工場勤務の噂とホント
更新日:2024年04月01日

工場の仕事は楽?業種・職種・働き方別に楽さときつさを解説

工場の仕事は楽?業種・職種・働き方別に楽さときつさを解説

※この記事は6分30秒で読めます。

「工場の仕事が楽って本当?」
「工場の仕事で楽な部分ときつい部分を知りたい」
など、工場の仕事が楽なのかに関して疑問を持っている方もいるでしょう。

工場の仕事が楽かきついかは、何を作る工場かによって、また部署や職種によっても異なります。

今回は、工場が楽なのは本当か、業種別や職種別に見た楽さときつさ、工場の働き方から見た楽さときつさなどを解説します。この記事を読めば、工場が楽さときつさのことがよくわかり、転職活動の参考にできます。

1.工場の仕事は楽って本当?

「工場の仕事は楽」といわれることがありますが、ひとくちに工場といっても仕事内容は多岐にわたります。また、製造する製品の種類や担当する工程によっても楽さ・きつさは変わるでしょう。

また、従業員の適性や好みによっても楽さ・きつさは変わります。例えば体力に自信がない方の場合、重い金属よりも小さな部品を扱う工場のほうが楽に感じることが多いでしょう。一方、体力に自信があっても手先の器用さに自信がない方の場合、大きな金属製品を扱う工場のほうが楽に感じるかもしれません。

人によって感じる仕事の大変さはまったく異なるため、一概に「工場は楽だ」「きつい」と言い切ることはできません。ただ、一般的には、工場の仕事内容を聞いたときに「楽そうだ」と感じる方は多いようです。

2.業種別の工場ごとに見た楽さときつさ

ひとくちに工場といっても、何を製造するかは企業ごとにまったく異なります。楽そうとイメージする方が多い工場の仕事ですが、実際に働いてみるときついと感じる部分も少なくありません。

ここでは、さまざまな業種に分けて、それぞれの楽なところときついところを解説します。

2-1.自動車

自動車は日本経済を支える基幹的な産業の1つです。自動車本体を作る工場だけでなく、自動車部品を作る工場、タイヤメーカー、塗料メーカーなど、さまざまな企業の力のもとで成り立っています。

2-1-1.楽なところ

楽な面としては、室内で作業できること、季節による収入の変動があまりないことなどが挙げられます。近年の製造工場では空調もしっかりしていますので、比較的快適な環境で仕事をすることができます。

また、年間を通して仕事量・収入が大きく変動することが少ないという点は魅力的です。

2-1-2.きついところ

自動車関連の製造工場といっても、大きくわけて車体メーカーと部品メーカーの2種類があります。

きつい面として共通しているのは、人との会話が少ないことと、同じ場所からほとんど動かない立ち仕事であること。前者に関しては人によっては楽な点だと思われるかもしれませんが、あまりに会話がないとストレスになってしまうケースも少なくありません。

部品メーカーに限定すると、生産ノルマが課されているケースが多く、達成できなければ残業しなければならないこともきつい点として挙げられます。

製造工場によっては生産ノルマがとても厳しく、毎日のように残業が続くことも。もちろん、残業が多ければその分収入も増えますが、体力的にはかなりきついと感じられるかもしれません。

2-2.紙・ダンボール

紙や段ボールは私たちの日常生活に欠かせないものです。段ボールや紙の製造は機械がおこなうため、製造された段ボールをパレットに平積みしたり、梱包・検品したうえで出荷したりすることが主な仕事になります。

2-2-1.楽なところ

楽な面は、単純作業が多いという点です。それほど難しい作業が求められるわけではありませんので、すぐに慣れることができるでしょう。単純作業の繰り返しが得意な方には向いている職場といえます。

また、製品の移動にフォークリフトを利用するため、腕力がなくても仕事がしやすい点も楽な部分といえます。

2-2-2.きついところ

紙・ダンボール関連の工場のきつい点としてあげられるのが、独特な臭いです。慣れてしまえば気にならなくなりますが、最初は臭いが原因で気分が悪くなってしまうという方も少なくありません。

