工場への就職
更新日:2024年01月25日

工場勤務に役立つ資格とは?取得メリットや昇給やレベルアップにおすすめな資格を解説

工場勤務に役立つ資格とは?取得メリットや昇給やレベルアップにおすすめな資格を解説

※この記事は6分30秒で読めます。

「工場に関する資格を取るメリットを知りたい」
「工場の仕事に役立つのはどんな資格?」
など、工場の資格に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

工場で働く際には、扱う製品や業務内容ごとにマッチする資格を取得することで昇給やキャリアアップに役立てることが可能です。

今回は、工場に関する資格を取得するメリット、取得する資格を選ぶ際のポイント、工場の種類ごとにおすすめの資格などを解説します。この記事を読めば工場に関する資格のことがよくわかり、自分が取得するべき資格が明確になります。

1.工場勤務で資格を取るメリット3つ

勤務する工場の種類や部署にもよりますが、必ずしも特定の資格は必要ではありません。しかし、なかには特別な資格がないと任されない仕事もあり、必要な資格を取得することでさまざまなメリットを享受できます。

ここでは、工場に関連する資格を取得することの3つのメリットをご紹介します。

1-1.就職・転職でアピールできる

工場に関連する資格を保有していることで、就職・転職で有利に働くケースがあります。資格があると、知識や技術を持っていることを証明でき、即戦力として期待されるためです。また、工場の勤務経験がない人でも資格試験に合格していれば、努力や能力向上の意欲を示すことができます。

一定規模以上の工場では、最低一人以上は確保していなければいけないような必置資格もあり、そのような資格を持つことで企業からの評価も高まるでしょう。

1-2.任される仕事のレベルが上がる

資格があれば、技能や知識が一定レベル以上にあることを証明することができます。有資格者でないと携われない仕事はもちろん、任される仕事の範囲が広がってレベルアップにつながるでしょう。

1-3.昇給する可能性がある

資格を保有していることで、資格手当が受け取れる企業も少なくありません。どの程度の手当が支給されるかは資格のレベルや会社の方針によってさまざまですが、一ヵ月あたり5,000円~1万円程度が一般的です。

月5,000円の資格手当を得られれば、それだけで年間6万円の昇給になりますので、資格取得に5万円の費用が掛かったとしても一年働けば元が取れてしまうことになります。

また、特定の資格取得が昇進要件の一つとして定められている場合は、将来的なキャリアアップによる待遇向上も期待できます。

2.資格を選ぶ際のポイント

工場に関連する資格だからといって、何でも取得すれば良いというものではありません。資格といっても国家資格から民間資格までさまざまな種類があり、なかには取得しても企業から評価されにくい資格もあります。無駄のない資格取得を目指しましょう。

2-1.仕事で活かせる資格であること

就職・転職を有利に進めたいなら、自分の業務を進める際に役に立ち、仕事の幅が広がる資格を取得すべきです。

せっかく資格を取っても、自分に関わる仕事でなければ業務に役立てることはできません。まずは、その資格が自分の仕事に活かせる内容の資格であるかを必ずチェックしましょう。

2-2.キャリアが広がる資格であること

資格を取得することが、将来のキャリアアップにつながるかどうかも考えておきましょう。すでに担当者レベルの業務を一通りこなせる人は主任クラスに必須の資格を取得する、といったことです。

機械を使う工場では製品のできばえで他の社員と差をつけることは難しいですが、資格を取得することで評価アップを狙えます。

2-3.社会的信用度が高い国家資格であること

ひと口に「資格」といっても、「国家資格」「公的資格」「民間資格」などいくつかの種類があります。

  • 国家資格:国の法律に基づいて個人の能力、知識が判定される資格
  • 公的資格:文部科学省・経済産業省などの省庁や大臣などが認定している資格
  • 民間資格:民間団体や企業が独自の審査基準を設け、任意で認定する資格

そのなかでも、知識や技術が一定水準以上であることを国が認定する国家資格は、社会的な信用度が高いものです。同じような資格であれば国家資格から優先して取得していきましょう。

