Iターン就職とは?Uターン・Jターンとの違いや就職までの流れやポイント
※この記事は6分30秒で読めます。
「Iターンってどういう意味?」
「Iターン就職のメリットが知りたい」
など、Iターン就職に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
Iターン就職は、生まれ育った街や都市部を離れて、ゆかりのなかった地方へ職場と住まいを移すことです。地方ならではのゆとりや自然を感じながら生活できるなどの特徴があります。
今回は、Iターン就職の概要、メリット・デメリット、向いている方の特徴などを解説します。この記事を読めば、Iターン就職のことがよくわかり、失敗のない選択ができるようになります。
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1.Iターンとは?
Iターンとは、生まれ育った街や都市部で過ごしてきた方が、それまで住んだことのない地方へ移り住んで就職・転職することです。
例えば、「東京都で生まれ育った人が大学卒業を機に憧れの北海道に移住し、現地の企業で働く」といったケースを指し、道筋がローマ字の「I」に見えることから、Iターンと名付けられました。
交通や商業が充実している都市部での生活は、便利で快適な生活が送れる一方、慌ただしさや窮屈さを感じる方も一定数います。
そのため、地方のゆったりとした時間経過や特有の文化、豊かな自然などに魅力を感じ、Iターンに関心を持つ方が増えてきています。また、独立・起業を志す方が新たな土地に商機を見出して、Iターンする事例もあります。
2.Iターンと似ている用語
Iターンに似た言葉に「Uターン」や「Jターン」があります。それぞれの特徴や違いについてご紹介します。
2-1.Uターンとの違い
Uターンとは、都市部に進学や就職をした地方出身者が、再び出身地に戻って仕事や生活をすることです。
「生まれ育った愛媛県から上京し、大学に進学。卒業後も東京に残り、新卒で3年間働いたあと、家庭の事情により帰郷し地元の企業へ転職」といったようなケースを指します。
地方で働く点ではIターンと変わりませんが、移住先がそれまでゆかりのなかった土地か、愛着のある故郷かという点で違いがあります。都市部の生活に憧れて都会へ出たものの、故郷の良さを再認識してUターンを決断する方も多くいます。
また、結婚や出産、子育てなど、ライフステージの変化を見据えて、安心して生活できる実家周辺に戻る方もいるでしょう。
2-2.Jターンとの違い
Jターンとは、地方出身者が都市部に進学・就職したあと、出生地ではない地方に移り住み就職・転職することを指します。
「鳥取県で生まれ育ち、地元の大学を卒業。その後東京の企業へ就職したが、自然豊かな環境に憧れ長野県へ移住」といった例です。生まれ育ったふるさと以外の土地に移住する点は、Iターンと共通します。
「都心部の雑踏は避けたいけれど、故郷ではないところで暮らしたい」「固定費を抑えつつ、ある程度の利便性が確保された生活が送りたい」といったニーズを満たします。
3.Iターン先にはどのような仕事がある?
