高卒で就職すると後悔する理由とは?就職率や成功するためにできること

※この記事は6分30秒で読めます。
「高卒で就職するのは辞めたほうが良いの?」
「高卒で就職するメリットを知りたい」
など、高卒の就職に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
高卒での就職は、若いうちから社会で活躍でき、その分多くの社会人経験を積んだりキャリアアップを目指したりできます。
今回は、高卒就職の概要、メリットやデメリット、就職の流れやコツなどを解説します。この記事を読めば高卒就職のことがよくわかり、高卒の方に合った仕事探しができるようになります。
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1.高卒で就職した場合、後悔するといわれる理由
中学卒業後、商業系や工業系の高校に進学し、高卒で就職することを考えている方もいるでしょう。しかし、ときには「高卒で就職するのはやめておけ」などと言われる方もいるかもしれません。
高卒で就職した場合、なぜ後悔するといわれているのでしょうか。
1-1.ほかの学歴と比較すると初任給や生涯年収が安い
まず、高卒で就職した場合、ほかの学歴と比較して初任給や生涯年収が安い傾向にあります。
学校卒業後にフルタイムの正社員を続けた場合の60歳までの生涯年収(退職金は含まない)は、以下のとおりです。
【最終学歴別の初任給(月収)と生涯年収:男性】
高校 | 高専・短大 | 大学 | 大学院 | |
---|---|---|---|---|
初任給 | 16万8,900円 | 18万4,700円 | 21万2,800円 | 23万9千円 |
生涯年収 | 2億1千万円 | 2億2千万円 | 2億7千万円 |
【最終学歴別の初任給(月収)と生涯年収:女性】
高校 | 高専・短大 | 大学 | 大学院 | |
---|---|---|---|---|
初任給 | 16万4,600円 | 18万3,400円 | 20万6,900円 | 23万8,300円 |
生涯年収 | 1億5千万円 | 1億8千万円 | 2億2千万円 |
この結果によると、学歴が高いほど初任給は高く、高校卒業後すぐの就職だと初任給は低くなっています。
生涯年収の差は特に大きく出ており、高校卒業と大学・大学院卒業を比較すると、6千万~7千万円も差が開いてしまうことがわかります。
また、月収のピークは男性・女性ともに55~59歳頃になりますが、この年齢層の男性の平均賃金は、高校卒で35万300円、大学卒で51万3,800円、大学院卒で64万5千円となっています。
高校卒と大学卒では15万円、大学院卒では30万円ほど開いてしまうという結果でした。
女性においても、55~59歳の平均賃金は高校卒で24万2,100円、大学卒で37万5,700円、大学院卒で58万5千円と、高校卒と大学卒では13万円、大学院卒では30万円以上開いてしまいます。
生涯に渡って稼げる額が大学卒や大学院卒のほうが多いため、将来のことも考えて、高卒で働くのではなく大学などに進学したほうが良いといわれることがあるのです。
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参照:厚生労働省|令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/19/01.html
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参照:労働政策研究・研修機構|ユースフル労働統計2021 労働統計加工指標集
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2021/documents/useful2021_21_p312-356.pdf
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参照:厚生労働省|令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況(3)学歴別にみた賃金
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/dl/03.pdf
1-2.求人数が少ない傾向がある
求人のなかには、最終学歴○○以上などと、学歴を指定している求人も少なくありません。高卒OKの求人は、他の学歴卒の求人数と比較すると、どうしても少ない傾向があります。
しかし、求人がないわけではありません。JOBPALでも高卒OKの求人も扱っています。フリーワード検索で「高卒」や「学歴不問」と入力して検索すれば該当する求人が出てくるので、気軽に応募してください。
2.高卒で就職している人はどれくらいいるの?
現在高卒で働いている方や、これから高卒で働こうか考えている方は、同じように高卒で就職している方がどれくらいいるのかも気になるでしょう。
令和5年度の学校基本調査の結果によると、全日制と定時制の高等学校を卒業後に就職した方の割合は、全体の14.2%という結果でした。大学に進学した方は60.8%、専門学校に進学した方は16.2%なので、多くの方が大学や専門学校に進学しているようです。
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参照:e-Stat|令和5年度 学校基本調査 卒業後の状況調査票(高等学校 全日制・定時制)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tclass=000001212218&cycle=0
3.高卒で就職するメリットとは?
