正社員型派遣とは？一般的な派遣や正社員との違い、4つのメリットを解説
※この記事は6分30秒で読めます。
「正社員型派遣って正社員なの？派遣社員なの？」
「正社員型派遣で働くメリットが知りたい」
など、正社員型派遣に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
正社員型派遣とは、就業期間の上限が設けられていない派遣の形態で、一般の派遣よりも給与面や待遇面などで条件が良い傾向があります。
今回は、正社員型派遣の概要、メリット・デメリット、よくある職種や就業までの流れなどを解説します。この記事を読めば、正社員型派遣の仕組みがよくわかり、キャリアの選択肢が広がります。
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1.正社員型派遣とは？
正社員型派遣とは、常用型派遣と同じく契約期間の定めがない派遣形態を指します。そのため「無期雇用派遣」と呼ばれることもあります。
通常の正社員は、自社内の業務に従事する形が一般的です。しかし、正社員型派遣の場合は派遣会社と雇用契約を結び、「派遣会社の従業員」という立場で派遣先企業に就業します。
2.正社員型派遣と一般的な派遣との違い
一般的に派遣として認知され、派遣求人の大多数を占めているのが「登録型派遣」です。 登録型派遣は、派遣会社に登録後に派遣先となる企業で最長3年間就業できます。派遣社員と派遣先企業の間に雇用関係はなく、就業中に限り、派遣会社と労働契約を結びます。派遣期間満了後は上記の契約も終了となるため、新たに就業先を見つけなければなりません。
対して正社員型派遣は、期間の定めが設けられていない派遣のスタイルです。派遣期間満了後も、雇用契約を結んでいる派遣会社が新たな就業先を見つけてくれます。派遣期間満了から新たな就業先での仕事が始まるまでの期間が空いたとしても、派遣会社との雇用契約は維持されているため、失業したり収入を失ったりすることもありません。
その他、給与面などでの違いを以下の表にまとめました。
| 一般的な派遣 | 正社員型派遣 | |
|---|---|---|
| 給与 | 時給 | 月給 |
| ボーナス | なし | あり |
| 給与の受け取り | 派遣先での就業中のみ | 派遣先を探す待機期間でも受け取り可能 |
| 同じ部署での 契約期間 |
最長3年 | 無期限 |
| 雇用契約期間 | 派遣先での就業中のみ | 無期限 |
| 家賃補助 | ないことが多い | あり |
登録型派遣については以下の記事でも解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
3.正社員型派遣と正社員の違い
正社員型派遣とは、一般的な派遣よりも正社員に近い形の雇用形態です。どちらも期限のない無期雇用ですが、2つの違いは雇用主にあります。
正社員の場合は、働いている勤務先が雇用主となりますが、正社員型派遣は勤務先ではなく、派遣会社が雇用主です。給料は勤務先ではなく派遣会社から受け取り、福利厚生も派遣会社のものが適用されます。
派遣先との契約期間に期限の定めはありませんが、派遣である以上、派遣先が契約を解除したらその時点で勤務終了となります。
その後は派遣会社が次の派遣先を探してくれますし、派遣先を探している間の待機期間中も給与の支給がありますが、正社員のように一つの職場でキャリアアップしていくことはできません。そのため、正社員のほうが安定性や将来性が期待できるでしょう。
一般的な派遣社員と正社員の違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
4.正社員型派遣の4つのメリット
正社員型派遣ならではのメリットは、以下の4点が挙げられます。
- 雇用・給与が安定している
- 賞与をはじめとした福利厚生がある
- 大手企業に派遣されることが多い
- 次の派遣先が決まるまでも給与が出る
それぞれのメリットについて確認しておきましょう。
4-1.雇用・給与が安定している
正社員型派遣は、派遣会社に正社員として雇用されるため、安定的な雇用と給与を得られる点が最大のメリットです。 登録型派遣の場合、仕事は単発もしくは最長3年間という比較的短期サイクルで移り変わっていくため、「仕事がなくなるかもしれない」という不安が常につきまといます。また、祝日が多い月には収入が落ちてしまうので、生活のやりくりも難しさをともないます。
