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更新日:2024年04月26日

無期雇用派遣とは?他の派遣との違いと有期雇用からの転換方法

無期雇用派遣とは?他の派遣との違いと有期雇用からの転換方法

※この記事は6分30秒で読めます。

「無期雇用派遣って他の派遣と何が違うの?」
「無期雇用派遣で働くメリットを知りたい」
など、無期雇用派遣に関して興味や疑問を持っている方もいるでしょう。

無期雇用派遣は、雇用期間が設けられておらず、同じ会社で長期間かつ安定的に働ける派遣の種類です。

今回は、無期雇用派遣の概要、他の派遣や正社員との違い、メリットや注意点、無期雇用派遣に向いている方の特徴などを解説します。この記事を読めば、無期雇用派遣の働き方がよくわかり、自分らしい仕事選びの参考になります。

1.無期雇用派遣とは?

無期雇用派遣は、別名「常用型派遣」ともいい、期間の定めがない無期雇用契約を締結して働くことです。

登録型派遣のように、就業中のみ雇用関係が生じるわけではなく、常時派遣会社に雇用され、「派遣会社の社員」としての立場が保障されます。

そのため、無期雇用派遣で働くには派遣会社の選考に合格しなければなりません。そのハードルがあるぶん、派遣先企業への就業状況に関わらず毎月一定額の給料を受け取れる安心感が得られます。

2.無期雇用派遣と他の派遣の違い

無期雇用派遣の他にも派遣の形態はいくつかあります。ここでは、2つの派遣をご紹介します。それぞれの違いや特徴を把握しておきましょう。

2-1.登録型派遣との違い

無期雇用派遣と登録型派遣の大きな違いは、雇用契約の形式と就業期間にあります。無期雇用派遣は期間の定めがない雇用契約を派遣会社と締結し、派遣先企業の就業期間にも縛りはありません。対して登録型派遣は、就業中に限り派遣会社と雇用契約を締結し、就業期間については同一企業での就業が最長3年間以内と定められています。

登録型派遣の詳細については以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

2-2.常用型派遣との違い

無期雇用派遣は、常用型派遣に含まれる派遣の種類です。双方に大きな違いはなく、一つの企業との派遣期間が終了しても派遣会社との雇用契約が継続し、給与が支給され続けます。登録型派遣のような就業期間の縛りはないため、同じ派遣先企業で5年、10年と長期間働くことができます。

常用型派遣の詳細については以下でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

3.無期雇用派遣と正社員の違い

無期雇用派遣と正社員はどちらも期間の定めがない雇用契約ですが、雇用主に違いがあります。無期雇用派遣の雇用主は派遣会社であり、実際に就業している派遣先企業との雇用関係はありません。一方の正社員は、就業している会社と直接雇用契約を結びます。

無期雇用派遣は正社員にも似ていますが、あくまで派遣社員。待遇や福利厚生は派遣会社のものに従う形になり、正社員とは違うものになります。

また、無期雇用ではありますが、派遣先の企業が派遣契約を解除した場合には、別の派遣先で働くことになります。新しい派遣先は派遣会社が探してくれますが、まったく別の会社で違う業務にあたるため、正社員のように一つの会社でキャリアアップすることはできません。

派遣社員と正社員の違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

4.有期雇用派遣から無期雇用派遣に転換する方法

平成25年4月1日施行の改正労働契約法により、「無期転換ルール」が適用されるようになりました。現状は有期契約で働く登録型派遣であっても、以下の3点の条件に該当すれば無期雇用派遣として働けるようになります。

  • 有期労働契約の通算期間が5年を超えている
    ※同じ派遣元と締結した2回以上の有期契約の契約期間を合算した期間が5年を超えていること。
  • 契約の更新回数が1回以上
    ※同じ派遣元で契約の更新を1回以上していること。
  • 現時点で同一の使用者との間で契約している
    ※①と②の条件を満たす派遣元と、現在も契約していること。

つまり、いま現在契約している派遣元と契約更新を1回以上して通算5年以上契約しているすべての方は、無期雇用契約への転換を申し込む権利があるということです。ただし、申し込みは契約中にしなくてはならないことにご注意ください。

