食品工場の仕事はきつい?6つの理由と向き・不向きを解説

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食品工場で働こうと思った際、周囲の方に引き止められた経験のある方も多いのではないでしょうか。「食品工場はやめとけ!」といわれるのは、食品工場に対する悪いイメージが根強いためです。
ただ、きついと感じるかどうかは人によって異なりますし、食品工場で実際に働いてみると、きつさよりもやりがいを感じられるという方もいるかもしれません。
今回は、食品工場の仕事のきつさに加えて、食品工場の仕事をおすすめできる理由についてもご紹介します。
1.食品工場の仕事とは?
まずは、食品工場の仕事についてご紹介します。
1-1.食品工場とは?
食品工場とは、コンビニやスーパーなどで販売されるさまざまな食品・飲料を製造する工場のことです。お弁当・ジュース・おにぎり・パン・惣菜・冷凍食品など、作るものは工場によって異なります。
アルバイトや派遣であれば、複雑な料理や作業を任されることはほとんどありません。主に食材のカットや袋詰め、検品、梱包など、簡単な作業を担当することになります。また、ライン作業が中心となるため、未経験でもすぐに仕事を覚えて活躍できます。
1-2.食品工場の主な仕事内容
食品工場の主な仕事内容は以下の4つです。
- 仕込み
- 調理
- 盛り付け
- 検査、検品
それぞれの仕事内容を簡単にお伝えします。
1-2-1.仕込み
本格的な調理に入る前に、食材をカットしたり規定の分量にわけたりなどの仕込みをします。
1-2-2.調理
仕込みが終わったものを調理していきます。
日によって担当するメニューが変わることもあるため、飽きずに続けることができます。
1-2-3.盛り付け
お弁当を作る工場の場合、ベルトコンベアで流れてくるお弁当の容器にお肉やサラダを詰めたり、容器に蓋をしたりします。
盛り付けは、一つのラインにさまざまな係が配置されておこなわれます。一人ひとりがラインの流れを止めないよう、スピード感をもって正確に作業することがポイントです。
1-2-4.検査、検品
食品工場は、人が口に入れるものを製造するところです。
マニュアル通りに作られているかどうかはもちろん、異物が混入していないかなどを目視検査や機械を使ってチェックします。検査や検品は、食品工場では欠かすことのできない大事な工程です。
1-3.食品工場の離職率
食品工場の離職率は高い傾向にあり、他の産業に比べて深刻な人手不足となっています。製造業全体と比べても欠員率は2倍以上です。
理由としては、労働時間が長くなかなか休みが取れないこと、単純作業の繰り返しのため肉体的にも精神的にも負担があることなどが考えられます。
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参照:農林水産省「食品産業における働き方改革の推進方向について」
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/kikaku/hatarakikata_shokusan/attach/pdf/01_haifu-6.pdf
2.食品工場はきついと言われる6つの理由
食品工場は、どうしてきついと言われてしまうのでしょうか。ここでは、きついと言われる以下の6つの理由についてお伝えします。
- 足腰に負担がかかる
- 作業スピードが早いため忙しく感じる
- 工場3Kのイメージが定着している
- ライン作業の単純作業がつまらない
- クリーンスーツを着ると気分が落ち込む
- 給与が安い場合がある
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
2-1.足腰に負担がかかる
食品工場の多くは立ち仕事です。動き回るのではなく、一つの場所にとどまり、同じ作業を繰り返しおこないます。
ライン作業の場合は、流れを止めることはできないため、何時間も立ちっぱなしになることが少なくありません。下を向いて作業することが多いため、腰に負担がかかることもあるようです。また、作業内容は簡単でも、立ち仕事が長いと足腰への負担は大きいでしょう。