また、紙に触れ続けると手から油分が失われてカサカサになってしまいます。体質にもよりますが、痛みをともなうほどに手が荒れてしまうという方もいるようです。

体力的な面については、まとめた紙はかなり重いため運ぶのは重労働です。配属される部署や過程によっては体力勝負の仕事となります。

2-3.食品

食品工場は、スーパーやコンビニのお惣菜、スーパーに並ぶカット野菜、レトルト食品、お菓子など、人の口に入るさまざまな食品を作る工場です。

調理や盛りつけなどのライン作業、検査・検品、梱包・出荷、衛生管理など、作業内容は多岐にわたります。

2-3-1.楽なところ

食品工場では製造ラインごとに持ち場が割り振られ、決まった仕事を淡々とこなすことになります。マニュアルに沿った作業を繰り返すことを苦に感じない方は楽な職場だと感じるでしょう。

また、メリットとして社内で格安の食品を購入できるケースがあります。工場が清潔できれいという点もメリットでしょう。

2-3-2.きついところ

共通しているのは、衛生管理が厳しい点です。食品を取り扱うので当然といえば当然ですが、爪の長さなど細かなところまで検査されますので、人によってはかなりのストレスを感じるかもしれません。

また、工場によってはかなり朝が早いこともあります。場合によっては早朝というよりほとんど深夜から稼働するというケースも。生鮮食料品などの場合、時間が早いだけでなく、作業のスピードも求められます。

食品に適した温度のなかでの仕事となるため、過酷な暑さや寒さとの戦いになるケースもあります。

2-4.プラスチック製品

プラスチック製品を作る工場では、日常生活で利用されるさまざまなプラスチック用品を製造しています。

ペットボトルやビニール袋、シャンプーやトリートメントの容器、フィルム、食器・トレー、洗面器など、家庭用から業務用までその製品の種類や用途はさまざまです。

プラスチック製品を作る機械を操作するオペレーターや、できあがった製品の検査や梱包などが主な仕事です。

2-4-1.楽なところ

楽な面は、作業そのものはそれほど難しくはない点です。手順を覚えれば誰でも戦力として現場に立てる可能性があります。

機械操作や検査など体を動かさない仕事が多く、力仕事が多いわけでもないので、体力に自信がない方でも働きやすいでしょう。

また、製品の検査や梱包の仕事では、細かい違和感に気付けることや作業の正確性が求められます。女性ならではの特徴を活かしやすい点もプラスチック工場の大きなメリットです。

2-4-2.きついところ

もっともきつい点としてあげられるのが、ほとんどの部署・工程の現場がとても暑く、臭いがきついというところでしょう。

臭いだけでなく人体に有害なケースもあります。ただ、これらの点については慣れによって解決できないわけではありません。

2-5.電化製品

電化製品を作る工場は電気機器工場とも呼ばれています。テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、アイロンなどの家電や置時計などを作る工場です。

家電の製造は精密な部品を扱うことが多く、細かい作業が多い傾向にあります。体力よりも手先の器用さが重視される可能性が高いです。

2-5-1.楽なところ

楽な面は、ライン作業がほとんどなので未経験の方でもすぐに慣れることができるところです。

ただ、ライン作業は決まったペースで確実に仕事をこなしていく必要があります。人によっては強いプレッシャーを感じてしまったり、ついていけなくなったりすることもあります。

2-5-2.きついところ

きつい面として挙げられるのは、作業のほとんどが立ち仕事であることです。長時間にわたって立ちっぱなしになりますので、慣れていない方は体力的にきつく感じられるでしょう。

また、大きな製品の場合、持ち運びなどでかなりの重労働がともなうケースもあります。

2-6.セラミック

セラミックでできた製品の製造をおこなう工場では、原料の調合や成形・焼成といった工程を機械で進めます。

製造スタッフは、原料の投入、成形された製品の洗浄、バリ取り、研磨といったチェックを担当することが多いです。

2-6-1.楽なところ

楽な面としては、ほとんどの作業が機械の補佐的なものとなることがあります。細かな傷や汚れをチェックする能力は求められますが、体力的にはそれほど重労働というわけではありません。

また、工場によっては製品のチェック業務以外に原料の配合や成形といった仕事にも携われます。単純作業が苦手な方にとっては、さまざまな仕事に携われることで楽に感じるかもしれません。

2-6-2.きついところ

きつい面としては、とても繊細な作業が求められることが多く、高い集中力が必要となる点があります。集中力を持続させる必要もありますので、慣れるまでは心身ともにかなりきつく感じられるかもしれません。

