工場への就職
更新日:2024年02月29日

町工場とは?作業場の特徴と町工場ならではの魅力を解説

町工場とは?作業場の特徴と町工場ならではの魅力を解説

※この記事は5分30秒で読めます。

「町工場ってどのような仕事ができる?」
「町工場で働く魅力を知りたい」
など、町工場に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

町工場は数人から100人前後の小規模の工場のことで、従業員1人ひとりが責任ある仕事を任されます。

今回は、町工場の概要、ビジネスモデル、働く魅力などを解説します。この記事を読めば町工場のことがよくわかり、仕事探しの参考にできるようになります。

1.町工場とは?

町工場は「まちこうば」と読みます。工業地帯などではなく町なかや住宅地などにある小規模の工場のことで、さまざまな事業形態、強み、規模、特徴があります。日本の強みである「製造業」「ものづくり」を古くから支えてきた存在です。

一般的な町工場は、大企業や資本提携のある親会社の下請けとして大量の部品を製造・納品しています。

大企業が世の中に出すさまざまな製品は町工場で作られた部品の集合体といえるものであり、町工場には大企業が求める規格をクリアする高品質な製品を作れる技術力の高い職人が在籍しています。

以下の記事では、町工場でものづくりの現場を支える職人の仕事について解説しています。

2.町工場のビジネスモデル

町工場のビジネスモデルは、大きく分けて以下の3つに分類されます。

  • 受託加工型
  • 自社製品ニッチトップ型
  • 総合プロデュース型

それぞれのビジネスモデルを詳しく解説します。

2-1.受託加工型

受託加工型は、顧客である大企業や親会社からの注文を受け、図面どおりに部品を生産・加工・出荷するビジネスモデルです。

いわゆる下請けと呼ばれるタイプで、古くからの町工場ではこのビジネスモデルを続けているケースが多くあります。

1つの町工場で注文内容のすべてを完結して納品するケースも多いですが、複雑な依頼のときは近場の町工場同士で強みを活かしたリレー形式で部品を作ることもあります。例えば、「圧造と転造工程をA工場、そのあとのメッキや色加工をB工場」といった具合です。

2-2.自社製品ニッチトップ型

自社製品ニッチトップ型は、小規模な町工場が強い自社ブランドを作って大手企業などに提供するビジネスモデルです。特定の狭いジャンルで圧倒的なシェアを持つことから「ニッチトップ」と呼ばれます。

最初は受託加工型の工場として大手の下請けをしていた工場がその技術を活かして独自に製品を開発し、世の中に浸透するようなケースが当てはまります。

受託加工型と違って替えの効く存在ではないため、競合との価格競争に巻き込まれにくい、シェアを維持する限り安定した受注が期待できるなど、経営面でもさまざまなメリットがあります。

2-3.総合プロデュース型

総合プロデュース型は、顧客に代わって製品の設計、部品加工、最終組立まですべてを自社で担当する町工場のビジネスモデルです。

町工場側には大手の購買部門に劣らない企画力や技術力が求められますが、部品の製造だけでなく全工程の委託に切り替えてくれるようになります。

最近は独自の強みを持つ町工場がグループを組んで総合プロデュース型の事業を展開するなど、町工場の新たなスタイルとして広がりを見せつつあります。

3.町工場の従業員数別の働き方

町工場といっても、その規模によって事業内容や従業員の働き方には違いがあります。ここでは、従業員数ごとに異なる町工場での働き方をご紹介します。

3-1.3人以下の町工場

従業員3人以下の町工場は、もっとも小規模な経営スタイルです。

家族(夫婦と跡継ぎの子ども)のみや、夫婦に加えて雇った職人が1人など、最小限の人数で事業を展開しており、規模は小さいながらも確かな技術や経営手腕を持っています。

父から子に技術を伝承しながら家族経営を続ける町工場も多いですが、跡継ぎがおらず閉業せざるを得ないパターンも少なくないようです。

3-2.4人~99人の町工場

4人以上の町工場は、経営者である社長、経理を担う妻に加え、複数の通いの職人や見習いで構成されることが多いようです。

数十人~100人近い規模になれば、製造部・営業部・総務部などの部署に分かれ、それぞれの部署ごとに部長、課長が選出されるなど、企業らしい事業形態になっています。

お抱えの職人以外に、人事部や総務部が毎年新人を雇い入れて次世代の職人として育成するなど、組織として世代交代がしやすくなっていくのも特徴です。

経営についても社長の独断だけでは難しくなり、創業者一族以外のベテラン従業員を「専務」「常務」などの役員として迎え、協力しながら経営にあたるケースが多くなります。

逆に、4~10人程度の町工場では、少数精鋭ならではの機動力を発揮し、さまざまなプロジェクトを担っているケースもあります。

3-3.100人以上の町工場

100人以上の従業員がいる場合は、町工場としてはかなり大きな規模です。

製造部・営業部・総務部といった部署に加えて、品質管理部・開発部・人事部といったように、人数がいる分だけ業務内容が細分化される傾向にあります。

営業部に人数が多くいれば「新規顧客を開拓する営業一課」「既存顧客のルート営業をおこなう営業二課」といったように課としても細かく役割が変わるケースもあるようです。

また、自社ブランドを持つ、海外に工場を持つなど、単なる工場を超えた事業展開をするケースもあります。

4.町工場の作業場の特徴

町工場は企業の規模によっても作業場の様子も異なり、主に以下の3つに分けられます。

  • 自宅の1階が町工場
  • 集合型の町工場
  • 郊外にある大型の町工場

それぞれ詳しく見ていきましょう。

4-1.自宅の1階が町工場

町工場と聞いて多くの人が真っ先にイメージするのは、このタイプではないでしょうか。2階は日常の生活の場として利用しながら、仕事は1階でするタイプです。

一般的な天井の高さでは大型の機械が置けないため、1階部分の天井が高く設計された町工場もあります。

また、大型機械の重さに耐えられるようにコンクリート基盤が強化されているなど、一般的な住宅のようでありながら製造業としての業務に耐えられる設計になっている場合もあります。

