マスク工場の仕事内容とは?工場の特徴や働くメリットときついと言われる理由を解説
※この記事は6分で読めます。
「マスク工場の仕事内容を知りたい」
「マスク工場で働くメリットには何がある?」
など、マスク工場の仕事内容に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
マスク工場は、家庭用や産業用、医療用などさまざまなマスクを製造する工場で、徹底した衛生管理の元で製造をおこなう点に特徴があります。
今回は、マスク工場の概要、マスク製造の流れ、マスク工場で働くメリットやデメリットなどを解説します。この記事を読めばマスク工場の仕事内容がよくわかり、自身が働く姿をイメージできるようになります。
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1.マスク工場とは?
マスク工場は、医療用、家庭用、産業用など、日常生活や仕事で使われるさまざまな「マスク」を作る工場です。
以前は中国をはじめとした海外工場で生産されることが多かったものの、現在は国内に生産拠点を持っている企業も多くあります。
国内のマスク工場では、新型コロナウイルスの影響を受けて中国からのマスク輸出の一時禁止やコロナによる需要の高まりを受け、24時間体制で1週間のうちに数千万枚を製造した企業もあります。
2023年4月現在は新型コロナウイルスによる規制が緩和されてマスクを着用しなくても良い流れになっており、今後はピーク時よりもマスクの需要が落ち着くことが考えられます。ただし、風邪やインフルエンザ、花粉症などが流行る時期にマスクは必需品であるため、今後も安定した需要があるでしょう。
2.マスクの種類
マスクは、その用途によって「医療用マスク」「家庭用マスク」「産業用マスク」の3つに分けられます。ここからは、3種類のマスクに使われる素材や用途の違いなどをご紹介します。
2-1.医療用マスク
患者や医療従事者を細菌感染から守る目的で作られるマスクです。主に不織布で作られており、フィルターが3層構造になっていることで高い感染防止機能があります。家庭用と比較して価格は高めです。
診察をする医師や看護師のほか、外科手術をおこなう場合にも「サージカルマスク」という名称で広く用いられます。
2-2.家庭用マスク
風邪、インフルエンザ、花粉などの対策で日常的に利用されるマスクのことです。産業用や医療用と違い、形や素材、デザインが豊富な点が家庭用マスクの特徴です。
形状はプリーツ型、立体型、平型などのタイプがあり、マスク性能を大きく左右するフィルター素材の違いから「ガーゼタイプ」と「不織布タイプ」の2種類に分かれます。
2-3.産業用マスク
「防じんマスク」とも呼ばれる、建築現場や工場で使用されるマスクです。粉じんやアスベストなどの微粒子が体内に侵入することを防ぐ目的で装着します。
顔の形に合うように立体的な作りになっていることが多く、長時間装着していてもあまり息苦しくなりません。働く環境や仕事の種類によっては、顔全体を覆うタイプのマスクを着用することもあります。
不織布の繊維で粉じんを防ぐ「メカニカルフィルター」、帯電した繊維の静電気力で粉じんを防ぐ「静電フィルター」、刺激臭などを除去する「活性炭フィルター」など、用途に応じてさまざまな素材が使われます。
3.マスク工場の仕事内容
マスク工場はさまざまな用途・ブランドの製造に不可欠であり、毎日生み出されるマスクによって我々の日常生活や医療・製造業の現場は支えられているといっても過言ではありません。
ここでは、マスク工場の仕事内容やマスクの製造工程について解説します。
3-1.仕事内容一覧
マスク工場の仕事では、主に以下のような工程があります。
- 製造機械の管理・調整
- 検品
- 仕分け
- 梱包
など
なかでも求人が出やすいのは、「検品」「仕分け」「梱包」といった軽作業に分類される仕事です。
マスク工場といっても製造は機械によって自動的におこなわれるため、検品より先の工程でマスク製造に直接関わることはありません。
特に製造業未経験者の場合は、製造されたマスクの強度やサイズを確認する「検品」や、梱包作業に配置される可能性が高いでしょう。
一方、製造機械オペレーターとしてのスキルがあれば、マスクを生産する設備を調整・設定する仕事につくこともあります。
その他、工場内が衛生的に保たれるように清掃をおこなったり、マスクをブランドごとに管理して出荷しやすくしたりする業務を担当することもあります。
3-2.マスク製造の流れ
一般的な家庭用マスクの製造は、基本的に以下のように進んでいきます。
- 不織布の貼り合わせ
- プリーツ分け
- 裁断
- 耳ひも取り付け
- 検品・仕分け
- 異物混入検査
- 出荷
マスクの構造に合わせて不織布を貼り合わせたあと、不織布にプリーツ(ひだ)をつけていきます。プリーツがついた不織布をカッターで裁断したのちに両耳ひもを付ければ、マスクの加工は完了です。
耳ひもをつける作業は、機械がおこなう場合と人の手で取り付ける場合の2パターンがあります。
そのあとは検品と仕分け、異物混入検査を経て出荷されるのが一連の流れです。
4.マスクを製造する工場の特徴
マスクは口につけるものである性質上、細菌やホコリなどが付着しないように「清潔第一」で作業がおこなわれます。そのため、一般的な製造業の工場にはない、清潔に関するさまざまな設備がある点が特徴です。
4-1.クリーンルームがある
