基本のビジネスマナーとは?覚えておきたい12選を紹介

※この記事は6分30秒で読めます。
「ビジネスマナーって何?」
「どんなことに気をつければ良いのか知りたい」
など、ビジネスマナーに関して疑問を持っている方もいるでしょう。
ビジネスマナーは社会人としての基本的な礼儀作法のことで、どのような仕事であっても必要なものです。
今回は基本のビジネスマナーや気をつけるべき点などを解説します。この記事を読めばビジネスマナーのことがよくわかり、仕事の場においても活用できるようになります。
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1.社会人としてのビジネスマナーとは?
「ビジネスマナー」とは、仕事をしていくうえで必要最低限のマナーのことです。「この職種だから必要」「ゆるい職場だからいらない」ではなく、どのような仕事であっても基本的なビジネスマナーは必要になります。社内であっても社外であっても、正しいマナーで対応することが社会人としての基本です。
なお、よく似た言葉で「ビジネススキル」というものがありますが、それは仕事を効率的におこなうための基本的な技術を指すものであり、立ち振る舞い方を指すビジネスマナーとは違う意味であるため注意が必要です。
ビジネススキルについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
2.ビジネスマナーはなぜ必要?重視される背景
では、なぜビジネスマナーは必要になるのでしょうか?
ビジネスマナーが備わっていると、相手に与える印象を良くすることができます。相手も気持ちよく対応することができ、良好な人間関係を築くことができます。また、たとえ初対面の相手であっても一人前の社会人としてみなしてもらえたり、周囲からの評価が高くなったりと、社会人としての自分のランクを上げることもできるのです。
逆に、普段からマナーがなっていないと、相手に不信感を与えたり、少しのミスでも大きく評価が落ちてしまったりと、マイナスにはたらいてしまいます。
周りとの関係性を築きビジネスを成功させていくためにも、ビジネスマナーは重要なのです。
3.基本のビジネスマナー12選
細かいビジネスマナーはたくさんありますが、すぐに実践できる基本的な12個のマナーをご紹介します。
3-1.言葉遣い・敬語・一人称
社内でも社外でも言葉遣いは非常に大切です。特に「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の使い分けや、とっさの言い回しなどに注意しましょう。
基本的な考え方として、尊敬語は「主語が相手」の場合で相手を立てる言い回し、謙譲語は「主語が自分や身内」の場合で自分や相手がへりくだる言い回しです。丁寧語は丁寧な言葉遣いで相手に敬意を表します。
【例文】
「資料をご覧ください」→「見る」のは相手であるため、相手を立てる尊敬語の「ご覧ください」を用いる。
「資料を拝見いたしました」→「見る」のは自分であるため、自分がへりくだる謙譲語の「拝見」を用いる。
「かしこまりました」/「承知いたしました」→「了解しました」は自分と同等や下の立場の相手に使う言葉であるため、敬語としては誤った使い方。
また、ビジネスの場での一人称は男性・女性関係なく「私(わたくし/わたし)」が一般的です。男性の場合「僕(ぼく)」という一人称はビジネスの場ではカジュアルすぎる表現ですが、一方で親しみやすさを感じることもできるため、雑談や食事の場などでうまく使えると人間関係の構築に一役買うかもしれません。
3-2.身だしなみ
身だしなみはその人の第一印象に影響を与える大きな要素です。基本的には清潔感があることが大切で、会社の規定に合わせた服装や髪色を意識しましょう。
身だしなみについて、男女別のチェックポイントをご紹介します。
男性 | 女性 |
□髪は清潔ですか。 □整髪料などの香りが強くありませんか。 □髭は剃ってありますか。 □口臭ケアはしてありますか。 □シャツにしわや汚れはありませんか。 □ネクタイはずれていませんか。 □靴に汚れはありませんか。 | □職場に合った髪型ですか。 □ヘアカラーやアクセサリーは派手すぎではありませんか。 □メイクが濃すぎたりノーメイクで顔色の悪い状態ではありませんか。 □職場に合った服装ですか。 □香水などの香りが強くありませんか。 |