同時にスタッフ間での連携も求められますので、チームワークや最低限のコミュニケーション能力も必要です。

2-7.ガラス

ガラス工場は、原材料を加工してガラスや鏡を作る仕事です。例えばガラスは、珪砂(けいしゃ)に1,700度以上の高温を加えて溶かし、石灰石、ソーダ灰を加えることで完成します。

窓ガラスなら、溶かしたガラス原料をガラスより重たい溶けた金属の上に浮かべて板状に伸ばしていくフロート法などを用いて製造されます。

2-7-1.楽なところ

楽な面は、人間関係がそれほど煩わしくない現場が多い傾向にあるという点です。

機械を操作したりできた製品を黙々とチェックしたりと1人でこなせる仕事が多いため、人間関係やコミュニケーションが重視される職場が苦手な方にとっては楽に感じるでしょう。

また、需要が大きなジャンルであることから、給料についても比較的高いケースが多いようです。

2-7-2.きついところ

きつい面としては、ガラスがとても重く、重労働になりがちなことがあります。重労働でありながら、取り扱う製品が割れやすいガラスであり、慎重で丁寧な作業が求められますので、精神的な負担も決して小さくはありません。

ガラスの製造工場の場合、工場内がとても暑いので、夏場はかなり体力が求められます。

2-8.ゴム製品

ゴム工場は文字通り、自動車のタイヤや医療品に利用されるゴム製品を作る工場です。ゴムの素となる原料を混ぜ合わせる混合工程に始まり、押出工程、成形工程、加硫工程、検査工程を経て製品が完成します。

2-8-1.楽なところ

楽な面は、座っておこなう作業が多い傾向がある点です。立ち仕事だと体力が必要ですが、座り仕事なら体力に自信がない方でも安心して働けるでしょう。

また、大企業が多いこともあってキャリアアップのチャンスもあります。工場勤務から将来的にさらなるキャリアアップを考えているのであればおすすめの職場といえるでしょう。

2-8-2.きついところ

ゴム製品の工場において特につらい面としてあげられるのが、プラスチック製品と同様に臭いのきつさです。

独特のゴム臭は強烈で、作業中はもちろんのこと、手や衣服にも臭いがついてしまい、帰宅してからも悩まされるケースが多いようです。人によりますが、この独特の臭いになかなか慣れることができない方も少なくありません。

2-9.半導体

半導体は、電気を通す導体(金属など)と、通さない絶縁体(ゴムなど)との中間に位置する物質です。光、不純物などによって電気抵抗率をコントロールできる性質から、電子部品の製造には欠かせません。

機械を操作したり材料を管理したりするマシンオペレーター以外に、組立や運搬など出荷に向けた業務もあります。

2-9-1.楽なところ

半導体の工場では機械操作や検品などがメインになるため、重労働をともなう作業は少ない傾向にあります。仮に部品を運搬する作業があっても、金属製品や建築資材のように重いものを持つ必要はありません。

また、工場のイメージとはかけ離れたクリーンな環境で仕事ができることや、マニュアルが完備されていることで仕事を覚えやすいのもメリットです。

2-9-2.きついところ

半導体そのものは非常に高度な部品ですが、製造工程は比較的単純な作業が占めています。

ベルトコンベアで流れてくる部品を組み立てる仕事には正確性が求められるものの、同じことの繰り返しで飽きを感じるかもしれません。

また、半導体の製造はクリーンルームでの作業になることも多く、身だしなみについても厳しいルールが設定されています。

化粧が制限されたり、ピアスや指輪がNGだったりといった制限が厳しい点がネックになりそうです。

3.工場の職種別に見た楽さときつさ

同じ製品を作る工場であっても、その工場内のどの部署に配属されてどのような職種で働くのかによって、楽さやきつさはまったく異なります。

ここからは、職種別に楽な点やきつい点をご紹介します。就職や転職の際の希望職種を決める際の参考にしてみてください。

3-1.組立

組立作業は、組立図面を見ながら組み立てて完成させる仕事を指します。大がかりな製品から日常生活に欠かせない家電まで、さまざまな工業製品で組立の工程が必要です。

3-1-1.楽なところ

楽な点としては、作業によってはずっと座って作業できるケースもある点です。立ち仕事が苦手な方や、体力に自信がない方にはうれしいポイントでしょう。

3-1-2.きついところ

製造する製品によっても異なりますが、基本的に流れ作業となりますので自分のペースで仕事をすることができません。トイレや休憩などにも行きにくい場合もあり、仕事のペースに慣れるまではかなりきつく感じられるかもしれません。

