生産管理の仕事はやめとけ・きついといわれる理由とは?向き・不向きややりがいを解説
この記事で分かること
- 生産管理の仕事は、納期に追われたり、トラブルが起きやすかったりするため、やめとけいわれることがある
- 多くの関係者と関われて、ものづくりの楽しさも味わえるなど、やりがいを感じやすい仕事である
- 複数の仕事を同時にこなすのが得意な方に向いているが、時間管理が得意でない方には向いていない
- 製造業界の知識が必要となるため、生産管理に興味があるなら、まずは製造現場で経験を積むと良い
※この記事は6分30秒で読めます。
「生産管理の仕事はやめとけといわれる理由は?」
「生産管理の仕事のやりがいを詳しく知りたい」
など、生産管理の仕事に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
生産管理の仕事は、業務範囲の広さなどからきついといわれることがありますが、ものづくりの楽しさを感じながらスキルも身につけられるのが特徴です。
今回は、生産管理はやめとけといわれる理由や、仕事のやりがい、向き不向きなどを解説します。この記事を読めば、生産管理の仕事の魅力や、自分に向いているかがわかり、前向きな気持ちで応募への第一歩を踏み出せます。
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1.工場の生産管理はやめとけといわれる理由
生産管理とは、製造工程全体を管理し、製品の企画から出荷までの工程を円滑に進める仕事です。生産管理自身が専門性を発揮するというより、 各専門部署の間に立って調整をおこなうパイプ役のような存在といえます。
実際、ものづくりの現場では、計画や指示に基づき、細かい作業工程が組まれています。すべての工程において、品質、原価、納期をしっかり管理することが、生産管理の役割です。
一方、工場の生産管理は「やめとけ」や「きつい」といわれることがあります。
その理由を6つに分けて説明するので、どういうイメージからそのようにいわれるのか、詳しく確認していきましょう。
1-1.業務範囲が広く多忙である
工場の生産管理の業務範囲は広く、生産計画の立案から在庫管理、品質管理など、任される仕事はさまざまです。この業務範囲の広さからくる多忙さが、やめとけといわれる理由の一つです。
業務範囲が広いと、覚える内容が多くなり、ときには残業をして業務に慣れる必要もあるでしょう。工場の現場の知識や経験が十分にない方にとっては、きついと感じてしまう場合があります。
1-2.計画変更への臨機応変な対応が求められる
生産管理の仕事は、綿密な計画を立てることから始まりますが、予期せぬ事態の発生がつきもののため、計画通りに物事が進まない場合があります。
そのため、状況に応じて臨機応変に対応しなければならないしんどさから、やめとけといわれがちです。
生産管理者は計画の見直しや変更をおこない、各部署に適切な指示を出すなどの対応が求められます。突発的な対応が苦手な方にとっては、きつい部分かもしれません。
1-3.タイトなスケジュールで納期に追われる
製造業は納期を守るため、常にスケジュールを意識する必要があります。各製品には厳格な納期が設定されており、生産管理者はこれを厳守できるようさまざまな工程の状況を把握し、都度適切な指示をおこなわなければなりません。
製造現場では短い納期での対応が求められることもあり、その際には工場内の関係者との調整も必要になります。このように、納期に追われる毎日がきついと感じる方もいるでしょう。
1-4.予期せぬトラブルが頻発する
製造現場では、生産工程に関わる予期せぬトラブルが頻発します。製造現場でのトラブルの例としては、以下のとおりです。
- 設備の突然の故障やシステムエラー
- 部品の予期せぬ不足
- 不良品の発生
- 従業員間のトラブル
- 受注量の急な変更
製造過程で発生する問題は多岐にわたり、生産管理者は日々対応に追われます。トラブルが続くと心理的な負担が増えて、きついと感じることも増えるかもしれません。
1-5.トラブル解決が最優先となり残業や休日出勤がある
製造現場では、生産工程におけるトラブル解決が優先事項として求められます。
特に、24時間稼働の工場の場合、何か問題が発生したら昼夜を問わず対応することがあり、この多忙さがやめとけといわれる理由の一つです。
