シニア世代の面接対策とは?よく聞かれる質問・回答集と面接時の注意点
※この記事は6分30秒で読めます。
「シニアでも面接対策は必要?」
「シニアが面接を通過するための対策が知りたい」
など、シニア世代の採用面接に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
シニア世代の面接では、これまでの仕事にまつわるエピソードや身についたスキル、強みをアピールすることが求められます。
今回は、シニア世代でも面接対策をすべきか、5つの面接対策、よく聞かれる質問とその回答、面接を受ける際の注意点などを解説します。この記事を読めば、シニアの面接のことがよくわかり、自信を持って面接試験に臨めるようになります。
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1.シニア世代でも面接対策はするべき?
シニア世代が求人に応募する場合も、若手と同様に面接対策は徹底すべきです。
20代の若手を採用する際は会社でじっくりと教育をしていくため、実務経験は問われないことが多いですが、シニア世代は経験やスキルが重視されます。
シニア世代が面接で受け答えがうまくできなかったり、ビジネスマナーに欠けるふるまいをしたりすると、せっかくのスキルの高さや経験の豊富さが十分に伝わらず、採用が遠のいてしまう可能性があります。
逆に、しっかりと面接対策をすれば、自分のスキルや人間性の高さが採用担当者に伝わり、面接を突破できる可能性が高まります。
2.シニア世代の面接対策5つ
シニア世代の面接対策として代表的なものを5つピックアップしました。
- 応募書類は丁寧に作成する
- よく聞かれる質問に対する回答を用意しておく
- 話し方や仕草、表情を見直しておく
- ビジネスマナーを身につけておく
- 面接当日の服装は清潔感を大切にする
- 笑顔や挨拶が徹底できているか
- 尊敬語・謙譲語・丁寧語を使い分けているか
- ノックの回数やお辞儀の角度にも気を配れているか
- 適切な名刺の受け取り方ができているか
- 諦めない気持ちで挑む
- ハキハキ回答することを心がける
- 体力や体調面で不安があるなら伝えておく
2-1.応募書類は丁寧に作成する
シニア世代の転職活動では、書類選考が最初の難関です。面接に進めさえすれば自分の言葉で経歴やスキルをアピールでき、面接対策を実践することも可能です。
しかし、書類を見ただけでは年齢をカバーできる人物か採用担当者が判断できないため、若い世代より一般的に書類選考通過のハードルが高くなります。
書類選考を通過できないと面接対策を活かすこともできません。年齢というハードルを越えて「会って話がしてみたい」と思ってもらえるように、応募書類は丁寧に仕上げることを意識しましょう。
丁寧な字で書く、誤字・脱字をなくすといった基本的なことはもちろん、明るい印象の写真を選んだり、志望動機を明確に記載したりといった点も気をつけましょう。
シニアにも通じる履歴書の書き方は以下のリンク先にまとめてあるので、シニア世代で転職を狙っている方は参考にしてみてください。
2-2.よく聞かれる質問に対する回答を用意しておく
面接でどのような質問をされるかは企業や採用担当者ごとに異なりますが、質問される内容はある程度共通するものがあります。
よく聞かれる質問はインターネットで検索すればいくつも出てくるので、事前に調べておいて自分なりの答えを用意しておきましょう。
事前に答えを準備しておけば、面接時にうまく答えがでてこなくて焦ってしまったというようなことが起きずに済みます。
また、答えを考えているあいだに出がちな「あー」「えー」といった不要な単語を出ないようにすることで、話したい要点が採用担当者に伝わりやすくなります。
以下の記事では面接の練習方法について詳しく解説しています。
2-3.話し方や仕草、表情を見直しておく
普段はあまり気にならないかもしれませんが、年下に対する話し方が横柄になっていたり、敬語が使えなかったりする可能性があります。
また、悪気はなくても、身ぶり手ぶりが大きすぎたり声が大きすぎたりすると、採用担当者の印象が悪くなります。面接練習をする際には面接風景を録画しておき、自分の仕草や言動を直しておきましょう。
また、シニア世代になると周囲から指摘してもらえることが少なくなり、気がつかないうちに相手に不快な印象を与える態度をとっていることもあります。そのため、知人などに面接練習につき合ってもらい、自分の印象はどう映ったか率直な感想を聞くのも有効です。
また、緊張して敬語や尊敬語、謙譲語がうまく使えなくなるケースも考えられます。何度も練習を重ね、言葉の使い分けがスムーズにできるようにしておきましょう。
何度練習しても不安がある場合は、転職サイトの面接対策のサービスを利用することをおすすめします。
2-4.ビジネスマナーを身につけておく
シニア世代のなかには新卒のときにビジネスマナーを叩き込まれた人も多いと思いますが、長い社会人生活のなかで忘れてしまっていることがあるかもしれません。
面接の対応がぞんざいだと判断されると、採用担当者に悪いイメージが残って、採用が遠のいてしまいます。面接に挑む前に今一度ビジネスマナーを見直し、不足があればあらためて身につけておきましょう。