3.さまざまな工場で役立つ資格

資格は、業務の幅を広げ昇給やキャリアの向上に役立ちます。そのなかで、どんな工場でも高評価が期待できる資格をご紹介します。

3-1.危険物取扱者

危険物取扱者は、国が定めた危険物を扱う作業に従事する際に必要になる資格です。該当の危険物に関する知識を持ち、適切に扱えることを証明できます。

危険物には第1類~第6類までの6つの分類があり、危険物取扱者の資格は扱える危険物の種類に応じて以下の3つに分かれます。

  • 甲種:第1類~第6類すべての危険物を扱える
  • 乙種:第1類~第6類のうち試験に合格した危険物を扱える
  • 丙種:第4類のうち一部のみ扱える

3-2.衛生管理者

衛生管理者は、労働者の健康障害や労働災害を防ぐことを目的に設けられた国家資格です。週に一度は作業場を巡視して、「衛生状態が常に適切に保たれているか」「労働条件や労働環境の衛生面に問題はないか」などをチェックし、労働者の健康障害を未然に防ぐことが役割となります。

衛生管理者は50人以上の従業員がいる工場や職場では最低でも一人は必要とされる必置資格です。規模の大きな工場では間違いなく必要になることから、有資格者は転職で有利となります。

資格には第一種と第二種の2種類がありますが、第一種は全業種に適応できるため、別の業界へ転職する際でも役に立つでしょう。

以下の記事では衛生管理者の資格の概要をより詳しく紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。

3-3.エネルギー管理士

エネルギー管理士は、燃料や電気の消費量が多い工場のエネルギー使用量について監視・改善の指揮を担うための国家資格です。

原油換算で年間3,000Kl以上のエネルギーを使用する「第一種エネルギー管理指定工場」などに指定された工場や事業場では、エネルギーの使用量に応じてエネルギー管理者を選任することが法律で義務付けられています。具体的には、自動車工場や食品工場、化粧品工場などで活躍できる可能性があります。

以下の記事では、エネルギー管理士の仕事についてより詳しく解説しています。

3-4.フォークリフト運転技能者

フォークリフト運転技能者は、工場や倉庫の運搬作業などに使われるフォークリフトを運転するために必要な資格です。フォークリフトは工場で必ずといっていいほど使われているため、資格を取得すれば商品の運搬や積み込みの部署で即戦力として評価されるでしょう。

ちなみに、フォークリフトに関する資格には「フォークリフト運転技能講習 修了」「フォークリフト運転特別教育 修了」の2種類があります。フォークリフト運転技能講習は最大積載荷重量が1トン以上のフォークリフトを運転できる講習で、学科試験、実技試験を受けて合格する必要があります。

一方、フォークリフト運転特別教育は1トン以下の荷重を扱える講習で、「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」を受講すれば学科や実技試験を受ける必要はありません。

転職で評価されることも視野に入れる場合は、より大きなフォークリフトを運転でき、学科や実技をクリアしないと取得できない「運転技能講習」を受けることをおすすめします。

以下の記事では、フォークリフトの運転資格についてより詳しく解説しています。

4.自動車工場の仕事に役立つ資格

続いて、自動車に関連する工場の仕事で役立つ2つの資格を解説します。

4-1.自動車整備士

自動車整備士は、自動車を整備する人の整備技術の向上を目指した国家資格です。ディーラーや整備工場で働くことが一般的ですが、中古車販売メーカーや運輸会社でも評価されます。

資格は一級・二級・三級・特殊に分類されています。一級自動車整備士の資格を取得すれば、二級や三級では携わることのできない整備にも幅広く携わることができ、仕事の幅が大きく広がります。

自動車整備士の仕事については、以下の記事でより詳しく解説しています。

4-2.有機溶剤作業主任者

有機溶剤には、エチルベンゼン、四塩化炭素、クロロホルムなど、一歩間違えると身体に大きな害を及ぼす可能性があるものが多くあります。そのため、有機溶剤を使う現場では有機溶剤作業主任者の配置が必須となっています。

資格があれば、給与面で優遇される可能性があります。薬品や化学繊維の製造工場、クリーニングなどの分野で活躍できるでしょう。

5.半導体工場の仕事に役立つ資格

半導体は、電気を良く通す金属などの「導体」と、電気をほとんど通さないゴムなどの「絶縁体」との中間の性質を持つ物質や材料のことです。スマートフォンや家電、自動車など、大小さまざまな工業製品に使用されています。

