工場への就職
更新日:2024年04月01日

大卒が工場で働くのはもったいないの?職種例や働くメリット、向いている人の特徴

大卒が工場で働くのはもったいないの?職種例や働くメリット、向いている人の特徴

※この記事は6分30秒で読めます。

「大卒が工場で働くのはもったいないの?」
「大卒で働ける工場の職種例を知りたい」
など、工場に大卒で入社することに関して疑問を持っている人もいるでしょう。

工場に大卒で入社するのはもったいないという意見もありますが、大学の専攻分野を仕事に活かせたり、キャリアアップのチャンスを得やすかったりなど、多くのメリットがあります。

今回は、大卒が工場で働くのはもったいないのか、大卒で働ける工場の職種例、働くのに向いている人やメリットなどを解説します。この記事を読めば、大卒で工場に入社することのメリットがよくわかり、転職活動の参考にできます。

1.大卒が工場で働くのはもったいない?

大卒の人が工場への就職を選ぶことに対して「もったいない」と考える人は少なくないようです。

「もったいない」と言われる背景には以下のようなイメージがあると考えられます。

  • 給与が低い可能性がある
  • キャリアの選択肢が少ない
  • スキルを他で活かしにくい

まず、工場はほかの職業と比べて年収が低い可能性があります。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」によれば、25~29歳の製造業の平均月給は約23万円です。

他の業種では平均月給24万円以上であることも多く、製造業の給与は若干ながら他業種より安い傾向にあることがわかります。

また、工場にはさまざまな職種がありますが、「もったいない」と発言する人がイメージしているのは、ライン作業など軽作業の仕事のようです。

身につけたスキルは工場でのみ活かせるもので、他の職種で活かしにくいイメージがあるのも、「もったいない」という言葉の根底にあると考えられます。

ただ、大卒で工場に就職することは、もったいないことでも恥ずかしいことでもありません。大卒は高卒と比較して大企業の工場から内定をもらえる可能性が高く、そうした工場では労働環境が整っていて待遇が良い傾向にあります。

大企業の工場では需要が安定している半導体や自動車部品などを扱うことも多く、安定して長く働けるチャンスがあります。

2.大卒で働ける工場の職種例

工場の仕事と聞いて世間の人が多くイメージする仕事以外にも、工場にはさまざまな仕事があります。ここでは、大卒の肩書を持った新入社員が配属される可能性がある職種をピックアップしてご紹介します。

2-1.開発設計・補助

開発設計は、世の中のニーズに合う新製品や、既存品よりも高性能に改良された製品を生み出す仕事です。

開発設計補助は、開発設計の社員をサポートする立場の社員を指します。補助の人は開発設計の見習いとして従事し、将来的には開発設計職にステップアップすることもあります。

新商品の開発のほか、開発した製品の試作や性能テストも、開発設計や開発設計補助の仕事です。会社のブランド力を高める製品そのものを作り上げて世の中に送り出す、やりがいのある仕事といえます。

以下の記事では設計開発補助の仕事内容について解説しています。

2-2.設備保守・保全

設備保守・保全は、工場内の機械が正常に作動するように点検するほか、必要に応じて部品を交換したりメンテナンスをしたりする仕事です。

工場ではさまざまな機械が作動しており、どれか1つでも故障すると製造ラインがストップして大きな損害となります。そのようなトラブルを回避するために日々機械を点検・保守する重要な仕事です。

機械の正常性を守る保守・保全の仕事は、大きく予防保全と事後保全に分かれます。

  • 予防保全:機械やシステムの故障を未然に防ぐための日常的な点検や修理のこと
  • 事後保全:動かなくなったり故障したりした機械やシステムを修理して復旧させること

工場の安全と生産性の確保に貢献できる、縁の下の力持ちといえるポジションです。

設備保守の仕事内容については以下の記事でも解説しています。

2-3.半導体エンジニア

半導体とは、電化製品や自動車、スマートフォンなどの製品に組み込まれている極小のチップのことです。

自動化などの最先端技術を支える重要な部品として世界的に需要が高く、今や半導体なくしてものづくりは成り立たないともいえます。

半導体を製品に組み込むには、集積回路(IC)を適切に設計したり、半導体製造装置の保守・保全をおこなったりする必要があります。

専門知識とスキルで集積回路の設計などをおこなう仕事が半導体エンジニアです。大学で専門的な分野を専攻してきた人が活躍できる職種といえるでしょう。

半導体エンジニアには、半導体に関する専門的な知識はもちろん、英語で情報収集ができる英語力や、専門外の関係者に半導体についてわかりやすく説明できるコミュニケーション能力など、さまざまな能力が求められます。

