サッカー選手活躍の裏にスパイク職人あり?最強の用具係「ホペイロ」とは?
- # 技術
W杯目前! サッカー熱が高まり、昔使ったサッカーボールやスパイクシューズを引っ張り出してみたものの、ボロボロ……なんて人もいるかもしれません。
そう、サッカーは用具の手入れが大事。なんでも、あの本田圭佑選手もプロにスパイクの手入れをお願いしているのだとか!
スパイクをはじめとした用具はプロサッカー選手にとって商売道具ともいえる存在ですが、実はそれらを管理したり修理したりする腕利きの職人がいることをご存じですか?
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スパイクを削って、オリジナルに改良!? 最強の用具係「ホペイロ」とは
サッカー用具に関するプロとして、サッカー選手を影から支えているのが「ホペイロ」という職人たち。選手が使用する用具を管理・整備し、最高の状態で試合に臨めるように準備する「最強の用具係」ともいえる存在です。
そんなホペイロが管理する用具はスパイクからサッカーボール、ユニホームなどさまざま。しかし管理するといっても、掃除やクリーニングといった手入れだけではありません。
例えば、スパイクを選手のオリジナルに改良することもあります。サッカーのスパイクは靴底に突起(スタッド)がありますが、これを選手の走り方やボールを蹴る際の動き、試合での芝生のコンディションに合わせてミリ単位で削ったり尖らせたりするなど、ベストなものに変形・加工していくのです。そのわずかな違いでベストなボールさばきを実現するのですから、まさに職人技といえる手仕事です。
さらにホペイロは、スパイクの中敷き(インソール)を改良することもあります。もし中敷きが試合中に少しでもズレたり動いたりすると、選手のプレイに影響が出ます。そこで、きちんと選手の足とスパイクに合い、プレイ中もズレない中敷きを用意します。このように選手が使う用具を最高の状態に仕上げるのがホペイロの仕事なのです。
スパイクのわずかな違いで得点力アップ!? クラブを影から支える存在
さまざまな用具を管理するホペイロですが、その中でも特にスパイクは選手やクラブへの影響が大きく、また、ホペイロの職人技が表れる用具です。
例えば、ソールのつま先部分を削るだけでキックの精度がよくなることもあれば、スパイクの裏を滑りにくいように加工するだけで踏ん張りが聞き瞬発力がアップすることも。スパイクを改良した直後の試合で選手が得点し、すぐに結果を出すこともあるといいますから、クラブの勝利を目指して関わる人間としては特大のやりがいを感じる仕事でしょう。
もちろん、どのようなスタッドの形が合うかは選手によって異なります。そのため、ホペイロは選手一人ひとりのプレイをじっくり観察し、その選手にとってベストのスパイクの形状を考えていきます。そして元となるスパイクをさらに選手が使いやすくなるよう、自らの技術を用いて加工していくのです。
今ではクラブとプロ契約を結んだ正真正銘の“プロ”のホペイロも日本で誕生しており、本田圭佑選手や吉田麻也選手といった海外で活躍するスター選手も日本人の腕利きのホペイロに手入れをお願いしているほど。ホペイロは日本のサッカーを影から前進させている重要な人物だといえます。
このように、すでにあるものを改良して今までなかったものを生み出し、その人が使いやすいものを作り出すホペイロの仕事は、ものづくりのこだわりやアイデアにも通じる職人技といえるでしょう。
まとめ
足先での技術を競うサッカーですが、その用具を管理するホペイロはまさに選手を支える職人。これから迎えるW杯の熱戦の裏にも、そんな職人のスゴワザが関わっているのです。サッカー観戦時は、ぜひ選手の足元に注目してみてくださいね!
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