残業が増えたり休日出勤が発生すれば、家族や友人との時間、個人的な予定が犠牲になってしまいます。常に仕事優先の生活スタイルは、生産管理者のデメリットといえるでしょう。
1-6.取引先と自社従業員との板挟みになる
生産管理者は、取引先からの要求に応えつつ、製造部門にも配慮しなければならない立場であることから、取引先と自社従業員の間で絶えず板挟みになりがちです。このような立場のきつさが、やめとけいわれる理由の一つでもあります。
例えば、取引先からの急な注文に応じようとする一方、製造部門はその要求に応えるのが困難だと主張することがあります。生産管理者は双方の要求を調整し、最適な解決策を考えなければなりません。
面と向かって厳しいことをいわれる可能性もあるため、きつく感じてしまうときもあるでしょう。
2.工場の生産管理はやりがいがたくさんある
工場の生産管理はやめとけといわれる側面がある一方で、たくさんのやりがいが感じられる仕事です。工場の生産管理には、以下の6つのやりがいがあります。
- 多くの人とコミュニケーションが取れる
- 関係性が深まると仕事もやりやすくなる
- 納期に間に合ったときに充実感が味わえる
- ものづくりの楽しさをリアルに感じられる
- キャリアアップにつながる
- 将来性の高い仕事である
これら生産管理の魅力を、深掘りしていきましょう。
2-1.多くの人とコミュニケーションが取れる
生産管理の仕事は、多くの人々とのコミュニケーションを取ることで成り立っています。これは、多くの生産管理者にとって大きなやりがいの源となってることでしょう。
製造現場のスタッフ、営業部門、経理部門、さらには取引先まで、幅広い人々と日々やりとりをおこないます。豊富な人間関係と、それを通じて得られる成長の機会が、生産管理の仕事の魅力の一つです。
2-2.関係性が深まると仕事もやりやすくなる
生産管理は、自社内のスタッフや取引先との信頼関係を深められる仕事です。
仕事を進めるうえで、無理な要求をしたり、受け入れざるを得ないときもあるでしょう。しかし、深い信頼関係があれば互いに柔軟に対応できることもあります。
時間をかけて築いた関係性は、困難なとき互いに協力し合える基盤となるはずです。
このように、関係者との絆を深めていく過程そのものが、生産管理の仕事の大きなやりがいです。
2-3.納期に間に合ったときに充実感が味わえる
生産管理の仕事の中でも大きなやりがいの一つが、厳しい納期を守り抜いたときの達成感です。予期せぬトラブルや急な計画変更に直面しながらも、期日通りに製品を出荷できたときの充実感は格別です。
また、自身だけの満足にとどまらず、関わったすべての人々と喜びを共有できるのも、生産管理の仕事の魅力といえるのではないでしょうか。
2-4.ものづくりの楽しさをリアルに感じられる
生産管理の仕事の魅力は、ものづくりの楽しさをリアルに感じられることです。なぜなら生産管理者は、製品が企画段階から実際の形になる過程すべてに関われる立場だからです。
ときには、自分のアイデアや改善提案が製品に反映されることもあるでしょう。それが最終製品として完成していく様子を目の当たりにできるのは、多くの生産管理者にとって何にも代えがたいやりがいとなるはずです。
2-5.キャリアアップにつながる
生産管理の経験は、生産工程全体の流れを把握できる能力を高く評価されるため、キャリアアップにつながります。
経験を積めば、全体を見渡せる広い視野と問題解決能力を活かして、生産管理者の中でも特に頼りにされるベテラン管理者や管理職になれることもあるでしょう。一度仕事を覚えたらその後も経験を長く活かせるため、年齢を問わず活躍できます。
2-6.将来性の高い仕事である
生産管理の仕事は、ものづくりにおいて欠かせない存在であることは今後も変わらないでしょう。国内はもちろん、海外に生産拠点を持つ企業での就業の可能性もあり、海外での仕事も視野に入れれば需要はさらに高いといえます。
誰にでもすぐにできる仕事ではなく、企業側の人材育成にも相応のコストがかかることが、生産管理の価値を高めています。
そうした意味からも、生産管理は将来性が高く、企業から求められる立場であることから、やりがいを持って働ける仕事といえるでしょう。
3.生産管理の主な業務内容をチェックしてみよう!