半導体を作る工場で役立つ3つの資格について解説します。

5-1.半導体製品製造技能士

半導体製品製造技能士は、厚生労働省が認定する国家資格です。半導体を扱う際の技能を証明できることで、製造や品質管理、営業、設備管理などの仕事に役立ちます。

この資格には「集積回路チップ製造作業」「集積回路組立作業」の職種にそれぞれ1級と2級があり、受験資格が異なります。

  • 2級:2年以上の実務経験
  • 1級:7年以上の実務経験または2級に合格して2年以上の実務経験
  • 特級:1級に合格した後5年以上の経験

5-2.半導体技術者検定

半導体技術者検定は、一般社団法人パワーデバイス・イネーブリング協会が主催する検定です。資格は「エレクトロニクス3級・2級・1級」に分かれています。3級は受験資格がなく、学生でも受験できます。2級の試験は以下の3つに分かれており、このすべてに合格すると1級認定されます。

  • 設計と製造
  • パワーエレクトロニクス
  • 応用と品質

5-3.機械保全技能士

機械保全技能士は、公益社団法人「日本プラントメンテナンス協会」が主催する国家資格です。工場設備の修理・メンテナンス業務において必要な知識を持っていることを証明できます。3級を除いて受験資格が設けられており、以下の条件を満たす必要があります。

  • 2級:実務経験2年以上
  • 1級:実務経験7年以上
  • 特級:1級合格後5年以上の実務経験 

など

機械保全技能士は、仕事の幅を広げるだけでなく、将来性が高い点もメリットです。機械に何らかのトラブルが起きた場合は人の手を介して対応していくことになるため、機械化が進むほど需要が高まる可能性があります。

6.食品工場の仕事に役立つ資格

スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどに並ぶ身近な食品を製造する工場に欠かせない2つの資格をご紹介します。

6-1.食品衛生責任者

食品衛生管理者は、食品衛生法によって営業が許可された施設ごとに設置が義務付けられている必置資格です。販売部門と製造部門が分かれている場合は、部門ごとに食品衛生責任者を選んで配置することが定められています。

6-2.食品衛生管理者

食品衛生管理者は、衛生上の考慮が必要な特定の食品を取り扱う工場で必要とされる国家資格です。下記の食品を製造・加工する工場で有資格者を配置する義務があります。

  • 容量「1,400g以下」の缶に収められる全粉乳
  • 加糖粉乳
  • 調製粉乳
  • 食肉製品
  • 魚肉ハム
  • 魚肉ソーセージ
  • 放射線照射食品
  • 食品油脂(脱色または脱臭の過程を経て製造されるものに限る)
  • マーガリン
  • ショートニング
  • 食品衛生法第11条第1項にて規格が定められている添加物

これらに該当する食品工場では、事業所ごとに食品衛生管理者を設置しなければいけません。

資格を取得するには、食品製造・加工の衛生管理業務に従事した経験が3年以上あるほか、中学卒業程度の学力も必要です。しかし、食品衛生管理者登録講習会を受講することで資格を取得できるので、資格取得の難易度は高くありません。

7.さらにレベルアップしたい人におすすめの資格

工場の種類に関係なく、個人の能力をレベルアップさせたい場合におすすめの資格を2つご紹介します。

7-1.品質管理検定(QC検定)

品質管理検定は「QC検定」とも呼ばれており、品質管理の知識を示すことができる資格です。

日本のほとんどの企業でおこなわれている品質管理ですが、どのような問題を解決するかによって必要な知識は変わります。製造現場における品質管理とは、製造工場が作り出す製品やサービスの質を保つための管理手法のことを指します。

生産管理で役立つ資格であり、部門の生産管理が仕事になる管理者を目指す人におすすめです。

7-2.安全管理者

安全管理者は、労働安全衛生法で従業員が50名以上いる現場で選任・配置することが定められている資格です。

法律で定められた現場で巡回し、作業員の作業方法や機械設備に危険なところがないかを確認します。巡回の結果次第では安全防止策を講じ、事故を未然に防ぐ役割を担います。

8.まとめ

工場に関連する資格を取得すると、資格手当による昇給が期待できるほか、業務の幅が広がることで将来的な昇進・キャリアアップも期待できます。ただ、資格なら何でも取得すれば良いというわけではなく、自身の業務に関連した資格をピックアップすることが重要です。

まずは社会的信用が大きな国家資格を優先し、取得にチャレンジしてみましょう。

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