ピッキングの仕事内容とは?種類や作業のコツ、工場の選び方を紹介
※この記事は6分30秒で読めます。
「ピッキングってどんな仕事?」
「ピッキングを仕事にするメリットを知りたい」
など、ピッキングについて興味がある方もいるでしょう。
ピッキングは注文された商品を倉庫から集める仕事であり、シフトが比較的自由に決められる、未経験でも働きやすいなどの特徴があります。
今回は、ピッキングの概要、メリット・デメリット、向いている人の特徴などを解説します。この記事を読めばピッキングのことがよくわかり、自分がピッキングの仕事に向いているのかどうかわかるようになります。
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1.ピッキングの仕事内容とは
ピッキングとは、倉庫や工場に保管されている商品を取り出す(ピックアップする)仕事のことです。
企業からの注文品やネットショッピングなどで購入された商品を伝票や指示書に従って集め、運び出します。集める商品は職場によって異なり、衣服を集めるところもあれば、本や文房具、食料品を集めるところもあります。
ピッキングは指定されたものを集めるなどの簡単な仕事内容なので、未経験を歓迎しているところが多く人気がある仕事です。
ただし、大型の電化製品や重い機材や部品を保管する工場ではフォークリフトを用いる場合もあるため、応募の際は事前にフォークリフトの免許が必要なのか確認すると良いでしょう。
2.ピッキングの種類
ピッキングには大きく分けて4つの種類があります。 同じピッキングでも、仕事内容が大きく異なります。それぞれご紹介します。
2-1.シングルピッキング(摘み取り)
シングルピッキング(摘み取り)とは、作業者が一つの注文に対して商品が保管されている棚に移動し、指示書などに書かれている指定の商品を取って集める方式のことです。
作業者は、渡された指示書を見ながら、歩いて指定の商品を探し回ります。商品が見つかったら、必要な分だけカートなどに入れます。
一種類だけ集める場合もあれば、一度に数種類集める場合もあります。数種類集める場合は、そのまま他の商品も探して集めます。
商品が正しいかどうかは、専用の機械を使ってバーコードで読み取るか、目視で確認します。 必要な商品をすべて集め終わったら、あらかじめ指定された場所へと持って行き、また指示書を受け取って次の注文分の商品を集めに行きます。後は終了時間までこの作業の繰り返しとなります。
2-2.トータルピッキング(種まき)
トータルピッキング(種まき)とは、複数の注文をまとめて必要な物を一気に集めてしまってから仕分けする方法です。
何度も行き来することを避けるために、一度で多くの商品をピッキングしてしまおうという方式です。
一気にまとめて商品をピッキングしてくるので、最終的に注文ごとに仕分けをする必要があります。
また、工場によっては歩き回って商品を集める作業はせず、ベルトコンベアの前で指定の箱などに担当の商品を入れていくだけという場合もあります。
ベルトコンベアの前で仕分けをする場合は、シングルピッキングのように何度も行き来せずに済むというメリットがあります。
2-3.ウェーブピッキング
ウェーブピッキングでは、トータルピッキングよりも少ない複数の注文をまとめて集め、それを注文ごとに仕分けます。複数の注文品をシングルピッキングと同様のやり方で集め、次の工程でそれを仕分けするという流れで、シングルピッキングとトータルピッキングを組み合わせた方法です。
いくつかの仕分けラインをつくり、シングルピッキングを複数同時におこなうことで作業の効率化を図ることができます。
膨大な量を扱う倉庫であっても断続的に作業できますが、ピッキングの総量や処理順番を正確に決めないといけないため、「倉庫管理システム(WMS)」というシステムを導入している倉庫でよく活用される手法です。
2-4.マルチピッキング
マルチピッキングは、シングルピッキング同様に商品を集めながら、仕分けも同時におこなうやり方です。
オリコン(折りたたみコンテナ)や段ボール箱など、商品を入れる箱を注文ごとに用意し、複数の箱をピッキングカートと呼ばれるピッキング用のフォークリフトやカートに乗せて倉庫内をピッキングしてまわります。
