工場の仕事に向いてない人とは?ものづくり以外の仕事や向いていないときの対処法
※この記事は6分で読めます。
「工場に向いていない人ってどんな人?」
「工場に向いていないと感じる場合の対処法を知りたい」
など、工場に向いていないことに関して疑問を持っている方もいるでしょう。
ひとくちに「工場」といってもさまざまな部署があり、ライン作業には向いていなくても開発補助には向いているなどといった可能性もあります。
今回は、工場の仕事に向いていない人はどのような人か、ものづくり以外の仕事の例、向いていないと思ったときの対処法などを解説します。この記事を読めば、工場に向いていない人の特徴がよくわかり、自分に合う仕事を探す際のヒントになります。
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1.工場の仕事に向いていない人はどんな人?
工場の仕事としてまず多くの人が思い浮かべるのは、ライン作業でしょう。続々と流れてくる製品や部品に対して同じ加工や処理を続ける仕事であり、人によって向き不向きがあります。
ここでは工場の仕事のなかでもライン作業について、向いていない人の特徴を4つご紹介します。
1-1.ルーティンワークが苦手
ライン作業には、単純作業を繰り返すルーティンワークが多いという特徴があります。
一度仕事を覚えてしまったあとは覚えることがなくなり、人によっては退屈に感じてしまうこともあるでしょう。しかし、退屈さを感じたまま仕事をすると、集中力が途切れて事故やミスにつながります。
さまざまな仕事をこなしたい人や同じ作業の繰り返しを苦痛に感じる人には、工場のライン作業は向いていない可能性があります。
1-2.手先の器用さに自信がない
工場のライン作業は機械化されているため、手先が器用でない人でも問題ないイメージがあるかもしれません。
しかし、機械を操作する、機械をメンテナンスする、小さな製品を手に持って検査や検品をするなど、細かな手作業が発生する可能性があります。
ライン作業では、機械操作や検査・検品などで精密な作業が要求されます。そこでミスがあると、ラインがストップしたり不良品が発生したりする原因になります。
そのため、手先の器用さや機械操作に自信がない人の場合、工場のライン作業に向いていない可能性があります。
1-3.コミュニケーションを取ることが好き
コミュニケーションを積極的に取りながら仕事をしたい人にとっても、工場のライン作業は向いていない可能性があります。
工場のライン作業は、ベルトコンベアで流れてくる製品や部品を加工したり、機械操作をして製造した部品を次の工程に流したりする仕事です。ひたすら機械に向き合って仕事をするシーンが多く、コミュニケーションが発生する機会はあまりありません。
上司や同僚と作業の進捗やトラブルについて相談したり、工場見学にきた取引先の営業担当者と話したりする機会はありますが、その機会は限定的です。
コミュニケーションを取る仕事が好きな人は、工場の別の部署か工場以外の仕事のほうが向いている可能性があります。
1-4.できるだけ立ち仕事を避けたい
立ち仕事を避けたい場合も、工場のライン作業には向いていない可能性が高いでしょう。
工場のライン作業は、製造→洗浄→検品→選別→梱包→出荷などといった流れで進んでいきますが、どの作業工程でも座りながらできる仕事はまずありません。
機械操作がメインの機械オペレーターはもちろん、完成品を梱包する部署や出荷場でトラックに積んだりする部署も、基本は立ったままで仕事をおこないます。
ものづくりの現場に携わる以上、立ち仕事はどうしても発生します。体力的につらくて立ち仕事を避けたい場合は、工場のなかでも事務や営業など別の部署の求人に応募してみましょう。
2.工場の仕事はものづくりだけじゃない
工場のライン作業に向いていない人でも、工場の仕事そのものに向いていないとは限りません。工場にはライン作業以外にもさまざまな仕事があるので、違う部署の仕事が天職という可能性もあります。
ここでは、ライン作業以外に活躍できる工場の代表的な仕事をご紹介します。
2-1.営業
工場には、ライン作業をおこなう製造職だけでなく、自社の製品を売り込む営業職もあります。
営業部では、顧客からの見積もりや注文に製造部と連携しながら対応したり、契約を取るための商談をしたりと、ひんぱんにコミュニケーションが発生します。
また、営業の社員をサポートしながら製品の受注や発送手配などの事務処理をおこなう営業事務と呼ばれる仕事もあります。
営業は、現場で働くわけではありませんが、顧客の要望を製造部と調整しながら形にできる、ものづくりの重要な位置を占める仕事です。
「ものづくりは好きだけど手先が不器用で製造に向いていない」「立ち仕事や同じことの繰り返しは自分に合わない」と感じている人は、人とのコミュニケーションが多い営業職を目指してみましょう。
2-2.工場事務
工場事務は、製造に必要な資材や部品・工具の発注、先方との請求書や納品書のやりとり、入金手続きなどをする部署のことです。
基本的に現場に入ることはなく、ライン作業の製造オペレーターのように手先の器用さや体力が求められることはありません。基本的に座り仕事であり、立ち仕事が難しい人でも長く働くことができます。
ただし、工具の種類や名称を頭に入れて事務作業をする必要があることから、ものづくりに関する知識が求められる仕事です。
「直接ものを作るのは苦手でも、ものづくりに携わりたい」という人なら、工場事務の仕事が向いているでしょう。
工場事務についてより詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