2-4.営業

工場の営業は、メーカー営業とも呼ばれます。自社で製造する製品を売り込んだり、既存の取引先からの注文を受けたりといった役割を担います。

取引先は問屋や商社といった法人がメインですが、なかには個人に営業するケースもあります。

また、工場では既存顧客に対して新規商品の営業や注文受注をするルート営業の仕事も多いですが、製品によっては新規顧客に飛び込み営業するパターンもあります。

これらは、業界や製品についての幅広い知識が求められるだけでなく、顧客に製品を購入してもらう営業力が求められる仕事です。

また、言葉遣いや身なりなどの一般常識も当然持っていないといけません。一般常識やマナーを身につけながら就職活動をした経験のある大卒の人に向いている仕事といえます。

2-5.生産管理

生産管理は生産技術とも呼ばれており、高品質な製品を低コストで大量生産する仕組みを構築する仕事のことです。

製品の生産量をできる限り多くすることはもちろん、作業員の労働効率をいかに高められるかといった視点も必要になります。

大量生産で材料のコストカットができたとしても、その分だけ作業員の工数が増えて人件費が増えれば、会社の利益を圧迫してしまうためです。

生産管理の仕事は、製品の生産量を資本生産性、作業員の労働効率を労働生産性という指標に当てはめ、両方のバランスをみながら最適な生産量を構築することが重要です。

理想的な生産体制を構築するには、現場だけでなく、開発設計や資材調達、営業、品質管理など、あらゆる部署と連携することも求められます。

3.工場で働くのに向いているのは理系卒?文系卒?

工場というと、何となく理系の職場というイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、大卒から工場に就職する場合、必ずしも理系でなければいけないという決まりはなく、文系でも十分に活躍できます。

ただ、理系の人は大学時代に工場に関連する専門分野(半導体や品質管理など)の勉強や研究をしているケースもあり、その場合は即戦力として活躍できるでしょう。

一方、文系の授業では、工場に絡む専門知識を学ぶ機会はあまりありません。その視点でいえば、理系卒のほうが工場の現場で活躍できる可能性が高いでしょう。

しかし、工場には現場以外にも、営業、経理、総務、人事など、直接現場に入らない部門も数多くあります。このような部門では、製品や工場に関する専門知識よりもコミュニケーション能力や工場の現場とは違う資格が求められ、文系のほうが向いている可能性もあります。

4.大卒で工場勤務をするメリット

大卒の人が工場で働くことには以下のようなメリットがあります。

4-1.安定した給与をもらえる

工場の給与は他の業種より低いデータがあると前述しましたが、平均ではそこまでの差はありません。工場によっては夜勤手当がもらえたり、社員寮を利用できたりして、給料が比較的高いうえに手取りも多いこともあります。

また、工場は基本給に成果報酬がありません。営業でも全額が固定給であることも珍しくなく、安定して決まった給与を得ることができます。

インセンティブで高年収を狙うより毎月安定した給与が欲しいという志向の人には工場が向いているでしょう。

4-2.職種によってはこれまでの知識を活かせる

前述のとおり、ひとくちに工場といってもさまざまな職種があります。どの部署・職種に配属されるかにもよりますが、大学で学んだ専門知識を仕事に活かせる可能性もあるでしょう。

特に理系で機械系や半導体を専攻してきた人の場合、その知識を存分に活かして、新商品の開発や既存製品の改良といったやりがいのある仕事に取り組める可能性もあります。

4-3.キャリアアップしやすい

中卒や高卒の人が工場で働く場合、多くは現場で製造やオペレーターとして長く働く傾向がありますが、大卒の場合はいわゆる総合職として扱われるケースがあります。

総合職は、入社当初から上のポジションにつくことを想定して経験を積ませてもらえる可能性が高い立場です。

製造の各部門や営業、総務などの部門を経験したあとは適性のある部門に正式配置され、比較的早い段階でリーダーや主任といった役職につけることもあります。キャリアアップがしやすく、努力次第では部長級・課長級のポストを狙うこともできるでしょう。

