報連相とは?仕事において重要な5つの理由と注意点を解説
※この記事は6分30秒で読めます。
「報連相ってなぜ重要なの?」
「報連相をすることのメリットを知りたい」
など、報連相に関して疑問を持っている人もいるでしょう。
報連相は「報告」「連絡」「相談」のそれぞれの頭文字を取った言葉です。正しく報連相をすることで円滑に業務を進められる特徴があります。
今回は、ビジネスにおける報連相とは、怠ったときに起きること、報連相ができていない人の例、報連相のコツなどを解説します。この記事を読めば、報連相のことがよくわかり、正しく上司や先輩・同僚とコミュニケーションできるようになります。
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1.ビジネスにおける報連相とは?
「報連相(ほうれんそう)」は、報告・連絡・相談の3つの単語をまとめたビジネス用語です。ビジネスでのコミュニケーションの取り方において非常に重要であり、この3つは誰もが迅速・的確におこなうことが求められます。
報告・連絡・相談のそれぞれの定義やポイントについて深掘りしてみていきましょう。
1-1.報告
報告は、業務を指示あるいは依頼をしてきた相手方に対して業務の進捗状況や結果を知らせることを指します。報告の対象は主に上司であることが一般的です。
例えば、上司から長期プロジェクトの責任者を任されたとき、部下はプロジェクトの進捗具合や問題点が発生していないかなどを定期的に上司に報告する必要があります。
部下から報告がないと、上司は次のアクションを起こすことができません。逆に、報告を適切におこなうことで、業務上のトラブルやミスが発生したときも上司が素早くフォローに入れます。
1-2.連絡
連絡は、仕事でのできごとやスケジュールなどを正直に伝えることです。
報告は部下から上司に対しておこなうコミュニケーションですが、連絡は上下の役職に関係なく、他部署や取引先など横のつながりも含まれます。
スケジュールや納期、トラブルといった案件を周囲に連絡しておくことで、社内での意志疎通が図れます。
1-3.相談
相談は、ほかの労働者に意見やアドバイスを求めることです。
例えば、仕事の進め方について部下が迷ってしまったとき、そのままでは解決できずに時間だけが過ぎてしまいます。そのため、迅速に上司に相談して指示やアドバイスを受ける必要があります。
特に、経験のない初めての業務に挑む際は、上司・先輩・同僚などさまざまな立場の人に相談することで業務を遂行しやすくなるでしょう。
2.仕事において報連相が重要な5つの理由
仕事をスピーディに進めていくうえで、報連相はどれも欠かすことができない要素ですが、その理由には以下の5つがあります。
2-1.現状を把握するため
会社の仕事は最初から最後まで1人で完結することは少なく、多くはリーダー役の上司と複数の部下がチームになって業務をこなしていくことになります。
上司は、常に部下1人の仕事を見ているわけではありません。上司自身の仕事やほかの部下のフォローもしています。上司が的確に現状を把握し、適切な指示を出せるようにするためには、部下からの定期的な現状報告が欠かせません。
また、こまめに報告をすることで、上司はプロジェクトの進み具合やトラブルが把握しやすくなり、部下は状況に適した新しい指示・アドバイスがもらえるようになります。
2-2.情報を共有するため
報告や連絡をすると、自分が持ち帰った情報やノウハウを上司や周囲の同僚に共有できます。情報を共有することで業務の質が高まったり、ミスを未然に防げたりといった良い効果が期待できるでしょう。
また、プロジェクトの進捗を周囲にしっかり共有しておくことで、手順を間違えずに全員が今やるべき仕事に取り組むことも可能です。
2-3.問題を解決するため
的確かつ迅速に報連相を実施することは、発生した問題を迅速に解決するためにも重要です。
何か問題が発生した際は、状況に応じて上司への報告・相談、周囲への連絡を迅速に実行する必要があります。早くできるほど全員での対処がしやすくなり、早期の問題解決につながります。
小さい問題は「自分1人で解決できる」と思いがちですが、報連相をしなかったばかりに大きな問題に発展するケースもあります。どれだけ小さな不安やトラブルでも、気になったときはすかさず報連相をしましょう。
