建設作業員・土木作業員とは?作業員の種類や仕事内容、平均年収を紹介
※この記事は4分30秒で読めます。
「建設作業員って具体的にどんな仕事をするの?」
「建設作業員として働くことのメリットやデメリットが知りたい」
など、建設作業員の仕事に関して疑問を持っている人は少なくないのではないでしょうか。
建設作業員は建築や土木の分野で活躍するプロフェッショナルであり、技術がそのまま結果に反映されるやりがいがある仕事です。
今回は、建設作業員の5つの職種とその仕事内容、平均年収、メリット・デメリット、おすすめの資格などを解説します。この記事を読めば建設作業員の仕事への理解が深まり、今後の職業選択の参考とすることができます。
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1.建築作業員とは?5つの種類の仕事内容
建設作業員には大きく分けて5種類の仕事があります。
- 土木作業員
- 鳶(とび)職
- 左官
- 大工
- 造園職人
まずはそれぞれの仕事内容について解説していきます。
1-1.土木作業員
土木作業員とは、道路や鉄道、ダム、橋梁など、インフラ関係の土木工事を担う建設作業員です。
鉄材や木材、石材などの材料を用いてこれらの設備を新設したり、補修したりします。重い荷物を運ぶ力仕事も多くあります。
1-2.鳶(とび)職
鳶職は、建設作業において「現場の華」ともいわれる仕事です。
いち早く現場入りし、建設作業員たちが作業するにあたって必要な足場を組みます。高所作業が多いイメージがありますが、鉄骨を組み立てる他、重機を設置したり重量物を移動させたりするのも鳶職の役目です。
1-3.左官
左官とは、建物の壁を美しく頑丈に仕上げる建設作業員です。
モルタルや土などの壁材をコテなどの道具で塗り広げ、漆喰で表面を仕上げます。左官のコテさばきによって仕上がりの質感やデザインは変化するため、熟練した技術が求められます。
1-4.大工
大工は、木造建築物を建てる建設作業員です。
建築士の描いた図面に則り、木材で天井や床、壁、柱、梁などを作り上げていきます。新築はもちろん、リフォームや増築も大工が担います。
1-5.造園職人
造園職人は、住宅や公共施設、公園の庭作りを担う建設作業員です。
剪定や樹木の手入れをおこなうほか、池や庭石、植物などを配置して庭全体の世界観を創出する役割を担っています。土木や建築、デザイン、樹木、植物などに関するあらゆる知識が求められる仕事です。
2.建築作業員の平均年収
厚生労働省が実施した「令和2年年賃金構造基本統計調査」における建設業の平均年収は、男性が522万8,700円、女性が377万1,400円となっています。
すべての産業の平均年収が男性512万5,900円、女性365万円であることから、建設作業員の年収は平均よりやや高いことがわかります。
ただし、同じ建設作業員でも、専門的な知識や経験を身につけていたりスキルを証明する資格を保有したりすれば、平均値をより上回ることもあるでしょう。
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参照:厚生労働省「令和2年年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html
3.建設作業員の仕事のメリット
次に、建設作業員として働くうえでの3つのメリットをご紹介します。
- 形に残る仕事ができる
- 危険もあるが高い給料がもらえる
- 努力するとキャリアアップも狙える
長く働き続けるモチベーションにもなるポイントなので、ぜひチェックしてみてください。
3-1.形に残る仕事ができる
建設作業員の仕事には、自らが手がけたものが形に残るメリットがあります。たとえば、土木作業員の場合、更地から造り上げた道路やダムを完成後に眺めれば、大きな達成感とともに多くの人の役に立つモノづくりに携われた喜びを感じられるはずです。
自分の仕事が目に見える形として残り続けることは、大きなモチベーションになるでしょう。
3-2.危険もあるが高い給料がもらえる
建設作業員の仕事は、高所での作業や重機や機械を扱う作業など、危険をともなうシーンが少なくありません。自分だけでなく一緒に働く建設作業員たちの命にもかかわりかねない環境での作業であり、一瞬の気の緩みが大事故につながるリスクがあります。
しかし、そのぶん対価として高い給料が保証されている点はメリットといえるでしょう。
3-3.努力するとキャリアアップも狙える
建設作業員は、無資格からはじめられる仕事です。しかし、他の職種と同様、資格があればそのぶん活躍の場は広がり、キャリアアップの実現も夢ではありません。
