自動車製造業の仕事内容とは?年収の目安と工場で働く魅力を紹介

※この記事は6分30秒で読めます。
「自動車製造業っていったいどんな仕事?」
「年収はどのくらいか知りたい」
など、自動車製造業に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
自動車製造業は文字通り車を製造する仕事で、車好きな男性からの人気が高く、福利厚生が充実している、業界の将来性があるなどの特徴があります。
今回は、自動車製造業の概要や仕事内容、自動車製造業に向いている人の特徴などを解説します。この記事を読めば、自動車製造業のことがよくわかり、自分に向いている仕事なのかを判断することができます。
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1.自動車製造業の工場にある仕事内容
自動車の製造は、小さな部品から車まですべてを一つの工場で製造しているわけではなく、工程を細分化して未経験でも製造できるような仕組みになっています。そのため、自動車工場の作業内容は組立や加工、検査など、車にまつわるたくさんの仕事があるのです。
実際の作業は、1人で黙々と作業をすることが多いのですが、全体を見るとライン作業といえるので、チームで作業することもあります。
主に男性が働いているイメージの強い自動車製造業ですが、女性の従業員もたくさん活躍しています。
たしかに重いものを持ち運んだり、体力を必要とする仕事は男性がメインとなってしまいますが、細かな作業であれば女性でも簡単に作業をすることができるため、未経験でも安心して働くことができます。
ただし、基本的には立ちっぱなしの作業となってしまいますので、最低限の体力は必要です。
自動車工場の作業内容について簡単に紹介します。
1-1.【プレス】車体のフレームなどのパーツを作る
最初の工程であるプレスでは、金型に鋼板をセットしてプレス機で目的の形状に作っていきます。 プレスで作られるものは、自動車のボディや骨組みといった自動車の骨格部分です。
プレス機は使い方を誤ると非常に危険な機械ですので、しっかりとした安全管理が必要となってきます。
プレス機で型取りができたら仕上げの工程に移り、研磨してきれいに磨きあげていきます。一般的に磨きあげることがプレス工程の最終仕上げとなりますが、メッキ加工までをおこなう工場もあるようです。
1-2.【溶接】金属パーツを組み合わせる
次の工程では、プレス成形した金属を溶接でくっつけていきます。
溶接と聞くと熟練の職人さんがするイメージがありますが、自動車製造業での溶接は機械ですることがほとんどで、作業員は機械のオペレーターをすることが主な仕事内容になります。
とはいえ、まれに手作業で溶接する工場もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
また、溶接工程のなかには溶接した箇所の検査も含まれています。自動車で溶接する箇所は2,000箇所以上ありますので、確認作業の項目が非常に多く、コツコツと作業ができる人向けの工程ともいえるでしょう。
1-3.【塗装】フレームに塗料を塗る
塗装工程では、自動車の本体部分を塗装していきます。塗料を入れた大きなプールに、ロボットアームを使って自動車を沈めて一気に塗装します。そうすることでムラなくきれいに仕上げることができますが、どうしても塗りきれていない部分が出てきますので、その部分を手作業で仕上げていきます。
車体の塗装が終わったら検査をし、色ムラの確認をしていきます。万が一、色ムラを発見した場合には、その部分を研磨してムラなく仕上げていきます。
細かい部分まで確認する必要があるため、細部まで気を使うことができる人に向いた作業になっています。
1-4.【エンジン製造】車の心臓部を作る
エンジン製造では自動車の心臓部分にあたるエンジンをロボットによって製造・組み立てしていきます。作業員の仕事は機械のオペレーターが中心です。
ただし、できあがったエンジンの検査は目視でおこないます。少しでもエンジンに不具合があれば、人命に関わる大事故になりかねません。そのため、エンジンの検査は非常に重要な工程になっています。
