工場への就職
更新日:2024年11月01日

クレーンの資格を取得するには?条件やおすすめの人、試験科目や難易度、学習のコツを解説

クレーンの資格を取得するには?条件やおすすめの人、試験科目や難易度、学習のコツを解説

この記事で分かること

  • クレーンの資格を取得するには、免許・技能講習・特別教育が必要
  • 免許ごとにできることや試験科目、学習のコツが異なるため、それぞれの特徴を把握することが重要
  • クレーンの資格と一緒に取得できるとよいものとして、玉掛け特別教育と玉掛け技能講習がある

※この記事は6分30秒で読めます。

「クレーンの仕事に必要な資格にはどのようなものがある?」
「クレーンの免許の取得方法を知りたい」
など、クレーンの資格に関して疑問や悩みを抱える人もいるでしょう。

クレーンの仕事をするためには、免許や技能講習、特別教育が必要です。免許にはいくつか種類があるため、それぞれの特徴を理解して、自分に合った選択をする必要があります。

今回は、クレーンの資格を取得するために必要な免許・技能講習・特別教育、クレーンの資格と一緒に取得できるとよい資格などを解説します。この記事を読めば、クレーンの資格がよくわかり、取得に向けた一歩を踏み出せるでしょう。

1.クレーンの資格を取得するには免許・技能講習・特別教育が必要

ここでは、クレーンの資格を取得するうえで必要な免許・技能講習・特別教育の概要についてそれぞれ解説します。

1-1.免許とは?

クレーンの免許とは、名称のとおり、クレーンを操作するために必要な国家資格です。クレーンの操作は重量物を扱い、危険をともなう場合が多いため、特別な知識やスキルが求められます。

クレーンの免許の種類は、以下のとおりです。

  • クレーン・デリック運転士免許(限定なし)
  • クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)
  • クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)
  • 移動式クレーン運転士免許

免許によって、それぞれ操作できるクレーンの種類が異なります。各クレーンや試験の特徴をしっかりと理解して、自分に合った資格の取得を目指すことが重要です。

それぞれの免許の詳細は、後述する内容を参考にしてください。

1-2.技能講習とは?

技能講習とは、特定のクレーンを操作するために必要な技能を学ぶ講習です。種類としては、小型移動式クレーン運転技能講習や床上操作式クレーン運転技能講習が挙げられます。

小型移動式クレーン運転技能講習は、つり上げ荷重が1トン以上5トン未満の小型移動式クレーンの操作に必要な講習です。

一方、床上操作式クレーン運転技能講習は、つり上げ荷重が5トン以上の床上操作式クレーンの操作に必要な講習です。床上操作式クレーンとは、床上で運転して、操作する人も荷物と一緒に移動する方式のクレーンを指します。

いずれも講習を通じてクレーンの基本操作や点検方法を学ぶことで、クレーンを安全に操作し、事故を防げるようになります。講習を受けたあとに修了試験を受けて、合格後に修了証が交付されるのが特徴です。

技能講習は、全国の一般社団法人や教習所などで実施されており、「お住まいの地域名+クレーン+技能講習」などで検索すると、実施の案内が見つかります。

1-3.特別教育とは?

特別教育とは、危険で有害な業務に取り組む際に必要な教育であり、クレーンの場合は「クレーンの運転の業務に係る特別教育」があります。

クレーンの特別教育を受けると、つり上げ荷重が5トン未満のクレーンを操作できるようになります。免許や技能講習とは異なり、決められたカリキュラムの講習を受ければ、試験などがなく資格を取得可能です。

特別教育についても、技能講習と同様に全国の一般社団法人や教習所において実施されているため、お住まいの地域で受けられます。

2.クレーン・デリック運転士免許(限定なし)

