衛生管理者とは?資格の種類や取得方法、仕事内容や魅力・メリットを徹底解説

この記事で分かること
- 衛生管理者の仕事は職場の安全や従業員の健康管理であり、一定規模以上の事業所では選任義務がある
- 衛生管理者には第一種と第二種があり、対応できる業種に違いがある
- 衛生管理者の資格を取得すると、職場での昇進はもちろん、就職や転職に有利になる可能性がある
- 衛生管理者は責任感が強い人や、学習意欲が高い人などに向いている
- 衛生管理者は動きが少ない仕事をしたい人やプレッシャーに弱い人には向いていない
※この記事は6分30秒で読めます。
「衛生管理者ってどのような仕事?」
「衛生管理者として働くメリットが知りたい」
など、衛生管理者の仕事に関して疑問を持っている人もいるでしょう。
衛生管理者は職場の安全や従業員の健康状態を管理する仕事です。一定規模以上の事業所では選任する義務があるため、資格を取得すれば仕事の幅が広がります。
今回は、衛生管理者の概要、メリット、向いている人の特徴などを解説します。この記事を読めば、衛生管理者のことがよくわかり、働くイメージを持てるでしょう。
エリアから工場・製造業のお仕事を探す
1.衛生管理者とは
衛生管理者は、労働安全衛生法によって定められた国家資格です。従業員が常時50人以上いる職場では、職場専属の衛生管理者を一人以上選任しなければなりません。
衛生管理者の主な仕事は、労働災害や労働者の健康障害を防止することです。事業場の衛生管理や労働者の健康管理の他、衛生教育も衛生管理者の仕事になります。
衛生管理者は日本独自の制度です。事業所の衛生管理を医師だけでおこなうことは困難だったため、労働安全衛生法(安衛法)が1972年に制定されました。直近では2024年に、労働安全衛生法の改正がおこなわれています。
-
参照:厚生労働省「衛生管理者について教えて下さい。」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/5.html
2.衛生管理者の仕事内容
衛生管理者の仕事内容について紹介します。設置義務を怠ると罰則がある重要な資格であり、事業場の安全衛生のための重要な役割を担っています。
2-1.衛生管理者の業務
衛生管理者の存在は、労働者の健康障害を衛生的な観点から防止する役割があります。作業場の衛生調査や衛生教育、救急用具の点検、健康相談、衛生安全計画の立案・実施、衛生日誌の作成・記録などが業務です。
「一般財団法人 安全衛生普及センター」が掲示している衛生管理者の仕事内容について、詳細に見ていきましょう。
2-1-1.健康に異常がある人を発見・処置
従業員のなかに、健康に問題がある人を発見して適切な処置をおこなう業務です。
発見の対象は、過剰な残業などによる体力的な面で問題を抱えた人だけではありません。一見すると健康でも、人間関係や仕事の悩みでストレスを抱えた人もいます。
2-1-2.作業環境の衛生上の調査
従業員が健康で働けるよう、職場の安全衛生を確認するのも衛生管理者の仕事です。チェックリストなどで項目を管理したうえで、定期的な巡視によって全部の項目を満たしているか確認します。
例えば、業務によっては「照明の明るさが〇〇ルクス以上」などと規定されている場合もあります。労働安全衛生規則で規定している彩光や照明の基準は、以下のとおりです。
作業の区分 | 基準 |
---|---|
精密な作業 | 300ルクス以上 |
普通の作業 | 150ルクス以上 |
粗な作業 | 70ルクス |
-
参照:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則 第604条」
https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032#Mp-Pa_3-Ch_4-At_604
その他にも、以下のような項目について確認が必要です。
- 換気はしっかりおこなわれているか
- 労働時間は適正の範囲内であるか
- 災害対策は準備されているか
- トイレや洗面器具は清潔になっているか など
2-1-3.業条件、施設などの衛生上の改善
労働者が就業する条件や施設に関して、衛生面で問題点がないかを確認する業務です。衛生上の問題を発見した際は対策を講じて改善させることになります。
例えば、故障しかけた機械をそのまま使っていると事故の危険があり、効率的な作業も望めません。安全な新品に交換したうえで、安全な取り扱い方法を周知する必要があります。