2-4.業務の効率化を図るため
報連相を的確におこなうことは、業務の効率化にもつながります。
部下が報連相をすることで上司や先輩社員は仕事の進捗を把握でき、業務に対する指示・アドバイスやフォローに入れるようになります。それによって、自分自身が次にどう動くかを明確化できます。
上司や先輩から受け取った指示やアドバイスを実行し、必要に応じてフォローしてもらえれば、業務の効率化につながるでしょう。
2-5.人間関係を構築するため
仕事上の人間関係を構築するうえでも、報連相は非常に重要です。普段の関係性が薄い人から業務について相談されても、親身になって答えてくれる人は少ないでしょう。
逆に、普段からしっかりとコミュニケーションを取って信頼関係を構築していれば、困ったときでも上司や先輩がフォローしてくれます。
普段からの挨拶や日常会話に加え、仕事でしっかりと報連相することで、上司や先輩が部下に安心感を抱きます。取引先とのやり取りも同様で、ひんぱんにコミュニケーションを取ることで安心感を与えれば、信頼してもらいやすくなります。
良い人間関係を構築することでトラブルの対処がしやすくなったり、取引先から信頼されて新しい注文が舞い込んだりと、良い効果が期待できるでしょう。
3.報連相を怠ったときに起きること
報連相をすると業務効率化につながるさまざまな良いことがある一方、怠ると以下のようなトラブルに見舞われる可能性があるため注意が必要です。
3-1.問題解決の方法がわからなくなる
報連相をしないでいると、問題の発生に気付かなかったり、問題が発生した要因や解決方法がわからなくなったりすることがあります。
根本的な原因がわからないと問題を解決できず、次に進むことができません。トラブル対応に余計な時間を割くことで業務の質が落ち、納期遅れや品質悪化といった新たなトラブルの種になることも考えられます。
3-2.小さな問題が大きな問題になる
新入社員や若手社員によくありがちなのは、「小さなトラブルだから報告はあと回しにしよう」「このくらいなら自分で解決しよう」と思ってしまうことです。
しかし、最初は小さな問題でも、自分のなかで放置してしまうと、多忙で対処を忘れる、間違った対処をするなど、後々大きな問題になってしまうことがあります。
報連相を怠ったことで取引先の希望納期に良品を出荷できなかったり、クレームが発生して会社に迷惑をかけたりといったことにつながります。
3-3.上司や先輩との人間関係が悪化する
報連相を怠ってしまうと、本当はトラブルが発生しているのに部下も上司もそれに気付かず、結果として大きな損害につながる可能性があります。
トラブルを抱えていたことをあとから上司や先輩に知られると、「ちゃんと報告してくれれば問題なかったのに」「なんで早く相談してくれなかったんだ」といったように部下に対して不信感が生まれるかもしれません。
そうした不信感から人間関係が悪化すると、その後の業務にも支障をきたし、生産性の悪化にもつながります。
4.うまく報連相をおこなうためのコツ
報連相はただ適当にすれば良いというわけではなく、ポイントやコツを守って的確におこなう必要があります。ここでは、うまく報連相をするコツやポイントをご紹介します。
4-1.なるべく早い段階でおこなう
報連相を的確におこなうと、上司は部下の仕事の進捗がわかり、次の仕事の指示を出しやすくなります。
何もしないでいると、上司は部下に対して次の作業の指示を出せず、部下が何もしない時間ができて生産性が落ちることが懸念されます。報連相はできるだけ早いタイミングで、可能な限りこまめにおこなうのが基本です。
特に重要なのが、トラブルが発生したときです。早期に問題を解決して通常業務に戻るためにも、迅速な報連相が求められます。依頼された作業が終わったとき、問題が起きそうと感じたときは、すぐに報連相をしましょう。
また、長期的な業務は1日の終わりに日報で状況を毎日報告するなど、定期的な報告も大切です。
4-2.相手への配慮を意識する
報連相をする際はできる限り迅速におこなうのが鉄則ですが、上司や先輩は常に待機しているわけではありません。上司や先輩の仕事をできるだけ止めない配慮も必要です。
「いまお時間よろしいでしょうか?」
「〇時から10分ほど時間を頂けませんか?」
