派遣として働くメリット・デメリットとは?正社員との違いや向いている人と向いていない人の特徴を解説
- # 派遣・契約社員
※この記事は6分30秒で読めます。
「派遣社員に向いている人ってどのような人?」
「派遣社員として働くメリットが知りたい」
など、派遣社員として働くことに興味や疑問を持っている方もいるでしょう。
派遣社員は多種多様な求人があり、希望の仕事を選択できる自由度の高い働き方といえます。
今回は、派遣社員のメリット・デメリットや、向いている方・向いていない方の特徴などを解説します。この記事を読めば、派遣社員としての働き方のイメージが膨らみ、自分にあった仕事選びにつなげられます。
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1.派遣社員と正社員の違いを知っておこう
派遣社員と正社員には以下のような違いがあります。
派遣社員 | 正社員 | |
---|---|---|
雇用主 | 派遣会社 | 勤務先企業 |
就業日数・時間 | 自由に選択可能 | フルタイム(週5日・1日8時間以内) |
雇用期間 | 有期雇用 | 無期雇用 |
福利厚生 | 派遣会社の福利厚生 | 勤務先企業の福利厚生 |
仕事内容 | 契約で定めた業務 | 会社の指示に従う |
派遣社員と正社員を比較してみると、派遣社員のほうが自由度が高い、仕事が選べるなどのメリットがあります。一方、雇用期間の定めがなく長く同じ環境で働けることや福利厚生が充実していることなどは、正社員ならではのメリットといえます。
派遣社員と正社員それぞれにメリットがあるため、違いを理解したうえで、自分にとって働きやすい雇用形態を選択しましょう。
派遣社員と正社員の違いについては以下の記事でも解説しています。ぜひご覧ください。
2.派遣社員として働くメリット7つ
派遣社員として働くメリットについて詳しく見ていきましょう。
2-1.自由度が高く希望の条件を自分で選べる
派遣社員の代表的なメリットは、ライフスタイルに合わせた自由な働き方が実現できることです。
正社員の場合、勤務地や勤務時間などの労働条件に関して会社の状況に応じて指示に従う義務があり、自分の意思でコントロールできません。
しかし派遣社員なら、仕事内容はもちろん、勤務地や勤務時間などは求人の段階で明確に提示されており、希望条件に合った仕事を選んで応募することが可能です。
そのため、結婚や出産、介護などといったライフイベントに応じて、希望する働き方を選べます。
また、基本的には突発的な残業もないため、業務終了後のプライベートの時間も確保しやすくなります。家庭と仕事を両立したい方や、趣味や勉強時間を確保したい方などは、派遣社員の自由度の高さが大きなメリットに感じられるでしょう。
2-2.幅広い分野の仕事・職場から就業先を選べる
派遣社員の求人は多種多様です。各派遣会社は、幅広い業種や職種の求人を保有しているため、仕事選びの選択肢が広がります。
仕事内容に関しても、経験やスキルがなくても働ける補助的な業務から、専門知識や資格が求められる業務までさまざまです。
「今できる仕事を着実にこなしていきたい」「少し上のレベルを見据えてスキルアップに挑戦していきたい」など、仕事に対する価値観を基準にして就業先を選べるのも派遣社員の魅力です。
2-3.パート・アルバイトよりも時給が高い
派遣社員の給与は基本的に、1時間に対して定められた賃金を労働時間に応じて支給する時給制で計算されます。同じ非正規雇用のアルバイトやパートと比べて時給が高いのがメリットの一つです。
厚生労働省によると、派遣労働者の賃金は以下のように推移しています。
年度 | 時間給 |
---|---|
平成30年度 | 1,861円 |
令和元年度 | 1,904円 |
令和2年度 | 1,949円 |
-
参照: 厚生労働省|労働者派遣事業報告(年度報告)
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000920806.pdf
派遣労働者の賃金は、年々上昇している傾向にあります。労働時間が長くなればなるほど賃金のギャップを実感することになるため、「働くからにはしっかり稼ぎたい」という方には、アルバイトやパートよりも派遣社員が適しているといえるでしょう。
2-4.正社員と比べて残業が発生しにくい
派遣社員は、仕事内容や勤務地、勤務時間など労働条件がすべて厳密に定められているため、正社員と比較して残業が発生しにくい点もメリットです。残業を頼まれても契約内容に含まれていなければ、必ずしも応じる必要性はありません。
ただ性格上頼まれたことを断るのがしんどい方は、就業先が決まる前の段階で、派遣会社の担当者に「残業対応はできない」「残業がない派遣先が良い」など、自分の希望をしっかりと伝えておくと良いでしょう。
2-5.派遣元の担当者のサポートを受けられる
派遣社員が実際に働く場所は派遣先企業です。しかし、あくまで派遣会社のスタッフとして就業するため、労働環境、契約更新の交渉、事務手続きなどのサポートは、派遣元の担当者が進めてくれます。