ピッキングした商品はその場で注文の箱に仕分けて入れるため、あとから仕分けの作業をする必要がありません。箱をたくさんもって移動する必要があるため、フォークリフトやカートが通れる広い通路のある倉庫で活用される手法です。
3.ピッキング業務の魅力
続いて、ピッキング業務の魅力についてご紹介します。
3-1.未経験でも働きやすい
ピッキングの求人を見るとわかりますが、ほとんどが未経験で働けるので、新しい仕事をしてみたい人におすすめの仕事です。
3-2.日払い求人もある
ピッキングには日払いの求人も多くあります。繁忙期や年末年始だけの単発の仕事や日払いの求人も多いため、短期間で稼ぎたい人に向いています。
3-3.運動不足の解消になる
商品を探すピッキングの仕事の場合、倉庫内を往復して品物を運ぶため、足腰が鍛えられます。軽い荷物でも量が増えると重くなるため、トレーニング効果もあります。日頃あまり運動していない人にはおすすめの仕事です。
3-4.日数や時間の自由がききやすくシフトが組みやすい
ピッキングの求人を見ると、「週3日OK」や「勤務時間相談OK」など、シフトが組みやすい求人が多く見られます。一方、しっかり稼ぎたい人は日数や時間を多めに調整できます。夜勤もあるため、学校や他の仕事がある人が夜の時間にシフトを入れられるのもポイントです。
最低出勤日数は勤務先によって異なりますので、あなたの都合に合わせた求人を選択しましょう。
3-5.夜勤で高時給の求人も多い
たくさん稼ぎたいという人は、夜勤のアルバイトをおすすめします。
夜勤のアルバイトは、おおよそ時給1,000円~1,600円の求人もありますので、夜型の方は時間を有効に使うべく、ぜひチャレンジしてみましょう。
4.ピッキング作業にノルマはある?
ピッキングのアルバイトには、基本的にノルマがないところが多いようです。ただし、工場によっては、繁忙期や忙しい時間帯に「時間内に○○個の商品をピッキングする」というノルマが設定される場合もあります。
また、倉庫管理システムが導入されている倉庫では、個々がピッキングした時間や数が記録され、仕事の終わりにその日の成果と目標が表示されることもあるようです。
ノルマの有無が気になる場合には、面接の際に質問してみましょう。
5.ピッキングのアルバイトの時間と時給
ピッキングの仕事は、多くの人数を要することからアルバイトの求人が多い傾向にあります。そこで気になるのが、ピッキングの仕事時間と時給です。
ここでは、ピッキングのアルバイトの時間と時給についてご説明します。
5-1.時間
ピッキングの仕事時間は求人によって異なります。フルタイムで週5日勤務のところもあれば、1日4時間、週2、3日前後で雇ってもらえるところもあります。
採用期間も長期のところもあれば、短期だけのところもあるなど、求人によってさまざまです。 自分がどのくらいの時間働きたいのかを確認して、どのピッキングの求人に応募するのかを決めるといいでしょう。
比較的に自由度が高い求人が多いので、学生や主婦でピッキングをしている人は多い傾向があります。
また、工場によっては残業があるところもあります。特に繁忙期などで注文が増えるときは、残業をお願いされることがあるかもしれません。
残業をした場合は25%の割増賃金になるため、効率良くお金を稼げます。
5-2.時給
ピッキングの仕事の時給は、800円~1,200円くらいです。相場は1,000円を少し超えるくらいで、比較的高めであるといえます。
また、フォークリフトの免許を持っていると、求人によっては時給アップが見込めます。未経験歓迎でありながら時給が高いところも、ピッキング求人の人気の秘密といえるでしょう。
ピッキングの求人に応募する際は、交通費の有無は確認しておきましょう。最寄り駅までの送迎バスはあるけれど交通費が支給されないなど、工場によってさまざまです。
また、日払いや週払いをしているかどうかも確認することをおすすめします。日払いを認めているところも多くあります。
6.ピッキングに必要な能力
ピッキングは単純作業ですが、向き不向きがはっきりしている仕事です。ピッキングに必要なスキルは大きく4つ、「正確性」「忍耐力」「集中力」「手際の良さ」があります。それぞれについて解説します。
6-1.正確性