一方、正社員型派遣は、派遣先企業で就業するという働き方においては登録型派遣と同様ですが、正社員であるため仕事を失うリスクは限りなく低くなります。また、時給制ではなく月給制が多く、勤務日数に関わらず給与は常に一定です。
4-2.賞与をはじめとした福利厚生がある
正社員型派遣の場合、一般的な正社員としての待遇が見込めます。賞与や社会保険・各種手当・慶弔関連などを含む福利厚生も対象となります。
福利厚生は労働者やその家族に対する報酬、サービスとして提供されるものであり、充実度合いは長く働くうえで重要なポイントです。昨今はユニークな福利厚生を導入している企業も多いため、派遣会社選びの際にはチェックしておきましょう。
4-3.大手企業に派遣されることが多い
大手企業に派遣されることが多いのも正社員型派遣のメリットです。大手企業は、労働者が心地良く働ける職場環境を整備していることが多いため不要なストレスを感じにくく、仕事に集中できるでしょう。
また、派遣先企業で目に見える成果を上げ評価を得られれば、派遣先企業から直接雇用のオファーをもらえる可能性もゼロではありません。
4-4.次の派遣先が決まるまでも給与が出る
登録型派遣の場合、給与支給は時給が基本となるため、派遣先の業務が終了し次の就業が決まるまでの空白期間は無収入です。
しかし、正社員型派遣は常に派遣会社との雇用関係が持続されていることから、給与支給が途切れることはありません。
5.正社員型派遣の3つのデメリット
正社員型派遣のデメリットも確認しておきましょう。
- 希望どおりの企業で働けないことがある
- 長期間勤務できる保証はない
- 給与が上がりづらい
それぞれのデメリットについて詳しくお伝えします。
5-1.希望どおりの企業で働けないことがある
正社員型派遣の場合、どの企業に誰を派遣するかは派遣会社の裁量となるため、希望する企業への就業が叶わない可能性もあります。また、派遣という性質上、いつどういったタイミングで派遣会社に仕事が入るかはわかりません。
この点においては、企業や仕事内容、勤務地、時給など、あらゆる労働条件を踏まえて仕事の希望を申し出ることができる登録型派遣の方が自由度は高いでしょう。
5-2.長期間勤務できる保証はない
正社員型派遣であっても、必ずしも長期間の勤務が保証されているわけではありません。
たとえ派遣先企業が年単位の長期契約を見込んでいても、十分な働きが見られなかったり、派遣会社や派遣先企業との関係性に変化が生じたりすれば、契約期間満了を待たずして契約終了となるケースもあるでしょう。
また、企業の置かれる状況は日々刻々と変化していることから、不測の事態により仕事自体がなくなってしまう可能性もゼロではありません。
5-3.給与が上がりづらい
正社員型派遣は、あくまでも「派遣会社に雇われている社員」です。そのため、派遣先企業で成果を上げてもそれが昇給に直結することはあまり期待できません。
場合によっては、同じ勤務先で正社員として働いている人と同じ仕事をしているのに「自分だけ給料が低い」と不公平感を感じてしまうこともあるでしょう。
6.正社員型派遣でよくある職種
正社員型派遣のメリットやデメリットについて紹介しましたが、実際に働くことを考えると、どのような仕事内容になるのかが気になるところ。正社員型派遣でよくある職種を2つご紹介します。
6-1.エンジニア職
エンジニア職は、人手不足の影響から短期～長期までさまざまなプロジェクトに参画する正社員派遣の求人があります。
業務委託の求人も多くありますが、機密情報の保護や人材管理の観点から正社員型派遣を活用している企業もあります。さまざまな職場で働くことで、エンジニアとしても幅広い経験を積むことができ、スキルアップも期待できます。
6-2.研究職
研究職の仕事には長期的なプロジェクトも多く、経験豊富な人材の力が継続的に必要な仕事です。特に、専門性が極めて高い研究の分野では、研究テーマによって最適な人材を集め、研究を進めていく必要があります。
一方、特定のプロジェクトを達成するための期限付き雇用契約で働いている研究者も少なくなく、その場合には雇用期間が終わるたびに次の仕事を探さなくてはなりません。企業側も研究プロジェクトをスタートするたびに求人を出して人材を集める必要がありますが、毎回求人を出して採用をするのは大変です。
そのため、正社員型派遣を活用し、プロジェクトに必要な専門知識を持っている研究職の方を集めている企業もあります。
また、ときには研究者が研究途中で辞めてしまうこともあるため、そういった場合にも正社員型派遣で人材を確保することがあります。
7.正社員型派遣として働くまでの流れ