ビジネスマナーがしっかりしていれば採用担当者からの印象が良くなり、初対面の相手でも「年齢相応のビジネススキルがある」と判断してもらえます。
見直すべきビジネスマナーの代表例は以下のとおりです。
このように、表情や所作を見直すのがビジネスマナーの第一歩です。
以下の記事ではビジネスマナーの基本ポイントをまとめていますので、こちらも併せて参考にしてみてください。
2-5.面接当日の服装は清潔感を大切にする
面接では初めて出会う採用担当者と応募者がやりとりをするため、第一印象は非常に大切です。髪型や服装などの身だしなみに注意し、第一印象が悪くならないように気をつけましょう。
まず、服装は上下スーツやオフィスカジュアルが鉄則です。服装自由、またはカジュアルな服装でOKとする企業もありますが、私服のような服装はNGです。
面接の際は、ジャストサイズのジャケットやスーツを選びましょう。サイズが大きすぎたり小さすぎたりすると、だらしない印象になってしまうので注意が必要です。
前職の制服が作業着で長年スーツを着用していないような場合には、サイズが合わなくなっている可能性もあります。面接前にスーツやオフィスカジュアルの服を着てみて、サイズが合わないときは新調しましょう。
その他、清潔感を意識した服装や髪型を意識することも大切です。男女ともに前髪が目にかからないようにしたり、長い髪はきれいにまとめたりするなど、不快感を与えない見た目になるよう気をつけましょう。
以下の記事では面接の際の身だしなみについて詳しく解説しています。
3.シニア世代が面接でよく聞かれる質問・回答集
細かな質問内容は面接ごとに異なりますが、どの面接でも必ず出される定番の質問も多くあります。ここでは、シニア世代の面接でよく出る質問とその回答例をご紹介します。
3-1.自己紹介をお願いします。
自己紹介は面接の最初に設けられることが多い質問で、内容よりも、応募者をリラックスさせること、表情や目線、話し方など第一印象をチェックすることが目的となります。
自己紹介は仕事に関連する内容とし、名前を伝えたあとにこれまでの経歴を簡潔に述べましょう。
【自己紹介の回答例】
○○と申します。本日はよろしくお願いいたします。
私は製造業の営業職に従事しており、ルート営業の責任者として新人教育や部下のマネジメントを主な業務にしておりました。2020年には新入社員の目標課題達成率が過去最高になったこともあり、新入社員のやる気を引き出すコミュニケーションに自信があります。
この経験を活かし、御社で働く若手社員の能力を引き出せるようなマネジメントをしていきたいと考えております。
3-2.これまでの経歴を教えてください。
自己紹介という言葉ではなく、今までの経歴について質問されることもあります。自己紹介で回答した職務経歴について、より詳細に聞かれるパターンもあるでしょう。
これまでの職務経験だけでなく、保有資格や免許、前職までに身につけた能力、そのスキルを活かしてどのような貢献ができるかなど、自己紹介よりも詳細な回答が求められます。
【これまでの経歴に関する回答例】
前職では経理部の係長として日々の経理業務を主に担当しておりました。
また、業務を遂行するために日商簿記2級を取得し、年1回の決算業務にも携わっておりました。財務分析や経営分析も経験しております。
より会社の業績に直結する部署で働きたいという気持ちが強く、営業職に応募させていただきました。経理業務で活かした分析能力や事務処理能力も活かしながら、御社の売上向上に貢献したいと考えております。
3-3.なぜ当社に応募しましたか?志望動機を教えてください。
志望動機はシニアの面接に限らず、採用面接では間違いなく質問されます。志望動機は採用する側にとって、なぜ他の企業ではなく当社を選んだのかを知るための重要な質問です。
企業名を変えればどこでも通用するような志望動機では、熱意がない、企業研究が足りないといった悪い評価になり、採用が遠のいてしまいます。
逆にその企業にのみ通用する志望動機であれば、入社したい気持ちが強く、企業研究を徹底していると評価してもらえます。
志望動機には、この企業を選んだ理由や、自分の経験やスキルとマッチしていること、自分の人間性と社風が合っていることなどを盛り込み、最後に入社後にどう活躍したいのかのビジョンを語ると良いでしょう。
ただし、自分自身を採用するメリットを説明する自己PRと内容が一緒にならないように注意しましょう。
【志望動機の回答例】
前職では食品製造業の主任として、現場担当者や派遣社員のシフト統括や業務の指示出しといった仕事に従事しておりました。
このたび応募させていただいたのは、御社の「ボトムアップで業務改善を進める」という社風に共感したためです。
私の前職は基本的にトップダウンでマニュアルを守ることが重視されましたが、御社では私の経験を業務改善に取り入れていただける風通しの良さがあると感じております。
以下の記事では志望動機の例文について詳しく解説しています。
3-4.自己PRをお願いします。
自己PRは、自分の強みを説明することで「私を採用するとこんなメリットがあります」とアピールできる時間です。一般的に面接試験の最後のほうで質問されます。
採用する側にとっては、応募者の強みを知り、採用することで会社の業績アップにつながるかを確認するための質問です。
