わざわざ扱いづらい形にするのは“豚”が関係アリ!?ラグビーボールが楕円形の理由
- # 技術
ワールドカップイヤーの2018年、サッカーに次いで話題に挙がることが多いスポーツといえば、アメフト。その特徴といえば頑丈な防具と、もう一つがボールです。そう、まん丸の球ではなく、いびつな楕円形のボールが使われていること。
そのため、あっちへこっちへハチャメチャに転がり放題なこのボール。どうしてわざわざ扱いにくいボールを使うのでしょう? その秘密には、何と“豚”が関係しているのだとか!
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おしっこをためる“あの場所”がラグビーボールに!?
アメフトとラグビーでは、ラグビーのほうが先に始まったスポーツです。あの楕円形のボールを使い始めたのもラグビーが最初ですが、ではなぜ、あんな形になったのでしょう? 理由は諸説ありますが、最も有力なのは「豚の膀胱の形」が関係しているという説。……と言われても、何のことかサッパリ分からないですよね。
実は今から約200年ほど前、ラグビーが生まれた当時は、まだ人間がゼロから球状のボールを作る技術はありませんでした。となると、丸に近い何かをボールの代わりにしなければいけません。そこでラグビーを始めたとき、人間は豚の膀胱を材料に使ったのです。豚の膀胱に空気を入れると楕円形になり、その周りに牛の皮などを貼ってボールを作ったのだそう。その名残りで、ラグビーボールは楕円形になったという訳です。
しかし、なぜ豚の膀胱なのでしょう。これも諸説ありますが、豚の膀胱は軽いため、投げたり持って走ったりするのに向いていたとされています。ある程度の弾力があるのも、跳ねたり転がったりする上でちょうどよかったのかもしれません。
ちなみに、ほかにもヤシの実やダチョウの卵を使っていたという説や、ちょっと怖いのは、古代の人たちが生首や頭蓋骨を使っていたという説もあります。本当かどうか分かりませんが、もしそれが発展してあのボールの形になったと考えると……ゾッとしますね。
予測不能なくらいがちょうどいい!? あの形には秘密がある!
一方で、競技としての面白さを考えてあの形になったという考えもあります。
楕円形だからこそボールは予測不能なバウンドをしますので、アメフトやラグビーではそのバウンドを用して相手を騙したり、あるいは予測できないために、ボールを敵に取られて大ピンチ……というケースが多々あります。そんな予測不能な動きが競技としての面白さに影響を与えるということから、この形が定着したという説もあるのです。
それともう一つ、アメフトでは何十メートル先の相手にボールを投げて、ピンポイントでキャッチさせなければなりません。その際、まん丸の球だと空気の抵抗を受けたり、風で流されたりしがち。一方、楕円形のボールは縦長の軸を中心に、ボールに回転をかけながら投げることで、空気抵抗を抑えつつ長い距離をまっすぐ飛ばすことができます。実はあの形がゲームの重要な鍵となっているのです。
ちなみに、素人にとっては実に扱いづらい楕円形のボールですが、ラグビー発祥の地であるイギリスには、なんと足を使って完璧にリフティングする強者が。
.@DannyCipriani87 has all the skills! Can he inspire @WaspsRugby to victory? #AvivaPrem pic.twitter.com/ouBRVtXkJE
— Premiership Rugby (@premrugby) March 26、 2017
見事にサッカーさながらのリフティングさばきを見せるラグビー選手。予測できない動きをする楕円形のボールでも、この選手ならその動きを読めてしまうのかもしれません。
まとめ
アメフトやラグビーのボールの形や構造にいろいろな秘密が詰まっているように、どんなモノにも意味や歴史があるもの。その裏側をのぞいてみると、一つひとつのモノに対する見方や作る上での視点が変わるはずですよ!
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