登録型派遣から無期雇用派遣への転換は本人の希望により成立し、試験や面接などはなく、雇用主である派遣会社はその申し出を拒むことができません。

5.無期雇用派遣のメリット

無期雇用派遣には、以下の4点のメリットがあります。

  • 給与が安定している
  • 3年ルールに縛られない
  • 研修などでスキルアップができる
  • 派遣先を探す手間が無くなる

それぞれのメリットについて詳しくお伝えします。

5-1.給与が安定している

「派遣=収入が不安定」というイメージがあるかもしれませんが、無期雇用派遣に関しては給与が安定している点がメリットです。派遣の仕事の多くは時給制ですが、無期雇用派遣では月給制が適用されるケースが多くなります。そのため、祝日や大型連休の有無で給与が変動することがなく、毎月安定した収入が得られます。

また、無期雇用派遣に対して昇給や賞与制度を整備している派遣会社もあります。努力に対してきちんと評価が得られればモチベーションにもつながるでしょう。

5-2.3年ルールに縛られない

無期雇用派遣の場合、登録型派遣に適用される「同一企業での就業は3年間まで」というルールに縛られることはありません。期間の定めがない雇用契約を締結しているため、双方の合意がある限り同一企業で就業し続けることが可能です。

そのため、あまり頻繁に職場を変えたくない方には大きなメリットとなるでしょう。

5-3.研修などでスキルアップができる

派遣先企業によっては、自社の社員に対しておこなう研修などの教育制度を無期雇用派遣にも提供してくれるケースがあります。

社内研修では多くの場合、実務ですぐに活かせるスキルが学べます。積極的に参加することで、スキルアップに役立てられるでしょう。

5-4.派遣先を探す手間が無くなる

無期雇用派遣は派遣会社から派遣先の提案を受けられるため、自分で仕事を探す必要がありません。就業先の派遣期間が満了を迎えると待機期間に突入しますが、その間に派遣会社が次の派遣先を探してくれます。

その他の雇用形態のように、仕事を自ら探して応募する必要がないため、待機期間をスキル習得や自由な時間に充てることができます。

6.無期雇用派遣で働く際の注意点

無期雇用派遣には上記のようなメリットがある一方で、働くうえでの注意点もあります。以下の2点についてあらかじめ確認しておきましょう。

  • 採用選考がある
  • 職場を選ぶ際の自由度は高くない

それぞれの注意点についてお伝えします。

6-1.採用選考がある

冒頭でも触れたように、無期雇用派遣で派遣会社と雇用契約を締結するためには、採用選考で合格する必要があります。

一般的な正社員と同じように、書類選考や筆記、実技試験、面接などがあります。派遣の選考だからといって軽く考えず、書類を丁寧に書くことはもちろん、面接の受け答えの練習をするなど、事前準備はしっかりおこないましょう。

ただし、有期雇用から3つの条件をクリアした場合の無期雇用転換の場合には選考はなく、申し込みのみで転換できます。

6-2.職場を選ぶ際の自由度は高くない

無期雇用派遣のメリットの一つは、同じ派遣先企業で長く働ける点です。しかし、条件を選択する自由度の高さは登録型派遣には及びません。登録型派遣の場合は、提示した条件を前提に自由に仕事を選択できますが、無期雇用派遣は基本的に派遣会社から提案された派遣先に就業します。場合によっては、数年間におよぶ長期間、同一企業に就業し続けることになります。