ここまで生産管理の仕事におけるきつさの実態と、やりがいの両面を確認しました。やめとけといわれる理由だけでなく、魅力的な側面もイメージできたのではないでしょうか。
ここからは、生産管理の実際の業務内容に目を向けてみましょう。主な作業内容は、以下のとおりです。
- 工場全体の進捗管理
- 売上実績管理
- 部品の在庫管理
- 作業効率改善
生産管理者が日々どのような仕事に取り組んでいるのか、それぞれ具体的に紹介します。
3-1.工場全体の進捗管理
工場全体の進捗管理は、生産管理の重要な仕事の一つです。
製造工程では、あらかじめ決定されている数量を生産し納期までに納品するために、緻密(ちみつ)なスケジュール作成と管理が欠かせません。各部署の動きを俯瞰して、都度調整を加えていくことが求められます。
3-2.売上実績管理
売上実績の管理も、生産管理の仕事です。
生産計画の段階で見込んでいた売上目標と実態との間に、どの程度の差が生じているのかを分析していきます。
3-3.部品の在庫管理
生産に使用する部品の在庫管理も必須です。
需要予測に対して受注が上回ると、部品の在庫が枯渇し供給まで時間を要します。大きな機会損失を招かないよう、在庫管理や調達方法を把握しておくことも求められます。
3-4.作業効率改善
現場の従業員たちの作業効率の改善を試みるのも、生産管理の役目です。
各部門の様子を見て、非効率な箇所があれば改善します。作業効率を向上させる施策や仕組みを実践し、働きやすい環境作りを目指すのも大切な仕事です。
4.生産管理の仕事に向いている方の特徴
生産管理の仕事はたしかにきつい一面はありますが、適性のある方にとっては非常にやりがいのある仕事です。
生産管理の仕事に向いている方の特徴は、以下のとおりです。
- 感情的になりにくい方
- マルチタスクが得意な方
- コミュニケーションスキルが高い方
- 計画を立てるのが得意な方
- 学ぶことが苦ではない方
それぞれ詳しく説明するので、ぜひ自身と照らし合わせてみてください。
4-1.感情的になりにくい方
想定外のことが起きても感情的になりにくい方は、生産管理の仕事に向いています。日々直面するさまざまな問題に対して、その都度感情が大きく揺さぶられてしまうと、仕事がうまくいきません。
たとえ周囲の関係者やトラブルに対して感情が動いても、冷静に行動できる方であれば、生産管理の仕事で頼りにされて、活躍できる可能性があります。
4-2.マルチタスクが得意な方
マルチタスクが得意な方は、生産管理に向いています。生産管理の仕事では、いくつもの目的を同時に果たさなければなりません。一つの業務に集中することは難しく、常にいくつものタスクを抱えている状況です。
そのため、優先順位を見極めながら、同時進行していくマルチタスクの感覚を持ち合わせている方でなければ、生産管理の仕事はよりきついと感じてしまうでしょう。
4-3.コミュニケーションスキルが高い方
生産管理の仕事では、さまざまな部署や取引先との交渉が日常的に発生します。そのため、コミュニケーションを取ることが得意な方は、生産管理に向いています。
特に、社内の部署と取引先との間で板挟みになることも多い生産管理者は、双方が納得できる解決策を提案しなければなりません。そのためには、自分の意見を押し通すのではなく、相手の立場を理解することが大切です。
柔軟なコミュニケーションによって他者を説得できる方は、生産管理の仕事で活躍できるでしょう。
4-4.計画を立てるのが得意な方
計画を立てるのが得意な方も、生産管理に向いています。
製造工程では、受注から納期までの計画をしっかり立てることが、円滑な業務遂行の大前提です。日頃から時間を細かく管理できる方や、計画を立てる作業が好きな方、得意な方なら、生産管理の現場でもきっと活躍できるでしょう。
4-5.学ぶことが苦ではない方
製造の現場は、技術の進歩や市場の変化など、常に新しい知識を身につける必要があります。そのため、知らないことを学ぶのを楽しめる方は、生産管理に向いているでしょう。