このように、相手の都合を確認したうえで、お互いに問題ない時間帯に報連相をするとスムーズに完了します。
4-3.簡潔に結論から話す
報連相をするときは、結論から先に話すのがコツです。まず結論を端的に報告し、そのあとに補足事項をつけ加えます。
経過から話し始めてしまうと、上司や先輩が指示やアドバイスを出すまでに余計な時間がかかります。短時間で正確に情報を伝え、上司や先輩ができるだけ早く次の指示を出せるよう、結論から話し始めましょう。
4-4.客観的な事実を伝える
報連相をするときにやりがちな代表的なミスが「私は○○だと思います」と自分の主観を述べてしまうことです。報連相の際は主観的な意見は排除し、客観的な事実のみを正確に伝えるようにしましょう。
上司や先輩は正確かつ客観的な情報を求めており、自分の感情や考えといった主観的な情報はあまり重要ではありません。
主観が入った報告をするとそれが客観的な事実と異なり、上司が間違った指示を出してしまうこともあります。自分の主観や意見は「どう思う?」と上司や先輩に確認されてから答えれば十分です。
4-5.メモを持参する
報連相は、部下から上司や先輩に一方的に話をして終わりではありません。
仕事が終わった報告なら次の仕事の内容を、トラブルの報告なら対処のアドバイスをもらいます。その内容を忘れないように、メモ帳と筆記用具を持参して、必要があればメモを取りましょう。
メモに残しておけばあとから見返すことができ、同じミスを防いだり、次の仕事に忘れずに取り組めたりといった良い効果が期待できます。
以下の記事では、メモの有効な取り方について解説しています。
5.要注意!報連相ができていない人の例
報連相ができない人には共通した特徴がみられることがあります。以下でご紹介する報連相ができない人の特徴が自分に当てはまってしまっていないか、チェックしてみましょう。
5-1.報連相の重要性を理解していない人
報連相をしない人は、そもそも報連相の重要性を理解していないことが多いようです。
小さな問題を後回しにして報連相を怠り、自分の作業を優先してしまうと、結果的に問題が大きくなって無駄な作業が増えたり、予定外の休日出勤や先方との打ち合わせが必要になったりして、業務が効率良く進まなくなってしまいます。
そうした事態を防ぐためにも報連相は非常に重要です。
5-2.普段からコミュニケーション不足な人
普段から上司や先輩、同僚とのコミュニケーションが取れていない人は、信頼関係が構築できていません。そのため報連相もうまくできないことがあります。
業務においては、報連相を活用したコミュニケーションを欠かさないことが重要です。普段のコミュニケーションが足りず上司や先輩に相談しにくいと感じている場合は、日頃の挨拶や世間話など、簡単なところから会話を始めて人間関係を構築しましょう。
以下の記事ではコミュニケーションを取る方法について解説しています。
5-3.目の前の仕事に精一杯で余裕がない人
報連相ができていない理由の一つとして、目の前の仕事で精いっぱいというケースも少なくありません。
仕事をこなすことに精いっぱいだと視野が狭くなり、報連相にまで考えが及ばないこともあります。
5-4.必要以上にプライドが高い人
プライドが高いばかりに報連相を怠る人もいます。
「自分ならこの程度のトラブルは問題ない」「上司や先輩に頼りたくない」など、プライドや責任感が強い人はトラブルを自分で解決しようと試みてしまい、結果的に大きなトラブルに巻き込まれる可能性があります。
プライドを持って仕事をすることは自身の成長に必要なことですが、だからといって自分だけで何でもこなそうとすると、失敗したときに誰からもフォローされません。
1人で進めるように指示された仕事でも、それは会社としての仕事であることに変わりはありません。上司が仕事の進捗を正確に把握するためにも、こまめな報連相を心がけましょう。
6.報連相をおこなう際の注意点
自分が上司や先輩に報連相をするとき「どうやってすれば良いかわからない」と迷うことがあるかもしれません。報連相をする際は、ここでご紹介する注意点をよく守りましょう。
6-1.少しでも迷ったら必ずおこなう
小さなトラブルの場合、「このくらいなら報告しなくても良いかな」と迷うことがあるかもしれません。
ただ、もし問題を自分で解決できないと大きな問題に発展します。少しでも迷いが生じたときは必ず報連相をするように意識しておくべきです。
