キャリアパスとは?重要性や確認する方法、働く側にとってのデメリットを解説

この記事で分かること
- キャリアパスとは、組織内で特定の役職や役割を得るまでに、どのようなスキルや経験が必要か示したもの
- 企業がキャリアパスを重視している理由は、人材確保や従業員の満足度向上などにつながるため
- キャリアパスは、働く側にとって将来積めるキャリアや必要なスキルがわかるメリットがある
- キャリアパスについてわからないことや不安なことがあれば、まずは上司や人事担当者へ相談するとよい
※この記事は5分30秒で読めます。
「キャリアパスって何?」
「キャリアパスはどれくらい大切なの?」
など、キャリアパスに関して疑問を持っている方もいるでしょう。
キャリアパスとは、組織内で特定の役職や立場へ到達するまでに必要なスキルや経験を示したものです。
今回は、キャリアパスの概要やキャリアプラン・キャリアアップとの違い、キャリアパスの重要性、確認する方法などを詳しく解説します。この記事を読めば、キャリアパスのことがよくわかり、希望のキャリアを実現するヒントが得られるでしょう。
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1.キャリアパスとは?
キャリアパスとは、組織内で目指す役職や役割を得るために、どのようなスキルや経験が必要になるかを明確化したものです。
例としては「○○に昇格するには、××部門で経験を3年積み、□□資格を取得する必要がある」といった内容が挙げられます。
基本的にキャリアパスは企業が作成し、従業員や応募者に向けて提示するものです。働く側が自ら作成するものではありません。
キャリアパスと間違われやすい言葉に「キャリアプラン」と「キャリアアップ」があります。キャリアパスとの違いをそれぞれ詳しくみていきましょう。
1-1.キャリアプランとの違い
キャリアプランとは、仕事や働き方に関する理想を実現するために立てる行動計画を指します。キャリアプランの具体例は、以下のとおりです。
7年後○○分野で起業するためには、まず同分野の営業職で1年以上の経験を積み、3年目以降は部下の指導もおこなう立場として経験を積む必要がある。その後、経営企画を学べる会社へ転職して数年間経験を積む。
また、毎月1冊以上経営に関する本を読み、専門的な知識を身につける。
例からわかるとおり、キャリアプランは同一の組織内に限らず、理想とする仕事や働き方を得るために必要な行動を自ら洗い出すものです。そのため、キャリアプランには、転職・独立・起業なども含まれます。
一方で、キャリアパスは、同一の組織内で目指す役職へ就くために必要なスキルや経験などを企業が提示したものです。
このように、キャリアプランとキャリアパスには、組織内での行動に限定されるかどうかの違いがあります。
1-2.キャリアアップとの違い
キャリアアップとは、役職や能力を向上させ、自らの市場価値を高めることです。具体的には以下のような内容が挙げられます。
- 昇格する
- 資格を取得する
- 契約社員から正社員になる
- 年収が上がる
- 大企業へ転職する
このように、キャリアアップは、企業によるキャリアの提示の有無に関わらず、役職や能力を向上させることを意味します。一方で、キャリアパスは企業が提示するもので、組織内で目指す役職や立場を得るまでの道筋を意味する言葉です。
また、組織が変わればキャリアパスも変わるように、キャリアパスは組織に属します。その反面、資格取得や役職の経験などは転職後も活かせるように、キャリアアップは個人に属する点も違いの一つです。
2.企業はなぜキャリアパスを重要視するの?
企業がキャリアパスを重要視する理由には、以下の3つが挙げられます。
- 人材の確保・定着につながる
- 従業員の主体的な行動を促進できる
- 従業員の満足度を向上できる
採用段階でキャリアパスを明示しておけば、応募者は自分がキャリアアップできる企業なのか、キャリアパスと自分の目標は近いのかなどを判断しやすくなります。自分の成長につながると判断できれば、企業に魅力を感じて応募につながる可能性が高まるでしょう。
キャリアパスに魅力を感じて入社した従業員は、組織内でのキャリアアップを目指すことが期待できるため、人材の定着にもつながります。
また、キャリアパスが明示されていれば、従業員は目標達成に向けてどのような行動が必要かを把握できるので、資格の取得など自ら行動を起こすきっかけとなります。従業員一人ひとりが成果をあげるようになると、結果として企業の成長にもつながるでしょう。
さらに、キャリアパスによって、どのような行動が評価につながるかを理解できるようになり、評価の公平性が保たれます。そのため、昇格の理由や今後のキャリアアップに対する不満や不安が軽減され、従業員の満足度向上にもつながります。
このように、キャリアパスの設定は企業にとってさまざまなメリットをもたらすため、企業はキャリアパスを重要視するのです。
3.働く側がキャリアパスを意識する重要性
キャリアパスは企業側だけが得するだけではなく、働く側にとってもメリットがあります。働く側がキャリアパスを意識する重要性について詳しくみていきましょう。
3-1.将来どのようなキャリアがつめるのかがわかる
キャリアパスは採用段階から企業が提示していることがあります。入社前にキャリアパスを把握できれば、入社後にその企業でどのようなキャリアを積めるかを具体的に理解できる点がメリットです。
例えば「入社5年後には○○という役職に就いて昇給する」と示されていれば、将来得られる経験や待遇の見通しが立ちます。入社前からその企業で自分の目標を達成できるかできないかを判断でき、ミスマッチを防げるでしょう。
また、入社後であっても、キャリアパスによって自分がこれから先どのようなキャリアをたどっていけるかがわかり、将来活躍する姿を具体的にイメージしやすくなります。
3-2.キャリアアップのために必要なスキルがわかる
キャリアパスでは、目指す目標に対して必要なスキルや経験が明示してあります。そのため、目標から逆算して、業務に関する勉強や資格の取得などの行動を起こしやすくなることがメリットです。
