ガンプラの金型とは?0.001mmを追求するガンプラ職人の匠の技
- # 技術
プラモデルを作らない人でも知っている、機動戦士ガンダムのプラモデル「ガンプラ」。
1980年に登場してから37年のあいだに作られてきたガンプラは、約2,000種類!累計4億5,000万個を販売してきたそうです。そのガンプラすべての部品を作っているのが「金型」です。
ガンダムの世界を再現する金型は、まさにガンプラの命。販売するバンダイが静岡県の工場で生産を続ける理由のひとつは、海外では対応が難しい金型にあります。
普段、何気なくおもちゃ売り場に並ぶガンプラは、金型とメンテナンスを担う4人の「シニアマイスター」たちの、匠の技があればこそ。0.001mm単位で精度を追求する、職人たちのこだわりを紹介します。
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ええぃ!1ミクロン単位で調整するガンダムマイスターは化物か!
1980年に発売されたファーストガンダム1/144スケールの金型は、35年経った今でもメンテナンスしながら使われ続けています。金型職人による0.001mm(1ミクロン)単位の調整によって、米粒ほどの大きさのキャラの顔ですら前髪や鼻といった細かい部分まで確認できるのです。
さらに最近では、3Dプリンターでパーツの一つひとつを試作し、関節の可動範囲やサイズを確認しながら設計を進めています。極小部品の金型を作成するときには、髪の毛より細い0.04mm単位で加工できるレーザー加工機で作成。最後は、金型職人が仕上げと調整を行って仕上げます。
株式会社バンダイのホビー事業部に所属する志田健二さんは、1985年に入社して以来ガンプラ製作を担当してきたベテラン。ガンプラ35年の歴史の中で、4人だけしか名乗ることができない「シニアマイスター」の1人です。
接着剤なしでピタリとはめ込める部品や、複数の色のプラスチックを流し込んで一枚の「ランナー」を部品ごとに色分けするには、非常に高度な技術が必要とされます。金型になにか問題があれば、成形された部品の精度が狂い、組み立てることができなくなってしまいます。
しかし、シニアマイスターの志田さんは「技術者は、自分の技術だけにこだわりがちですが、本当に大事なのはチームを越えた相互理解」と話します。
見せてもらおうか。ガンプラを守る金型の秘密とやらを!
志田さんと同じく、ホビー事業部の製品設計チームでシニアマイスターを務める大須賀敏亨さんは「プラモデルとしておもしろい商品を作るためには、独自の工夫の積み重ねが必要」と話しています。
複数の色のプラスチック素材を流し込んでランナーを部品ごとに色分けするためには、金型の調整だけではなく金型からランナーを成形する機械を含めて、トライアンドエラーを繰り返して精度を高める必要があります。
現場において、コンピューターだけでは樹脂の変化や性質を理解し、対応することが困難です。現場の職人が勘と経験で解決していくしかないのです。
だからこそ、志田さんや大須賀さんが話すようなチームの連携や工夫の積み重ねが大切となるのでしょう。
金型だけではなく、それを使いこなすシニアマイスターの知識と経験が必要になるのです。
このように、精巧なガンプラは匠の技を持つ職人たちによって守られているのです。
まとめ
ガンプラにとって、金型とメンテナンスを担う金型職人は「命」と呼べる存在です。
一般的に、製造業の現場は深刻な人手不足だと言われます。
それは、バンダイホビー部でも例外ではありません。
同社では、数年ぶりに高卒者を採用し、ガンプラ金型職人の後継者を育てているそうです。職人が持つ匠の技術はこれからも継承され、ガンプラもさらに進化し続けていくのでしょう。
未来のガンプラ職人を応援していきたいですね。
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