些細なトラブルだとしても、自分で抱えるより周囲に相談するほうが早く解決するかもしれません。自分自身の業務効率化にもつながるため、迷ったらすぐに報連相する癖を身につけましょう。
6-2.重要なことは直属の上司に伝える
報連相をするときにまず報告を入れるべきは直属の上司です。特にクレームなど緊急性の高い大規模なトラブルの場合は、的確な指示を出してもらえるよう、すぐに直属の上司に相談しましょう。
部下→先輩→上司と人づてに情報が伝わると、その情報が正しく伝わっているかがわかりません。本来のトラブルと違う内容が上司に伝わった場合、間違った指示が出て問題がさらに大きくなる可能性もあります。
6-3.正しく伝わったか確認する
報連相の目的は、正しい情報を上司や先輩、取引先など周囲の人に伝えることです。自分だけが状況を伝えて終わりではなく、正しく伝わっているかを確かめることも大切です。
間違った情報が伝わっていると、問題を正しく解決できなかったり、状況に応じたアドバイスが得られなかったりすることがあります。
相手に正しい情報を伝えるためには、文字に残すことを意識しましょう。口頭でしっかり伝わっているか不安がある場合は、打ち合わせのあとに「先ほどの件です」とメールやチャットでメモを残すようにしましょう。
7.部下から報連相を受けたときの心がけ
昇進して主任や係長、課長になると、報連相をする立場から受ける立場になります。部下から報連相を受けたときの心構えとしては、「おひたし」を意識した受け答えをすることが有効です。
おひたしは、以下の4つの言葉をまとめたビジネス用語です。
- お:怒らない
- ひ:否定しない
- た:助ける
- し:支持する
7-1.お:怒らない
報連相を受けた際、上司が感情的に怒るのはNGです。感情的に怒ったり叱責したりすると、次から部下が緊張して報連相が遅れる原因となります。
また、感情的に怒鳴っても問題はまったく解決しません。冷静に部下の話を聞き入れ、状況に応じて的確なアドバイスをして、まずは問題解決を図ることが大切です。
問題解決後は、次はどうすれば問題発生を防げるのか、ミスの原因や改善策を一緒に考えたりヒントを与えたりするのが良い上司の姿です。
7-2.ひ:否定しない
報連相をしてきた部下の発言に対し、いきなり否定するのはNGです。頭ごなしに否定してしまうと、部下は「何を相談しても取り合ってくれない」と思ってしまい、自信をなくしてしまうかもしれません。
部下の意見が自分と違ったとしてもまずは受け入れ、話を最後まで聞くことが大切です。部下に上司としての考えを伝えたり、間違った部分を否定したりするのは、部下の話が終わったあとにしましょう。
7-3.た:助ける
部下が助けを求めて報連相してきたとき、ただ突き放すのはNGです。
過剰に助けてしまうと部下がいつまでも成長しないのは確かですが、ただ突き放すと部下が自分だけで間違った対処をしたり、いつまでも正しいトラブル処理の方法がわからなかったりします。
何でもすべて助けるということはありませんが、部下の能力や状況を考慮したうえで適切なサポートやフォローをすることが必要です。
7-4.し:指示する
報連相を受けた上司は、部下が正しく次の行動に移せるように適切な指示を出す必要があります。
上司が指示を出さないと、次に何をして良いかわからない部下は「指示待ち」の状態になり、問題の対処に余計な時間がかかります。
また、対処に時間がかかると本来業務に戻るまでに時間がかかり、部の生産性を落とす原因にもなります。
報連相を受けたら、具体的にやるべきことを部下に指示し、行動を促しましょう。ただし、部下の自主性を育てる意味で、こと細かにすべて指示したり助けたりしないで見守ることも必要です。
8.まとめ
報連相はビジネスでのコミュニケーションの基本であり、どのような業界でも必須です。特にトラブルが起きたときは、報連相を怠ると問題が大きくなって対処に時間がかかってしまったり、致命的なクレームにつながったりすることも考えられます。
どれだけ小さなトラブルや不明点でも、迷ったときはスピーディに上司や先輩に報連相して指示やアドバイスをもらう癖を身につけましょう。
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