3-3.挨拶
挨拶は基本中の基本です。ビジネスの相手に会うときはもちろんですが、社内でも出社時や退社時に気持ちの良い挨拶を心がけましょう。笑顔または口角を上げ、相手の目を見てすることが基本です。また、「語先後礼(ごせんごれい)」といい、先に言葉で挨拶をし、続けてお辞儀をするようにします。
社内においては、「おはようございます」「ありがとうございます」「お疲れ様です」などの基本的な挨拶のほか、「ただいま戻りました」「かしこまりました」など、要所要所で適切な挨拶ができるようにしましょう。
社外においては、取引先に対しての「いつもお世話になっております」や「ご無沙汰しております」、会議室などに入室する際の「失礼いたします」といった挨拶をよく使います。明るくハキハキと挨拶することで、相手の心象がとても良くなります。
3-4.お辞儀
ひと口に「お辞儀」といっても、ビジネスマナーでは大きく3つのやり方があります。
3-4-1.会釈
軽い一礼のお辞儀です。廊下ですれ違ったときやお客様と目が合った際の軽い挨拶になります。上体を約15度の角度で倒す挨拶です。状況によりますが、立ち止まって頭を下げると丁寧です。
3-4-2.敬礼
もっとも一般的なお辞儀で、挨拶やお見送りの際におこないます。背筋を伸ばし、上体を倒す角度は30度が目安です。
3-4-1.敬礼
もっとも丁寧なお辞儀で、謝罪やクレーム対応時などにおこないます。背筋を伸ばし、上体を45度目安で倒すのが基本です。状況によっては90度近くまで深々と頭を下げるケースもあります。
どのお辞儀の場合も、素早く頭を下ろし、そこからゆっくりと戻すことでより美しく丁寧な印象を与えられます。
3-5.名刺の受け渡し
取引先が多い仕事だと、名刺交換の機会も多くなります。また、普段は名刺を持ち歩かない人でも、突然受け取る機会が訪れる可能性も十分あります。いつでも慌てず対応できるよう、マナーを身につけておきましょう。
他社などに来訪して挨拶する場合、名刺は来訪した側から渡すのが基本です。複数人で来訪した場合には役職の高い順に渡して挨拶します。
名刺を渡す際には相手が読みやすい向きにし、名刺を名刺入れの上に乗せ両手で差し出します。相手が差し出した名刺より低い位置から渡すことで丁寧な印象を持たせることができます。この際、以下のことに注意しましょう。
- 電話は3コール目までに取る。
- 会社名・氏名や用件は復唱してメモをする。
- 電話を取り次ぐ際には保留にし、保留が長引く場合はかけ直す旨を伝える。
- かけた側、あるいはお客様側から電話を切るのを待つ。
- 自分から電話を切る際は静かに切るよう注意する。
- 当日または翌日までに返信する。
- 返信の際はタイトルを変更しない。
- 会社名は省略せずに記載する。
3-5-1.名刺は立って渡す
着席した状態の挨拶であっても、名刺を渡すときは席から立ち、机の脇に移動して渡します。やむを得ず机の上で交換をおこなう場合には、「机の上からすみません」とひと言加えると良いでしょう。
3-5-2.両手で受け取る
基本的には相手の名刺は両手で受け取ります。しかし、交換のタイミングなどによっては自分の名刺も差し出しており、両手を使えない場合もあります。
その場合は右手で自分の名刺を差し出し、「頂戴いたします」とひと言添えながら左手で相手の名刺を受け取ります。受け取ったあとにはすぐに両手で持ち直すようにしましょう。なおこの際、相手の名刺の会社のロゴや氏名などを手で隠さないように注意します。3-5-3.交換した名刺は机の上においておく
名刺を受け取ってからすぐにしまうのはマナー違反です。受け取った名刺は名刺入れの上に乗せる形で机の上に置きます。自分から見て左側に置きましょう。複数の名刺がある場合には並べておきます。名刺をしまうタイミングは会議や商談が終わったあとです。 ポケットや財布から直接名刺を出すことはマナー違反とされています。また、名刺切れも相手に対して失礼にあたります。名刺交換の頻度が多い人は、名刺入れのなかに常にある程度の数の名刺を入れておくように管理しましょう。 名刺を持たない職種の人は、「名刺がなくて申し訳ありません」と謝罪してから社名と氏名を伝えます。
3-6.電話応対