3-2.検査

検査は、製品の品質を担保するために、工場で作られた製品の品質検査をする作業のことです。

目視、顕微鏡、機械選別などさまざまな方法があり、不良品が出荷されないように水際でストップをかける重要な役割があります。企業の信用に直結する非常に重要な仕事です。

3-2-1.楽なところ

楽な面として挙げられるのはそれほど肉体を酷使することはないという点。一人で黙々と作業することができますので、対人関係のことなどを考える必要もありません。

3-2-2.きついところ

製品の品質などを最終的にチェックする仕事にあたりますので、責任も重大で強いプレッシャーを感じてしまう方も多いようです。長時間にわたって不良品を探す作業ですので、目の負担も大きくなります。

3-3.製造

製造は、原材料を加工して製品の形を作る工程のことです。食品を加工して惣菜やサラダを作ったり、原材料の金属を加工して建築資材や部品を作ったり、どのような製品を作るかによって製造工程は大きく異なります。

3-3-1.楽なところ

製造の楽な面は、1人で黙々と作業ができることです。自分の持ち場の製造工程をしっかりとこなすことができれば、前後の工程の作業者や上司以外の人と話す機会はあまり多くありません。

また、作業マニュアルが完備されていることも楽な点です。製品を作り上げるのは、職人の技術が必要な製品を除いて基本的には機械です。未経験の方でもマニュアルを覚えれば一定品質の製品を作れます。

3-3-2.きついところ

製造は一般的には立ち仕事が多いことから、ある程度の体力が求められます。また、工場によって製造ノルマが課せられており、時間内にクリアできなければ残業しなければなりません。

3-4.マシンオペレーター

現在ではほとんどの製造工程が機械によっておこなわれており、機械を操作する作業者はマシンオペレーター(機械オペレーター)と呼びます。

3-4-1.楽なところ

楽な面としては機械操作をひととおり覚えてしまえば、あとは単純作業の繰り返しになる点です。未経験からでも転職しやすく、仕事を覚えるのが楽しいと感じる方も多いでしょう。

また、機械操作はそれほど肉体的な負荷もありませんので楽に感じられます。

3-4-2.きついところ

きつい面は機械の操作を覚えるのが難しいという点です。慣れるまでにかなり苦労することになってしまう方も少なくないようです。また、慎重さや我慢強さを求められる仕事でもあります。

3-5.技能工(溶接・旋盤)

工具や作業ツールを操作して工業製品を加工・製造したり、工作機械を調整・セッティングしたりする仕事です。機械に関するメンテナンスをすることもあります。

3-5-1.楽なところ

技能工は作業者の技術力が求められる仕事であり、年齢ではなく技術を習得するごとに年収がアップしやすくなります。努力すれば若くして高年収を得ることも可能であり、年功序列の企業よりも楽だと感じる方も多いでしょう。

また、手に職をつけることで、より待遇の良い企業への転職がしやすい点も楽だと感じやすいポイントです。技術と会社の給与テーブル次第では、20代でも一般的な会社員を上回る平均年収を得ることも可能です。

3-5-2.きついところ

技能工できついと感じるのは、体力や力仕事を要求される場面があることです。技能工の種類によっては高温の空間で作業をすることから、熱中症のリスクも高まります。

3-6.ピッキング

必要な品物を集める(ピックアップする)仕事のことです。リストをもとに必要な品物を集め、検品担当者や出荷担当者に渡して出荷場に流す役割があります。

3-6-1.楽なところ

ピッキングの楽なところは、難しい専門知識が不要な単純作業であることです。フォークリフトの運転など高度なスキルが必要な部分もありますが、商品を見つけてピッキングする仕事に関しては慣れれば誰でもこなすことができます。

また、身体を動かす仕事であり、1日中デスクワークをするのを苦痛に感じる方には楽に感じるでしょう。

3-6-2.きついところ

ピッキングは肉体労働であり、基本はエアコンが効かない出荷場や工場内での作業になります。1日中動き回ることも多く、体力的にきついと感じるかもしれません。

また、工場によっては重い製品をピッキングするため、筋肉痛やケガのリスクが生じる場合もあります。

3-7.設備保守・保全

工場や施設などで稼働している機械やシステムが正常に作動するように日常的なメンテナンスをしたり、万が一の故障の際に点検・修理をしたりする役割があります。

3-7-1.楽なところ

設備保守・保全の楽なところは、仕事のなかで体力や腕力が要求されることが少ない点です。エアコンが効かないなかでの作業なので一定の体力は必要ですが、重いものを持ったり危険な作業に神経を使ったりといったことはありません。