主に給与の面で不利といわれる高卒就職者ですが、高卒で就職するメリットもたくさんあります。ここでは一例として4つのメリットをご紹介します。
3-1.若いうちからお金を稼げる
高卒で働き始めると、大学に進学するよりも早くお給料をもらって自分で稼げるようになります。初任給は少なくても、こつこつと頑張れば昇給する可能性もありますし、貯金もできます。
また、就職した時点でまだ10代なので、結婚や出産といったライフイベントまで余裕があるという場合が多いでしょう。そのため、自分で稼いだお金を自分で使えることができ、お金のやりくりなどを学ぶこともできます。
3-2.若いうちから社会経験をつめる
大学に4年間通うのも良いですが、高卒で就職したらその分社会経験を積むことができます。
大学を卒業したばかりの22歳と、高卒から4年間働いた22歳では、社会経験の差はとても大きく、社会人としては先輩になります。
また、たとえ進学していなくても、スキルや資格を身につけることでキャリアアップすることも可能です。
3-3.特に体力が必要な現場で活躍できる可能性がある
高卒で就職すると、職場のなかでもひときわ若いポジションとなります。
例えば運動部などで身体を動かしていた方は、体力もしっかりあるでしょう。工事現場や工場の仕事など、体力が必要とされる職場では重宝されて活躍できる可能性があります。
また、あまり体力に自信がないという方でも、若い方ならではの吸収力で、デスクワークの習得も早いかもしれません。
3-4.フレッシュさを歓迎してもらえる
特に年齢層の高い職場だと、若い方が入るだけで場に活気がでることもあります。そのため、若々しさや新しい風を職場に入れるという意味でも歓迎してもらえることが多いです。
若い方がいきいきと頑張っている姿をみて、先輩たちもつられて頑張るといったように、良い連鎖が起きることもあります。職場で熱心に学ぶ姿勢をみせることで、まわりも気持ちよく業務を教えてくれるでしょう。
4.高卒の就職を成功させるためにできること
高卒の求人はほかの学歴の求人に比べて少ない傾向にあるため、人気の企業は求人倍率が上がってしまうこともあります。
しかし、せっかく高卒で働くことを決めたなら、自分にあった会社に入社したいものです。ここでは、高卒の就職を成功させるためのポイント5つをご紹介します。
4-1.自己分析をしよう
自己分析とは、自分のことを客観的にみて、得意なことや苦手なこと、長所や短所などを分析することです。
自己分析をすることで、自分の長所を活かせる仕事を見つけることができ、ぴったりの仕事に就きやすくなります。また、自分のことがはっきりと見えることで、自己PRが書きやすくなります。
せっかく高卒で入社しても、職場や仕事内容が自分に合わないと感じてしまうと、すぐに仕事がつらくなったり、辞めたくなってしまったりすることも考えられます。
そうならないためにも、自己分析をしっかりおこなって、自分らしく働ける仕事をみつけることがとても大切です。
自己分析や自分に合う仕事の探し方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
4-2.今後のキャリアプランを考えよう
キャリアプランとは、自分が将来なりたい姿や目標に向かって、どのように行動していけば良いのか、5年や10年単位でたてる見通しや計画のことです。
就職活動において、「将来どのような自分になりたいか」は面接などでもよく聞かれる質問でもありますし、聞かれなくても考えておくことは非常に大切です。
自分が将来理想とする姿になるために何をすべきか、入社してどうステップアップしたいかなどを考えることで、自分の理想を実現するための経験を積むことができる会社を選べるようになります。
また、会社としても、キャリアプランをしっかり持っている方ならば、「この人なら会社で活躍できる人材になるだろう」という信頼感を持つことができ、内定に結び付きやすくなる可能性があります。
4-3.応募前には企業分析をおこなおう
企業分析とは、応募する企業の情報を事前に調べ、それを分析することです。
まず、会社説明会やホームページ、インターネットなどで応募する企業の情報を集めます。ホームページには業績や経営理念などが書かれていることも多く、必要な情報を得ることができます。
また、インターネットで社名を検索すると、会社に関するニュースや話題が掲載されていることもあり、その会社の社会的立ち位置がわかりやすくなります。
その他、求人情報から読み取れる情報として、福利厚生や年収、勤務時間なども忘れずにチェックしましょう。
企業分析と自己分析を組み合わせることで、会社の理念と自分の価値観のすり合わせや、どうしてその会社で働きたいのか、その会社で自分がどのように活躍できるかなど、志望動機や自己PR作りにもつなげることができます。
企業分析について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
4-4.書類・面接の準備をしよう
自己分析と企業分析をして志望する会社が決まり、応募が完了したら、書類と面接の準備をしましょう。
