【テンプレート付】退職願・退職届の正しい書き方、書く前にすべきことを解説

この記事で分かること
- 退職願は、会社に退職を願い出る際に使用する書類であり「退職希望日」を記載する
- 退職届は、退職願が受理されたあとに提出する書類であり「退職日」を記載する
- 退職願・退職届を書く前に、就業規則で提出期限や提出先を確認する
※この記事は6分で読めます。
「退職願って退職届や辞表とは違うの?」
「退職願・退職届の書き方や、書く前に確認するポイントが知りたい」
など、退職届と退職願の違いや正しい書き方を知りたい方もいるでしょう。
退職願は会社に退職の意思を伝えるために提出する書類で、書き方や様式が決まっています。
今回は、退職願と退職届・辞表との違い、正しい書き方や書く前に確認するポイントなどを解説します。この記事を読めば、退職願のことがよくわかり、退職手続きをスムーズに進められるでしょう。
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1.退職願・退職届・辞表の違い
退職願に似た言葉として「退職届」「辞表」があります。それぞれの役割は以下のとおりです。
- 退職願:会社に退職を願い出る際に使用する書類
- 退職届:退職が受理されたあとに提出する書類
- 辞表:役員や公務員が辞職したい旨を書いて提出する書類
会社員として雇用されている立場であれば「辞表」の提出は必要ありません。
退職願は、退職希望日を記載して退職の意思表示をする書類で、会社が承諾するまでは撤回できます。
退職届は退職日を記載するため、提出して受理されたら基本的に撤回できません。ただし会社との合意があれば、撤回可能です。
なお、退職意思を伝える方法は口頭でも可能ですが、口頭ベースだと「言った」「言わない」のトラブルが起きる可能性があります。トラブルを防ぐためにも、退職願や退職届を証拠として提出すると安心です。
また提出が必要かどうかは会社によっても異なるため、退職の意思を伝えたあとに直属の上司か人事部に必ず確認を取りましょう。
2.退職願・退職届を提出する順番
「退職願」「退職届」のうち、先に提出するのは「退職願」です。
退職の意思が固まったら、直属の上司に退職の意思を伝え「退職願」を提出します。勤務先から退職が認められ次第、上司と相談して正式な退職日を決めましょう。決定後は、退職日を記載した「退職届」を提出します。
3.退職願・退職届の作成で確認すべき5つのポイント
退職願や退職届には、一般的に使用されている形式やマナーがあります。ここでは作成する前に知っておきたい5つのポイントを見ていきましょう。
3-1.手書きとパソコン(PC)どちらが良い?
退職願や退職届は、手書き・パソコンどちらで作成しても大丈夫です。
パソコンが今より普及していなかった時代は手書きが当たり前でした。今はデジタル化が進んでいるため、どちらで作成してもビジネスマナー的には問題ありません。
ただし会社指定の様式やルールがある場合は、指示に従って作成します。
3-2.縦書きと横書きどちらが良い?
退職願や退職届は、縦書きで書くのが一般的です。ただし英字を使う会社は横書きで指定が入る場合もあります。横書きで指定されたとき以外は、縦書きで書くのが望ましいでしょう。
3-3.封筒のサイズは決まっている?
封筒は書類のサイズに合わせるのが基本です。例えばB5用紙であれば長形4号、A4であれば長形3号サイズの封筒を用意しましょう。
- 長形3号(A4用紙向き):120mm×235mm
- 長形4号(B5用紙向き):90mm×205mm
退職届は第三者に見られないように扱う必要があるため、鞄や手帳などに収まるサイズの封筒が望ましいです。
長形3号でうまく収まらない場合は、長形4号の封筒に収まるように退職届を作成しましょう。
3-4.ペンは何を使う?消えるペンや修正液はNG?
退職届を書く際は鉛筆やシャープペンシルではなく、消えないボールペンまたは万年筆を使います。誤りがあった場合は修正液、修正テープや二重線で消すのではなく、書き直すのがマナーです。
退職願や退職届は、会社にとっては正式な書類です。書き直しは大変ですが、間違いのない状態で提出できるように新しい用紙で作成し直してください。
3-5.コピーをとっておくべき?提出するのは原本?
