溶接工とは?主な仕事内容や平均年収、向いている人の特徴を解説

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「溶接工ってどんな仕事?」
「溶接工がどのくらい稼げるか知りたい」
など、溶接工に関して、疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。
溶接とは、特定の方法で材料同士をつなぎ合わせる加工技術を指し、溶接工はその作業に従事する人材です。
今回は、溶接工の仕事内容や平均年収、必要な資格、向いている人などを解説します。この記事を読めば、溶接工の仕事について理解が深まり、キャリアの選択肢が広がるでしょう。
1.溶接工とは?
溶接工とは、溶接技術を持って溶接業務に従事する職人全般を指します。
溶接工が求められる業界は建設業や製造業、造船業など多岐にわたり、それぞれの職場で溶接技術を用いたものづくりに携わっています。溶接工は建設会社や工場勤務として働くのが一般的です。
しゃがんだ状態や立って仕事をすることが多く、また繊細な作業をおこなうことから、肉体的にも精神的にも体力が必要になってきます。
2.溶接の3つの種類について
溶接には、大きく分けて以下の3つの技法があります。
- 融接
- ろう接
- 圧接
それぞれの方法や特徴について解説します。
2-1.融接
融接は、材料に熱を加えて溶けた材料同士を接合し、冷やして固める溶接方法です。
強度が求められる溶接で用いられ、3種類の溶接方法のうち最も基本的な手法とされています。アーク溶接やレーザー溶接、ガス溶接は融接に含まれます。
2-2.ろう接
ろう接は、部材より融点が低い溶加材を部材と部材の間に流し込んで接合する溶接方法です。
アルミろうや銀ろうなど、融点450度以上の溶加材を使う場合は「ろう付け」、亜鉛、錫、鉛など融点450度未満の溶加材を使う場合は「はんだ付け」に分類されます。
2-3.圧接
圧接とは、摩擦や電気で熱を加えた部材に機械で高い圧力をかけて接合する溶接方法です。
金属製の固い材料で用いるのに適しています。ガス圧接や抵抗溶接、爆発圧接などが含まれます。
3.溶接工の主な仕事内容
溶接工の仕事内容は大きく3つに分けられます。
- 図面の読み取り
- 段取り作業
- 溶接作業
それぞれの仕事内容をご紹介します。
3-1.図面の読み取り
まずは、図面の読み取りをおこないます。
図面には溶接作業に必要な溶接記号が記載されているため、あらかじめ記号の意味を覚えておかなければなりません。
3-2.段取り作業
次に、段取り作業へ入ります。
素材の切断や機械類の準備など、図面に従って溶接作業に必要な下準備をおこなっていきます。
3-3.溶接作業
段取りを十分に終えたところで、いよいよ溶接作業を開始します。
技術力が求められる難しい作業ほど、最後まで落ち着いて進めていく必要があります。
4.溶接工の平均年収
e-Stat政府統計の総合窓口によると、令和元年度における溶接工の平均年収は444万円程度です。
企業規模により多少の開きがあり、従業員1,000人以上の大企業が約485万円と最も高い水準でした。
また、男女によっても差があります。一例として、従業員10人以上の企業の平均年収で比較すると、女性の方が約116万円低い金額です。
上記の年収額はあくまでも平均値となるため、溶接工への転職を希望している人は、実際の求人情報をきちんと確認するようにしましょう。
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参照:e-Stat政府統計の総合窓口「賃金構造基本統計調査」
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084610
5.溶接工として働くために必要な資格
溶接工の仕事に役立つ資格は多数ありますが、そのなかでも初期段階で取得しておきたい2つの国家資格をご紹介します。
- アーク溶接作業者
- ガス溶接技能者
この2つを取得しておくと、実務に役立つだけではなく、他の資格勉強でも基礎知識が活かされるはずです。
5-1.アーク溶接作業者
アーク溶接作業者は、アーク(火花)を利用した溶接技術を証明する資格です。
取得には2日間で計11時間相当の学科講習と、1日で10時間の実技講習を受ける必要があります。18歳以上であれば受講できるため、チャレンジしやすい資格の一つです。
5-2.ガス溶接技能者
ガス溶接技能者は、可燃性ガスと酸素を用いて金属を溶接、溶断、加熱する技術力を証明する資格です。
学科、実技ともに1日ずつ講習を受ける必要があり、学科は9時間、実技は5時間となっています。受講資格は設けられていないため、社会人経験がない18歳未満の方でもすぐに資格取得を目指せます。
6.溶接工として働く方法
現在溶接工として働いている人たちの多くは、工業高校や専門学校に通って知識を学び、卒業後に溶接工として働き始めています。
しかし、なかにはまったくの異業種から転職し溶接工の仕事を志す人も見受けられます。そのため、溶接工の仕事に興味を持ちチャレンジしてみたいと考えている人も、十分に挑戦できる仕事です。
社会人であれば、在職者向けの公共職業訓練校に通うことをおすすめします。平日夜間や土日の時間を使い、専門学校に通うよりも安価で溶接工の基礎知識を学べます。
また、未経験者を受け入れている企業へ就職し経験を積むのも一つの方法です。入社してすぐは先輩のサポート業務となりますが、現場で少しずつ学びを積み重ねながら溶接工を目指すことができます。
7.溶接工にはどのような人が向いている?
専門性が高い仕事であるがゆえに、自分が溶接工に向いているのかどうか不安を感じている人もいるかもしれません。以下の項目に自分が当てはまるか確認してみましょう。
- 細かい作業が好きな人
- 技術の取得が好きな人
- 正確に仕事ができる人
それぞれ確認していきましょう。
7-1.細かい作業が好きな人
溶接工の仕事は、細かい作業が苦にならず、むしろ好きだという人に向いています。時には小さな材料を慎重に溶接していく必要があり、技術力が求められます。
細かい作業を長時間続けても、イライラしたりヤケになったりせず腰を据えて取り組める人なら、溶接工として成長できるはずです。
7-2.技術の取得が好きな人
技術を一つひとつ学び習得していく過程にやりがいや喜びを感じられる人は、溶接工に向いています。一人前の溶接工として活躍するには一朝一夕では習得できない高い技術力が求められますし、仕事の幅を広げるための資格も必要になります。
そのため、新たな経験や学びを継続的に取り入れようとする好奇心や、技術を自分のものにしていこうという気概が求められます。
7-3.正確に仕事ができる人
溶接工の仕事は、どのようなシーンでも正確に作業をこなせる人に向いている仕事です。「これくらいでよいだろう」という大雑把な気持ちや、それにともない生じる作業のズレは、欠陥品を生み出す原因となります。
注意深く丁寧に仕事を進められる人こそ、溶接工として活躍できる人材といえるでしょう。
8.まとめ
この記事では、溶接工の仕事についてお伝えしました。
デジタル技術の発展が目覚ましい昨今ですが、ものづくりに欠かせない塗装工の技術は今後も変わらず求め続けられるでしょう。
溶接工は、日々の地道な学びや経験を積み重ねた成果がわかりやすく反映される仕事です。やりがいを感じられる仕事がしたい、手に職をつけて長く働きたいという人は、溶接工への就職・転職を検討してみてはいかがでしょうか。
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