Iターン就職とは?Uターン・Jターンとの違いや失敗しないためのポイント

※この記事は5分で読めます。
「Iターンって具体的にどういう仕組み?」
「Iターンで就職するメリットが知りたい」
など、Iターン就職に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
Iターン就職とは、生まれ育った街や都市部から地方へ住まいを移すと同時に、移住先で新しい仕事に就くことを指します
今回は、Iターン就職のメリット、Iターンに向いている人、失敗しないためのポイントや、Iターンと類似する「Uターン」「Jターン」について解説します。この記事を読めば、Iターン就職の仕組みが理解でき、今後のライフスタイルやキャリアの選択肢が広がります。
1.Iターンとは?
Iターンとは、生まれ育った街や都市部で過ごしてきた人が、それまで住んだことのない地方へ移り住んで就職・転職することです。
例えば、「東京都で生まれ育った人が大学卒業を機に憧れの北海道に移住し、現地の企業で働く」といったケースを指し、道筋がローマ字の「I」に見えることから、Iターンと名付けられました。
交通や商業が充実している都市部での生活は、便利で快適な生活が送れる一方、慌ただしさや窮屈さを感じる人も一定数います。
そのため、地方のゆったりとした時間経過や特有の文化、豊かな自然などに魅力を感じ、Iターンに関心を持つ方が増えてきています。
また、独立・起業を志す人が新たな土地に商機を見出して、Iターンする事例もあります。
2.Uターン・Jターンとの違い
移住には、Iターンのほか「Uターン」「Jターン」といったスタイルもあります。それぞれの特徴やIターンとの違いについてご紹介します。
2-1.Uターン
Uターンとは、都市部に進学や就職をした地方出身者が、再び出身地に戻って仕事をすることです。
「生まれ育った愛媛県から東京都に上京し、大学を卒業。東京都に残って新卒で3年間働いたあと、家庭の事情により帰郷し地元の企業へ転職」といったようなケースを指します。
地方で働く点ではIターンと変わりませんが、移住先がまったく新しい土地か、愛着のある故郷かという点で違いがあります。都市部の生活に憧れて移住したものの、故郷の良さを再認識してUターンを決断する人も多くいます。
また、結婚や出産、子育てなど、ライフステージの変化を見据えて、安心して生活できる実家周辺に戻る人もいるでしょう。
2-2.Jターン
Jターンとは、地方出身者が都市部に移住し進学・就職したあと、出生地ではない地方に移り住み就職・転職することを指します。
「鳥取県で生まれ育ち、地元の大学を卒業。その後東京の企業へ就職したが、自然豊かな環境に憧れ長野県へ移住」といった例です。
生まれ育ったふるさと以外の土地に移住する点はIターンと共通します。
「都心部の雑踏は避けたいけれど、故郷ではないところで暮らしたい」「固定費を抑えつつ、ある程度の利便性が確保された生活が送りたい」といったニーズを満たします。
3.Iターン就職ならではのメリット
Iターン就職には主に2つのメリットがあります。
- 満員電車から解放される
- 物価や家賃が安い地域に住める
これらを魅力的に感じられるのであれば、Iターン就職を検討してみても良いでしょう。
3-1.満員電車から解放される
都心部で働く方にとって、毎日の通勤ラッシュは大きなストレス要因です。
地方では、都心部のように通勤時の満員電車に無理やり乗るようなことはありません。
車社会が一般的な地方では、マイカー通勤が定着しているため、たとえ電車通勤であっても都心部のような窮屈な通勤は避けられます。
3-2.物価や家賃が安い地域に住める
都市部に比べて物価が安い地方では、金銭的な負担が軽減されます。
エリアによっては家賃の水準が低いため、都市部より安い金額で広い部屋に住むこともできます。
駐車場代も同様に安く、マイカーにかかる固定費の削減も可能です。単身者だけでなく、家族連れのIターンでもメリットを十分に得られるでしょう。
4.Iターン就職する際の注意点
Iターン就職には、メリット以外に覚えておかなければならない注意点もあります。
- 車の維持費がかかる
- 都会よりも選択肢が狭まる
- 収入は都会よりも下がりやすい
移住後に後悔しないためにも、あらかじめ注意点を把握しておきましょう。
4-1.車の維持費がかかる
地方では車移動が基本となるため、車の維持費が必要です。
都市部のように徒歩圏内にコンビニやスーパー、病院などがあるとは限りませんので、一家に一台は車がないと不便さを感じることもあるでしょう。