苦手意識を持っている人も多い電話応対ですが、社会人として一通りの流れは覚えておく必要があります。ビジネスマナーの一つとして基本のやりとりを習得しておきましょう。基本のやりとりの例をご紹介します。
【やり取り例:電話を受ける場合】
(3コール目までに受話器を取る) 「はい、○○会社□□がお受けいたします。」 「△△会社の▽▽様ですね。いつもお世話になっております。」
→(担当者に取り次ぐ場合)「いただいた件につきまして、担当者に取り次ぎますので少々お待ちください」と断りを入れ、保留にして取り次ぐ。
→(担当者が不在の場合)「申し訳ございません。ただいま担当の者が外出しており、本日は戻らない予定です。明日担当の者から折り返し電話をするようにいたしますが宜しいでしょうか。」
→(用件を聞く場合)「よろしければ代わりにご用件をお伺いして担当の者に伝えますが、いかがでしょうか。」と尋ねて用件を聞く。
電話の基本的なマナーとしては、
などが挙げられます。大切なこととしては、氏名や用件を聞き漏らさないこと。曖昧なことは「恐れ入りますがもう一度お名前を伺ってもよろしいでしょうか」などと聞き返し、うやむやなままにしないようにしましょう。
3-7.メール
メールの送信にもビジネスマナーがあります。特に以下の点には注意しましょう。
上記を踏まえ、ビジネスメールの例文をご紹介します。
---------- 【ビジネスメール例】 〇〇株式会社 〇〇様 お世話になっております。 □□株式会社の△△です。 先日は打ち合わせのお時間をいただき、誠にありがとうございました。 打ち合わせの際にお話しさせていただいた弊社プランのご説明の場について、 日程を調整させていただければと存じます。 以下の日程でご都合のよろしい日時をご連絡いただいてよろしいでしょうか。 ・□月□日(□曜日)○時~○時 ・□月△日(□曜日)○時~○時 ・△月□日(□曜日)○時~○時 上記日程以外でも調整可能ですので、ご都合が合わない場合にはご遠慮なくお申しつけくださいませ。 大変お手数をおかけいたしますが、ご確認宜しくお願いいたします。 <署名> ----------
3-8.報連相
「報連相(ほうれんそう)」とは「報告・連絡・相談」のことで、仕事をスムーズに進めるうえで重要なやりとりを表す言葉です。
3-8-1.報告
業務の進捗や結果、トラブルが起きた際にはその経緯などを、速やかに上司に報告します。
3-8-2.連絡
今後の予定や今日のタスク、全員で共有すべき事項などを上司から部下、部下から上司、または社内全体へ連絡します。
3-8-3.相談
判断に迷うことが生じた際に上司や同僚に意見を求めたり、指示を仰ぐための相談をしたりします。自己判断が難しい場合でも、早目に相談することで失敗を防ぐことができます。
ビジネスの世界では、起きたことに対して常に迅に正しく対処していくことが重要です。そのためには、人と人、部署と部署の連携が不可欠です。「報連相」は、そういった情報を「正しく」「速やか」に伝え、日々の業務やトラブルの解決をスムーズにおこなうための重要な手段です。
「報連相」が徹底され、常に情報共有が行き届いている会社は、普段から業務が円滑に進み、会社全体の生産性が高くなります。
3-9.欠勤・遅刻連絡
会社と自宅が離れていると、公共交通機関や道路の状況などで移動時間が余計にかかってしまうこともあります。そういったトラブルも見越し、遅刻をしないように家を出ることが基本です。
それでもやむを得ず遅刻してしまいそうな場合は、大災害や事故などの緊急事態を除いては始業時間を過ぎる前に連絡をしましょう。
また、欠勤の場合も可能ならば前日までに連絡をすること、当日の体調不良などの場合は遅刻と同様に始業時間までに連絡することを心がけましょう。連絡のない遅刻や無断欠勤は、周りからの評価が下がったり、人事評価に影響があったりするなど、不利益なことしかありません。
3-10.席次
複数人で同じ空間にいる場合、座る位置や立ち位置にもビジネスマナーが存在します。
その空間でもっとも良い席は「上座(かみざ)」、目下の者がつく席は「下座(しもざ)」と呼ばれます。基本的に上座は入り口からもっとも遠い席、下座は一番入り口近くの席ですが、シチュエーションごとに若干変わってきます。
よくあるシチュエーションにおける席次をご紹介しますので、覚えておきましょう。
3-10-1.お客様との会議室