無期雇用派遣として働くことを検討する際には、職場選びの自由度が自分にとってメリット、デメリットのどちらになり得るかを見極める必要があるでしょう。

7.無期雇用派遣に向いている方の特徴

無期雇用派遣は有期雇用派遣に比べて安定している仕事です。正社員と似ていますが、雇用主はあくまで派遣元という立場で、派遣先企業に入って働きます。

では、どのような方が無期雇用派遣に向いているのでしょうか。向いている方の特徴を4つご紹介します。

  • 将来的に正社員を目指している方
  • 長く働ける仕事を探している方
  • 未経験の職種で働きたい方
  • サポートを受けながら働きたい方

それぞれ詳しくみてみましょう。

7-1.将来的に正社員を目指している方

正社員登用制度があれば、派遣社員から正社員になれます。

派遣労働者に対しては、国がキャリア形成支援の推進をおこなっています。派遣会社は希望するすべての登録労働者に対してキャリアコンサルティングをしなくてはなりません。

また、ビジネスマナーやスキルアップのための教育訓練などを受講しやすい費用で開催しています。派遣終了後には、派遣先の企業に対して労働者の直接雇用を依頼します。

こういったキャリア形成支援を活用することで、正社員になりたいという夢を叶えやすくなります。

派遣社員から正社員になる方法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

7-2.長く働ける仕事を探している方

登録型派遣の場合、一つの派遣先との契約は最長3年という、通称「3年ルール」が存在します。

しかし、無期雇用派遣の場合、この3年ルールは適用されません。契約期間に定めがないため、更新の手続きをすることなく長期的に働くことができます。

派遣先の企業が派遣を打ち切った場合はその時点で契約終了となりますが、次の仕事を派遣会社から紹介してもらうことができるので、安心して働くことができます。

7-3.未経験の職種で働きたい方

無期雇用派遣の場合、未経験から働ける求人も数多くあります。研修や教育が充実している求人もあるため安心です。

派遣会社から紹介してもらう仕事のなかで、今までやったことのない職種を選ぶようにすれば、働きながら新しいスキルを身につけることができるでしょう。

未経験の業種でいきなり正社員をめざすのはハードルが高いこともありますが、無期雇用派遣なら正社員よりも採用されやすいため、未経験の業種も挑戦しやすいのがうれしいポイントです。

7-4.サポートを受けながら働きたい方

企業で働いていると、仕事のことや人間関係のことでさまざまな悩みが出てくるものです。

正社員の場合だと、それらの悩みをどこに相談すれば良いか迷ってしまう方もいるかもしれませんが、派遣であれば、普段は派遣先にいない派遣会社の担当者に相談できるため、人現関係を深く意識する必要はありません。

キャリアの相談やアドバイスなども対応してくれるため安心です。そういったサポートを受けながら働きたい方は、無期雇用派遣で働くことに向いているかもしれません。

8.実際に無期雇用派遣として働く際の流れ

無期雇用派遣として就業するまでの流れは、おおまかに以下の通りです。

  • 派遣会社へ登録をする
  • 派遣会社の採用選考を受ける
  • 派遣先の会社で勤める
  • 5年を超えて契約が更新された場合に、無期労働契約へ転換する

まずは、ホームページや求人サイトから派遣会社に申し込み、派遣スタッフ登録をおこないましょう。その後、採用が決定したら派遣先企業で就業を開始します。

なお、有期の雇用契約を締結する派遣の場合でも、契約期間が5年を超えた場合、無期雇用派遣に転換することが可能です。無期雇用派遣への切り替えを検討したときは、派遣会社の担当者へ申し出て手続きをおこないましょう。

9.無期雇用派遣の選考に通過するには

無期雇用派遣の採用選考では、学歴や職歴、資格などはもちろん、働く意欲が重視される傾向にあります。無期雇用ということで、できるだけ長く働いてほしいという思いが派遣会社にもあり、各求人にマッチする人材を求めています。

派遣だからといって準備を怠ると採用してもらえません。志望動機や自己PRはもちろんのこと、なぜ無期雇用派遣で働きたいのか、今までの経験を派遣先でどう活かせるのかをしっかりと整理し選考に臨みましょう。

10.まとめ

無期雇用派遣とは、派遣社員の不安定さを払拭する派遣のスタイルです。

就業中でも待機期間でも変わらず毎月一定の収入を得られることは、精神的な安心材料になるでしょう。さらに、派遣先企業は派遣会社が決めるため、派遣期間満了後に次の仕事が決まらないという不安もなくなります。

無期雇用派遣として働くためには、派遣会社の採用選考を通過する必要があります。

登録型派遣として通算5年以上働いている方は条件を満たすことで選考なしで無期雇用派遣に転換することも可能なので、無期雇用派遣を目指して登録型派遣で経験を積んでいくのも一つの方法です。

今回ご紹介したメリットやデメリットをしっかりと理解したうえで、どのようなスタイルで働くことが自分に合っているか検討してみましょう。

JOBPALでは、幅広い業種・業界の求人情報を掲載しています。少しでも求人探しでお困りであれば、ぜひご活用ください。

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