シフト制とは?種類や働くメリット・デメリットを徹底解説
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この記事で分かること
- シフト制とは、一定期間ごとに作られる勤務シフトで労働日や労働時間が確定する働き方
- 固定シフト制、完全シフト制、自由シフト制の3種類があり、それぞれ特徴が異なる
- シフト制には、深夜帯勤務なら手当により収入が上がる、平日に休暇を取れるなどのメリットがある
- 連休を取りにくい場合がある、家族などと予定を合わせにくいなどのデメリットに注意が必要
※この記事は6分で読めます。
「シフト制ってどのような働き方なの?」
「シフト制で働くメリットが知りたい」
など、シフト制の働き方に関して疑問を持っている人もいるでしょう。
シフト制は、勤務日数や時間を自分の予定に合わせられるため、仕事とプライベートを両立しながら働きやすい勤務形態です。
今回は、シフト制の概要や種類、シフト制で働くメリット・デメリットなどを解説します。この記事を読めば、シフト制の働き方が理解でき、自分に合っているのか判断できるようになるでしょう。
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1.シフト制とは?
シフト制とは、一定期間ごとに作成される勤務シフトで具体的な労働日や勤務時間が確定する働き方です。勤務シフトが組まれる期間は、1週間や1ヵ月など、職場によって異なります。
シフト制が採用されている職場の具体例は、以下のとおりです。
- 営業時間が長いスーパーや飲食店
- 土日や祝日に関係なく24時間稼働している工場や病院、介護施設
シフト制を活用することで、各従業員が働く時間帯をずらせるため、稼働時間が長い職場で導入されていることが多いです。
また、正社員やアルバイト、契約社員、派遣社員など幅広い雇用形態で採用されています。
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参照:厚生労働省「いわゆる「シフト制」について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22954.html
1-1.フレックスタイム制との違い
フレックスタイム制とは、労働者が仕事の開始時刻・終了時刻や1日の勤務時間を自由に決めて働ける制度です。自分の予定に合わせて仕事の時間を調整できるため、プライベートと仕事を両立させやすい働き方といえます。
シフト制とフレックスタイム制は、勤務時間の決定権を持つ人が異なります。シフト制は職場が勤務時間を決定しますが、フレックスタイム制では勤務時間を決めるのは労働者です。
また、シフト制とフレックスタイム制は、時間外労働のとらえ方にも違いがあります。
シフト制では、1日8時間・1週間で40時間(法定労働時間)を超える労働が時間外労働となり、割増賃金が支払われます。
一方で、フレックスタイム制では、1ヵ月単位などで決められた働くべき時間の合計(総労働時間)を超えて勤務したぶんが、時間外労働とみなされる点が違いです。
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参照:厚生労働省「シフト制で働くにあたって知っておきたい留意事項」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000870907.pdf
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参照:厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001138969.pdf
2.シフト制は3種類ある
シフト制には以下の3種類があります。
- 固定シフト制
- 完全シフト制
- 自由(希望)シフト制
それぞれ詳しく解説します。
2-1.固定シフト制
固定シフト制とは、勤務する曜日や時間があらかじめ固定されている働き方です。顧客からの問い合わせ時間が決まっているコールセンターや、毎週授業の時間が一定の塾などで導入されています。
例えば、毎週月曜日は午前11時~午後3時、木曜日は午後3時~午後7時まで働くといった勤務形態です。
シフトが決まると、基本的に同じ曜日・時間帯で働くため、予定を立てやすくなります。生活リズムも安定しやすく、趣味や家庭などと仕事を両立したい人も働きやすいでしょう。
また、働きたいのにシフトに入れないことも少ないため、収入も安定しやすくなります。
ただし、固定シフト制は出勤日に休みにくいという特徴があります。前もって予定がわかっている場合は、調整してもらえるよう上司などへの早めの相談が必要です。
2-2.完全シフト制
完全シフト制とは、あらかじめ用意されている複数の勤務パターンからどのシフトに入るか選んで働く勤務形態です。24時間稼働の工場や病院、介護施設などで採用されています。
例として、早番の日には午前7時~午後3時、遅番の日には午後7時~午前3時に働く、などです。早番や遅番を交互に担当することもあります。
完全シフト制は異なる時間帯で働けるため、勤務時間によって別の業務を経験できる可能性があります。
例えば、介護施設で働く場合、日中はレクリエーションの実施や食事など身の回りの世話などが仕事です。夜間は、出勤者が少ない状況での入所者の体調不良といったトラブルへの対応を求められます。