以下の記事ではUTグループのキャリアアップ制度についてご紹介しています。

5.大卒で工場勤務が向いている人の特徴

大卒の人でもさまざまなメリットが得られる工場の仕事ですが、人によって向き・不向きがあります。

工場での仕事に向いているのは、以下のような特徴を持っている人です。

5-1.真面目な人

真面目な人や几帳面な人は工場に限らずどの業界でも評価されますが、なかでも工場では真面目で丁寧な働きぶりが高評価を得られる可能性があります。

工場では、事前に製作したマニュアルを守り、設計したとおりの製品を正確に作る必要があります。

丁寧にコツコツ仕事をする人であれば、顧客の要望どおりの製品を作れるだけでなく、製品に不良がある場合も速やかに発見しやすくなります。

5-2.こまかな作業が得意な人

現場で実際にものづくりをする場合はもちろん、設計開発でCADを利用して図面を引いたり、品質管理部門で顕微鏡を使ったりと、工場は手先の器用さが求められる場面が多い職場です。

普段からプラモデル作りやDIYが好きで手先の器用さに自信がある場合は、工場の現場仕事に向いている可能性が高いでしょう。

5-3.ものづくりが好きな人

工場ではさまざまな部門が協力して製品を作り上げ、世の中に送り出しています。

営業や事務は一見ものづくりに関係ないと思うかもしれませんが、営業は顧客の要望を製造部と連携して実現しますし、経理や総務も棚卸しで正確に材料や在庫を把握し現場にフィードバックなど、間接的にものづくりを支えています。

ものづくりがとにかく好きで、何かを作って人に喜んでもらいたい気持ちが強い人は工場に向いているでしょう。

5-4.機械が好きな人

工場の現場では、機械の操作が欠かせません。

製造用の機械操作はもちろん、検品・検査の顕微鏡や選別機、運搬・出荷部門のフォークリフトや梱包機、トラックなど、工場の現場で働くと必ずといって良いほど何らかの機械を操作するタイミングがあります。

そのため、機械をいじるのが好きだったり車の運転が得意だったりする人は工場の仕事に向いているでしょう。

5-5.チームで動くのが得意な人

工場では、さまざまな部署や職種の人が協力して材料から完成品を作っていきます。製造ラインでいえば、圧造→洗浄→検品・選別→梱包→出荷と、リレーのように連携していかなければいけません。

営業の仕事は1人で進めるように見えますが、顧客の希望納期に対応するには製造部とのスケジュール調整が欠かせません。新製品の開発では開発設計者に商談に同行してもらうこともあります。

そのため、チームとして協力しながら仕事をするのが得意な人・好きな人は工場の仕事に向いている可能性が高いでしょう。

5-6.ルーティンワークが苦手ではない人

工場のどの部門に配属されるかにもよりますが、製造や梱包、出荷などの部門は、決まった仕事を繰り返しおこなうルーティンワークがメインになります。

また、生産管理や開発設計のようなクリエイティブな仕事でも、決まった作業を繰り返すような仕事をするケースがあります。

決まったルーティン作業を連続で続けることが苦にならない人なら、工場の仕事に向いているでしょう。

5-7.楽しみながら仕事に向き合える人

どのような仕事でも前向きにとらえて取り組める人は、工場の仕事に向いています。

例えば、生産管理の仕事を希望して入社したとしても、工場の仕組みを知らないと生産管理の仕事はできません。経験を積む意味で、入社後しばらくは現場の機械オペレーターとして働く可能性もあります。

希望していないルーティンワークばかりを続けると嫌になってしまうかもしれませんが、前向きにとらえて楽しく仕事ができる人なら、しっかり結果を残して評価されるでしょう。

6.大卒が工場勤務で年収アップをするには?

大卒の人が工場で勤務して年収をアップさせたい場合、一番の近道として考えられるのが以下の2つです。

  • 昇進によるキャリアアップを狙う
  • 資格手当を取得する

まずは、一般の従業員からリーダー、主任、チーフといった役職への昇進を狙いましょう。毎日の仕事をコツコツと続けながら勉強し、専門知識を身につけることで、昇進のチャンスが早く巡ってくる可能性も十分にあります。

部下をまとめる経験を積んで部門の生産性を向上させられれば、係長、課長、部長、工場長とどんどん役職を上げることも可能です。

また、資格手当を得ることも年収アップに効果的です。どのような資格を取れば資格手当が得られるかは工場ごとに異なりますが、以下のような資格の取得が考えられます。

  • 危険物取扱者
  • 衛生管理者
  • フォークリフト運転技能者
  • 玉掛技能者 
  • など

また、夜勤ありの工場であれば、夜勤ができる部門への配置転換を希望するのも選択肢の1つです。原則として、22:00~5:00に労働した場合は、いわゆる深夜手当として25%以上の割増賃金が得られます。

7.まとめ

工場の仕事は、大卒の人が働くのはもったいないというイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。

むしろ大卒なら大手企業や上場企業の子会社など有力な企業で働くことも可能で、キャリアアップのチャンスも早く巡ってくる可能性があります。

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