夜勤手当とは?深夜手当との違いや適用される時間、深夜割増賃金の計算方法
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「夜勤手当は何時に働けばもらえる?」「夜勤の仕事が決まったので手当について知りたい」など、夜勤の手当について疑問を持っている方もいるでしょう。
夜勤で働くと、日勤で働くのと違って、夜勤ならではの手当を受け取ることができます。
今回は、夜勤の手当や夜勤のメリット・デメリットなどについて解説します。この記事を読めば手当に関する理解が深まり、より夜勤の仕事で働く意欲を見つけられます。
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1.夜勤をするともらえる手当
夜勤の仕事をすると、労働基準法で定められた手当を受け取ることができます。夜勤の手当には、主に以下のものがあります。
- 深夜手当
- 夜勤手当
- 宿直手当
深夜手当は正しくは「深夜割増賃金」といい、労働基準法37条で夜勤者に対する支払いが定められている手当です。深夜の労働は昼間よりも従業員の負担が大きいため、通常より高い賃金が適用されます。
深夜手当と混同されやすい「夜勤手当」は、企業が深夜勤務者への手当として独自に設定している手当です。深夜手当とは違って支払いに義務はありません。夜間に勤務する社員へのねぎらいという意味合いが大きく、支給するかどうかは会社により異なります。
また、夜勤手当がどのような形で支給されるかも企業によって異なりますが、「夜勤一回につき〇円」と固定で支払われるケースが一般的です。
夜勤で受け取れる3つ目の手当てが「宿直手当」です。宿直は、会社に宿泊することを前提に勤務するため、夜勤とは違って睡眠を取る場所の準備が必要になります。宿直は法定労働時間外のため、労働の必要はほぼありませんが、緊急時の対応や見回りなどのケースで適用されます。
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参照:厚生労働省「断続的な宿直又は日直勤務に従事する者の労働時間等に関する規定の適用除外許可申請について」
https://jsite.mhlw.go.jp/iwate-roudoukyoku/content/contents/syukunittyoku031025.pdf
1-1.深夜手当が適用される時間
深夜手当(深夜割増賃金)は、労働基準法第37条で以下のように定められた制度です。
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使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
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引用:e-GOV「労働基準法」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049
上記のとおり、午後10時から午前5時までの時間帯で働いた場合に深夜手当が適用されます。
1-2.深夜手当(深夜割増賃金)の計算方法
深夜手当(深夜割増賃金)は以下の計算式で算出します。
1時間あたりの基礎賃金×深夜労働時間×1.25(割増率)
基礎賃金は基本給のことで、役職給や手当を除いた純粋な賃金のことです。月の基本給を月当たりの平均労働時間で割れば、1時間あたりの基本賃金がわかります。
この1時間あたりの基本賃金に1.25をかけた額が、深夜手当で受け取れる賃金です。
2.夜勤でもらえる深夜手当と他の手当の違い
ここでは、深夜手当と時間外手当、夜勤手当の違いについて見ていきましょう。
2-1.時間外手当との違い
時間外手当も深夜手当と同じく法律で定められた手当の一つです。一般的には「残業手当」と呼ばれており、時間外労働や休日出勤をさせた雇用側は、通常の1.25倍以上の割増率で時間外手当を支給する義務があります。
労働が深夜帯かどうかではなく、法定労働時間である1日8時間または週40時間を超えて勤務をした場合に支払われる点で違いがあります。
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東京都労働局労働基準部監督課「しっかりマスター労働基準法-割り増し賃金編-」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000501860.pdf
2-2.夜勤手当との違い
深夜手当も夜勤手当も、深夜勤務で発生する手当ですが、似た言葉ではあるもののまったく別の仕組みです。深夜手当が法律で定められた義務であるのに対し、夜勤手当は企業が独自で定めるものです。
深夜手当が「時間あたりの基礎賃金×1.25」と時間ごとに加算されるのに対し、夜勤手当は「1回の夜勤で〇円」「1時間あたり○円」など企業ごとに決められます。
3.夜勤のメリットって?