職場環境を衛生的にすることで作業効率が上がり、結果的に生産性や業績向上につながることもある重要な仕事です。
2-1-4.労働衛生保護具、救急用具の点検・整備
労働衛生保護具とは「呼吸用保護具」「化学防護手袋」「保護メガネ」「AED」「薬」「包帯」などのことです。労働安全衛生法では労働衛生保護具を備えつけておくだけでなく、従業員への周知も義務づけられています。
救急用具などは、いざという時にすぐ使えるように、整備された状態を保っておくことも重要な仕事です。
2-1-5.衛生教育や健康相談、健康保持
労働者の健康に関する相談を受けるなど、労働者が自分で健康を管理するための手助けも衛生管理者の仕事です。衛生管理者だけでは対処が難しい場合、産業医や保健師とも連携する場合があります。
衛生教育は、従業員をあらたに雇用した場合や、作業内容の変更時などに必要です。衛生教育の内容によっては、外部講師を招いて研修を実施することもあります。
2-1-6.負傷や疾病、死亡、欠勤に関する統計を作成
職場で発生した負傷や疾病、それにともなった死亡や欠勤に関する統計を作ることも、衛生管理者の仕事の1つです。
労災に関する情報は衛生管理者を中心に、衛生委員会で報告する体制をとっている企業もあります。作成した統計をもとに職場環境を分析することで、労災の防止のために改善をおこなうことが可能になります。
2-1-7.他の事業労働者と同じ場所で作業する際の安全衛生措置
雇用形態が違う人が、派遣や出向という形で同じ職場で働くことも珍しくありません。そのような場合の衛生管理に関する事項も、衛生管理者の業務です。
2-1-8.その他、衛生日誌や職務上の記録を整備
従業員の健康状態や施設の安全性などを、衛生日誌に日々記録として残すことも衛生管理者の仕事です。「欠勤した人の氏名」「発生した労災」「アクシデントの内容」など、安全衛生に関することを記載します。
衛生日誌を作成することで、従業員の労働衛生に関して気付きを得るチャンスになるでしょう。衛生日誌の気になる部分は衛生委員会で報告するなど、改善のための対応をおこなうことも重要な仕事です。
2-2.衛生管理者を配置しない場合の罰則
事業場の常時労働者数が50名に達した場合、衛生管理者の選任義務が発生します。義務が発生した状態で選任義務を怠ると労働基準監督署から是正勧告を受ける他、同法第120条によって50万円以下の罰金に処されることもあります。
ただちに罰金というわけではありませんが、注意喚起を受けたあとはすぐに衛生管理者の資格取得者を選んで選任届を出すことが必要です。
-
参照:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則 第120条」
https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057#Mp-Ch_12-At_120
3.衛生管理者の資格の種類
衛生管理者になるには、下記いずれかの国家試験に合格する必要があります。
- 第一種衛生管理者試験
- 第二種衛生管理者試験
試験は公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施し、全国8つの下記の安全衛生技術センターで毎月1~3回おこなわれます。
- 北海道安全衛生技術センター(北海道恵庭市)
- 東北安全衛生技術センター(宮城県岩沼市)
- 関東安全衛生技術センター(千葉県市原市)
- 関東安全衛生技術センター東京試験場(東京都港区)
- 中部安全衛生技術センター(愛知県東海市)
- 近畿安全衛生技術センター(兵庫県加古川市)
- 中国四国安全衛生技術センター(広島県福山市)
- 九州安全衛生技術センター(福岡県久留米市)
受験手数料は、第一種衛生管理者と第二種衛生管理者試験ともに8,800円で、一度合格すれば更新の必要はありません。
衛生管理者免許は大きく分けて「衛生工学衛生管理者」「第一種衛生管理者」「第二種衛生管理者」の3種類があります。ここでは第一種衛生管理者、第二種衛生管理者について、資格の内容について解説します。
3-1.第一種衛生管理者
第一種衛生管理者は、有害業務を含む業種で衛生管理者として働ける資格です。
以下のような有害業務の危険性がある業種で設置する衛生管理者は、第一種衛生管理者免許を所持する必要があります。
- 建設業
- 運送業
- 農林水産業
- 鉱業
- 熱供給業
- 電気業
- ガス業
- 水道業
- 自動車整備業
- 機械修理業
- 清掃業
- 製造業
- 医療業