単にやる気があることだけでなく、経験とスキルをセットで伝えることが大切になります。
【自己PRの回答例】
前職では、圧造部門の現場担当者を20年間、無遅刻無欠席で全うしました。
健康に留意してきたことはもちろんのこと、工場の5Sやヒヤリハット運動をコツコツとこなすことで、事故が発生する可能性を未然に防いできたことが大きな要因と考えています。
また、作業中は集中力を高く保つことを意識していました。御社でも、ミスの減少や労災の防止、作業の効率化といった面で私の経験が活かせると考えています。
自己PRで何を話せば良いかわからないとお悩みの場合は以下の記事も参考にしてみてください。
3-5.前職を退職した理由を教えてください。
すでに退職している場合は、前職を退職した理由、まだ在籍している場合は、なぜ転職しようと思ったのかを聞かれることもあります。
前職と同じような理由で退職するリスクがないかもチェックされるため、ネガティブな回答はNGです。仮にネガティブな退職理由でも、ポジティブに言い換えましょう。
【退職理由の回答例】
前職はトップダウンの会社で、経営陣が作成したマニュアルを守ることが重視されていました。しかし、仕事をしているうちに、現場社員の意見を業務に反映させたいという気持ちが強くなりました。
御社では年齢や役職に関係なく有用な意見は採用する方針だと知り、そのような企業で働きたいと考えて転職を決意しました。
3-6.あなたの長所と短所を教えてください。
応募者の性格面の長所は業務に活かせるものか、応募者が短所を含めた自分の人間性を把握しているのかを知るために聞かれることが多い質問です。
短所を答える際は単にネガティブな答え方で終わらず、ポジティブに言い換えることが大切です。
【長所・短所の回答例】
私の長所は、結果が出るまで諦めずに業務に挑めるところです。
前職で大型プロジェクトが中止になりかけたことがありましたが、プロジェクトの重要性を会議の場で上司にプレゼンし、従来の予定どおりプロジェクトを完遂させたこともあります。
短所は頑固なところで、これまでは1つの事柄に納得し正解にたどりつくまで執着し続けてしまうこともありました。
上司から「さまざまな角度から仕事に携わることが大切」と教えていただいてからは、1つの答えに納得できなくても多角的に検証し、より良い道を選ぶことができるようになったと思います。
以下の記事では、面接で長所と短所を聞かれたときの伝え方について詳しく解説しています。
4.シニア世代が面接を受ける際の注意点
シニア世代が面接を受ける際は、以下のような点に注意しましょう。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
4-1.諦めない気持ちで挑む
シニアやミドルシニアと呼ばれる年齢になると即戦力または管理職としてのスキルを求められることから、若い世代の転職よりも採用に至りにくい傾向にあります。
不採用が続くと、暗い気持ちや不安な気持ちが表情に出てしまうかもしれません。
しかし、「もう歳だから受からない」というネガティブな気持ちで面接に挑むと、第一印象でマイナスになってしまいます。常に挑戦する気持ちで前向きに面接を受けることが大切です。
4-2.ハキハキ回答することを心がける
面接に不安を感じたり、採用される自信がなかったりすると、視線が下を向いて声が小さくなりがちです。
「自分のスキルに自信がない」「年齢相応の能力がない」と判断されてしまうと、スキルがあっても第一印象でマイナスになってしまいます。面接の練習を何回も繰り返し、面接の空気に飲まれないようにしましょう。
そのうえで、採用担当者の目を見てハキハキと答えれば、良い第一印象を抱いてもらえる可能性が高まります。
地声が小さい人もいると思いますが、自信をもってハキハキと答えることで声の小ささをカバーすることは十分に可能です。
4-3.体力や体調面で不安があるなら伝えておく
シニアやミドルシニア世代になると、若い頃よりも体力が落ちたと感じる人も少なくありません。腰痛があって重いものは持てない、体力的に現場仕事に不安があるというような不安や心配は、隠さずに正直に申告しましょう。
また、持病があり通院をしているような場合も、あらかじめ伝えておくべきです。内定が欲しいあまり体調の不安を隠していると、長く働けないだけでなく、会社に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
体力面で不安がある人でも、部署や働き方によっては不安をカバーできます。例えば出荷場のピッキング作業なら、台車やフォークリフトを使えば体力がなくても重いものを運搬することが可能です。
自分の体力や体調に合う職場に配属してもらうためにも、身体面の不安は正直に面接の場で伝えましょう。
5.まとめ
シニア世代は若い世代よりも採用されにくいイメージがあるかもしれませんが、しっかりと自分の強みを伝えることができれば採用される可能性は十分にあります。
まずは採用担当者に「会って話してみたい」と思ってもらえるよう、細部までこだわって履歴書や職務経歴書を作成しましょう。面接ではこれまでに得たスキルや職務経験を交えて話すことで、即戦力として採用される可能性が高くなります。
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