夜勤のメリットとしてまず挙げられるのは、ここまでもお伝えしたとおり、深夜労働に対する割増賃金として、「深夜手当」が発生することです。
例えば時給換算の場合は、法律上22時~5時までは、通常の時給から25%以上割り増しされた時給が支払われます。同じ長さの時間を働いても、昼勤よりも高い給料がもらえるのが魅力です。
また、昼間の時間を自分の好きに使えるのもメリットです。人の少ない平日の昼間なら、ゆっくり買い物をしたり、家族や友人といつもよりくつろいで過ごすこともできます。
さらに、交代制で昼勤と夜勤が回ってくる場合は、日勤から夜勤に切り替わるときは、翌日の夜勤までの時間を有効に使えるというメリットもあります。日勤が終わったあとは、遅い時間まで羽目を外したい!という人はちょうど良いかもしれません。
アルバイトの雇用形態で、仕事をかけ持ちしたい人にとっては、夜勤のみのシフトで働けば、昼間にほかの仕事がしやすくなるというメリットもあります。その場合は、睡眠時間を確保しながら、無理のない範囲で勤務できるように、スケジュールをきちんと立てることが大切です。
◎主な夜勤のメリット
1.通勤ラッシュがない
2.平日の昼間に用事を済ませられる
3.手当がありお金を貯めやすい
4.基本的に残業がない
夜勤の仕事のメリットについては以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
4.夜勤のデメリットって?
夜勤のデメリットは、生活リズムが不規則になりがちなことです。若いときは体力があって、夜勤をこなせていた人でも、年齢を重ねると続けられなくなることもあります。休日には多めに睡眠をとるようにするなど、できる限り健康面に気を遣いましょう。
また、夜勤はお金を稼ぎやすい反面、交代制の場合は、給料が安定しないケースもあります。例えば、工場のその日の生産量で勤務時間が変われば、夜間の交代勤務がなくなり、夜勤手当が減って給料が一気に下がってしまうことも考えられます。
さらに交代制の場合、日勤から夜勤へ切り替わるときは時間を長く使うことができる一方で、夜勤から日勤へ切り替わるときは、夜勤後の朝から出勤する必要があります。そうなると、睡眠時間を確保しづらくなるという苦労も出てくるでしょう。
また、家族と一緒に暮らしている場合は、家族とのすれ違いにも注意が必要です。家族が寝ている時間帯に働き、反対に家族が活動している時間帯に寝る日が続くと、家族と触れ合う機会が減りがちです。オンとオフのメリハリをつけて、仕事に取り組むことを心がけましょう。
◎主な夜勤のデメリット
1.睡眠不足になりやすい
2.家族や友達と一緒に過ごすことが難しい
3.体調管理が難しい
5.工場の夜勤の求人を探すときのチェックポイント
ひとくちに夜勤といっても、勤務条件は企業によってさまざまです。選ぶ求人によっては、収入ややりがいに大きな違いが出てくる可能性もあるでしょう。
ここでは、工場の夜勤の求人を探すときのチェックポイントについてお伝えします。自分が希望する条件に近い仕事を見つけるためにも、下記のことをチェックして求人を探しましょう。
- 福利厚生をチェックする
- 各種手当ての有無をチェックする
- 募集年齢をチェックする
それぞれのチェックポイントを見ていきましょう。
5-1.福利厚生をチェックする
工場の求人をチェックする際は、福利厚生についてチェックしましょう。深夜手当と違って深夜勤務に関係なく発生するため、今後の待遇や年収を大きく左右します。
支給されるものや内容は企業によって異なりますが、よくある福利厚生について説明しておきます。
5-1-1.賞与(ボーナス)
賞与とは、固定給を支払う労働者に対して普段の給与とは別に支給する賃金のことです。「ボーナス」「賞与」という名称が一般的ですが、「特別手当」という名前で呼ばれるケースもあります。
ボーナスの支給月は企業によって異なりますが、一般的には6月(あるいは7月)と12月の年2回です。
ただし、賃金と違って法的な支払い義務はありません。始めから就業規則で支払いを定めている企業もあれば、業績次第で支給するか決める企業もあります。
5-1-2.給料前払い
給料前払いは、文字通り給料を前払いしてもらえる制度のことです。前借りできる金額は「すでに働いた日数だけ」なので、例えば月末日締めの場合、当月20日に前借りできるのは約20日分のみとなります。