作成した退職届は「原本」を提出します。しかし提出したあとに、書類が見つからず「出した」「出していない」といったトラブルが起きる可能性があります。
トラブルを防ぐためにも退職届のコピーを作成し、手元に保管しておくのがおすすめです。
4.退職届を書く前にすべきこと
いきなり退職届を出してしまうと、なかなか受理されずに希望日で退職できないリスクがあります。スムーズに退職するには、提出前にいくつかの過程が必要です。
ここでは退職届を書く前にすべきことを解説します。
4-1.就業規則を確認する
まず勤務先の就業規則を確認しましょう。就業規則には、退職届の提出先や「退職するには○ヵ月前までの申し入れが必要」などの規定が記載されている場合があります。
就業規則に反する意思表示は受理されない可能性もあるため、退職を決めたら最初に確認しておきましょう。
4-1-1.提出期日
就業規則に退職届の提出期限が記載されている場合は、早めに上司へ退職の意思を伝え、退職願の提出まで済ませておきましょう。
例えば退職希望日の1ヵ月前までの申し入れが必要な場合、1〜3ヵ月前には退職の意思を上司に伝えるのが望ましいです。
4-1-2.提出先
会社によって「総務」「人事」「直属の上司」など、退職届の提出先は異なります。
退職届の提出方法も企業ごとに異なるので、確認が必要です。基本的に手渡しですが、病気や怪我などの特別な事情があれば郵送でも提出できます。
提出する際は、茶封筒ではなく白い封筒で提出するのがマナーです。茶封筒は低コストの業務用、白封筒はフォーマルな場面で使用されるものという違いがあります。
退職届はメールでも作成できます。メールでも退職届の効力は変わりません。ただしハローワークでの離職票発効手続きで書面の退職願、退職届が必要になる可能性もあるため、基本は書面が望ましいです。
会社で明確な規定や提出マナーが決められている場合は、規約を守りましょう。
リモートワークの場合も同様で、退職の意思表示は電話でもかまいませんが、退職届は書面での作成がおすすめです。
以下の記事では、退職の伝え方について詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
4-2.退職願を作成・提出する
退職届を出す日が決まったら、退職願を作成して提出します。希望日に退職できるかは会社によって異なるので、退職日の欄は空白にしておきましょう。
上司と正式な退職日を相談のうえ、退職日を確定できたら、退職日欄を埋めて提出してください。
5.退職願・退職届の正しい書き方
退職願や退職届に決められた形式はありませんが、ビジネスマナーとして正しい書き方が存在します。ここでは退職願・退職届に分けて正しい書き方の見本をご紹介します。
5-1.準備するもの
退職届や退職願を出す際の「手書き」「パソコン作成」で準備するものは以下のとおりです。
【手書きでもパソコン作成でも必要なもの】
- 白の無地封筒(郵便番号枠がないもの)
※退職届をA4で作成するなら長形3号、B5で作成するなら長形4号
【手書きの場合に準備するもの】
- B5またはA4の白の便せん(罫線はあってもなくても可)
- 黒のボールペン、万年筆など消えない筆記用具
5-2.退職願・退職届テンプレート
ここでは、退職願・退職届の書き方とテンプレートを紹介します。テンプレートは、縦書きと横書きがありますので、状況に合わせて使い分けてください。
【退職願】


- 件名:退職願と記載します
- 書き出し:私儀(読み:わたくしぎ)と書きます
- 退職理由:自己都合退職の場合「一身上の都合」と書きます
- 文末:退職願の場合は退職が確定していないので「〜退職したく、ここにお願い申し上げます」などと記載します
- 退職希望日:退職願で書くのは希望日です
- 所属:自身の所属部署を書きます
- 氏名:自身の氏名を書きます
- 捺印:氏名の下に捺印をします
- 宛先:会社の最高責任者(代表取締役社長など)の役職・名前を書き敬称は「殿」とします
【退職届】


- 件名:退職届と記載します
- 書き出し:私儀(読み:わたくしぎ)と書きます
- 退職理由:自己都合退職の場合「一身上の都合」と書きます
- 文末:退職届の場合は退職日が確定しているので「~〇月〇日をもって退職いたします」と記載します
- 退職日:退職届で記載するのは退職日です
- 所属:自身の所属部署を書きます
- 氏名:自身の氏名を書きます
- 捺印:氏名の下に捺印をします
- 宛先:会社の最高責任者(代表取締役社長など)の役職・名前を書き敬称は「殿」とします
6.封筒の正しい書き方・入れ方
退職届だけでなく、封筒の書き方にもビジネスマナーがあります。正しい書き方、封筒への入れ方について確認しましょう。
6-1.封筒の書き方
封筒の書き方は、表面に「退職届」または「退職願」と記載します。中央よりも少しだけ上のほうに記載するとバランスが良くなるのでおすすめです。なお表書きに宛名は不要です。
裏面には自身の所属部署、氏名を記載します。書き損じた場合、修正液やテープの使用はマナー違反です。新しい封筒を用意して書き直しましょう。
退職届(願)は重要書類です。第三者に気付かれないよう、二重になっている封筒を用意しましょう。
6-2.封筒への入れ方
封筒のサイズにあわせて退職届を折ります。字が書いてある面が内側になるよう「巻き三つ折り」にしましょう。封筒の幅によっては四つ折りでもかまいません。
三つ折りにして封筒に入れる手順は以下のとおりです。
- 用紙の下3分の1を折り返す
- 用紙の上3分の1を、文面に覆いかぶせるように折り返す
- 用紙の右上が上側になるよう、封筒に入れる
封は手渡しをする場合はしなくてもかまいません。郵送の場合は封をしますが、その際は「〆」と記載します。
なお郵送の際は、退職届の封筒を一回り大きな封筒に入れて送りましょう。
7.退職願や退職届に関するよくあるQ&A
ここでは、退職願や退職届に関するよくある質問にお答えします。
7-1.退職願や退職届は必ず提出が必要ですか?