マスクの製造では粉塵やホコリを寄せ付けない清潔な作業空間が必要であり、基本的にはクリーンルームのなかで作業をおこないます。
マスクの種類によっては「完成したマスク本体にゴムひもをつける仕事」が手作業でおこなわれることもありますが、この場合も、ちりやホコリ、髪の毛や手の油がマスクに付着しないよう、クリーンルームで作業をおこなうことが原則です。
4-2.エアシャワーがある
エアシャワーは、クリーンルームの出入り口に設置されている機器のことです。作業者や部品などの資材に付着した汚染物がクリーンルームに入らないようにするために設置されます。
きれいなジェットエアーを人や物に直接当てることで、付着したホコリやチリを取り除くことが目的です。
4-3.防虫扉がある
マスク工場や食品工場など、清潔さが求められる工場で重要になるのが防虫対策です。
防虫扉は、ドア下の隙間に防虫ブラシを設置するなど、虫が侵入しにくい構造をした扉のことです。100%の効果があるものではありませんが、防虫扉を効果的に配置することで虫の進入を防ぐことができます。
5.マスク工場で働くメリット
マスク工場で働くメリットには、大きく分けて以下の3つがあります。
5-1.体に負荷がかかりにくい
求人があるマスク工場の仕事には、製造機械の管理、検品、梱包などが挙げられます。このうち、マスクの検品や梱包作業に関しては、扱うマスクが軽量ということもあって、体に負担がかかることは少ないでしょう。
腕力に自信がない方や、女性の方でも問題なく作業できます。
5-2.作業内容は覚えやすいものもある
マスク工場に限った話ではありませんが、工場の仕事はほぼマニュアル化されています。仕事自体も検品や梱包など単調な作業が多いことから、製造業の未経験者でも覚えやすいでしょう。
5-3.きれいな環境で働ける
マスクを製造したり検品したりする工程はクリーンルーム内で作業するため、きれいで清潔な環境で働きたい方におすすめです。
梱包作業も、クリーンルームが必要なほどの衛生環境は必要ないとしても、ゴミや不衛生なものが混入しないような衛生管理は徹底されています。
6.マスク工場で働くきつさ
女性でも働きやすく、清潔な環境で仕事ができるマスク工場ですが、人によってはきついと感じる仕事もあります。ここでは、マスク工場の仕事のなかでも「きつい」と感じやすい内容をご紹介します。
6-1.単調な作業で飽きやすい
製造は基本的に機械によっておこなわれるため、人間のマスク製造スキルはあまり必要とされません。その他の検品・梱包作業もマニュアル化されており、臨機応変というよりは単調な作業が多くあります。
淡々と同じ仕事をすることに慣れている方にとっては良い環境ですが、単調作業が苦手な方にとっては「きつい」と感じるかもしれません。
6-2.専門スキルが身につきにくい
マニュアルに沿って単調に作業ができるということは、「未経験者でもベテランに近い作業ができる」という意味でメリットがあります。ただし、逆にいえば「専門性が高い仕事ができない」ともいえます。
製造業といえば国家資格を得て専門性を高めるイメージがありますが、そのような仕事を探すなら別の製造業が候補となるでしょう。
6-3.夜勤が発生することもある
工場によって勤務体系はさまざまですが、なかには24時間体制でマスクを生産している工場もあります。
二交代や三交代で夜勤仕事が発生する可能性があるため、マスク工場で働きたい場合は事前に勤務体系の確認が必須です。人によっては夜勤が体質的にどうしてもできないという方もいるでしょう。その場合は日勤のみの職場を選びましょう。
ただし、高年収を狙っている方にとって、夜勤は魅力的な仕事といえます。原則として午後10時~午前5時に労働した場合に、25%以上の深夜割増が受け取れるため稼ぎたい方におすすめです。
7.マスク製造の作業者が注意すること
マスク工場で働く際は、とにかく衛生管理を徹底することが求められます。製造はクリーンルームでおこなうだけでなく、衛生作業に適した作業服を着るなど、マニュアルを遵守した働き方が求められます。
防じん服、手袋、フェイスシールド、マスクを装備したうえで、エアシャワーでゴミやホコリを飛ばさないと作業場に入室することすらできません。
マスクの安全性と品質を守るためにも、マスク工場で働く際は衛生マニュアルに従った作業を常に心がけましょう。
8.マスク工場で働くには?
マスク工場の仕事の大半はマニュアル化されており、製造業が未経験であっても働くことは可能です。新型コロナウイルスや花粉症対策として重宝されるマスクを製造することは、まさに「人の役に立つ仕事」であり、仕事を通じてやりがいも感じられるでしょう。
マスク工場の仕事は、工場に特化した求人サイトやハローワークで探したりすることで見つかる場合があるため、日勤・夜勤ありの交代勤務かどうかなどの条件に気をつけたうえで探してみましょう。
人によっては、未経験からマスク工場で働くことに不安を覚えることもあるかもしれません。JOBPALではそうした方でも安心して理想の仕事と出会えるよう、面談を通じたお仕事探しができます。
9.まとめ
マスク工場では、家庭用、産業用、医療用などの用途があるさまざまな種類のマスクを製造しています。人の口につけるマスクを製造することから徹底した衛生管理体制が求められ、マニュアル化された作業を淡々とこなす仕事が多いという特徴があります。
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