ピッキングは、注文された商品を注文者の手元に届ける工程の一番目にあたる大事なプロセスです。ここで間違えてしまうと、注文者のもとに違った商品が届いてしまうことになります。
もちろん、多くの倉庫ではダブルチェックの体制が取られミスが起きないようになっていますが、一人ひとりが正確さに気を配って作業する必要があります。
6-2.忍耐力
ピッキングは単純作業を何時間もおこなう仕事です。同じ作業が長い時間続いても正確に仕事を続けられたり、自分なりの目標をもって仕事に向き合えたりするような忍耐力が必要です。
6-3.集中力
何時間も同じ仕事を続けるための集中力もピッキングにおいて求められるスキルの一つです。
集中力が切れるとミスにつながり、ミスが重なるとやる気も下がってしまいます。そういった悪循環に陥らないためにも、集中力を維持することが重要です。
倉庫によっては勤務時間のなかで短い休憩をこまめに入れるシフトになっていたり、倉庫内にリフレッシュスペースが設けられていたりします。そういった待遇を上手に活用し、勤務終了まで集中力を維持できるようにしましょう。
6-4.手際の良さ
多くの現場でノルマがないといっても、ダラダラとピッキング作業をしているのは好ましくありません。業務時間内に効率良く倉庫を回り商品を集めてくる手際の良さが求められます。
最初は広い倉庫で戸惑うかもしれませんが、大体の商品の場所や陳列のルールなどが頭に入れば、効率的に倉庫内を回ることができます。向上心があれば徐々に手際も良くなってくるでしょう。
7.ピッキング作業におけるコツ6つ
ここでは、ピッキング作業におけるコツを6つご紹介します。ピッキングが初めてで不安だという人も、以下のことを頭に入れておけば、スムーズにピッキングをこなすことができるでしょう。
7-1.倉庫内の地図を最初に把握しておく
最初に倉庫内のどの棚に何が入っているのかを把握しておくことで、効率良く商品を探せるようになります。
7-2.最短ルートを意識してピッキングする
ピッキングでは、多くの距離を歩くことになります。そのため、最短ルートを意識できるかどうかで、トータルの歩行距離、作業効率が大きく変わってきます。
どのように歩けば早いか、常に考えながらピッキングしましょう。
7-3.安全に速く歩くことを意識する
倉庫内を走ることは厳禁です。そのため、ピッキングではいかに速く歩くかが大事になります。
他の作業者と衝突しないように注意したり、そういったルートを探したりして早く歩くことを意識しましょう。
7-4.商品を早く正確に数える
商品がある棚に到着するのが早くても、商品を数えるスピードが遅かったら作業効率は落ちてしまいます。
また、正確に数えることができないと、ピックミスとなり手間が増えることになります。ピッキングでは、いかにして商品を早く正確に数えるかが重要になってくるのです。
7-5.動きやすい靴で疲れない工夫をする
長時間歩くシングルピッキングは、自分が思っているよりも長距離を歩くことになります。
自分の足のサイズに合った動きやすい靴を履くなど、疲れない工夫を心がけてください。靴を軽視して足を痛めてしまうと、まともに仕事ができなくなってしまう可能性があります。
7-6.マニュアルに従って作業を進める
マニュアルがある場合はマニュアルをよく読み、それに従って作業を進めることが基本です。
いろいろな倉庫でピッキングの経験を積むとピッキングのルールも頭に入っており、経験則で仕事をこなせる人もいるでしょう。ただし、それぞれの倉庫でピッキングのルールが異なる場合もあります。
「前の倉庫ではこうだったから」という思い込みによるミスを防ぐためにも、マニュアルは熟読しルールを確認しましょう。
8.ピッキング作業を上達させるためのポイント4つ
単純作業ながらもコツが必要なピッキング作業。いくつかのポイントを押さえることで早く上達することができます。
8-1.わからないことがあったらすぐに聞く
ピッキング作業は全体を通して把握すべき事項が多いです。そのため、特に最初はわからないことがたくさん出てくる可能性があります。
そのときに、何となくわからないまま作業をするのではなく、すぐに聞く癖をつけましょう。ミスをするくらいなら、質問をたくさんして理解することが大事です。
8-2.リーダーや先輩にコツを聞く