エンジンの性能検査もこの工程でおこなわれ、試運転をクリアしたものだけが商品として出荷されます。
1-5.【組み立て】ライン生産
組み立ての工程では、ここまでの工程で製造した部品を組み立てていきます。
大きな部品やガラスの貼り付けなどは機械により組み立てられますが、細かな部分はベルトコンベアで流れてくる部品を人の手で組み立てていく作業になります。
そのため、作業中はずっと立ちっぱなしとなり、きつい部分はあるかもしれませんが、一人ひとりに割り当てられた部分だけを組み立てていきますので、特殊な技術がなくても作業することができます。
一人ですべてを組み立てていくのではなく、グループで連携しながら組み立てていきます。
この組み立て作業では、実際に自動車が完成するところを体験することができるので、最も達成感のある工程になっていて、物作りが好きな人に向いている工程になっています。
1-6.【検査】安全性や性能をチェックする
最後の工程として検査がおこなわれます。検査は自動車本体だけでなく、タイヤやカメラの検査、走行検査・安全性の検査、またエンジン音やハンドリングなど100項目以上の細部の検査をしていき、商品として販売できるかの最終チェックをしていきます。
検査は人命に関わる大切な工程なので、責任感が強く細かい点まで気にかけることができる人に向いた仕事となっています。
車好きな人におすすめの仕事についてもっと知りたい場合はこちらもご覧ください。
2.自動車製造業の仕事の年収の目安
自動車製造業では大きく分けて正社員・契約社員・派遣社員の3つの働き方が選べ、働き方によって年収も目安も異なってきます。
まず正社員ですが、正社員であれば平均年収で450万円前後稼ぐことができ、大手の自動車メーカーであればボーナスを含めて700万円を超える人も少なくありません。
初心者の場合、まずは仕事を覚える必要がありますが、その後一人で仕事を任されるようになると、現場の責任者やスタッフの管理を任されるようになり、徐々に役職が上がることで、収入も増えていきます。
契約社員の場合であれば、年収が400万円前後ではありますが、寮や食堂を利用することができるので、無駄な出費もなく貯金しやすい環境となっています。
派遣社員の場合、自動車製造業は人気もあり多くの求人が募集されていますが、その多くが時給1,500円前後になっています。契約社員同様に寮や食堂を利用することができますので、年収400万円前後だとしても、十分に貯金できるでしょう。
ただし、ここで紹介したのは平均年収ですので、勤務先の工場によって年収は前後するので会社ごとに確認が必要です。
3.自動車製造業の仕事に活かせる資格
自動車製造業に就くために、必ずしも必要な資格というわけではありませんが、自動車製造業で働くためにあると有利な資格があります。
自動車製造業に勤務するうえで、持っておくと活かせる4つの資格をご紹介いたします。
3-1.プレス金型取替作業者
動力プレスの金型やシャーの刃などの取付け・取外し、調整業務をおこなうための国家資格です。
特別教育を受講すれば簡単に取得できる資格で、経験を積むことでプレス機械作業主任者を目指すことができます。
3-2.技術士(機械部門)
技術士は科学技術系国家資格のなかで最高峰の資格です。専門的な応用能力を有すると認められる必要があります。設計などに関わることができます。
技術士の資格を有していると年収に反映されますが、非常に難しい資格です。
3-3.有機溶剤作業主任者
有機溶剤作業主任者は、2日間の講習を受け試験に合格することで取得できる資格です。塗装工程に必要な知識が身につきます。
危険物取扱者や塗装技能士と合わせて取得しておくと、さらに有利な資格です。
3-4.危険物取扱者
危険物取扱者は、有機溶剤やガソリンなど、消防法で火災の危険性のあるものとして指定された危険物を取り扱うための資格です。
乙種第4類の資格を持っていると自動車製造業で重宝されるでしょう。
4.自動車製造業の工場は未経験から働ける?