派遣社員は有期雇用のため、雇用期間が満了になると次の職場を探さなくてはなりませんが、派遣元の担当者からのサポートが得られることで、転職活動の負担が少なく、働きながら次の派遣先企業を探すことも可能です。
派遣元の担当者は、仕事探しから就業中の相談まで一貫して対応してくれる心強い存在となります。
2-6.未経験からでも就業できる仕事が多い
一般的な正社員採用では、即戦力となるスキルや経験を持ち合わせた人材を求める傾向が強く、未経験者への入口は決して広くは開かれていません。
しかし、派遣社員の場合は未経験者でも就業可能な仕事が多く、正社員だとハードルが高い大手企業やメーカーであっても、派遣社員としてチャレンジできる可能性があります。
さまざまな仕事にチャレンジしたい方や、キャリアアップの足がかりにしたい方にとっては、魅力的な働き方でしょう。
2-7.人間関係の煩わしさやしがらみが少ない
正社員と比べて人間関係の煩わしさやしがらみが少ない点も、派遣社員で働くことのメリットです。
派遣社員は、あらかじめ派遣先企業で働く期間が決まっています。派遣先企業に考え方や性格が合わない方がいたとしても、その職場で働く期間だけの関係と割り切ってしまうことで、気持ちが楽になります。
また、正社員と違い、昇進や評価などを気にして人間関係を我慢したり、過度に気を遣ったりするストレスを抱える必要もありません。
3.派遣社員として働くデメリット
多くのメリットがある派遣社員の働き方ですが、その反面デメリットもあります。働いてから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、デメリットも理解しておきましょう。
3-1.交通費や賞与が支給されないことが多い
派遣社員は、基本的に労働条件や福利厚生に関して正社員より待遇が劣り、交通費や賞与の支給がおこなわれないケースもあります。
交通費に関しては、上限金額の範囲内であれば支給可能という条件も多く見受けられますが、賞与に関しては支給がないと思っておいたほうが無難です。
時給で見れば高単価で賞与も含まれていると考えられますが、年収ベースで見ると福利厚生が充実している正社員との収入格差が生じてしまいます。
ただし、正社員型派遣に関しては交通費や賞与が支給されることもあります。派遣会社や仕事によっても条件が異なる可能性があるので、派遣登録時にあらかじめ確認しておきましょう。
3-2.長く働き続けられず雇用が不安定になる
派遣社員は、有期かつ短期の雇用契約が基本となるため、同じ環境で長く働き続けられず雇用が不安定です。
法律上、派遣社員は同一企業での就業が最長3年間と定められており、短い場合は数週間~数ヵ月で契約終了という仕事もあります。仕事を覚え、やっと楽しさを見出せてきたタイミングで派遣期間満了を迎えると、報われないと感じてしまうかもしれません。
また、正社員に比べて未経験で就業できる仕事は多いものの、年齢が上がるにつれ、職種によっては採用の難易度が上がったり、なかなか次の仕事が見つからなかったりする可能性もあります。
同じ職場、同じ労働環境で長く働き続けたい方は、正社員や契約社員として企業に直接雇用してもらうことを目指すほうが良いでしょう。
3-3.時給で働くため収入が安定しない
派遣社員の給与は、正社員のように月給制ではなく、基本的に時給制です。
そのため、祝日がある月やお盆、年末年始などの大型連休を含む月は出勤日が少なく、収入が大幅にダウンしてしまったり、残業の有無によって収入が変動したりと、収入が安定しません。
毎月の支払いなどで苦労しないためにも、計画性のある働き方やお金の使い方を考えましょう。
3-4.スキルや資格によって給与が異なる
派遣社員は仕事の選択肢が広いメリットがありますが、職種によって時給が異なることはもちろん、その方が持っているスキルや資格などによって、同じ職種であっても時給が変わる場合があります。
ただし、本人の努力や行動次第で昇給を目指すことは可能です。資格を取得したり、新たなスキルを身につけたりすれば、派遣先企業や派遣会社の評価が上がり、昇給の交渉につなげられます。
3-5.就業先によってはスキルアップが難しい
派遣社員の仕事は、裁量を持って単独で立ち回るというよりも、派遣先企業の正社員の人に付き、補助的な役割を担うケースが多くなります。
そのため、やりがいや責任が大きい仕事を任せてもらえる機会はあまりなく、専門性の高いスキルや経験を積むことは難しいでしょう。
派遣社員の仕事を通してスキルアップしたい方は、派遣会社の担当者にその旨を希望し、相談のうえ企業選びをおこないましょう。
4.派遣社員に向いている人の特徴
さまざまなメリット・デメリットのある派遣社員ですが、どのような方に向いている働き方なのでしょうか?ここでは、派遣社員に向いている方の特徴を5つご紹介します。
4-1.プライベートを楽しみたい
仕事に縛られすぎず、プライベートを楽しみたい方は、派遣社員に向いています。
派遣社員は、勤務時間や休日などが自分の理想に合った派遣先企業を選んだうえで応募でき、業務内容も契約で明確化されているため、突発的な対応を求められたり、膨大な仕事を抱えたりすることはほとんどありません。