第一種衛生管理者の2023年度の合格率は46.0%です。過去に出題された問題はインターネットで見られるため、実際の試験内容を解きながら勉強できます。
本屋などで参考書も売っており、独学での合格を目指せる資格です。人にもよりますが、勉強時間の目安は約100時間といわれています。1日1時間取り組むのであれば、約3ヵ月の勉強期間が必要です。
-
参照:公益財団法人安全衛生技術試験協会「統計」
https://www.exam.or.jp/exmn/H_gokakuritsu.htm
3-2.第二種衛生管理者
第二種衛生管理者は、有害業務との関連性が小さい業種で衛生管理者として働ける資格です。
以下のようなデスクワークや小売業などでは、第二種衛生管理者免許を活かせます。
- 金融・保険業
- 情報通信業
- 教育業
- 卸売小売業
命に関わる重篤な健康被害が起こる可能性が低い一方、鬱病のようなメンタルヘルスに関しては十分に気を配る必要があるでしょう。
第二種衛生管理者の2023年度の合格率は49.6%で、第一種衛生管理者よりも合格率は高いです。
インターネットで過去問題を見られる他、本屋などで参考書の取り扱いもあり、独学で勉強ができます。人にもよりますが勉強時間の目安は約60時間で、第一種衛生管理者よりも短期間で合格を目指せるでしょう。
-
参照:公益財団法人安全衛生技術試験協会「統計」
https://www.exam.or.jp/exmn/H_gokakuritsu.htm
3-3.第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の違い
第一種と第二種の違いは「選任できる業種の数」です。業種によって労災の危険性が異なるため、2種類に分けられています。
第一種免許は有害な業務が発生する職場を含む全業種で対応が可能です。一方第二種免許はもっていても対応できない業種があります。
職務上で免許取得が求められる場合は、在籍する職場がどの業種に該当し、どちらを取得すればいいのかの確認が重要です。
4.衛生管理者の資格を取得する魅力とメリット
常時50人以上の労働者がいる事業所では、衛生管理者を必ず選任しなければならないと労働安全衛生法で定められています。加えて、事業所の労働者数によって配置する衛生管理者の数も、以下のように決められています。
事業所の労働者数 | 衛生管理者の数 |
---|---|
50~200人 | 1人 |
201~500人 | 2人 |
501~1,000人 | 3人 |
1,001~2,000人 | 4人 |
2,001~3,000人 | 5人 |
3,001人以上 | 6人 |
一定以上の事業所では必須資格であることから、有資格者であれば就職・転職で有利です。資格を取得しているだけでも、企業から即戦力と見られる可能性もあります。他にもさまざまなメリットがあるため、ここで詳しくご紹介します。
-
参照:厚生労働省「衛生管理者について教えて下さい。」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/5.html
4-1.やりがいを感じながら働ける
衛生管理者の仕事の魅力は「自分の力で職場の安全衛生を守れる」という点が挙げられます。
自身が策定した衛生計画をもとに職場が一丸となって取り組んだ結果、労働環境を変えることもでき、やりがいを感じられるでしょう。
健康が守られることによって従業員の意欲が上がるだけでなく、業務の生産性の向上、ひいては企業の成長にもつながっていきます。また劣悪な環境で働く人を救済する意味でも社会貢献の実感が得られる仕事だといえるでしょう。
4-2.管理職に昇進できる場合がある
人事や総務の管理職に必要とされる資格であるため、企業によっては資格取得後に管理職へ昇進できる場合もあります。
4-3.資格手当がもらえる
企業によっては給与に資格手当が付与されることがあります。毎月の賃金に資格手当が上乗せされることで、年収アップも期待できるでしょう。
4-4.就職や転職で有利になる
資格保有者を置くことが法律で求められているため、資格取得者は就職や転職で有利になります。
原則として衛生管理者は他の企業や事業所をかけ持ちで担当することはできません。そのため資格取得者が不足している企業にとって、有資格者を雇用する重要性は高いと想定されます。
また、衛生管理者の資格があれば、衛生管理職だけでなく、労務管理や総務などの職種での従事も可能です。
4-5.年齢・性別問わず働ける
資格を取得していれば、年齢・性別に関係なく働けます。更新の必要がないため、一度取得すれば衛生管理者としてさまざまな職場で活躍できます。
