内定とは?内々定や採用との違い、内定通知のもらいかたや入社までの流れを解説

この記事で分かること
- 内定とは、企業が採用を正式に公表する前に求職者との間で採用を内々に決定すること
- 内定は内々定や採用とは異なり法的拘束力がある
- 内定の返事は遅くとも1週間以内に電話で伝えるのがマナーである
※この記事は4分30秒で読めます。
「内定とはどういう意味?」
「内々定や採用とは何が違うの?」
など、内定に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
内定とは企業が採用を正式に公表する前に、求職者との間で内々に決定することです。内々定や採用とは異なり、法的拘束力がある点が特徴です。
この記事では、内定とは何か、いつどのようにもらえるのかを始め、返事はどうすべきか、内定から入社までの流れ、内定取り消しについて詳しく解説します。この記事を読めば、内定に関する疑問が解消でき、スムーズに入社準備を進められるでしょう。
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1.内定とは?
内定とは、企業が採用を正式に公表する前に、求職者との間で採用を内々に決定することです。企業は求職者に対して採用通知を出し、求職者が同意すると双方が合意したとみなされます。
内定が正式に成立するのは、求職者が内定承諾書にサインして提出し、労働契約が結ばれた時点です。
内定制度には採用におけるトラブルを防ぎ、求職者が入社に向けて準備を整えるための期間を設ける目的があります。
例えば、内定を受けた求職者が給与や仕事内容、勤務条件などを再確認し、最終的に入社するかどうかを判断する時間を確保できます。内定制度は入社後のミスマッチを減らし、スムーズな労働契約の成立を目指しているのです。
内定に類似する言葉として「内々定」と「採用」がありますが、それぞれの違いについて以下で詳しく解説します。
1-1.内々定との違い
内々定とは、企業が求職者に対して内定を出す前の段階で採用の意思を非公式に伝えることです。内々定は労働契約が成立していないため、内定のように法的拘束力はありません。
内々定はあくまで将来的に内定を出す意思があると知らせるものです。一般的には企業から口頭やメールで伝えられます。
政府は学生が学業に専念できる環境を維持しつつ安心して就職活動をおこなえるよう、企業に対して内定を出す時期を一定の日付以降にするよう求めています。そのため、内々定は内定時期の調整手段として活用される場合が多いです。
2025年度の卒業生のスケジュールは下記のとおりです。
- 広報活動開始 :卒業・修了年度に入る3月1日以降
- 採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降
- 正式な内定日 :卒業・修了年度の10月1日以降
引用:内閣官房「就職・採用活動に関する要請」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_katsudou_yousei/index.html
1-2.採用との違い
内定と採用は、企業と求職者の間で確認される意思内容や法的な位置づけに違いがあります。採用は企業が選考を通過した求職者に対して「雇用したい」という意思を伝える段階を指します。採用の段階では労働契約は成立していません。
一方内定は採用後に求職者が入社の意思を示し、企業と求職者の双方が入社を正式に約束した状態です。内定は労働契約が成立するため、法的拘束力が発生します。
例えば、企業が最終面接で合格を告げた場合は、採用を意味します。採用後に求職者が内定承諾書を提出して企業側が受け取った時点で内定となり、労働契約が成立するのです。
2.内定通知書とは?
内定通知書とは、企業が採用を決定した際に応募者に送付する書類で、正式には「採用内定通知書」と呼ばれます。内定通知書は単なる合否通知ではなく、応募者との間に労働契約が成立する前提となる役割があります。
内定通知書に記載される主な事項は以下のとおりです。
- 入社日
- 入社手続きに必要な書類
- 内定取消事由 など
応募者が内容に同意すると法的効力が発生し、企業は正当な理由がない限り内定を一方的に取り消せません。
内定通知書と類似する書類に採用通知書がありますが、採用通知書は選考合格を知らせる書類に過ぎず、法的効力をともないません。
内定通知書を受け取った際は、まず記載内容を詳細に確認する必要があります。特に労働条件や内定取消事由が、自分の状況や事前の説明と一致しているかを注意深く確認しましょう。
労働条件通知書が同封されている場合は、給与や勤務時間など具体的な条件もチェックしてください。問題がなければ内定承諾書に署名・捺印をおこない、指定の期限内に間に合うよう返送します。
ただし、内定承諾書を提出した時点で入社の意思が法的に拘束されるため、慎重に考えたうえでの行動が大切です。
内定を辞退する場合は速やかに企業に連絡し、感謝の意を表したうえで辞退の意思を伝えましょう。電話で直接伝え、後日メールで正式に辞退の連絡をするのがマナーです。
3.内定はいつどのようにもらえるの?