実際の現場では、予期せぬトラブルに対応しながら、厳しい納期を守る毎日が続きます。そうした状況であっても、常に新しいことを吸収し続ける姿勢を持つ方は、生産管理の仕事で活躍できるといえます。
5.生産管理の仕事に不向きな方の特徴
生産管理の仕事は大きなやりがいがある一方で、人によっては向いていない可能性があるのも事実です。
不向きな方の特徴は、以下のとおりです。
- 時間にルーズな方
- 柔軟性がない方
- 向上心がない方
それぞれ詳しく説明するので、自分の性格や、求める働き方と照らし合わせて、慎重に検討しましょう。
5-1.時間にルーズな方
時間にルーズな方は、生産管理の仕事には向いていません。生産管理の仕事の大前提は、納期の厳守で、そのために製造工程をコントロールしていくことが重要な役割です。
したがって、時間を軽視するルーズな方は周囲からの信頼が得られません。
5-2.柔軟性がない方
柔軟性がない方も、生産管理の仕事には向きません。突発的な計画変更や予期せぬトラブルに遭遇する可能性が高い製造現場では、常に臨機応変な対応が求められます。
頑なに当初の計画を守ることばかり気を取られていては、良い結果を生み出すことはできないでしょう。また、常にマルチタスクが求められるため、その時々で柔軟な対応力を発揮しなければいけません。
5-3.向上心がない方
生産管理の仕事は、生産工程全体に関わる仕事のため、必要な知識やスキルが多くあるのが特徴です。そのため、自ら積極的に学ぶ向上心のない方には、生産管理の仕事は適していない可能性があります
特に、製造現場では、技術の進歩などによって新しく覚えるべきことも日々増えていきます。
新しい知識やスキルを吸収する意欲がなければ、自身の成長を止めてしまうだけでなく、チーム全体の成果にも悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。
6.生産管理の仕事は未経験だときつい?
生産管理の仕事は、製造業界である程度経験を積み、スキルを身につけた方が活躍できる仕事です。そのため、未経験者可の求人がまったくないわけではありませんが、多くの場合は経験年数や特定のスキルが求められます。
したがって、未経験から生産管理の仕事に挑戦するのは難しいことが多いでしょう。まずは、工場作業員として製造現場で働き、経験を積んでから生産管理の仕事にキャリアアップすることをおすすめします。
ただし、一人で将来の仕事を考えるのは難しいこともあるかと思います。そうした場合には、自分の将来のことを転職のプロに相談して、考え方を整理してから仕事を始めると、よりスムーズにキャリアアップできるかもしれません。
JOBPALでは、オンラインや対面、さらにはメールやLINEなどのさまざまな方法で、仕事に関する悩みを相談できます。自身の今後のキャリアに迷いがある方は、気軽に相談してください。
7.まとめ
生産管理の仕事は責任が重く、業務範囲も広いなどを理由にきついと感じる方がいて、やめとけといわれることがあります。
しかし、製品が企画から完成まで形になっていく過程に深く関われることは、何にも代えがたい充実感をもたらします。また、この仕事で培われるスキルは、幅広い業界で高く評価されるため、将来のキャリアの可能性も広がるでしょう。
もちろん、急な残業や休日返上の業務など、日々の業務で困難に直面することもあります。
長く続けるためには、短時間でも良いので、リフレッシュする時間を作ったり、自分なりのストレス解消法を見つけたりしながら、前向きな気持ちで仕事に励むことが大切です。
将来性とやりがいのある生産管理の仕事に興味をお持ちの方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
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