ここでは、クレーンおよびデリックの両方を操作できるクレーン・デリック運転士免許(限定なし)について解説します。

なお、デリックとは、クレーンと同様に重い荷物を運ぶための機械で、クレーンは水平方向の運搬、デリックは垂直方向のつり上げに適しているなどの違いがあります。

2-1.免許取得でできること

クレーン・デリック運転士免許(限定なし)を取得すると、つり上げ荷重が5トン以上のすべてのクレーンとデリックを操作でき、さまざまな場所での作業が可能になります。

クレーンの種類は、建物の天井近くにあるレールを移動する天井クレーンや、移動とクレーンの操作を同じ運転室でできるホイールクレーンなど、多岐にわたります。

クレーンの種類に関わらず、建設現場での資材運搬や港でのコンテナの積み下ろしなど、広範な仕事で活躍できるのが大きなメリットです。

なお、すべての固定式クレーンを操作できるものの、後述する移動式クレーンの操作は特別な資格が必要になる点は押さえておきましょう。

2-2.取得がおすすめの人

クレーン・デリック運転士免許(限定なし)を取得すると、多くの種類のクレーンとデリックを操作できるため、建設現場や工場、港湾など幅広い場所で活躍できるようになりたい人におすすめです。

インフラ整備は人々の生活に欠かせない仕事の一つであり、今後も仕事の需要がなくなることはないでしょう。建設・土木業界で手に職を付けて収入アップを目指したい人にとって、免許の取得は大きな強みといえます。

2-3.資格取得のための条件

クレーン・デリック運転士免許(限定なし)の試験は、18歳以上であれば、学歴や職歴に関係なく受験できます。

なお、受験の際には、本人確認のための証明書を添付する必要があります。

2-4.試験科目と難易度

クレーン・デリック運転士免許(限定なし)を取得するためには、学科試験と実技試験の両方に合格しなければなりません。試験科目については、以下を参考にしてください。

種類 試験科目 出題数(配点)
学科 クレーン及びデリックに関する知識 10問(30点)
関係法令 10問(20点)
原動機及び電気に関する知識 10問(30点)
クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 10問(20点)
実技 クレーンの運転
クレーンの運転のための合図

クレーン・デリック運転士免許の令和5年度の合格率は、学科試験が58.7%、実技試験が45.8%です。なお、この合格率は、「限定なし」・「クレーン限定」・「床上運転式クレーン限定」の区分の記載なしで公表されています。

それぞれ半数程度は合格することを踏まえると、しっかりと学習をすれば合格の可能性は十分にある難易度といえるでしょう。

2-5.学習のコツ

クレーン・デリック運転士免許(限定なし)の試験範囲は、クレーン・デリックの知識から関連法令、電気に関する知識まで多岐にわたります。最短で合格するためには、ポイントを押さえた無駄のない学習が必要です。

特に、過去問と同じ傾向の問題が出題されることが多くあります。そのため、過去問を何度も解き直して、確実に得点できるようにすることが重要です。

3.クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)

ここでは、すべてのクレーンを操作できるクレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)について解説します。

3-1.免許取得でできること

クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)を取得すると、デリックは操作できないものの、つり上げ荷重が5トン以上のすべてのクレーンを操作できるようになります。

工場や建設現場、土木作業現場など、幅広い場所での活躍が可能で、就職や転職に活かせます。

なお、デリックだけ操作できる免許はないため、もしデリックを操作したいなら、前述したクレーン・デリック運転士免許(限定なし)が必要です。

また、すべての固定式クレーンは操作可能ですが、移動式クレーンの操作には特別な資格が求められます。

3-2.取得がおすすめの人

クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)を取得すると、デリック以外のすべてのクレーンを操作できるため、多様な現場で活躍できます。そのため、建設業や製造業への就職や転職を考えている人におすすめです。

特に、クレーンのみを操作する業務に関心が高く、デリックを運転する見込みのない場合に、クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)を取得する人がいるようです。

3-3.資格取得のための条件

クレーン限定のクレーン・デリック運転士免許は、限定なしの免許と同様、18歳以上の条件を満たしていれば、学歴・職歴を問わず受験できます。

なお受験時には、本人確認のための証明書の添付が必要となることも覚えておきましょう。

3-4.試験科目と難易度

クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)の試験も、限定なしの場合と同様に学科試験と実技試験に分かれています。