退職願や退職届の提出が必要かどうかは、会社によります。
ただし退職の意思を口頭で伝えると「言った」「言わない」のトラブルになる可能性があり、注意が必要です。
退職の意思を伝えた証拠として、退職願や退職届を提出するよう就業規則に記載している会社もあります。就業規則に提出先や期限を記載している場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
7-2.退職届を入れる封筒は何色がいいですか?
退職届を入れる封筒は、白色で無地のものが望ましいです。
ビジネスで使用する封筒は「白色」と「茶色」がありますが、白い封筒はコストが高いため正式な場面で使用されます。
また退職届は重要書類にあたります。第三者に見られないよう中身の透けない二重封筒を選びましょう。
7-3.退職願を上司に提出するとき、どのように切り出せばいいですか?
退職願を提出する際は、まず上司の予定や都合を確認し、アポイントを取ります。都合を確認する際は「お話ししたいことがあるため、少しお時間をいただけますか?」と切り出します。
退職の話は、他の従業員がいない会議室や個室などで切り出すのが望ましいです。
以下のようにお詫びの言葉を述べてから、退職の意思を伝えます。
突然で申し訳ございません。このたび退職のご相談をさせていただきたく、お時間をいただきました。
退職の意思を伝えるとともに、退職願を提出しましょう。
7-4.退職願が同僚に見つかってしまいました。どうしたらいいでしょうか?
退職願が同僚に見つかってしまったら、周囲に漏らさないと約束してもらったうえで正直に伝えたほうがよい場合もありますが、相手との関係性にもよるので、判断が難しいです。
嘘をつくと退職日までいづらくなったり、変な噂を立てられたりする原因になりかねません。
スムーズに退職するためには、退職願が見つからないよう、鞄に入れて持ち歩く、引き出しの奥に保管するなどの対策を徹底しましょう。
7-5.退職届に今までの感謝の気持ちを書いていいでしょうか?
退職届は退職願が受理されたあとで会社に提出する正式な書類のため、感謝の気持ちは記入せず必要事項のみ記載します。
感謝の気持ちを書くのであれば、個別に手紙を書く、退職の挨拶メールを送るなどがおすすめです。退職日が近づいたタイミングで、手紙やメールを送りましょう。
7-6.退職願は撤回できますか?
「退職願」は承認が下りる前であれば、撤回できる可能性があります。一方「退職届」は、会社から退職が認められたあとに提出する書類のため、基本的に撤回できません。
「退職願」を撤回する場合は、なるべく早く伝えるのがおすすめです。撤回するには口頭で伝えるか、撤回を申し出る書類を提出する方法があります。
「撤回を聞いていない」などのトラブルを回避するためにも、書類を提出しておきましょう。
8.まとめ
退職願は「会社に退職する意思を伝えるために提出する書類」で、退職届は「会社に退職の意思が認められ、退職日が確定したあとに提出する書類」です。
退職届の提出前には、会社に退職の意思を伝えたり退職願を提出したりと、さまざまな工程があります。退職願や退職届を書く前は、就業規則で期限や提出先を確認して、決められた様式で作成した書類を提出しましょう。
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