駐車場代やガソリン代、車検代、自動車税など、年間でどの程度の支出となるのかシミュレーションしておく必要があります。
4-2.都会よりも選択肢が狭まる
地方は都会に比べて、仕事の選択肢が少なくなります。
会社の数が少ない分、求人数も減少するため、大きなギャップを感じることもあるでしょう。
過去の経験や培ったスキルを活かして働きたいという人は、Iターン先に仕事の需要があるかどうかを事前にリサーチしておくことが大切です。
4-3.収入は都会よりも下がりやすい
地方では、家賃や物価の水準の低さに比例して、収入も下がりやすい傾向が見られます。
都心に本社を持つ企業であれば、全国一律のケースも多いです。しかし、一般的な地方企業の場合は、土地の水準に合った給与テーブルが適用されている場合が多いのが実情です。
5.Iターンに向いている人の特徴
Iターンは、すべての人にマッチするとは限りません。実際に行動に移す前に、ご自身が地方での生活に向いているか否かを見極める時間を設けましょう。
Iターンに向いている人の特徴には以下の2点が挙げられます。
- 自然豊かな場所で過ごしたい人
- 人間関係の距離感を保てる人
それぞれの特徴についてお伝えします。
5-1.自然豊かな場所で過ごしたい人
「たくさんの自然に囲まれながら生活したい」という人には、Iターンが向いています。
海や川、山の緑に身近に触れられる環境からは、都市部の生活では得られない穏やかな時間を得られるでしょう。
自然やアウトドアが好きな人はもちろん、自然豊かな環境でのびのびと子供を育てたいファミリー層にもおすすめです。
5-2.人間関係の距離感を保てる人
都市部に比べて人口が少ない地方では、狭いコミュニティの中で生活していくことになります。
ご近所付き合いが活発になれば、助け合える関係性ができますが、プライベートにまで関係が及ぶ可能性もあります。
地域のコミュニティに煩わしさを感じずうまく立ち回れる方であれば、初めての地方暮らしにも適応できるでしょう。
6.Iターン就職で失敗しないためのポイント
Iターン就職で失敗しないためのポイントを2つご紹介します。
- 実際に現地に足を運んでみる
- Iターン支援制度を活用する
満足度が高い移住の実現のために、お伝えするポイントを抑えておきましょう。
6-1.実際に現地に足を運んでみる
Iターン就職で失敗しないためには、まず移住候補先へ実際に足を運んでみることが重要です。
インターネットや雑誌などを活用すれば、さまざまな情報が入手できますが、リアルな空気感は自分自身が体験しなければわかりません。
満足度の高いIターン就職を実現するためには、面倒でも候補地に足を運んでみましょう。メディアからは得られない現地の空気感や住人の気質などを体感できるはずです。
6-2.Iターン支援制度を活用する
Iターン就職を考えている人向けに支援制度を設けている自治体もあります。
例えば、秋田県美郷町では、助成金を受けながら一定期間暮らすことができる「お試し移住体験」を提供しています。現地での暮らしをリアルに体験でき、移住後のイメージを具体化しやすくなる制度です。
また、住宅支援制度や起業支援制度などの魅力的な制度を用意している自治体も数多くあります。
住み慣れた環境を離れ地方で暮らす決断を下すのは簡単なことではなく、不安を感じている人も多いはずです。自治体からどのようなサポートを受けられるのか、あらかじめリサーチしておきましょう。
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参照:秋田県美郷町「「美郷暮らし」移住体験応援します!」
https://www.town.misato.akita.jp/teijyu/3039
7.まとめ
今回は、Iターン就職についてお伝えしました。
働き方改革や新型コロナウイルスの感染拡大を機に、柔軟な働き方や多様なライフスタイルが社会に浸透し始めた影響で、Iターン就職も珍しいことではなくなりました。
移住を後押しする制度を設けている地方自治体も多く、理想に近いIターン転職が実現しやすい世の中にもなりつつあります。正しい選択ができるよう、地方で暮らすデメリットも理解したうえでIターンを検討しましょう。
Iターン転職に興味がある方は、まずは自治体の取り組みや実際の求人情報を検索することで移住のイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。
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