なお、完全シフト制は生活リズムが不規則になりやすく、体調を崩しやすい側面もあります。睡眠時間を十分に確保するよう心がけ、できるだけ身体を休めることが重要です。
2-3.自由(希望)シフト制
自由(希望)シフト制とは、労働者が希望する働きたい日時に応じてシフトが組まれる働き方です。コンビニやドラッグストア、居酒屋などの幅広い職場で採用されています。
例えば、月曜日は午後5時~午後9時まで、金曜日は午前10時~午後2時まで働きたいといった従業員の希望を考慮しながら、勤務先の担当者がシフトを組んでいきます。
自由(希望)シフト制は、生活の状況に合わせて勤務日時の希望を出せるため、学生や育児中の人なども働きやすいでしょう。長期休暇など、働く時間を確保しやすい期間にシフト数を増やすことも可能です。
ただし、他の従業員との兼ね合いで希望よりも少ない出勤日数となったり、人手が足りないときに出勤するよう頼まれたりする場合があります。
3.シフト制で働くメリット
シフト制で働くメリットは、以下の3つです。
- 深夜帯勤務ならそのぶん手当がもらえる
- 自分の予定に合わせて働ける
- 平日に休みが取れる
それぞれ解説します。
3-1.深夜帯勤務ならそのぶん手当がもらえる
シフト制では、勤務時間帯が深夜になる場合があり、深夜手当が支給されます。
労働基準法第37条(※)により、午後10時から午前5時までの深夜帯で勤務すると、深夜手当として賃金が25%以上割り増しとなるため、昼間のみ働く仕事よりも収入が増えやすくなります。
そのため、深夜帯勤務のシフト制は、少しでも多く稼ぎたい人や、貯金を増やしたい人におすすめの働き方です。
なお、夜間に勤務すると支給される手当には夜勤手当もありますが、企業に支払い義務がない点が深夜手当と異なります。夜勤手当も支給される企業で働くと、さらに収入が高くなるでしょう。
-
(※)参照:e-Gov 法令検索「労働基準法|第37条」
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049#Mp-Ch_4-At_37
3-2.自分の予定に合わせて働ける
自由シフト制の場合は特にですが、働く日時を自分で一定程度決められるため、自分のライフスタイルに合わせて働けます。
例えば、子育て中の人であれば、子どもの習い事や学校行事などと重ならないようにシフトを調整できるでしょう。家族の介護をしている人は、介護サービスを利用する日に出勤日を合わせることも可能です。
育児や介護などプライベートの事情があり、長時間決められた時間で勤務が難しい人でも、シフト制なら働きやすいでしょう。
3-3.平日に休みが取れる
シフト制では、勤務する曜日の選び方によっては、平日に休みを取れます。
働いている人が多い平日に休めるメリットの例は、以下のとおりです。
- 観光地やレジャー施設などが空いている
- 市役所や銀行などで用事を済ませやすい
- 美容院や映画館などの予約が取りやすい
- 旅行や飲食店などで平日限定プランを利用できる
なお、土日に働くシフト制の場合でも、希望を出せば土日の休みを取れる可能性があります。あらかじめ予定がわかっているのであれば、早めに休みの希望を職場へ伝えておくと良いでしょう。
4.シフト制で働くデメリット
自由度が高く、仕事とプライベートを両立させやすいシフト制ですが、以下のデメリットもあります。
- 連休を取りづらいこともある
- 必ず希望通りのシフトにはならないこともある
- 家族や友人との時間が取りにくいこともある
それぞれ解説します。
4-1.連休を取りづらいこともある
シフト制で働くと、連休を取りづらいことがあります。職場全体として、平日に仕事をし、土日・祝日に休むという勤務形態になっていないためです。
特に、サービス業のシフト制は、連休を取るのが難しい傾向があります。平日はもちろん、土日や大型連休にも利用客がいるため休みにくく、連休を取ると他の従業員に負担がかかってしまうからです。
職場にはよるものの、まとまった休みを取りたい人は注意する必要があります。
4-2.必ず希望通りのシフトにはならないこともある
シフト制では、必ず希望通りのシフトになるとは限りません。
他の従業員と希望が重なり、出勤したくてもシフトに入れなかったり、繁忙期のため人手が足りず休めなかったりする場合があるためです。
特に自由(希望)シフト制では、希望通りのシフトになるかは勤務シフトが確定するまでわからず、予定が立てにくい可能性があります。
4-3.家族や友人との時間が取りにくいこともある
シフト制で働くと、家族や友人との時間が取りにくくなることもあります。
例えば、家族や友人が土日休みで自分が平日休みのシフト制で働いている場合、休みが合わず一緒に過ごす時間が少なくなりやすいです。学校も基本的には土日や祝日が休みのため、子どもと過ごす時間の確保が難しくなることもあるでしょう。
また、家族が日中に働き自分は深夜に働く場合は、勤務時間帯の違いから家族と過ごす時間が取りにくくなる可能性があります。
自分一人のプライベートを大切にしたい人には問題ありませんが、家族などとの時間を多く確保したい人は、自分に合っているか注意が必要です。
5.シフト制に関するよくあるQ&A
最後に、シフト制に関するよくある質問と回答をまとめておきます。
5-1.シフト制で働ける職場はどのような場所がありますか?