なお、担当する作業内容によっては、座りながら仕事できる食品工場もあります。体力に自信のない方は、座り仕事ができる工場を探しても良いかもしれません。
2-2.作業スピードが早いため忙しく感じる
食品工場では、1日に大量の食品・飲料を製造します。そのため、従業員一人ひとりに作業スピードを求められます。休憩時間が来るまでひたすら作業に追われ、何時間も手を動かし続けなければいけません。忙しさから、体力的にも精神的にも疲労がたまり、つらさを感じる方が多いようです。
作業スピードに慣れてくると余裕も出てきますが、最初のうちはスピードについていくことに苦労するでしょう。人によっては、時間が早く過ぎていくため、忙しい工場のほうが良いという方もいます。
2-3.工場3Kのイメージが定着している
食品工場に限らず、工場の仕事の多くには「3K」のイメージがつきまといます。3Kとは、「汚い」「きつい」「危険」の頭文字を組み合わせてできたことばです。ここでは、工場の3Kのイメージについてご紹介します。
2-3-1.汚い
工場では製造工程でさまざまな汚れが出てきます。たとえば、自動車工場や金属加工工場などでは、機械用の油や粉じんなどが飛ぶため、毎日の仕事に汚れはつきものです。
食品工場では、食材の汁や調味料などが飛び散る可能性があります。生ゴミが出るため、処理をおこなわなければならないところもあります。
ただ、どの工場でも、全身がすっかり汚れてしまうような現場は多くありません。作業服や手袋などが汚れを受け止めてくれるため、体が極端に汚くなることは少ないようです。
2-3-2.きつい
工場は長時間の立ち仕事が中心のため、体力的なきつさを感じる方が多いです。また、工場で扱う製品のにおいや機械の出す大きな音などが苦手な方も、工場での仕事に苦痛を感じるようです。
工場によっては、冷暖房が完備されていない現場で長時間働かなければならないこともあります。真夏は熱中症のリスクを抱え、真冬は寒さに震えながら働くこともあるでしょう。
人によっては、自由にトイレ休憩を取れない点もストレスになります。工場はライン作業が中心になることが多く、頻繁に休憩を挟むと流れが止まってしまいます。急を要する場合は、他の方に担当場所を交代してもらいトイレへ行くこともありますが、こうしたお願いに気まずさを感じる方も多いのではないでしょうか。
2-3-3.危険
工場では、機械を導入しているところがほとんどです。どこの工場でも機械の操作には細心の注意を払いますが、不慮の事故を完全に防ぐのは難しいです。
機械に指を挟む、刃物で傷をつくってしまうなど、特に工場の事故は大きく報道されることも多いため、危険なイメージがついてしまったと考えられます。
2-4.ライン作業の単純作業がつまらない
ライン作業では、同じ動きをひたすら繰り返すことになります。たとえば、お弁当の容器にご飯を詰める担当になったら、数時間にわたってご飯を詰める作業をおこなうことがあります。
ご飯を容器に入れるだけでも、お米の量や盛り付けの美しさ、スピードなど、さまざまな点に気をつけなければいけません。作業の完成度を保ちながら、素早く手を動かさなくてはならないため、最初のうちは時間が早く過ぎていくでしょう。
ただ、慣れてくると作業が単調に感じられ、仕事がつまらないと感じてしまう方もいるようです。
2-5.クリーンスーツを着ると気分が落ち込む
食品工場の大半は、クリーンスーツという白い作業服で仕事をします。クリーンスーツは、髪の毛や服の繊維などが食品に入らないよう、体の大部分を覆い隠します。
そのため、クリーンスーツは 個性を出しにくく、おしゃれとはいえないと感じる方も多いです。なかには、クリーンスーツを着用する仕事に誇りを持てず、着るだけで気分が落ち込んでしまうという意見もあるようです。
2-6.給与が安い場合がある
工場勤務は給与が安い場合があります。特に食品工場は、 製造業のなかでも給与が低いといわれています。仕事がきついうえに給与が安いとなると、余計につらさを感じてしまうかもしれません。
しかし、食品工場にはさまざまな種類があり、なかには給与が高い工場もあります。「食品工場の仕事は好きだけれど、給与面でつらさを感じている」という人は、求人情報をチェックして条件の良い工場で働くことをおすすめします。
3.食品工場も人によっては楽しく仕事ができる