正社員派遣として就業するまでは、主に以下のような流れになります。
7-1.派遣会社の選考を受け就職する
正社員型派遣の場合、まずは派遣会社に採用される必要があります。派遣会社の求人募集に応募し、選考を受けましょう。
選考フローは書類や筆記、面接など派遣会社や職種によって異なります。正社員型派遣は、登録型派遣よりも採用のハードルは高くなるため、万全の対策で挑みましょう。
7-2.派遣会社での研修を受ける
採用が決定したあとは、派遣会社が実施する研修を受講します。高いパフォーマンスを発揮してもらうために、派遣会社は各種研修を用意していることが一般的です。
研修は、就業先で役立つスキルを効率的に習得できるチャンスです。研修の実施の有無は派遣会社の方針によって異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
7-3.派遣先企業で勤務を開始する
研修を終えたら、いよいよ派遣先企業での勤務が始まります。万が一就業中に困ったことやトラブルなどがあれば、所属する派遣会社に相談するようにしましょう。
就業中に強化したいスキルが見つかれば、派遣会社で該当する研修がないか確認し、受講してみるのも良いでしょう。派遣期間が満了すると、次の就業先が決定するまで待機期間に入ります。正社員型派遣であれば、この期間に収入が途絶えることもないので安心です。
8.正社員型派遣から正社員になるには
正社員型派遣は一般の派遣よりも待遇や給与面でメリットがあります。しかし、より高い安定性を求めて正社員を目指したい方もいるでしょう。
正社員型派遣から正社員を目指すには2つの方法があります。
- 正社員として雇用してもらう
- 正社員求人に応募して転職する
それぞれ詳しく解説します。
8-1.正社員として雇用してもらう
派遣先企業で成果を出して評価されれば、契約満了時に正社員として直接雇用してもらえる場合もあります。
正社員登用試験や面接がある場合もあるため対策が必要ですが、正社員になればさらに良い待遇で働ける可能性が高くなります。
派遣という立場であっても、それまで働いてきた職場です。仕事内容な職場の雰囲気はよくわかっていますし、人間関係も築けているでしょう。
良く知った仕事と場所で正社員としてのスタートを切れるのであれば、とても恵まれた環境といえます。派遣先に正社員登用制度がある場合はぜひ挑戦してみましょう。
8-2.正社員求人に応募して転職する
派遣先の正社員登用制度は、派遣契約が切れるタイミングでないと使えません。
なるべく早く正社員になりたい方や、派遣先に正社員登用制度がないという方は、今とは違う待遇や環境で正社員として働くのも一つの選択肢かもしれません。
ただし、早く正社員になりたいからといってすぐに正社員型派遣を辞めてしまうのはNG。仕事が途切れて収入がなくなると、気持ちが焦ってしまい、待遇や仕事内容などが希望どおりではなくても妥協して働き始めてしまう方もいます。
しかし、長く働くつもりで正社員を目指すわけですから、自分にぴったりの環境の職場を選びたいものです。納得できる仕事選びをするためにも、今の仕事をつづけながら、慎重に転職活動を進めると良いでしょう。
JOBPALでは正社員の求人も多数掲載しています。転職活動の足がかりとして、自身に合いそうな求人があるか、ぜひ探してみてください。
また、派遣社員から正社員を目指す方法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
9.まとめ
正社員型派遣は、一般的な派遣のイメージと異なる安定した派遣のスタイルです。
正社員でありながら、さまざまな企業で多様な仲間と仕事を経験できるため、好奇心旺盛な方や社会人としてのスキル・経験の底上げを目指したい方にはおすすめできる働き方となります。
特にエンジニア職や研究職は正社員型派遣を活用している企業も多く、専門分野において幅広い経験をすることが可能です。正社員型派遣として安定的な仕事環境を獲得し、スキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。
また、より安定する正社員を目指したいという方は、正社員型派遣で働きつつ、正社員登用制度の活用や、正社員求人に応募するなどして正社員を目指す方法もあります。
JOBPALでは、幅広い業種・業界の求人情報を掲載しています。求人探しで少しでもお困りであれば、ぜひご活用ください。
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