人間関係のしがらみも少ないため、ストレスを最小限に抑えられるでしょう。
仕事は仕事、プライベートはプライベートと、物理的にも精神的にも切り分けやすいため、プライベートを充実させたい方にぴったりの働き方です。
4-2.家事や育児、介護などと仕事を両立したい
家事や育児、介護などとの両立を希望する方にも、派遣社員としての働き方は向いています。
正社員の場合、残業が発生しやすく、決まった時間に帰れない場合もあります。そうすると、子どものお迎えに間に合わないなどの問題が発生し、仕事が続けられない状況に陥ってしまうこともあるでしょう。
しかし派遣社員は、希望する就業日数や時間、勤務地などを事前に条件として提示したうえで派遣先企業を探すため、家庭とのバランスがとりやすい環境で働けます。
また、家庭の事情で勤務変更を希望する場合など、なかなか派遣先企業に相談しにくい場合でも、派遣元の担当者からサポートしてもらえるため、安心して働けるでしょう。
4-3.働ける期間が決まっている
家庭の事情や出産・育児、介護など、やむを得ない事情で働ける期間が限定的な方にも派遣社員としての働き方は向いています。
派遣社員の就業期間は明確に定められています。「◯年◯月まで働きたい」といった希望の就業期間と派遣契約期間が一致する仕事を選べば、派遣会社との雇用契約満了と同時にスムーズに仕事を辞めることができます。
4-4.さまざまな仕事を経験してみたい
派遣社員は、契約期間が終われば新しい仕事に就くことが可能です。そのため、さまざまな仕事を経験したい方に向いています。
派遣社員のデメリットとして、短期の契約が前提で雇用が安定しない点を挙げましたが、見方を変えれば、業種や職種の垣根を越えて多種多様な仕事をするチャンスに恵まれるメリットでもあります。正社員でも部署異動はありますが、あくまでも自社事業の範囲内の仕事しか経験できません。
まだ将来のビジョンが明確化しておらず、さまざまな経験をしたうえでキャリアの方向性を固めたい方は、まず派遣社員として働いてみるのも良い方法でしょう。
4-5.人脈を広げたい
定期的に仕事内容や職場環境に変化が生じるのは、派遣社員の大きな特徴の一つです。
職場が変化するということは、さまざまな仕事に携わるのはもちろん、多くの人に出会うことにもなります。派遣先企業の社員や取引相手などとの新たな出会いも多いため、人脈を広げたい方に向いている働き方といえます。
5.派遣社員に向いていない人の特徴
仕事に求める条件によっては、派遣社員の働き方が向いていない方もいます。派遣社員に向いていない方の特徴を3つお伝えします。
5-1.同じ仕事を長く続けたい
同じ仕事を5年、10年と長く続けたいと希望している方には、派遣社員は向いていません。派遣社員は短期の就業が前提であり、契約期間は最長でも3年間です。契約期間が終われば新しい仕事を探す必要があります。
同じ会社に長く勤めてキャリアを重ねたい方は、無期雇用である正社員の仕事を目指しましょう。
5-2.キャリアアップを目指したい
特定分野の知識やスキルを深め、キャリアアップを目指したい方には、派遣社員は少々物足りないかもしれません。
仕事の選択肢が幅広い点は派遣社員の魅力の一つではありますが、派遣先企業や仕事によっては、ルーティン作業を淡々とこなすことを求められることも多くあります。その場合、日々の業務ではスキルアップの機会に恵まれにくく、キャリアアップも難しいでしょう。
高い向上心を持ち、達成したい目標がある方は、派遣社員ではなく責任や裁量のある仕事を経験できる正社員を目指すことをおすすめします。
5-3.今より収入をアップさせたい
現状から収入アップを目指したい方は、派遣社員の働き方は向いていません。
派遣社員は時給が高いため、一見「収入アップが見込めるのではないか」と期待するかもしれませんが、賞与や各種手当など、福利厚生は正社員ほど充実していないのが現実です。そのため、年収ベースで見ると、さほど収入アップにつながらないケースもあります。
収入を重視して仕事選びをする場合は、時給に惑わされず、1年単位での収入を試算したうえで働き方を検討するようにしましょう。
派遣社員として働きながら収入アップを目指したい方は、副業をするのも一つの方法です。ただし、会社によっては副業が禁止されている場合もあるため、就業規則をきちんと確認したうえで仕事探しをしましょう。
6.まとめ
派遣社員は自由度が高く、自分の希望にあった仕事選びができたり、派遣会社のサポートが得られたりと、さまざまなメリットがあります。同じ非正規雇用であるアルバイトやパートと比べて時給が高いこともメリットの一つです。
就業時間や休日など、自分の希望に合った派遣先企業を選ぶことで、家事や育児などとの両立をかなえやすく、未経験で応募可能な仕事も多くあるため、さまざまな仕事にチャレンジできる魅力的な働き方といえるでしょう。
一方で、正社員と比べると福利厚生や収入面などのデメリットもあります。まずは自分が置かれている状況や仕事に求める条件を整理し、自分にあった働き方を選びましょう。
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