たとえば、現場監督としてのキャリアを目指す場合は、土木施工管理技士の資格を取得することで実現への道が開けます。目指す姿や興味関心に関連することを調べ、必要な学びを得ていくことをおすすめします。
4.建設作業員の仕事のデメリット
魅力的なメリットの一方、建設作業員には以下のデメリットもあります。
- 力仕事の分、年齢を重ねると辛くなる
- 事故が発生する危険性がある
将来「こんなつもりじゃなかった」と後悔しないために、デメリットの要素もしっかりと理解しておきましょう。
4-1.力仕事の分、年齢を重ねると辛くなる
建設作業員の仕事は、とにもかくにも体力が必要です。力仕事であるがゆえに年齢を重ねるごとに仕事が辛くなっていくデメリットがあります。
本来、年齢を重ねれば経験やスキルに磨きがかかり、よりよい仕事ができるはずですが、それに反して体力が年々低下していくことは致し方ありません。
そんなときのために、ある程度の年齢までに管理職となり、自らが体を動かすのではなく現場作業員を取り纏める立場を目指す方法もあります。
4-2.事故が発生する危険性がある
非常に重い材料を重機や機械類を使って移動させるなど、建設作業員は常に事故の発生リスクと隣り合わせです。
すべての建設作業員は安全第一で仕事に取り組む必要があり、実際多くの現場ではそれが守られています。しかし、作業現場の事故は少なからず発生しているのが現実です。
現場の事故は自分だけが注意していれば防げるものではなく、他の作業員の動きや天候などが要因で発生することもあります。建設作業員として働くうえでは、100%安全な現場などないと理解しておくことが重要です。
5.建設作業員になるには?
建設作業員は、未経験から飛び込みやすい仕事の一つです。
仕事に就く段階で必ず持ち合わせていなければならない実務経験や資格はないので、勇気や覚悟、好奇心があれば問題ありません。実務に必要なスキルは現場で身をもって経験し、体と頭で覚えていくことになります。
ただし、転職活動をより有利に進めたい場合には事前の準備も必要です。
建設業界の研究をおこなったり、業務で役立てられる資格の勉強に取りかかったりすることをおすすめします。すぐに高い能力を発揮できなくても、その心意気を評価してくれる企業があるかもしれません。
6.建築作業員のキャリアアップでおすすめの資格
建設作業員には必ず取得しておかなければならない資格はありません。しかし、取得しておくと役立つ資格は多数あります。そこで、キャリアアップに役立つおすすめの資格をご紹介します。
- 土木施工管理技士
- 玉掛け技能講習
- 小型移動式クレーン運転技能講習
- 車両系建設機械技能講習
それぞれの資格についてお伝えします。
6-1.土木施工管理技士
現場監督へのキャリアアップに必須となる建設作業員の資格は、土木施工管理技士です。
1級と2級があり、いずれも実務経験が必要です。計画立案から工程管理、安全配慮まで、土木工事を一貫して監督するスキルが取得できます。
6-2.玉掛け技能講習
クレーンのフックに荷物をかけることを「玉掛け」、外すことを「玉外し」と呼びます。玉掛け技能講習は「玉掛け」に関わるもので、重量のある荷物の運搬に必要な建設作業員の資格です。
つり上げ荷重が1トンを越えるクレーンやデリックにおける作業は合格者にのみ認められています。
6-3.小型移動式クレーン運転技能講習
荷物を運搬するクレーン車の運転業務を担う資格が、小型移動式クレーン運転技能講習です。
資格取得者には、つり上げ荷重が5トン未満の移動式クレーンの運転が認められます。
6-4.車両系建設機械技能講習
車両系建設機械技能講習とは、3トン以上の車両系建設機械の運転に必要な建設作業員の資格です。
3種類の分野がありますが、「整地・運搬・積込み用及び掘削用」を取得すると、トラクターショベルやブルドーザーなど複数の建設機械を運転できるようになります。
7.まとめ
この記事では、建設作業員の仕事についてお伝えしました。
建設作業員は、仕事の成果が形に残るやりがいを得られると同時に、多くの人の生活に役立つことができる仕事です。季節を問わず体を動かし続けるため辛いと感じることもあるかもしれませんが、工事が完了したときの達成感は非常に大きいでしょう。
未経験の方でも着実にスキルアップが可能なので、興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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