食品工場に悪いイメージを持つ方は少なからず存在します。ただ、人によって向いている職場はさまざまです。食品工場も、人によっては楽しく仕事ができるかもしれません。ここでは、食品工場で働くメリットをご紹介します。
- ものづくりに関わっているやりがいがある
- 清潔感がある工場で働ける
- 夏は涼しくて快適に仕事ができる
- 仕事内容がシンプルで覚えやすい
- もくもくと作業に没頭できる
それぞれのメリットについてお伝えします。
3-1.ものづくりに関わっているやりがいがある
食品工場では、多種多様な食品や飲料を製造します。工場で製造したものは、工場直営の売店や地元のスーパーマーケット、大手のコンビニエンスストアなど、さまざまな場所で販売されます。
ときには街中の店で、 自分が製造に関わった商品を見かけることもあるでしょう。そういったときに、ものづくりに関わっているという実感がわき、やりがいを感じる方も多いようです。
3-2.清潔感がある工場で働ける
上記のとおり、工場には「汚い」「きつい」「危険」という3Kのイメージがあります。ただ、食品工場は3Kのひとつである「汚い」のイメージとは真逆の、 清潔感がある職場がほとんどです。
食品工場の多くは、異物混入を防ぐため、さまざまな方法で汚れや菌を持ち込まないようにしています。クリーンスーツへ着替える、ブラシを使って手を洗う、消毒する、エアーシャワーをおこなうなど、いくつもの手順を踏まなければ、食品を加工する部屋に入室できないところが大半です。
空気中の細菌やホコリを減少させるべく、クリーンルームを導入しているところもあります。機器の洗浄や工場内の清掃なども定期的におこなわれており、衛生管理は徹底しています。そのため、清潔な場所で、気持ちよく働きたい方にはうってつけの職場です。
3-3.夏は涼しくて快適に仕事ができる
食品は温度変化に敏感なため、食品工場のほとんどは温度管理を徹底しています。食材が傷まないよう、低めの室温に設定されているところが多いです。真夏に涼しい場所で快適に働きたい方には、うれしい職場といえます。
ただし、冷凍食品やチルド食品を扱う現場では、冷蔵庫のように低い温度が保たれています。こういったところでは、防寒対策への工夫が必要です。また、食品加工においても油を使って揚げ物をする工場では、熱気で室温が上昇してしまいます。冷房をつけていても効かないため、夏はかなりの暑さを感じながら作業することもあります。
空調の効かない食品工場で働く際は、体調管理にいっそう気をつけなければいけません。快適な室温の中で働きたい場合は、空調完備をアピールした食品工場の求人を探すのがおすすめです。
3-4.仕事内容がシンプルで覚えやすい
食品工場の仕事内容は、基本的に決まった作業の繰り返しです。シンプルで覚えやすいため、多くの仕事を覚えるのが苦手な方でもすぐに活躍できます。
一度仕事を覚えてしまえば、長く楽しく仕事をすることができるでしょう。もちろん、最初のうちは先輩が指導してくれたり、横について仕事をしてくれたりするので、安心して働くことができます。
3-5.もくもくと作業に没頭できる
「人と関わることがストレスになってしまうから」という理由で、工場勤務を選択する人もいます。黙々と作業に没頭できる食品工場は、人と接する機会が少なく、なるべく人と関わりたくないと考えている方にもおすすめできる仕事です。
自分の担当場所についたら、誰かと話しながら作業をするのではなく、基本的に一人で仕事をします。同じ担当場所で数名と一緒に仕事をするときでも、スピード感を持ってそれぞれが黙々と仕事をするようになります。
4.食品工場に向いている人・向いていない人
食品工場は、マニュアルが完備されていたり、仕事を覚えれば簡単に作業をこなせるので、未経験者でも入社しやすいです。
食品工場の仕事をするイメージがわかない人もいると思いますので、食品工場に向いている人と、向いていない人について紹介します。
4-1.食品工場に向いている人
まずは、食品工場に向いている人です。
- 単純作業が好きな人
- 体力に自信がある人
それぞれの特徴についてお伝えします。
4-1-1.単純作業が好きな人
食品工場の仕事の多くは、ベルトコンベアで流れてくる食品を袋詰めにしたり、材料を切ったり、調理をしたりする単純作業です。繰り返し作業をするので、単純作業が好きな人には向いています。
