もあります。

  • 天候に左右される
  • 屋外作業のため暑さ・寒さがつらい
  • 体力を求められる

4-1.天候に左右される

鉄筋工の仕事は屋外でおこなわれるため、どうしても天候に左右されます。

天候不良の場合は仕事ができず急に休みになることがあるほか、遅れを取り戻すために休みを返上しなくてはならない場合もあるでしょう。

4-2.屋外作業のため暑さ・寒さがつらい

屋外で作業をする鉄筋工は、夏の暑さと冬の寒さが大きな障害となります。夏は照りつける太陽のもと、冬は風の冷たさや雪に耐えながら仕事をすることになります。

特に夏場は、暑さ対策なしでは熱中症になってしまう危険もあります。最近は職人に空調機能付きのベストを支給する現場もありますが、それでもつらいと感じることがあるかもしれません。

4-3.体力を求められる

鉄筋工は、鉄筋をはじめとした資材を目的地まで運び、組み立てをおこなう力仕事です。現場によっては数十キロの重さの資材を運ぶこともあり、仕事をこなすには体力が要求されます。

また現場は朝早くから動くため朝起きるのも早く、翌日に疲れを残さない意味でも体力はあるに越したことはありません。

鉄筋工として一人前を目指すなら、普段からトレーニングをして体力をつけるような対策も必要になるでしょう。

5.鉄筋工に向いている人の特徴

続いて、どのような方が鉄筋工に向いているかをご紹介します。

5-1.体を動かすのが好きな人

鉄筋工は屋外での仕事が主であり、仕事中は多くの時間で体を動かします。

「じっとしているのが苦手」「座りっぱなしの事務作業よりも現場作業が好き」な方であれば、鉄筋工の仕事に向いているでしょう。

5-2.高所が得意な人

鉄筋工の仕事では高所での作業が発生する可能性があります。

高いところに登ることが好きな方、苦にならない方は、鉄筋工の仕事に向いている可能性が高いでしょう。

5-3.ものづくりに関わりたい人

鉄筋工の仕事は、鉄筋をつなげたり結束したりといった作業を通じて、橋などのインフラや建築物を作り上げる仕事です。

プラモデルづくりやDIYなどが好きな方、ものづくりに興味がある方には、鉄筋工が向いている可能性があります。

6.鉄筋工の平均年収

厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によれば、鉄筋工の平均年収は431万円です。

一方、国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本の給与所得者全体の平均は443万円でした。

したがって、鉄筋工の平均年収は、全体平均と比較してもほぼ同じ水準といえます。

ただし、鉄筋工の給与はスキルや経験によって変動します。年齢が上がるごとに平均給与が上がっていき、50~54歳で506万3,300円とピークを迎えます。

また、地域によっても年収のバラつきが大きく、北海道(446万5千円)、宮城県(477万7千円)、栃木県(673万千円)、埼玉県(494万9千円)、神奈川県(478万円)、富山県(522万千円)、山口県(510万3千円)などでは平均年収が高くなっています。

7.鉄筋工になるには?

鉄筋工になるのに必須となる資格はありません。学歴や実務経験の制限もなく、未経験であっても、求人サイトや求人誌、ハローワークなどから応募できます。

他業種での経験を活かして鉄筋工に転職することも可能ですし、実務経験を積むことで、鉄筋工としての知識や技術を証明する国家資格の「鉄筋施工技能士」を取得できます。

1級~3級のうち、より上位の資格を取得すれば業務の幅が広がり、一人前の職人として活躍できるでしょう。

なお、鉄筋工の仕事を探す際に求人サイトを利用する場合は、必ず建築・土木に強いサイトをチェックしましょう。

また、未経験から鉄筋工への就職に不安を感じる場合は、転職サイトの面談を利用して疑問点を解消しておくと良いでしょう。

JOBPALでは、新しい仕事として鉄筋工に興味を持つ方に向けて、面談を実施しています。鉄筋工に興味や関心がある方は、ぜひお気軽にご応募ください。

8.鉄筋工の将来性

国土交通省が公表している「令和4年度(2022年度) 建設投資見通し」によれば、2022年度の建築投資は66兆9,900億円(前年度比0.6%増)でした。

建築投資は、2010年から2012年までの42兆円を底に、その後は増加傾向にあります。

橋などのインフラ建設やマンション建設に鉄筋工は欠かせない存在であり、将来性も十分にある仕事といえるでしょう。

9.まとめ

マンションやインフラの建設に鉄筋は欠かせない存在であり、鉄筋工の仕事がなくなることはまずありません。手に職をつけ将来まで安定して働きたい方にとって、鉄筋工は魅力的な仕事でしょう。

JOBPALでは、鉄筋工をはじめ、建築関連や技能工の求人を掲載しています。少しでも興味があれば、ぜひJOBPALの求人をチェックしてみてください。

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