Iターンでの就職先は、主に以下の3つの方法で探せます。
- ハローワークの求人情報
- 移住先自治体の住民サポート窓口
- 転職サイト
求人のある業種は、地域により大きく異なります。林業や農業などの第一次産業が盛んなところもあれば、IT産業に力を入れており多くの企業を誘致している地域もあります。
今までの職歴を活かした仕事に就きたい、まったく新しい業種にチャレンジしてみたいなど、自身の希望を明確にしておきましょう。
4.Iターン就職ならではのメリット
Iターン就職には主に2つのメリットがあります。
- 満員電車から解放される
- 物価や家賃が安い地域に住める
- 自然が多い地域に住める
これらを魅力的に感じられるのであれば、Iターン就職を検討してみても良いでしょう。
4-1.満員電車から解放される
都心部で働く方にとって、毎日の通勤ラッシュは大きなストレス要因です。地方では、都心部のように通勤時の満員電車に無理やり乗るようなことはありません。
車社会が一般的な地方では、マイカー通勤が定着しているため、たとえ電車通勤であっても都心部のような窮屈な通勤は避けられます。
4-2.物価や家賃が安い地域に住める
都市部に比べて物価が安い地方では、金銭的な負担が軽減されます。エリアによっては家賃の水準が低いため、都市部より安い金額で広い部屋に住むこともできます。
駐車場代も同様に安く、マイカーにかかる固定費の削減も可能です。単身者だけでなく、家族連れのIターンでもメリットを十分に得られるでしょう。
4-3.自然が多い地域に住める
自然が多い地域に住みたいと考えている方にとって、Iターン先は最適な環境となることが多いでしょう。ただし、山、海、川など、身近な自然は地域によって異なります。
理想の環境がある程度イメージできている方は、移住先を選定する際のチェックポイントに含めておきましょう。
5.Iターン就職する際の注意点
Iターン就職には、メリット以外に覚えておかなければならない注意点もあります。
- 車の維持費がかかる
- 都会よりも選択肢が狭まる
- 収入は都会よりも下がりやすい
- 地方の雰囲気に慣れるのが難しいこともある
移住後に後悔しないためにも、あらかじめ注意点を把握しておきましょう。
5-1.車の維持費がかかる
地方では車移動が基本となるため、車の維持費が必要です。
都市部のように徒歩圏内にコンビニやスーパー、病院などがあるとは限りませんので、一家に一台は車がないと不便さを感じることもあるでしょう。
駐車場代やガソリン代、車検代、自動車税など、年間でどの程度の支出となるのかシミュレーションしておく必要があります。
5-2.都会よりも選択肢が狭まる
地方は都会に比べて、仕事の選択肢が少なくなります。
会社の数が少ない分、求人数も減少するため、大きなギャップを感じることもあるでしょう。
過去の経験や培ったスキルを活かして働きたいという方は、Iターン先に仕事の需要があるかどうかを事前にリサーチしておくことが大切です。
5-3.収入は都会よりも下がりやすい
地方では、家賃や物価の水準の低さに比例して、収入も下がりやすい傾向が見られます。
都心に本社を持つ企業であれば、全国一律のケースも多いです。しかし、一般的な地方企業の場合は、土地の水準に合った給与テーブルが適用されている場合が多いのが実情です。
5-4.地方の雰囲気に慣れるのが難しいこともある
都市部と地方では、街の雰囲気や人との距離感が異なり、慣れるまでに時間がかかる方も珍しくありません。
また、新しい環境に思ったように馴染めず、悩んでしまうケースもあります。先に移住した方の話をあらかじめ聞いておくなど、事前のリサーチをおすすめします。
6.Iターンに向いている方の特徴
Iターンは、すべての方にマッチするとは限りません。実際に行動に移す前に、ご自身が地方での生活に向いているか否かを見極める時間を設けましょう。
Iターンに向いている方の特徴には以下の2点が挙げられます。
- 自然豊かな場所で過ごしたい方
- 人間関係の距離感を保てる方
それぞれの特徴についてお伝えします。
6-1.自然豊かな場所で過ごしたい方
「たくさんの自然に囲まれながら生活したい」という方には、Iターンが向いています。
海や川、山の緑に身近に触れられる環境からは、都市部の生活では得られない穏やかな時間を得られるでしょう。
自然やアウトドアが好きな方はもちろん、自然豊かな環境でのびのびと子どもを育てたいファミリー層にもおすすめです。
6-2.人間関係の距離感を保てる方
都市部に比べて人口が少ない地方では、狭いコミュニティのなかで生活していくことになります。
ご近所付き合いが活発になれば、助け合える関係性ができますが、プライベートにまで関係が及ぶ可能性もあります。
地域のコミュニティに煩わしさを感じずうまく立ち回れる方であれば、初めての地方暮らしにも適応できるでしょう。
7.Iターン就職をするまでの流れ
実際にIターン就職をするときの流れについて、詳しく解説していきます。具体的な方法や注意点もお伝えします。