入り口から遠い側の真ん中の席が上座(①)となり、その奥側の隣が2番目(②)、入り口側の隣が3番目(③)になります。お客様が来訪した際には、奥の席(①②③)へ通しましょう。会社側の人は入り口側の席に着きます。
3-10-2.会議(ロの字テーブル)

会議(ロの字テーブル)
入り口から一番遠い場所が上座(①)となり、それ以降は議長に近い順に左右交互の順番になります。議長の前には誰も座りません。
3-10-3.会議(ロの字テーブル)

議長からみて右側の席が上座(①)となります。その反対側の席が2番目(②)、そこから左右に順番の席次となります。
3-10-4.車(自家用車)

自家用車に乗る場合、助手席が上座(①)になります。その次が運転手の後ろの席(②)で、後部座席に3人で座る場合は真ん中の席が下座(④)です。
3-10-5.車(タクシー)

タクシーに乗る際は助手席は下座(④)となります。行き先の指示や支払いなどをする必要があるためです。上座は運転席の後ろの席(①)、次いでその反対の端の席(②)、真ん中の席(③)となります。
3-10-6.エレベーター

エレベーターに乗るときは操作パネル側の奥が上座(①)です。次いでその隣の奥(②)、その前(③)、その隣(④)と続き、下座は操作パネルの前(⑤)になります。下座に立つ場合は操作パネルの操作をしましょう。
3-11.整理整頓
自分の身の回りの整理整頓をきちんとおこなうこともマナーの一つです。デスクの上やロッカーなど個人的な部分であっても、整理整頓ができていないと、自分だけでなくそれを見る周囲の人のモチベーションの低下にまでつながりかねません。
また、重要な書類の紛失や汚損の可能性にもつながるため、「マナーだから」という理由以前に仕事の基本として片付けや整理整頓を心がけましょう。
3-12.オンライン会議・商談
最近はオンラインによる会議や商談の機会もぐっと増えました。オンラインの場合は、照明は暗すぎず、また逆光にならないよう、カメラの位置や座る向きを意識しましょう。
背景はできれば白ベースの壁にするようにします。在宅ワークなどでどうしても私物が映ってしまう場合には、カメラやWEB会議ツールの設定で背景を白にしたりモザイクをかけたりして、相手の意識が背景に行かないようにします。
他の人が話しているときには、その人が映っている画面を見てリアクションを適度にとることで、たとえオンラインであっても良い関係が作りやすくなります。
4.表情や所作を意識するところから始めよう
ビジネスマナーとして守ることはたくさんありますが、すべて覚えるのは大変です。まず、普段の表情や所作を意識することからはじめましょう。
表情はいつも穏やかに口角を上げておき、所作はゆったりと品良くすることで、周囲からの見え方も変わります。たとえば仕事相手から少し難しい要求が来たとしても、その場で慌てた様子や困った顔を見せるのではなく、まずは落ち着いて「社内で検討させていただいてからお返事いたします」とワンクッション置けば、相手の心象も良くなり、その後の交渉もしやすくなります。
このように、ちょっとした立ち振る舞いや対応の丁寧さが、ビジネスをうまく進めていくうえで重要になるのです。
5.まとめ
ビジネスマナーは新人研修などで丁寧に教育してくれる会社もありますが、すべての会社がそうではありません。基本的なルールを頭に入れて実践するとともに、相手を不快にさせず場を明るくするような立ち振る舞いを普段から意識することで、周囲との人間関係も良くなり、仕事もぐっとやりやすくなります。社会人としての意識を常に持ち、場に合った適切な行動ができるようにしましょう。
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