基本的に、1日のうち稼働している時間が長い職場では、シフト制が採用される傾向にあります。シフト制で働ける職場の具体例は、以下のとおりです。
- 飲食店
- コンビニ
- スーパー
- ドラッグストア
- コールセンター
- 工場
- 倉庫
- 病院
- 介護施設
- 配送ドライバー
飲食店やコンビニなどの営業時間が長い職場は、シフト制によって勤務時間をずらし、複数のスタッフが交代で対応します。
また、病院や介護施設などは24時間体制で患者や入所者をケアするため、常にスタッフがいるようにシフト制が導入されています。
5-2.シフト制で働く前に確認すべきことはありますか?
シフト制で働く前に、自分のライフスタイルに合った働き方ができるか確認しておきましょう。自分の生活習慣と勤務時間・日数が合っていない場合、働き続けるのが難しくなる可能性があります。
ライフスタイルに合っているシフト制か判断するために、以下のポイントを確認しましょう。
- 勤務日時はいつか
- シフトの希望は通りやすいか
- シフト変更に柔軟に対応してもらえるか
例えば、子どもがいる場合、学校に通っている間に働けるシフトなら育児と両立しながら働きやすくなります。また、学校行事の日などに休めるよう、希望の通りやすさも確認しておくと良いでしょう。
5-3.シフトはいつ提出するのですか?
シフトの提出日は企業によって異なるため、面接時や働く前に確認しておきましょう。確認する際は提出日だけでなく、以下についても聞いておくと安心です。
- シフトを提出するタイミング
- 勤務希望の伝え方
- 勤務希望を提出する相手
- シフトが確定するタイミング
- 必ず入らなければならないシフトの有無
なお、固定シフト制などで、通常のシフトとは異なる休みが欲しい場合は、早めに上司などへ相談しておくと調整してもらいやすいでしょう。
5-4.シフトが決まっているのに、出勤できない場合はどうしたら良いですか?
できるだけシフト通りに出勤するのが望ましいですが、休むときは代わりに出勤してくれる人を探す必要があります。
他のスタッフに連絡し代わってもらうか、上司に直接連絡して代わりの人を探してもらいましょう。
急に休むと、代わりの人が見つからない場合もあります。緊急時以外は、できれば前々日くらいまでに上司へ休みの連絡を入れておくことがおすすめです。
5-5.シフト制は1日何時間まで働けますか?また、休憩はありますか?
労働基準法第32条により、労働時間は原則1日8時間・1週間で40時間以内と決まっています。(※1)シフト制で働く場合も、上記の条件が適用されます。
労働時間が1日8時間・1週間で40時間以内を超える場合は、36協定(さぶろくきょうてい)の締結が必要です。
36協定とは、時間外労働や休日労働の条件について、労働者と使用者の間で結ぶ協定のことです。(※2)労働基準法第36条が根拠となるため、36協定と呼ばれています。(※3)
また、休憩については、労働基準法第34条により以下のとおりに決められています。(※4)
- 1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上
- 1日の労働時間が8時間を超える場合は1時間以上
シフト制で働く場合も、労働時間が6時間を超えるなら休憩を取らなければなりません。
-
(※1)参照:e-Gov法令検索「労働基準法|第32条」
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049#Mp-Ch_4-At_32
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(※2)参照:厚生労働省「労働時間・休日」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/index.html
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(※3)参照:e-Gov法令検索「労働基準法|第36条」
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049#Mp-Ch_4-At_36
-
(※4)参照:e-Gov法令検索「労働基準法|第34条」
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049#Mp-Ch_4-At_34
5-6.シフト制でも有給休暇はもらえますか?
労働基準法第39条により、シフト制でも、以下の条件を満たせば有給休暇をもらえます。(※1)
- 入社後、6ヵ月間継続して勤務している
- シフトで決められた労働日の8割以上出勤している
また、有休の付与日数は労働日数などにより変わります。(※2)
例えば、週の勤務日が4日以下で、かつ労働時間が1週間で30時間未満の場合、有給休暇の付与日数は以下のとおりです。なお、いずれも入社後に6ヵ月間働いた時点の付与日数です。
1週間の勤務日数 | 1年間の勤務日数(※) | 有給休暇の付与日数 |
---|---|---|
4日 | 169~216日 | 7日 |
3日 | 121~168日 | 5日 |
2日 | 73~120日 | 3日 |
1日 | 48~72日 | 1日 |
(※)週ではなく月や年などで勤務日数が決められている場合
表からもわかるように、1週間の勤務日数が1日のシフト制であっても、6ヵ月間継続して働いている人は有給休暇をもらえます。
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(※1)参照:e-Gov法令検索「労働基準法|第39条」
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049#Mp-Ch_4-At_39
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(※2)参照:厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf
6.まとめ
シフト制とは、一定期間ごとに作成される勤務シフトで具体的な勤務日時が確定する働き方です。シフト制には固定シフト制・完全シフト制・自由(希望)シフト制の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。
シフト制で働くメリットは、深夜手当がもらえたり、自分の予定に合わせて働けたりする点です。一方で、連休が取りにくいといったデメリットもあるため、事前にシフト制が自分のライフスタイルに合う働き方か確認しておくことが重要です。
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