種類 試験科目 出題数(配点)
学科 クレーン及びデリックに関する知識 10問(30点)
関係法令 10問(20点)
原動機及び電気に関する知識 10問(30点)
クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 10問(20点)
実技 クレーンの運転
クレーンの運転のための合図

前述のとおり、クレーン・デリック運転士免許の令和5年度の合格率は、学科試験が58.7%、実技試験が45.8%です。なお、この合格率は合格率は、「限定なし」・「クレーン限定」・「床上運転式クレーン限定」の区分の記載なしで公表されています。

半数程度が合格する試験のため、万全な準備で臨めば多くの人にチャンスがあります。

また、限定なしの試験と異なり、学科試験の範囲からデリックに関する知識とデリック関係法令が除外されます。そのため、限定なしよりも勉強する範囲が狭まり、そのぶん難易度は下がるといえるでしょう。

3-5.学習のコツ

クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)の試験に向けては、クレーン・デリックの基礎知識や電気に関する知識など、多くの単元を学ぶ必要があります。

過去問と同じような問題が出題される傾向にあるため、過去問を繰り返し解くことを学習の中心にしましょう。

なお、過去問は安全衛生技術試験協会のホームページで確認できますが、書店で売られている過去問集には丁寧な解説が付いているのでおすすめです。

4.クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)

ここでは、床上運転式クレーンのみを操作できるクレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)について解説します。

4-1.免許取得でできること

クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)を取得すると、床上運転式クレーンを操作できるようになります。

床上運転式クレーンは、つり上げ荷重が5トン以上で、床上で操作して、操作する人がクレーンの動きに合わせて移動する方式のクレーンです。

なお、似たクレーンに床上操作式クレーンがありますが、こちらは操作する人がクレーンではなく荷物の動きに合わせて移動する点が異なります。

クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)を取得すれば、どちらのクレーンも運転可能です。

4-2.取得がおすすめの人

クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)は、工場や倉庫で使用される床上運転式クレーンの操作に特化しているのがポイントです。

そのため、床上運転式クレーンが使用される環境で働きたい人に適しています。主に工場などの屋内で使用されるので、屋内作業を好む人にも向いています。

4-3.資格取得のための条件

限定なし・クレーン限定の免許と同様に、床上運転式クレーン限定も18歳以上であれば学歴や職歴を問わず受験可能です。

今後クレーンを扱ったキャリア形成を考えている場合は、取得を検討しましょう。

4-4.試験科目と難易度

クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)の試験科目は、限定なし・クレーン限定と同様に以下のとおりです。

種類 試験科目 出題数(配点)
学科 クレーン及びデリックに関する知識 10問(30点)
関係法令 10問(20点)
原動機及び電気に関する知識 10問(30点)
クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 10問(20点)
実技 クレーンの運転
クレーンの運転のための合図

クレーン・デリック運転士免許の令和5年度の合格率を見ると、学科試験は58.7%、実技試験は45.8%です。なお、この合格率は「限定なし」・「クレーン限定」・「床上運転式クレーン限定」の区分の記載なしで公表されています。

それぞれ受験者のうち半分程度が受かる試験であるため、学習のコツをつかんでしっかりと準備をすれば、合格は難しくありません。

また、クレーン限定と同様に、学科試験ではデリックに関する知識とデリック関係法令が出ません。そのため、限定なしよりも出題範囲が狭く、難易度は相対的に下がるといえるでしょう。

4-5.学習のコツ

クレーン・デリック運転士(床上運転式クレーン限定)の学習のコツは、まずは過去問を活用して試験問題の傾向を把握することです。

過去問と同じような問題が出ることがあるため、出題されたら確実に得点できるように何度も解き直す必要があります。

また、単元を効率的に理解するためには、図解が豊富なわかりやすい参考書を使用するのもおすすめです。書店へ出向いて実物を手に取り、自分に合ったものを探してみましょう。