2-3.設計開発・開発補助
設計開発は、製品の構造や役割を考え、顧客の要望に沿う形で製品化する仕事です。設計開発に携わるエンジニアをサポートする開発補助と呼ばれる仕事もあります。
設計開発はものづくりに深く関わる仕事ですが、単純作業ではありません。顧客の要望や安全性、機能性を頭で考えて設計図にする知識やスキルが求められます。
イメージした設計図を図面にするため、CADと呼ばれるソフトを操作するスキルも必要です。
同じものづくりに携わる仕事でも製造オペレーターとはまったく異なる仕事になるため、製造に向かないと感じている方でも活躍できる可能性があります。
特に、開発に関する知識をフル活用して考えながら仕事をしたい人には、設計開発が向いているといえるでしょう。
設計開発補助の仕事内容については以下の記事でより詳しく解説しています。
2-4.設備保守・保全
設備保守・保全は、工場で作動している機械やシステムの整備をする仕事のことです。
機械を使って生産する工場では、故障が起きるとラインがストップしてしまいます。そのようなことにならないよう、機械に故障や不備がないかを点検し、必要であればメンテナンスをするのが、設備保守・保全の重要な仕事です。
製造機械のメンテナンスに携わるため、機械オペレーターのように手先の器用さが求められます。また、基本的に立ち仕事であることも同様です。
異なるのは、そのときの状況に応じてどのようなメンテナンスや保全が必要かを考える臨機応変さが必要なこと。
また、立ち仕事とはいってもさまざまな場所を歩きながら作業をするので、立ち続けるより負担が少ないことも多いでしょう。重いものを持つわけではないため、力に自信がない人でも問題ありません。
設備保守の仕事に活かせるスキルや資格は以下の記事で詳しく解説しています。
3.工場の仕事が向いていないと思ったら
未経験から工場に入社した際、最初は多くの人が製造部のオペレーターとして働くことになります。ただ、どうしてもライン作業が向いていないと感じることもあるはずです。
ここでは、工場のライン作業に向いていないと思ったときの対処法をご紹介します。
3-1.部署異動の相談をする
ライン作業の仕事がどうしても向いていないと感じたときは、会社に部署異動を願い出てみましょう。
まず、会社に「社内公募制度」がないかを確認してみます。人材を必要としている部署がほかの部署から新しいスタッフを公募する制度のことです。
社内公募制度はすべての工場で導入されているわけではありませんが、もしも働いている工場で導入されていれば部署異動の希望が叶う可能性もあります。
社内公募制度があってもなくても、異動の希望がある際は必ず上司に相談しましょう。上司が部署異動を了承すれば、部署と仕事内容を変更してもらえる可能性もあります。
ただし、今の部署の不満を語ったり、単純に「部署を異動したいです」と言ったりするだけでは異動は実現できません。異動先の業務のほうが向いていると納得してもらえるだけの説明が必要です。
- 工場見学に来たお客様とコミュニケーションをとって契約につながったと営業部から聞き、自分の知識を営業で活かしたいと思った
- 製造の要である設計・開発の仕事にあこがれていて、材料やCADについて勉強している
など、将来的なビジョンや組織への貢献の仕方まで明確にしたうえで異動を願い出ることが大切です。
3-2.仕事のやり方を変えてみる
ライン作業は仕事内容が明確にマニュアルで決められており、独自の製造方法に変えるようなことは基本的にできません。
ただし、段取りの方法を変えて効率良く仕事が進むようにしたい、備品を定位置で管理することで物を探す時間を削減したいなど、仕事のやり方・進め方で変えられる部分もあります。
やり方や視点を変えてみると、単純作業でもやりがいをもって働けるようになる可能性があります。
3-3.仕事は仕事だと割り切って考える
ライン作業に向いていないことを理解しつつ、「仕事だから」と割り切って続けることも選択肢の1つです。
世の中にはさまざまな仕事がありますが、すべての人が自分に合う仕事をしているわけではありません。向いていないと思っていても、生活やプライベートのために割り切って働き続けている人もいます。
長く続けているうちに苦手にしていた仕事に慣れ、苦手意識を感じずに仕事を続けられるようになることもあります。
3-4.転職を検討する
仕事内容を工夫して続けてもストレスが抜けなかったり、部署の異動願いが叶わなかったりすると、仕事をすること自体が苦痛に感じる可能性があります。そんな場合は、転職を視野に入れることも必要です。
ただし、単に「今の工場の仕事が向いていないから」というだけで転職をしてしまうと、転職先でも自分に向いていない部署に配属になる可能性があります。
自分にはどのような仕事が向いていて、どのような仕事が向いていないかを徹底的に自己分析することが大切です。求人に応募する際は仕事内容を可能な限り把握し、自分に合っているかを確かめてから応募しましょう。
以下の記事では、転職する際におこなう自己分析について、その方法を解説しています。
4.まとめ
工場の仕事と聞いて多くの人が思い浮かべるのがライン作業ですが、長時間同じ仕事をすることが苦手な人や立ち仕事が苦手な人には向いていない可能性もあります。
ただ、ものづくりに直接関係する部署ではなく他の部署なら向いている可能性もあります。そのような場合は部署異動や転職を検討してみましょう。
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