3-7-2.きついところ

設備保守・保全のきついところは、機械の不調に対して責任を負わなければいけない点です。機械の不調の原因がわかりやすいならすぐに対処できますが、なかにはどれだけ調べても原因や対処法がわからないこともあります。

原因や対処法をできるだけスピーディに思いつくように、機械に対する知識のブラッシュアップも必要です。

3-8.設計開発・開発補助

設計開発は工場の業務において設計・開発を担当する仕事で、設計開発補助は設計・開発者をサポートする仕事のことです。

新製品を開発する設計開発エンジニアに対し、補助の方は新しい製品を設計・開発するための資料やサンプルを集めるなど、フォロー業務をおこなうのが一般的です。

3-8-1.楽なところ

設計開発や開発補助の楽なところは、仕事に体力が要求されない点です。ユーザーの要望から製品コンセプトを作る、設計図を作るといったことが仕事であり、製品に対して深い知識があれば体力を使わずに作業できます。

また、正社員なら月給22万円~32万円くらい、アルバイト・パート、および契約社員なら時給1,000円~1,700円ほどと、ほかの職種と比べて高年収が狙えることも楽に感じやすいポイントです。

3-8-2.きついところ

きつい点は、製品開発に対する知識が必要になる点です。顧客のニーズを正確に汲み取ってすべてを満たす製品を開発するには、製品開発に対する幅広い知識やイメージ力が求められます。

3-9.清掃・洗浄

工場や工場で使われている機械をきれいに清掃し、製品に菌や異物が付着・混入しないようにする仕事が清掃です。洗浄は、製造直後で油にまみれた製品を洗浄して出荷できるようにする工程などを指します。

3-9-1.楽なところ

清掃・洗浄のメリットは、マニュアルに沿った仕事ができる点です。清掃や洗浄の進め方にはマニュアルが完備されているため、製造業が未経験の方でも慣れればすぐにライン作業に取り組めます。

また、正社員よりも契約社員や派遣社員が多く、気軽に働ける点も楽に感じるポイントです。

3-9-2.きついところ

清掃・洗浄できついところは、体力を要求されるところです。清掃中は腰をかがめて立つことが多かったり、洗浄では重い製品を運搬したりと、体力が要求される部分が多くあります。

また、機械オペレーターや技能工などと違って専門的な知識が身につきにくいことでも、精神的にきついと感じやすいでしょう。

4.工場の働き方から見た楽さときつさ

日勤のみの工場もありますが、24時間稼働している工場も少なくありません。特に自動車関係の工場はほとんどが24時間稼働しています。そのため、二交代制または三交代制の勤務が主流となっています。

また、工場によっては夜勤専従の仕事もあります。工場に入社する前に、日勤や夜勤、交代制などについて調べ、自分に合うのかよく考えてみましょう。

ここでは工場の日勤・交代勤務・夜勤専従で楽な点ときつい点をご紹介します。

なお、以下の記事では三交代制の働き方について詳しく解説しています。

4-1.日勤のみ

日勤とは、一般的に8:00~9:00から17:00~18:00(休憩1時間含む)を基本労働時間とする働き方のことです。ただし、企業によっては出勤・退勤の時間が一般的な時間帯とはまったく異なる場合もあります。

4-1-1.楽なところ

日勤の仕事で楽に感じるのは、日勤は交代業務と比較して肉体的・精神的に楽な点です。毎日同じくらいの時間に寝られるので、しっかり体力を回復させやすいでしょう。

また、毎日同じような時間に寝られる日勤では、体内時計が狂って体調を崩す心配があまりありません。

4-1-2.きついところ

肉体的・精神的に安定して働きやすい日勤ですが、夜勤ありの交代業務と違って深夜手当などを受け取れません。ほかの働き方より平均年収が低いことについて、きついと感じる方もいるでしょう。

また、交代制の勤務では夜勤明けや夜勤前のタイミングで平日休みになることも多く、市役所や病院などの用事を済ませやすいメリットがあります。一方、日勤の場合は土日祝日休みが基本であり、平日に予定を片づけにくいでしょう。