5.移動式クレーン運転士免許

ここでは、移動式クレーン運転士免許について解説します。

5-1.免許取得でできること

移動式クレーン運転士免許は、つり上げ荷重が5トン以上のトラッククレーンやラフテレーンクレーンなどの移動式クレーンを操作するための資格です。

移動式クレーンは、原動機を内蔵しており、建設現場や一般道路などさまざまな場所で移動できます。

なお、一般道路を移動するためには、自動車の運転免許が別途必要になる点は押さえておきましょう。

5-2.取得がおすすめの人

移動式クレーン運転士免許も、ここまで紹介してきた免許と同様、建築・土木業界などで幅広く活躍したい人に向いています。

特に、移動式クレーン運転士免許のような特定のクレーンに関する深い知識や経験を得られれば、希少性の高い人材として給料アップも目指せるでしょう。

5-3.資格取得のための条件

取得条件は、これまで紹介した免許と同様に、18歳以上であれば学歴や職歴を問わず挑戦できます。

受験の際には、本人確認証明書の添付が必要です。

5-4.試験科目と難易度

移動式クレーン運転士免許の試験科目は、以下のとおりです。

種類 試験科目 出題数(配点)
学科 クレーン及びデリックに関する知識 10問(30点)
原動機及び電気に関する知識 10問(30点)
関係法令 10問(20点)
移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 10問(20点)
実技 移動式クレーンの運転
移動式クレーンの運転のための合図

他のクレーンの試験と異なり、移動式クレーンに特化した知識を求められるのが特徴です。

移動式クレーン運転士免許の令和5年度の合格率を見ると、学科試験は63.7%、実技試験は64.4%です。

それぞれ受験者のうち6割以上が合格することを踏まえると、難易度は高くないといえます。万全の準備をして、少ない受験回数で確実に合格しましょう。

5-5.学習のコツ

移動式クレーン運転士免許の学習のコツは、過去問を中心に演習を繰り返すことです。クレーンの資格試験の中でも、移動式クレーンに特化した知識が求められるものの、関係法令の知識なども広く出題されます。

例年科目は同じで、似た問題が出る可能性も高いため、まずは安全衛生技術試験協会のホームページや市販の過去問集で傾向を把握して、学習を効率的に進めましょう。

6.揚貨装置(ようかそうち)運転士免許

ここでは、揚貨装置(ようかそうち)運転士免許について解説します。

6-1.免許取得でできること

揚貨装置運転士免許を取得すると、つり上げ荷重が5トンを超える揚貨装置を運転できるようになります。

揚貨装置とは、船舶に設置されたデリックやクレーン設備であり、港湾において陸と船の間で荷物を積み替える作業などに使われます。

海の近くの作業は危険をともなう場合が多いため、揚貨装置運転士のような専門性の高い資格が必要です。

6-2.取得がおすすめの人

港湾関連の企業での就職や転職を考えるなら、揚貨装置運転士免許の取得を検討するとよいでしょう。船舶の近くで作業することがほとんどなので、海や船舶が好きな人にはぴったりといえます。

資格の取得と合わせて実務経験を積んでいけば、スキルや知識の高さが評価されて、給料アップにもつながります。資格を武器に安定して稼ぎたい人にもおすすめです。

6-3.資格取得のための条件

揚貨装置運転士免許も、他のクレーン関連の免許と同様、 学歴・職歴問わず18歳以上であれば取得可能です。

なお、受験時には、本人確認の証明書を添付する必要があります。

6-4.試験科目と難易度

揚貨装置運転士免許の試験科目は、以下のとおりです。

種類 試験科目 出題数(配点)
学科 揚貨装置に関する知識 10問(30点)
関係法令 10問(20点)
原動機及び電気に関する知識 10問(30点)
揚貨装置の運転のために必要な力学に関する知識 10問(20点)
実技 揚貨装置の運転
揚貨装置の運転のための合図