7-1.移住先を決める
Iターンを希望する動機を踏まえ、移住先を決めましょう。「田舎暮らし」といっても、地域により特色はさまざまです。
自分がどのような生活をしたいのかを掘り下げながら、候補地をピックアップしましょう。
7-2.移住先の情報収集をおこなう
移住候補地をある程度絞り込んだら、現地に関する情報収集をおこないます。
特に、求人と住環境に関する情報は今後の生活の質を左右する内容なので、念入りに進めてください。
移住希望者向けのイベントに足を運んだり、ホームページやSNSをチェックしたりするのがおすすめです。
7-3.現地に足を運ぶ
現地の情報をある程度集めることができたら、実際に足を運ぶことも大切です。
住んでいる人々の雰囲気や文化、スーパーや病院など生活に欠かせない施設が集まるエリアへのアクセスや混雑具合などをチェックします。
可能であれば、お試し移住プランへの参加も検討してみましょう。
7-4.転職活動をおこなう
Iターンの意志が固まり、移住先が決まったら、転職活動を進めます。このとき、通常の転職活動とは異なり、面接時の移動に時間やお金が必要になる点に注意しましょう。
JOBPALでは、地方に転職したい皆さんのサポートを、対面だけではなく、メールやLINE、オンラインで実施しています。面談はお仕事先がまだ決まっていなくてもご利用いただけます。お仕事探しの悩みや困りごとをぜひご相談ください。
7-5.住居を確保する
移住先での仕事が決まったら、住まい探しをします。ほとんどの場合は遠方への引越しとなるため、各種手続きや荷造りなどの準備は計画を立てて進めましょう。
物件探しは、転職先へのアクセスや買い物の利便性、家賃や間取りなどを考慮して選ぶことになります。内見・契約は現地へ足を運ぶことになるケースが多いため、時間や交通費がかかることを想定しておきましょう。
また、移住の準備と平行して現職の引き継ぎ作業なども進めます。
7-6.移住および入社
すべての準備が整ったら、いよいよIターン先への移住および入社となります。
引越しや入社の挨拶も地域や企業によって慣習があるので、幸先の良いスタートを切れるようにリサーチしておきましょう。
8.Iターン就職で失敗しないためのポイント
Iターン就職で失敗しないためのポイントを2つご紹介します。
- 実際に現地に足を運んでみる
- Iターン支援制度を活用する
満足度が高い移住の実現のために、お伝えするポイントを抑えておきましょう。
8-1.実際に現地に足を運んでみる
Iターン就職で失敗しないためには、まず移住候補先へ実際に足を運んでみることが重要です。
インターネットや雑誌などを活用すれば、さまざまな情報が入手できますが、リアルな空気感は、自分自身が体験しなければわかりません。
満足度の高いIターン就職を実現するためには、面倒でも候補地に足を運んでみましょう。メディアからは得られない現地の空気感や住人の気質などを体感できるはずです。
8-2.Iターン支援制度を活用する
Iターン就職を考えている方に向けた支援制度を設けている自治体もあります。
例えば、秋田県美郷町では、助成金を受けながら一定期間暮らすことができる「お試し移住体験」を提供しています。現地での暮らしをリアルに体験でき、移住後のイメージを具体化しやすくなる制度です。
また、住宅支援制度や起業支援制度などの魅力的な制度を用意している自治体も数多くあります。
住み慣れた環境を離れ地方で暮らす決断を下すのは簡単なことではなく、不安を感じている方も多いはずです。自治体からどのようなサポートを受けられるのか、あらかじめリサーチしておきましょう。
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参照:秋田県美郷町|「美郷暮らし」移住体験応援します!
https://www.town.misato.akita.jp/teijyu/3039
9.まとめ
働き方改革や新型コロナウイルスの感染拡大を機に、柔軟な働き方や多様なライフスタイルが社会に浸透し始め、Iターン就職も珍しいことではなくなりました。
移住を後押しする制度を設けている地方自治体も多く、理想に近いIターン転職が実現しやすい世の中になりつつあります。後悔しない選択ができるよう、地方で暮らすメリット・デメリットの双方をきちんと理解し、Iターンを検討しましょう。
Iターン転職に興味がある方は、まずは自治体の取り組みや実際の求人情報を検索することで、移住のイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。
JOBPALでは、移住の赴任旅費が支給される求人や、製造・工場系など職種に特化した地方の求人情報を掲載しています。Iターンの仕事探しでお困りの際は、ぜひご活用ください。
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