4-2.交代制

交代制の勤務は、1日8時間以上の勤務が必要な業務形態において従業員をリレー形式で勤務させる形態のことです。

8:00~17:00、17:00~翌8時といったように、労働者一人あたりの所定労働時間を2つに区切る二交代制と、日勤・準夜勤・夜勤という3つの時間帯に分ける三交代制といった働き方があります。

4-2-1.楽なところ

平日の昼間に休めることも多いので、比較的空いている時間に買い物などができるのはメリットです。混雑しているなか行動するのが苦手な方にとっては、ある意味楽だといえるでしょう。

ただ、他の仕事をしている方とのすれ違いが多くなってしまうというデメリットもあります。

また、交代制の仕事は体力的にも精神的にもきつい分だけ、昼勤のみの仕事よりも給料は高めに設定されています。できるだけ稼ぎたいという方にはおすすめです。

4-2-2.きついところ

勤務時間はある程度長くなり、工場での仕事は立ち仕事や力仕事も多いので体力を使います。慣れるまでは心身ともにかなり疲労感を感じてしまうことが多いようです。

また、交代制の場合、定期的に昼勤と夜勤が入れ替わり、生活リズムが乱れてしまいます。慣れるまでは睡眠不足などでかなりきつく感じられます。生活リズムに慣れてきたころに日勤と夜勤の切り替えがありますので、最初の数日はかなりの眠気に襲われてしまうこともあります。

4-3.夜勤専属

夜勤専属(夜勤専従)とは、夜勤に限定した働き方のことです。夜勤帯の勤務では1日8時間までの枠をはみ出すことが多く、変形労働時間制によって「1週間あたり原則40時間以内」と一般的に定められています。

4-3-1.楽なところ

夜勤専従では出勤のたびに夜22:00~朝5:00に仕事をするため、深夜手当を最大限受け取ることができます。効率的に高年収を実現できることで「楽だ」と感じる方も多いでしょう。

また、夜勤では1回の勤務時間が8時間を超えることが多いため、出勤日数はほかの働き方よりも少なめです。月に10回程度の出勤というケースもあり、多くの非番や休日によって自由時間を確保できます。

4-3-2.きついところ

夜勤専属は、仕事のたびに夜勤をすることになるため、休日が連続するとき以外は基本的に昼夜逆転の生活になります。人間が本来起きている時間に寝て本来寝ている時間に起きていることで、疲れやすかったり体調が悪くなりやすかったりする懸念があります。

また、夜勤明けの日は疲れを取るために昼間に寝ていることも多く、昼間に活動できる時間やタイミングは限定的です。そのため、市役所に行くなどの用事をこなしにくいでしょう。

5.工場の仕事にはメリットがたくさんある

ここまで、工場の種類や職種ごとに楽さときつさを紹介してきました。工場の求人に応募しようか迷っている方は、楽・きついということ以外に、工場ならではのメリットにも注目してみると比較検討がしやすいでしょう。

工場ならではのメリットとして考えられるのは、以下の4つです。

5-1.残業が少ない

工場では売上以外に生産性が重視されており、従業員の労働時間がしっかりと管理されています。デスクワークや営業職などと比較すると残業が少なく、ワークライフバランスを整えやすいメリットがあります。

以下の記事では、工場の残業についてより詳しく解説しています。

5-2.有給取得率が高め

工場の仕事はシフト制となっていることもあり、前もって申請を出しておけば、簡単に有給が取得できます。そのため、有給取得率が高めとなっている職場が多い傾向にあります。

5-3.給料が高い

年齢にもよりますが、工場の仕事は平均年収よりも給料が高いケースも多いです。

さまざまな手当を受け取りやすい点もメリットとして挙げられます。例えば、交代制の工場で働くと、深夜22:00~朝5:00までの労働に関して賃金が25%割り増しになります。