例えば、妊娠・出産で仕事を辞めた女性でも、別の職場で復帰しやすいです。また年齢も関係ないため、自分に合う職場が見つかれば長く働けます。
5.衛生管理者の仕事に向いている人
どのような仕事でも人によって向き・不向きがあります。ここからは、衛生管理者に向いている人の特徴についてみていきましょう。
5-1.責任感が強い
衛生上の技術的な事項を管理する他、定期的な巡視、記録や統計の整備など安全衛生業務に対して高い意識をもって職務を全うできることが求められます。
時として会社(上司、役職員)に対して改善を求めて説得をせねばならず、責任感が強い人に向いています。
5-2.視野が広い
視野が広く周囲に気を配れる人は、衛生管理者に向いている可能性が高いです。衛生管理者には、従業員の変化や危険な場所などに気付く力が求められます。
「体調が悪そうな従業員はいないか」「従業員が危険にさらされる場所はないか」などに気付ける人は、衛生管理者に向いているでしょう。
5-3.学習意欲が高く変化に対応できる
毎年のようにおこなわれる法改正だけでなく、時代や環境も常に変化していきます。
それとともに職場に求められる基準の変更が求められるため、積極的に情報を収集し、管理に取り入れていかなければなりません。
そのため学習意欲が高く、変化にも柔軟に対応できる人が向いています。
5-4.誰かの役に立ちたい
衛生管理者は従業員の安全や健康を守る仕事のため、「誰かの役に立ちたい」という気持ちがある人に向いています。
衛生管理者として従業員が快適に働くための環境を作った結果、感謝される場合もあるでしょう。そのため、誰かの役に立つ仕事をしたいと考えている人は成果が目に見えてわかり、やりがいをもって働けます。
6.衛生管理者の仕事がおすすめできない人
一方仕事の特性上、衛生管理者の仕事がおすすめではない人もいます。
6-1.動きが少ない仕事をしたい
動きが少ない仕事をしたい人が衛生管理者になると、つらいと感じる可能性があります。
衛生管理者としての仕事と他の業務との両立が大変だと感じる人もいるでしょう。また、職場の安全や衛生を守るという仕事から、従業員とコミュニケーションを取る場合もあります。
さまざまな動きが求められるため、変化がない仕事を求めている人にはおすすめではありません。
6-2.プレッシャーに弱い
衛生管理者は人によってはプレッシャーを感じるため、緊張感のある仕事を避けたい人には向いていません。
例えば、「従業員の健康を守る必要がある」「危険をすぐに察知しなければならない」など、常に従業員の安全や健康を考える必要があります。
そのためプレッシャーに弱い自覚がある人には、日々の仕事が苦痛に感じられる可能性があります。
7.衛生管理者の資格を取得する方法
衛生管理者の資格を取得するには国家試験への合格が必須です。ここからは、衛生管理者の資格を取得する方法・流れについて解説します。
7-1.衛生管理者の受験資格
衛生管理者免許を取得するためには、次のいずれかの受験資格を満たすことが必要です。受験資格は第一種衛生管理者と第二種衛生管理者で変わりません。
なお、第二種衛生管理者の免許がなくても、第一種衛生管理者に挑戦することができます。
- 最終学歴が大学卒業・短期大学卒業・高等専門学校卒業で、かつ労働衛生の実務経験が1年以上ある
- 最終学歴が高等学校卒業または中等教育学校卒業で、かつ3年以上の労働衛生の実務経験がある
- 10年以上労働衛生の実務経験がある人
- 上記3つの他「海外の学校を卒業した人」「高度職業訓練を受けた人」「特別支援学校の高等部を卒業した人」などのうち、一定の実務経験がある人
7-2.資格取得までの流れ
衛生管理者の資格を取得するためには、公益財団法人安全衛生技術試験協会がおこなう国家試験に合格する必要があります。
取得までは、以下の流れで進んでいきます。
- 受験申し込みをする
- 衛生管理者試験を受ける
- 合格後に必要な手続きをおこなう
なお、合格の条件は「科目ごとに40%以上の得点」かつ「総得点60%以上」です。
7-2-1.受験申し込みをする
試験日の2週間前までに受験申し込みをします。センター窓口に持参する場合は、2日前までに提出が必要です。安全衛生技術試験協会、もしくは全国にある8つの安全衛生技術センターへ受験申請書を請求しましょう。
郵送もしくは窓口で受験申請書を提出すると受験票が届きます。試験手数料は第一種衛生管理者試験と第二種衛生管理者試験のどちらも8,800円です。受験料は受験申請書に封入されている用紙で振り込みます。