ただし、従業員からの要請があっても企業には必ずしも応じる義務はありません。労働基準法で前払いが認められるケースは、出産・疾病・災害・結婚・生計を維持する者の死亡などの非常時に限られます。
5-1-3.入社祝い金
入社祝い金は、求人に応募し採用された際に受け取れる特別手当です。ただし、企業には入社祝い金を支払う義務ではなく、制度のありなしは企業によって異なります。
入社祝い金がある場合、受け取れる金額は企業によって異なります。一般的には数万円程度ですが、30万円以上の入社祝い金が受け取れるケースもあります。
5-1-4.赴任旅費支給
赴任旅費支給は、会社都合で引越しが必要になった場合の基本的な費用を企業が負担してくれる制度のことです。
以下のような基本費用について企業側が負担することになります。
- 引越し業者に支払う実費
- 敷金・礼金・仲介手数料
- 火災保険・鍵交換費用などの諸経費
ただし、「家電・家具、特殊な荷物の運搬代金」など、企業側が定めた規定外の部分は自己負担となります。
5-1-5.キャリアアップ制度
キャリアアップ制度は、担当者→主任→係長→課長といったような明確なポジション制を取ることで評価ごとに昇給する仕組みのことです。
年功序列ではなく明確な昇格・昇進要件がわかることで、社員のモチベーションにつながります。
5-1-6.転籍制度
転籍制度とは、会社において現在の雇用契約関係を解消して別の会社と労働契約を結ぶことを指します。
元会社の社員として別会社で働く「出向」とは違い、新しい会社の労働条件が適用される片道切符になるのが特徴です。
今の会社で働けなくなるので雇用調整(リストラ)に近い制度ですが、すでに再雇用先が決まっているメリットもあります。
5-1-7.健康診断
企業では年に一度、定期健康診断を実施することが義務付けられています。定期健康診断にかかる費用は原則会社負担です。
ただし、会社負担が義務付けられている費用はあくまで法定項目のみです。再検査やオプション検査でかかる費用については会社負担にならない場合があります。
なお、企業によってはインフルエンザワクチン接種を無料で受けられるなど、独自の福利厚生を導入している場合もあります。
5-2.各種手当ての有無をチェックする
夜勤がある企業であれば、福利厚生以外にどのような手当があるかについてもチェックしましょう。深夜手当は法律で決まっているので、どの企業でも割増率は変わりません。
しかし、夜勤手当に関しては法律で定められていない手当なので、企業ごとに内容に差があります。入社先によって月給や年収に大きな差が出る場合があるのでしっかり求人を選ぶ際にチェックしておきましょう。
5-3.募集年齢をチェックする
一般的に工場の求人は、18歳~50歳くらいまで、幅広い年齢層をターゲットに募集が出ています。
すべてが力仕事というわけではないので、体力的なキツさに不安がある年齢の人は、軽作業やピッキング作業、検品作業など、できるだけ力仕事が少ない仕事を選びましょう。
また、求人によっては年齢制限が設けられている場合もあります。自分の年齢でも応募できる求人でないと、基本的に面接を受けることはできません。応募しても企業からの返事を待っている間が無駄な時間になるので、年齢制限も要チェックです。
6.高条件の夜勤求人を効率よく探すには?
夜勤ありの求人といっても、待遇は企業ごとにまったく異なります。夜勤手当が受け取れない企業もありますし、夜勤手当がもらえる企業でも支払われる金額に差があることもあります。
せっかく夜勤の仕事を探すのであれば、少しでも高待遇の企業を選びたいものです。ハローワークや求人サイトを使って自力で探すこともできますが、必ずしも好待遇な企業が見つかるとは限りません。
そこで、効率よく探す方法として「転職支援サービス」の活用をおすすめします。
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7.まとめ
今回は、夜勤にまつわる手当と、夜勤の求人のチェックポイントについてお伝えしました。
夜10時から午前5時までの間に仕事をした場合は「深夜手当(深夜割増賃金)」が必ず支払われます。一方、企業によっては深夜手当以外に「夜勤手当」が支給される場合もあり、同じ夜勤でも得られる賃金はまったく異なります。
夜勤の仕事を探しているのであれば、手当について理解を深め、自分が希望する条件に合う求人に応募するようにしましょう。
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