まず、すべての方が用意する書類として履歴書があります。また、会社から志望動機や自己PRなどを記入するフォーマットが渡されることもあります。
履歴書を書く際には、年号を和暦か西暦かに合わせる、学校名は学科名まで含めて正式名称で書くなどのマナーがあります。前もって確認をしておき、丁寧に作成しましょう。
面接の場合も、挨拶の仕方や身だしなみなどのマナー、自己PRやよく聞かれる質問の回答などをしっかり確認しておきます。面接会場では緊張してしまう方もいるため、友だちや家族にお願いして事前に練習することも効果的です。
また、コロナ禍以降は、オンライン面接を導入している企業もあります。オンライン面接の場合には、インターネット環境の整備や機材の準備など、対面の場合とは異なる準備も必要なので注意しましょう。
書類の書き方や面接のマナーなどについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
4-5.最低限のビジネスマナーを身につけておこう
高校を卒業してすぐに就職をするなら、就職活動は高校3年生のときにおこないます。
高校3年生というと、自分ではまだ大人になりきれていないと感じる部分もあるかもしれませんが、就職活動をする以上は社会人としての自覚とマナーをもっていなくてはいけません。
採用する会社からも、当然社会人として扱われます。言葉遣いや立ち振る舞いなど、最低限のビジネスマナーは身につけておきましょう。
5.高卒で就職する際の流れを確認しよう
高校にいるあいだに就職活動をする場合は、学校を通しておこなわれ、応募書類も全国統一の形式が使用されます。企業が生徒に直接連絡をとったり、独自の書類を使ったりすることはできません。
高卒で就職活動する場合の一般的な流れをご紹介します。
- 高校2年生の1~3月:三者面談開始
- 高校3年生の4月~:企業説明会
- 高校3年生の7~8月:企業選び、職場見学
- 高校3年生の9月中旬:応募書類提出、採用選考・面接開始
- 高校3年生の9月末~11月中旬:二次募集
高卒での就職活動の特徴として「一人一社制」があります。社会人としての経験が浅い高校生のために学校が手厚いフォローをできるよう定められており、9月の一次募集の際には一人につき一社しか応募ができません。
そこで不採用になってしまった場合は、そのあとの二次募集の際に一人二社まで応募できます。多くの生徒は12月までに就職活動を終えることが多いようです。
6.高卒で就職できる会社を探すには?
高校を卒業してすぐの就職であれば、学校の手厚いサポートのもと就職活動をすることができます。しかし、入社後になんらかの事情で転職を考えるとき、最終学歴が高卒でも可の会社を探すにはどのような方法があるのでしょうか。
6-1.ハローワークで探す
仕事探しを始めるなら、まずはハローワークを訪れてみましょう。ハローワークは転職サイトに比べて求人数が多いという特徴があります。
また、職業訓練や面接対策をしてもらえる制度もあり、すべてのサービスが無料で利用できます。
実際に足を運んで窓口で相談することもできますし、ハローワークインターネットサービスを利用して、自宅からオンラインで求人検索をすることもできます。
6-2.地域情報誌の求人欄から探す
普段あまり意識しないかもしれませんが、実は地域情報誌にも求人欄があります。地域に紐づいた求人なので、通勤しやすかったり、アットホームだったりして、働きやすい職場が見つかるかもしれません。
6-3.転職サイトやエージェントを活用する
効率的に転職活動を進めたいなら、転職サイトなどを使うのもおすすめです。ただし、それぞれのサイトで強みや特徴が異なります。
高卒の求人を多く扱っているところもあれば、そうではないところもあります。自分のニーズに合った求人を多く掲載している転職サイトを使うことがポイントです。
また、JOBPALのように高卒の求人の取り扱いが多い転職サイトを選べば、効率良く探すことができます。
転職サイトの検索機能を使うときは、フリーワード検索などで「学歴不問」と入力して検索することで、高卒可の求人を見つけることができます。
自分で探すことに自信がない方は、転職相談も活用しましょう。JOBPALでも転職相談を受け付けていますので、ぜひ活用してください。
6-4.知人や友人に紹介してもらう
なかなか希望の求人が見つからないという場合には、知人や友人、親や兄弟が働いている職場などを紹介してもらうのも一つの手です。知り合いがいる会社なら、職場の雰囲気が事前にわかり安心です。
ただし、紹介だからといって絶対に働けるとは限らないため、書類や面接などの対策はしっかりとしておきましょう。
7.まとめ
高校卒は大学卒に比べて初任給や生涯年収が低くなってしまうことがありますが、早いうちから自立でき、他の学歴卒よりも社会人経験を多く積めるメリットがあります。
希望の職種に就くためには、まずは自己分析や企業研究を徹底し、しっかりとした自己PRや志望動機を作れるようにしましょう。
自分だけの力で転職活動をすることに不安を感じている方は、ぜひ転職相談を活用してみましょう。
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