7-2-2.衛生管理者試験を受ける
全国8ブロックのいずれかの安全衛生技術センターにて、衛生管理者試験を受けます。試験は1ヵ月に複数回実施されており、詳細は「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」の公式ホームページで公開されています。
試験は第一種・第二種ともに「労働衛生」「関係法令」「労働生理」の3科目が出題され、出題範囲・出題数(配点)は以下のとおりです。
種類 | 試験科目 | 試験時間 | ||
---|---|---|---|---|
範囲 | 出題数(配点) | |||
第一種衛生管理者 | 労働衛生 | 有害業務に係るもの | 10問(80点) |
|
有害業務に係るもの以外のもの | 7問(70点) | |||
関係法令 | 有害業務に係るもの | 10問(80点) | ||
有害業務に係るもの以外のもの | 7問(70点) | |||
労働生理 | 10問(100点) | |||
第二種衛生管理者 | 労働衛生(有害業務に係るものを除く。) | 10問(100点) |
|
|
関係法令(有害業務に係るものを除く。) | 10問(100点) | |||
労働生理 | 10問(100点) |
7-2-3.合格後に必要な手続き
合格者には合格通知書が住所に届くため、到着したら免許申請をおこないます。免許申請書は労働局や安全衛生技術センターで配布しているので取得に行くか、厚生労働省のホームページからダウンロードも可能です。
必要書類を添えて、東京労働局へ提出しましょう。なお、免許申請の際に提出が求められる代表的な添付書類は以下のとおりです。
- 衛生管理者試験免許申請書
- 衛生管理者試験の合格通知書
- 専用の返信用定型封筒
- 本人確認証明書
免許申請書や定型封筒は試験会場で配布されています。
【提出先】
〒108-0014
東京都港区芝5丁目35番2号 安全衛生総合会館2階
東京労働局 免許証発行センター
7-2-4.免許取得後について
常時50人以上の社員を雇用している企業は衛生管理者資格保有者を選任する義務があるため、合格後には上司に報告しておきましょう。会社によっては資格手当が支給される可能性もあります。
一度取得すれば免許の更新は不要ですが、法改正がおこなわれることもあるため、定期的に労働衛生に関する知識の更新は必要です。
7-3.衛生管理者の資格取得のための勉強方法
衛生管理者の勉強時間の目安は、第一種で約100時間、第二種で約60時間です。1日1時間勉強する想定でも2〜3ヵ月かかるため、計画的に進める必要があります。
勉強方法は主に「講座の活用」と「独学」の2種類です。
7-3-1.講座の活用
資格取得用の通信講座や予備校を活用する方法があります。資格取得用に用意された講座のため、合格に必要な点を抑えられ効率よく勉強を進められます。
特に「独学だと怠けてしまう」「試験日まで時間がない」という人に効果的な学習方法です。質問サービスを用意している教材もあり、わからない点を潰しながら勉強ができます。
一人で勉強を進めるのに自信がない人におすすめです。
7-3-2.独学
衛生管理者は、第一種・第二種ともに独学で合格を目指せます。独学で勉強を進める際は、過去問題や参考書を使うと良いでしょう。
過去問題は公式ホームページから閲覧でき、参考書は本屋で購入可能です。参考書を購入する際は、実際に手に取りわかりやすさや見やすさを確認するのが大切です。
また、法改正がおこなわれている可能性があるため、最新の参考書を選びましょう。
勉強の進め方は人によりますが、まずは参考書をひととおり確認し知識を身につけるのがおすすめです。
ある程度理解したら過去問題を解きはじめ、わからない点があれば参考書を確認します。知識の定着のため、過去問題は2,3回繰り返し解きましょう。
独学の場合、自分で学習管理をする必要があるため、1日の学習時間や解く問題数などを決め、計画的に取り組むのが大切です。
8.まとめ
衛生管理者は事業場の安全や従業員の健康を守るために働く仕事です。従業員が常時50名以上の事業場では選任義務があるため、有資格者は就職・転職で有利になるでしょう。
企業によっては管理職への昇進に有利に働いたり、資格手当が受け取れたりすることもあります。
衛生管理者の資格取得に向けた通信講座などもありますが、独学での勉強もできます。第一種で約100時間、第二種で約60時間が勉強時間の目安です。
決して簡単な試験ではありませんが、一度挑戦してはいかがでしょうか。