ピッキングでは、自分一人で考えても作業のコツがわからないことが多いです。そこで、リーダーや話しやすい先輩などに、作業のコツを聞くことをおすすめします。
自分では思いつかないような効率の良いやり方を教えてくれることが多いので、早めにコツを聞いておきましょう。
8-3.優先順位を意識して作業する
ピッキングは、扱う商品の量と作業量がともに多いです。
そのため、常に何を優先すべきか意識して作業する必要があります。進行状況に応じて柔軟に動きましょう。
8-4.コミュニケーションを取って作業をする
ピッキングは多くの人と一緒におこなう作業です。そのため、チームワークが重要になります。コミュニケーションを意識して作業をおこないましょう。
9.ピッキング作業に向いている人、向いてない人
ピッキング作業に興味はあるけれど、そもそも自分が向いている仕事なのか知りたいという方も多いことでしょう。
ここでは、ピッキング作業に向く人、不向きな人を紹介します。自分がどちらに当てはまるかチェックしながら読んでみてください。
9-1.ピッキングの仕事に向いている人
- 集中力がある
- 体力に自信がある
- 目標を立てて仕事ができる
- 注意深く慎重
- 好奇心旺盛
- マイペースで仕事をしたい(シングルピッキング)
- 仲間と一緒に仕事したい(トータルピッキング)
長時間歩いても苦ではなく、ピッキング作業に集中し続けることができる人が、ピッキング作業に向いているといえるでしょう。
また、単純作業のなかで、自分で目標を立てて行動できる人が、ピッキング作業に向いています。
これらの条件に当てはまる人は、ぜひピッキングのお仕事に挑戦してみてください。JOBPALでもピッキングの求人を多数掲載しています。
9-2.ピッキングの仕事に向いていない人
- 立ち仕事をしたくない
- 派手な仕事をしたい
- 接客が好き
- 優柔不断でのんびり
ピッキングは、立ち仕事で地味な作業が続くため、立ち仕事をしたくない人や派手な仕事や接客などをしたい人には不向きです。
また、素早く商品を選んで集めることを求められるので、優柔不断でのんびりした人もピッキングに向いていない傾向があるといえます。
営業のような対人スキルなどは求められませんが、テキパキと仕事を進めることや、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)のコミュニケーション能力、元気に挨拶をすること、遅刻をしないこと、無断で欠勤をしないことなど、最低限のルールを守ることは求められます。
10.ピッキングの仕事ができる工場の選び方
ピッキングの仕事は、どこの工場でも同じというわけではありません。工場によって働きやすさや待遇が大きく違います。
工場を選ぶ方法はいくつかあります。
- 求人サイトから応募する
- ハローワークに行く
- 派遣会社に登録する
- 知人に紹介してもらう
- 転職サポートを利用する
また、どの工場が働きやすいのかは、以下のポイントを参考にして見極めてみましょう。
- 職場環境が整備されているか
- 作業効率の向上に力をいれているか
- 自分の家から勤務地まで通いやすいか
- シフト制や夜勤など勤務時間が選べるか
- 社員に優しい福利厚生が整っているか
- 資格取得やスキルが身に付くか
- 時代のニーズに合った製品を作っているか
通いやすさや福利厚生の充実はもちろんのこと、「そこで働くことが自分のスキルの向上に役立つか」という点も見極めることで、働き始めた後もやりがいをもって仕事に臨めます。
求人情報だけではわからないところもあるので、面接のときに直接聞くか、工場見学で実際に見るなどして、自分に合う工場かを判断しましょう。
工場の探し方については以下の記事でより詳しく解説しています。
11.まとめ
ピッキングは体力が必要なケースもありますが、コツをつかめば効率も上がっていきます。また、自分のなかで「この時間で○○個集める」という目標を立てるなど、常に向上心を持って取り組める人であれば、大きなやりがいを感じられるでしょう。
ネットで買い物することが当たり前の時代。ピッキングの仕事は物流において欠かせないため、求人の募集もたくさんあります。特殊なスキルを必要としていないので、未経験でも応募できます。
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