内定をもらえるタイミングについて、中途入社と新卒入社のケースに分けて解説します。
3-1.中途入社の場合
中途入社の内定通知のタイミングは、企業によってさまざまです。早ければ面接当日や翌日に通知されますが、遅い場合は1週間以上かかる可能性もあります。
通知方法についても企業によって異なります。メールや電話を使うケースが多いですが、面接時に直接伝えられる場合や書類が郵送される企業もあるでしょう。
また、転職サイトや転職エージェントを利用している場合は、プラットフォームを通じて通知されるパターンも存在します。
3-2.新卒入社の場合
新卒入社の場合、内々定は6月に出される場合が多いです。正式な内定通知は、卒業・修了年度の10月1日以降におこなわれます。
経団連が示している採用選考に関する指針において「正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降とする。」と定められているためです。
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引用:一般社団法人 日本経済団体連合会「採用選考に関する指針」
https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/015.html
なお、新卒入社の場合は、10月以降に内定式を開催する企業もあります。内定式とは、内定を出した学生に正式な内定通知を渡す式典です。学生が内定承諾書を提出すると、正式な労働契約が成立します。
4.内定の返事はどうすべき?
内定の返事は、遅くとも1週間以内におこないましょう。返事が遅れると採用担当者に迷惑をかけるだけでなく、入社後の印象に影響を与える可能性があります。
やむを得ない事情がある場合には早めに先方に伝え、了承を得たうえで最長でも2週間以内には連絡しましょう。
内定を承諾する際は、まず採用担当者に直接連絡を入れるのが基本です。一般的には電話で内定承諾の意思を伝えるのがマナーとされています。ただし、電話をかけた際に採用担当者が不在の場合は、メールで回答しても問題ありません。
5.内定~入社までの流れ
内定から入社までの主な流れは以下のとおりです。
- 内定の連絡を受け取る
- 内定を承諾する
- 内定通知書や労働条件通知書などが届く
- 内定承諾書を提出する
- 在職中の場合は退職手続きをおこなう
- 入社日を迎える
内定の連絡は、企業から電話やメールで通知されます。通知を受け取ったら早めに内容を確認し、入社する意思を伝えましょう。
内定を承諾したあと、企業から内定通知書や労働条件通知書などが届きます。労働条件や必要な手続きが詳細に記載されているので、内容をしっかり確認してください。不明点があれば早めに採用担当者に問い合わせて解決しましょう。
内定通知書に同封される内定承諾書を記入し、署名・捺印して指定された期限までに返送します。内定承諾書を提出すると入社の意思が正式に伝えられます。
在職中の場合は、退職の手続きを進めてください。上司に退職の意思を伝え、引き継ぎや業務整理を計画的におこないましょう。
すべての準備が整ったら入社日を迎えます。当日は必要な書類や持ち物を確認し、新しい職場でよいスタートを切れるよう準備を整えましょう。
6.内定は取り消しできる?
よほどの理由がない限り、内定通知書発行後の取り消しは避けてください。企業は採用に向けた準備を進めているため、内定を辞退すると企業の採用計画や業務に影響を与える可能性があります。
ただし、やむを得ない事情がある場合は法律上、内定辞退を申し出ることが可能です。
内定は労働契約の一種とされ、契約が締結された時点で入社が決定します。しかし、民法第627条に基づき、入社予定日の2週間前までに辞退を申し出れば労働契約の解除が可能です。
参照:e-GOV法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百二十七条」
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-Pa_3-Ch_2-Se_8
7.まとめ
内定とは企業が採用を正式に公表する前に、求職者との間で採用を内々に決定することです。内々定や採用とは違い法的拘束力が発生する点が特徴で、正式な内定通知や承諾書の提出を経て入社が決まります。
内定を受け取ったら迅速に返事をおこない、通知書や労働条件の入念な確認が必要です。退職手続きや入社準備をスムーズに進め、企業への配慮を忘れないよう心がけましょう。
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