クレーン一般ではなく、揚貨装置そのものや操作のための知識を問われるのが特徴です。

揚貨装置運転士の令和5年度の合格率を見ると、学科試験は69.5%、実技試験は92.0%です。

学科試験は7割弱、実技試験は9割を超える合格率であり、難易度は高くありません。

合格率が高いからといって油断せずにしっかりと学習すれば、多くの人にチャンスがあるといえるでしょう。

6-5.学習のコツ

揚貨装置運転士免許の勉強法は、過去問に何度も取り組むことです。例年、過去問と同じ傾向の問題が出題されるため、過去問が解ければ本番もスムーズに対応できるでしょう。

試験では、揚貨装置の構造を理解する問題や計算問題などが出題されます。過去問とあわせて解説の詳しい市販のテキストを活用すれば、効率的に勉強を進められます。

7.クレーンの資格と一緒に取得できるとよい資格

クレーンの資格とあわせて取得しておくことが推奨される資格には、以下が挙げられます。

  • 玉掛け特別教育
  • 玉掛け技能講習

玉掛けとは、クレーンを操作する際に、クレーンのフックに荷物を掛けたり降ろしたりする作業です。荷物を落としてしまうと重大な被害が発生しかねないため、専門的な資格が必要とされています。

クレーンを操作する資格だけでは玉掛け作業をおこなえないので、クレーンの仕事をする際には、玉掛けの教育や講習が必要です。

それぞれについて詳しく説明します。

7-1.玉掛け特別教育

玉掛け特別教育の資格を取得すれば、つり上げ荷重が1トン未満のクレーンの玉掛け作業をできるようになります。

玉掛け特別教育で主に学ぶ内容は、以下のとおりです。

種別 科目
学科 クレーンに関する知識
玉掛けに必要な力学に関する知識
玉掛けの方法
関係法令
実技 クレーンなどの玉掛け
クレーンなどの運転のための合図

学科と実技で合計9時間以上の講習を受けます。特別教育のため、免許や技能講習とは異なり、決められたカリキュラムの講習を受けることが資格取得のための条件です。

試験のある免許と比べると取得のハードルが低いので、クレーンに関する資格を初めて取得する人などにおすすめです。

なお、受講のための条件はなく、18歳以上であれば学歴や職歴に関わらず特別教育を受けられます。

特別教育は全国の一般社団法人や教習所などで実施されているため、興味のある人は、お住まいの地域名などとあわせて検索して、詳細を確認してみましょう。

7-2.玉掛け技能講習

玉掛け技能講習の資格を取得すれば、つり上げ荷重が1トン以上のクレーンの玉掛け作業をできるようになります。

玉掛け技能講習で主に学ぶ内容は、玉掛け特別教育と同様に、以下のとおりです。

種別 科目
学科 クレーンに関する知識
玉掛けに必要な力学に関する知識
玉掛けの方法
関係法令
実技 クレーンなどの玉掛け
クレーンなどの運転のための合図

学科と実技で合計19時間以上の講習を受けます。特別教育と異なり、合否を判断する修了試験があり、合格したら修了証が交付されるのがポイントです。

試験の倍率は実施場所によって異なりますが、一般的に受験者の9割は合格するといわれています。受験者の半数近くが不合格となる場合があるクレーンの免許と比較すると、難易度が低いのが特徴です。

なお、玉掛け技能講習の修了証があれば、クレーンの免許の試験において、重複している科目が一部免除されます。例えば、移動式クレーン運転士の実技試験のうち、運転のための合図は受験不要になります。

そのため、玉掛け技能講習は、クレーンの仕事を目指していて、これから免許の取得を考えている人におすすめです。

玉掛け技能講習は、特別教育と同様に、全国各地の一般社団法人や教習所などで随時実施されています。お住まいの地域の実施場所を見つけて、ぜひ挑戦してみましょう。

8.まとめ

クレーンの仕事をするためには、クレーン・デリック運転士免許や移動式クレーン運転士免許など、専門の免許の取得が必要になります。

各免許の特徴や学習のコツを押さえつつ、自身に合った免許の取得に向けて効率的に準備を進めることが重要です。

また、玉掛け特別教育や玉掛け技能講習など、クレーンの資格と一緒に取得できるとよい資格もチェックしてみましょう。

JOBPALでは、クレーンの仕事を含む製造・工場系の求人情報を掲載しています。ぜひ参考にしてください。

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