例えば、マネジメントの役割を担う管理職へのキャリアパスが示されている場合、リーダーとしてチームをまとめる能力や、指示を明確に伝えるスキルが必要だとわかります。
キャリアパスを踏まえ、スキルアップに必要な研修やセミナーへの参加などの自己研鑽に対する意欲も湧いてくるでしょう。
また、スキルアップや普段の頑張りがキャリアパスの実現につながるとわかっていれば、仕事そのものに対するモチベーションも維持しやすくなります。
4.キャリアパスは働く側にとってデメリットもある
キャリアパスが設定されていることで、働く側がデメリットを感じる場面もあります。2つのデメリットについて詳しくみていきましょう。
4-1.キャリアの選択肢が狭くなることもある
キャリアパスをもとに特定のポジションを目指す場合、そのポジションに必要なスキルや経験を重要視してしまいがちです。
しかし、企業の事業方針の変更や働き方に対する考え方の変化にともない、他のキャリアを目指したくなるケースもあるでしょう。
その際、特定のキャリアパスにこだわって経験を積んでいた場合、また別のキャリアパスを一から始めなければならないという状況になってしまいます。
このように、特定のキャリアパスを意識しすぎると、キャリアの選択肢が狭まることも考えられます。そのため、できる限り視野を広げて仕事をすることが大切です。
4-2.状況によってキャリアアップできないこともある
キャリアパスで提示されたスキルや経験を得られても、状況によっては希望通りにキャリアアップできないこともあります。例としては、目標とする役職や役割に空きがない場合、経営状態の悪化にともないキャリアアップが認められない場合などが挙げられます。
そのため、キャリアパスが絶対ではないと意識しながら、組織外で通用するスキルや知識も得ていくことが重要です。
また、キャリアアップできないことに納得できない場合には、これまでの成果や努力をどのように評価してもらえるかについて、上司や人事担当者と話し合う方法もあります。
5.キャリアパスを確認する方法は?
現在の職場でキャリアパスを確認したい場合は、上司や人事担当者に聞いてみましょう。定期的に面談がある場合は、そのタイミングで聞くことがおすすめです。
また、これから応募する企業のキャリアパスを確認したい場合は、求人サイトの募集要項やホームページの採用情報から確認しましょう。求人サイトやホームページに記載がなかった場合は、採用説明会や面談時などに人事担当者へ直接聞いても問題ありません。
ただし、そもそも明確なキャリアパスが設定されていない企業もあります。この場合は、求人サイトやホームページをみて、掲載されている先輩社員のインタビュー記事やキャリアアップの事例などを参考にしてください。
6.キャリアパスに関するよくあるQ&A
キャリアパスに関してよくある質問を紹介します。同じ疑問を持っている方は、参考にしてください。
6-1.今働いている会社にキャリアパスがない場合はどうしたらいいですか?
現在働いている会社にキャリアパスがない場合、まずは自分なりに目標とする役職や役割から、目標を達成するために必要なスキルや経験を洗い出しましょう。
そのうえで、希望するキャリアを実現できるかどうか、上司や人事担当者へ相談することがおすすめです。
自分なりに考えたキャリアパスを上司や人事担当者に伝えれば、目標に近づくためのアドバイスや、該当するスキルや経験を積むチャンスをもらえる場合があります。
また、キャリアパスとあわせて、組織外での行動を含むキャリアプランも考えてみましょう。3年後・5年後・10年後などにどのような仕事や働き方を得ていたいか、具体的にイメージします。
キャリアプランを立てるなかで、組織内で達成できそうなことが見つかる可能性があります。
6-2.自分の理想像とキャリアパスにギャップがある場合はどうしたらいいですか?
自分の理想像とキャリアパスにギャップがある場合は、どうすればギャップを埋められるかを具体的に考えることが大切です。
まずは、これまでどのような仕事にやりがいを感じたか、仕事をするうえでうれしかった出来事はあったかなど、過去の経験を振り返ったうえで、理想像を見直してみましょう。
例えば、自分ならではの発想を活かした資料を褒められたときにやりがいを強く感じた場合、企画力や資料作成力を活かせる部署が向いている可能性があります。
このように、自分の経験を振り返り、理想像ややりたい仕事を幅広く検討してみて、現在の職場にあるキャリアパスで理想に近づけないかを検討してみてください。
また、ギャップを明確にしたうえで上司に相談してみるのも対応策の一つです。自分の目標に近い別のキャリアパスを提案してもらえたり、目標達成に必要な仕事の機会を振ってもらえたりするなど、サポートを得られる可能性があります。
上司に相談してもサポートが得られなかった場合には、自分の理想像に近いキャリアパスを提示している企業への転職を検討してもよいかもしれません。
ただし、現在の企業でこれまで積み上げたキャリアパスは、転職先では関係なくなってしまいます。そのため、本当に転職が必要かどうかをよく考えてから判断しましょう。
7.まとめ
キャリアパスとは、組織内で特定の役職や役割を得るために、どのようなスキルや経験が必要かを企業が提示したものです。
企業にとって、キャリアパスを示すことにより人材確保や従業員の満足度向上につながるといったメリットがあります。働く側にとっても、将来のキャリアや今後必要なスキルを把握できる点がメリットです。
現在の企業にキャリアパスがなかったり、自分の理想像と現在のキャリアパスにギャップがあったりする場合は、自分で考え方を整理したうえで、上司や人事担当者へ相談しましょう。
上司や人事担当者へ相談したうえでどうしてもギャップが埋まらない場合には、転職を含む幅広い視野で、将来の仕事や働き方を検討する方法もあります。
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