自動車製造業未経験の人には工場の製造ラインがおすすめです。製造ラインではすべての作業がマニュアル化されているため、いきなり難しい作業をしなくてはいけない…なんて心配もいりません。
マニュアルや先輩の指示通りに作業をしていくだけで仕事を覚えられるので、未経験者の方でも安心して働けます。
同じ仕事を繰り返す作業になるので、飽き性の人には向いていないかもしれません。また、体力的に厳しく感じることもあるかもしれませんが、残業や夜勤で収入が増えるので、収入を重視する人に向いています。
工場の近くに寮を完備している求人もあり、なかには寮費を全額会社が負担してくれることもありますので、浮いた家賃分を貯金や遊ぶことに回すことも可能です。そのうえ入社時に入社祝い金を貰えることもあるため、アルバイトよりも多くの収入が得られるメリットがあります。
未経験からの就職や転職が不安な場合は、まずはお気軽にご相談ください。JOBPALでは、転職の相談を随時おこなっています。
5.自動車製造業の仕事の魅力
車好きの人にとっては願ってもない職場ですが、そうではない人にとっても自動車製造業の仕事は魅力がある仕事です。その魅力を3つご紹介します。
5-1.仕事がマニュアル化されている
組み立てや塗装、機械オペレーターなど、自動車製造工場の仕事はほとんどの業務がマニュアル化されています。そのため、未経験者でも仕事がしやすい環境が整っているといえるでしょう。
資格がなく経験もない場合、最初は単純作業を担当することになる可能性が高いですが、しっかりマニュアル通りに、丁寧に仕事を続ければ、いずれキャリアアップや待遇の向上が期待できます。
5-2.福利厚生が充実している
自動車製造工場に限らず、一般的に製造業の仕事は福利厚生が充実している傾向にあります。
寮や社員食堂が完備されていたり、入社祝い金や赴任旅費支給といった制度が充実したりしているため、制度を利用して真面目に働けば短期間で大きく貯金を増やすこともできるでしょう。
5-3.業界の需要が安定している
自動車の需要は常に一定数あるため、ある日突然仕事が減ったり、将来的に働けなくなったりする可能性が低い業界です。
期間工や派遣社員の契約期間が終了してしまったあとも、比較的すぐに次の自動車製造業の仕事が見つかります。派遣社員だけでなく正社員として採用されるのを目標にすることもできます。
6.自動車製造業の仕事はきついの?
工場勤務のなかでも、「自動車製造業は特にきつい」という噂を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
たしかに自動車製造業は立ちっぱなしの作業が多く、夜勤などもあるので、体力がなければきついと感じるかもしれません。また、積極的にコミュニケーションをとりながらおこなう作業でもないので、和気あいあいと作業をしたい人にとっては精神的にもきついと感じるでしょう。
しかし、自動車製造業は慣れてくれば体力も付くため、きついと感じることも少なくなります。また、コミュニケーションをとることが苦手な人からすれば、働きやすい環境ともいえるでしょう。
工場によっても働き方も変わってきます。もし合わないと感じた場合は、別の工場に勤務するなどの選択肢も検討してみると良いでしょう。
7.自動車製造業の仕事に向いている人
最後に、自動車製造業の仕事に向いているタイプの人について解説します。自分があてはまる項目があるか考えながら読んでみてください。
7-1.自動車が好きな人
自動車が好きな人にとっては、好きなものを一から作り上げる仕事ですので、やりがいを持って楽しく働けます。実際に、自動車が好きだからといった理由で自動車製造業の仕事に就いている人も数多くいます。
自分が製造に携わった自動車がさまざまな工程を経て完成していくのを見るのは非常にやりがいのあるもので、車への愛情がさらに深まります。
7-2.体力に自信がある人
自動車製造業の仕事は基本的に一日中立ちっぱなしで仕事をします。足腰に負担がかかる場面もあるので、ある程度の体力は必要と考えておいたほうが良いでしょう。
また、重い部品や工具を持ち上げたり運んだりすることもあるので、パワーも必要です。体を鍛えている人や力持ちといわれることが多い人にはうってつけの仕事といえます。
7-3.丁寧に仕事ができる人
工場の仕事内容自体はマニュアル化されているので、作業をしているうちにすぐに慣れることができますが、集中力を持って丁寧に仕事をしていく必要があります。
担当する仕事によっては毎日同じことをコツコツと繰り返すだけの単純作業になりますが、たとえ単調に思えても、手を抜いたり些細なミスが起きたりすると、後々の工程に響いたり、クレームやリコールの対象となってしまったりします。
単純作業でも気を抜かず、責任感を持って仕事ができる人が求められます。
8.まとめ
今回は自動車製造業の仕事内容や年収について解説しました。
自動車製造業に対しては、きついというイメージを持っている人もいますが、工程が細分化されているので、自分に合った職種を選択しやすくなっています。
また、年収も工場勤務のなかでも比較的高めになっていますので、やりがいと収入の両方を得ることができるおすすめの仕事となっています。
もし自分に向いていると感じるのであれば、ぜひ自動車製造業での仕事を検討されてみてはいかがでしょうか。
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