コツコツ根気強くできる人も、食品工場に向いているでしょう。簡単な仕事なので、料理の経験が無くても大丈夫です。未経験者でも簡単にできる仕事があります。
加えて、食品工場は衛生上、私語は厳禁ですので、人とのコミュニケーションをする必要はありませんので、人と会話をすることが苦手な方にも食品工場は向いています。
4-1-2.体力に自信がある人
食品工場の作業は、立ち仕事になりますので、体力に自信がある人も向いています。作業中は集中しているので、立ち仕事の疲れが気にならない人もいるようです。
仕事に慣れるまでは、筋肉痛や肩こりになるかもしれませんが、仕事終わりはお風呂に入って、マッサージをして体のケアをしっかりおこなえば、次第に気にならなくなるでしょう。
4-2.食品工場に向いていない人
次に、食品工場に向いていない人の特徴をお伝えします。
- においに敏感な人
- 飽き性の人
- 手先が不器用な人
それぞれ確認していきましょう。
4-2-1.においに敏感な人
取り扱っている食材によっては、においが取れないなど、特に換気が悪い食品工場だとつらく感じる人もいるでしょう。
仕事を始めたばかりのときは、においが原因で気分が悪くなる人もいますが、作業を続けていると慣れてしまう人もいるようです。
4-2-2.飽き性の人
食品工場は、 同じ作業を繰り返すことが多いので、飽き性の人は向いてないでしょう。
また、時間内に数を終わらせなければならない作業もあるので、スピード感を求められ、慣れないうちは苦痛に感じることもあります。作業に慣れるまでは、苦労する場合もあるでしょう。
4-2-3.手先が不器用な人
ベルトコンベアのスピードは早いため、盛り付けなどの作業は手際良くやらないとどんどん進んでいってしまいます。
仕事をしていくうちに慣れてくるものですが、手先が不器用な人や要領の悪い人は苦労する可能性があります。
5.食品工場によってはきつくない仕事もある
食品工場と一口にいっても、製造するものは工場や部署によってさまざまです。作業の内容によってはきつさを感じない工場もあります。代表的なものが健康食品工場です。
5-1.健康食品を製造する工場の場合
健康食品は手軽に栄養摂取できるよう、サプリメントや粉末などの形に加工されるものが多くみられます。お弁当や総菜づくりとは異なり、生の食材を加工して汚れることが少ないのが特徴です。
健康食品は軽量なものが多いのもメリットです。特に検品や梱包をおこなう部署では、製品の重量によって大変さが変わってきます。サプリメントのように一つひとつが軽いものなら、持ち運びも楽です。
また、健康食品工場の多くは、クリーンルーム内で作業をおこなえます。クリーンルームは室温と湿度が一定に保たれ、空気清浄機で清潔さが保たれています。揚げ物を扱う食品工場のように暑すぎることもなければ、冷凍食品工場のように寒すぎることもありません。クリーンルーム内なら、一年を通して快適な環境で働けるでしょう。
6.食品工場は学歴不問や未経験でも働ける
お伝えしたとおり、食品工場はきついと言われていますが、働くメリットもさまざまある環境です。また、基本的に求人情報を見ると応募の際の学歴は不問となっています。そのため、中卒や高卒の方でも働くことができます。
また、調理の経験や特別な技術がなくても仕事ができるので、未経験でも働くことが可能です。食品工場の仕事は需要がありますので、求人がなくなることはありません。
ただし、条件の良い求人は応募が多く集まり、早めに募集が終了してしまうので、良い求人を見つけたらなるべく早く応募することをおすすめします。
7.まとめ
今回は、食品工場の仕事内容やきつさについてお伝えしました。
食品工場はきつい職場であるというイメージを持たれることが多く、就職しようとしても「やめとけ!」と言われてしまうこともあります。ただ、食品工場には清潔で快適な環境のところも数多く存在します。職場によって作業内容もさまざまで、人によっては向いていると感じるところもあるはずです。
食品工場に興味がある方は求人内容をよく読んで検討し、ご自分に合った職場を選びましょう。
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