下町では、町工場がずらりと並び「長屋(ながや)」を形成していることもあります。

4-2.集合型の町工場

地価の高い都会で町工場を営む場合などに多いスタイルです。ビルの中に小分けに用意された工場スペースで各町工場が作業をします。

機械を運べる大型のエレベーターがあったり、共同で利用できる会議室があったりと、共同利用に耐えられる作りになっている特徴があります。

4-3.郊外にある大型の町工場

規模が大きい町工場では、本社は都心や政令指定都市に置き、工場は郊外に設置するケースがあります。

郊外に工場を建てる最大のメリットは、都心ではできないような大型設備の導入や、部品の大量生産ができる点です。工場を建てる場所の地価が安いため、より大型の工場を建設できます。

5.町工場で働くことの魅力

町工場は大手企業のような華やかな見た目のオフィスや工場を構えているわけではありませんが、大手にはない独自の魅力があります。ここからは、大手企業の工場にはない町工場ならではの魅力をご紹介します。

5-1.技術力を磨ける

町工場には、ベテラン職人が持つ高い技術力を継承できる魅力があります。

町工場は大手企業よりも従業員の人数が少なく、1人でさまざまな製造に携わることから、職人の技術力が高い傾向にあります。少数精鋭の現場で長年働くことで、大手企業の購買部が驚くような技術力を身につけた職人もいるでしょう。

また、大きな工場ではすでに機械化されて手作業の技術が失われたような仕事でも、町工場では現役で手作業による製造がおこなわれているケースも少なくありません。

以下の記事では、いわゆる職人の仕事について詳しく解説しています。

5-2.責任感を持って働ける

町工場は従業員の数が大手企業より少なく、従業員1人ひとりが責任のある仕事を任されることが多くあります。

大手では代わりがいるような仕事でも、町工場では自分にしかできない業務や作業があることも少なくありません。その分責任は大きいですが、やりがいや責任感を持って働くことができます。

5-3.後継者になれる可能性がある

町工場では夫婦2人など少人数で経営しているケースや一族経営を続けているケースも少なくありません。

最近は子どもに恵まれなかったり、子どもが別の会社に就職したことで後継者がいなかったりといった悩みを抱える町工場も多くあります。

そうした町工場では、若手に技術を継承したい、長年働いてもらいたいと考える町工場は多く、入社することで後継者候補になれる場合もあります。

  • 営業部で営業と経営を学び、創業者一族以外から社長になる
  • 製造部で職人の技術を継承し、現場のプロフェッショナルになる

このような働き方ができるのも、町工場ならではの魅力です。

6.町工場の求人の探し方

ここからは、町工場の仕事に興味を持っている方に向けて、求人の探し方のコツやポイントをご紹介します。

6-1.求人サイトから応募する

もっともオーソドックスな方法は、求人サイトを利用することです。全国の企業を紹介している大手転職サイトや特定のジャンルに特化した転職サイトなど、さまざまな種類があります。

町工場の求人を探すなら、製造業に強い転職サイトで探してみるのがおすすめです。全国求人をカバーしている大手求人サイトと併せて会員登録しておくと、効率良く求人探しができます。

JOBPALでは、製造業や工場の求人を多数掲載しているだけでなく、転職に関する悩みを相談できる面談サポートもおこなっています。町工場など工場の仕事に興味がある方はぜひ面談サービスを活用してみてください。

6-2.ハローワークに相談に行く

ハローワークとは、厚生労働省が運営する職業安定所です。地域に密着した中小企業などの求人が多く、町工場の求人も掲載されている可能性があります。

就職・転職を支援するプロのキャリアコンサルタントに無料の職業相談ができる点もメリットです。対面で就職に関するアドバイスが欲しい方は、ハローワークが有力な選択肢になるでしょう。

また、ハローワークでも転職サイトと同じようにオンラインで求人が探せます。

6-3.知人・友人に紹介してもらう

すでに町工場で職人や営業として働いている知人・友人がいれば、紹介してもらえるよう相談するのも選択肢の1つです。

多くの工場では従業員不足や後継者不足が課題になっており、従業員からの紹介であれば面接に進める可能性も十分にあります。

6-4.気になる町工場に行ってみる

近くに気になっている町工場があれば、自分で直接行ってみるのも良いでしょう。入り口の看板に「従業員募集中」「スタッフ募集中」などと貼り出されている工場なら、その足で事務所に声をかけ面接をお願いすることもできます。

いきなり面接をお願いするのではなく、事務所に声をかけ一度工場を見学したり、従業員の方に話を聞いたりするのも有効です。面談で語る内容に説得力が出るため、高評価を得られる可能性もあります。

以下の記事では、工場で働きたい場合の仕事の探し方をご紹介しています。

7.まとめ

町工場は長年にわたって日本のものづくりを支えてきました。最近は独自の強みを活かして企画から製造まで丸ごとプロデュースする企業もあります。

一方、多くの町工場では後継者不足が課題になっており、転職希望者が次期後継者として歓迎される可能性もあります。

工場の仕事に興味があれば、JOBPALの求人情報をぜひご覧ください。製造業を中心にさまざまな求人を掲載していますので、気になる工場がきっと見つかるはずです。

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