また、フォークリフトや玉掛け、電気工事士など、その工場で必要とされる資格を取得することで毎月固定の資格手当を受け取れる場合があります。

特に若い方でより高い収入を求めている方に、工場の仕事はおすすめです。

以下の記事では、夜勤手当についてより詳しく解説しています。

5-4.体力がつく

立ち仕事が多く、身体を動かす機会も多いことから、体力がつきます。運動不足になってしまう心配もあまりありません。

5-5.資格が取得できる

職種によっては仕事をしながら資格を取得できるケースもあります。当然、資格を取得すればキャリアアップにもつながります。

以下のような資格は工場での需要が大きく、キャリアアップや転職時の評価向上につながるでしょう。

  • 危険物取扱者
  • 衛生管理者
  • 電気工事士
  • フォークリフト運転技能講習
  • 機械保全技能士
  •  

    など

以下の記事では、取得することで工場勤務で有利となる資格について解説しています。

6.工場の仕事が向いている方

工場の仕事は一般的に楽といわれますが、人によって向き不向きがあります。ここでは、工場の仕事に向いている方の特徴についてご紹介します。

6-1.体力や健康に自信がある

体力や健康に自信がある方は、工場での仕事に向いています。

工場での勤務には特に筋力が必要なわけではありません。ただ、立ち仕事などが多いことから、長時間同じ姿勢で働ける程度の体力があるほうが疲れずに仕事ができます。外の仕事も多いことから、健康な方ほど工場勤務に向いているといえるでしょう。

6-2.集中力がある

長時間にわたって作業を続ける必要がありますので、体力だけでなく集中力も求められます。なので、集中力に自信がある方も工場勤務に向いています。

6-3.メカニックなものが好き

工場では機械を扱った作業が多かったり、機械そのものを製造したりすることもあります。メカニックなものが好きな方であれば、楽しく仕事をすることができるでしょう。

6-4.ものづくりが好き

工場の仕事は基本的にものづくりです。そのため、ものづくりが好きな方は工場の仕事に向いています。自分が好きなものと、製造する製品が合致しているとさらに良いでしょう。

例えば、自動車を運転するのが好きな方は自動車工場、写真が趣味の方はカメラ工場といった具合です。製造する製品と趣味が合えば、専門的な知識も楽しく習得してキャリアアップにつなげられます。

以下の記事では、モノづくりの仕事についてより詳しく解説しています。

7.自分にあった工場の仕事を選ぶコツ

製造する製品ごとに仕事の内容はまったく異なります。自分の性格や好みと工場の仕事内容がマッチすることが、長く働き続けるためのコツです。

ここでは、性格や好みごとに、ご自身に合う工場を見つけるコツ・ポイントをご紹介します。

7-1.一人で作業したい方

黙々と一人で作業をするのが好きな方は、部品組立や製造などが向いています。部品作りは、人とコミュニケーションを取りながらの仕事よりも、決められた持ち場で黙々とこなす仕事が多いためです。

7-2.チームプレーが好きな方

コミュニケーションをとりながら他のスタッフと一緒に仕事をするのが好きな方には、食品関係や流れ作業などが向いているでしょう。

例えば食品関係の工場では、1つの惣菜やデザートを作るのに担当者がそれぞれの持ち場に立ち、ラインに沿ってチームプレーで商品を作り上げます。連携プレーで1つの仕事に挑みたい方は楽しく仕事ができるでしょう。

7-3.同じ作業を続けたい方

淡々と同じ作業を続けたいという方や、集中力に自信がある方は、検品や検査などの仕事がおすすめです。

検品や検査の仕事は、ベルトコンベアで続々と流れてくる製品や仕掛品について、マニュアルに沿ってまったく同じ検品・検査を実施します。

工夫をこらすよりも決められた仕事を淡々とこなすことが重視されるため、同じ仕事を何時間もこなすことを苦に感じない方に向いています。

7-4.体を動かしたい方

できるだけ身体を動かしたいという方や体力に自信があるという方に向いているのは、運搬やフォークリフト作業です。

出荷場には、その日に出荷する製品がベルトコンベアで次々に運ばれてきます。その製品をパレットに積んだり、パレットをフォークリフトに載せてトラックの荷台まで移動させたり、台車に製品を載せて所定の場所に置いたりと、仕事中は常に動き続けることになるでしょう。

フォークリフト作業では、資格を取得してキャリアアップが可能なケースもあります。

7-5.暑がりな方

暑さや寒さに弱いという方におすすめなのが、精密機器や非加熱食品製造などの空調がしっかりとした室内での作業です。一定の温度帯で製品を管理することがマニュアルで決められており、常に涼しい空間のなかで働くことができます。

8.まとめ

ひとくちに工場といっても、さまざまな違いがあります。当然、仕事の内容なども大きく異なり、楽な面やきつい面もそれぞれ違ってきます。

工場勤務を志す際は、自分の性格や性質などを考えたうえで、自分に適した仕事を選びましょう。自分の好みや性格と工場の仕事内容がマッチしていれば、より快適に、長く仕事を続けることができるでしょう。

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