クレーン運転士になるには?資格や仕事内容、給料相場や向いている人の特徴
※この記事は6分30秒で読めます。
「クレーン運転士ってどのような仕事をするの?」
「自分がクレーン運転士に向いているか知りたい」
など、クレーン運転士の仕事に興味を持っている方もいるでしょう。
クレーン運転士は、その名のとおりクレーン車を操作・運転するのが主な仕事です。
今回は、クレーン運転士の仕事内容や向いている人の特徴、必要な資格などを解説します。この記事を読めばクレーン運転士の仕事のことがよくわかり、自分が挑戦すべきかどうか判断できます。
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1.クレーン運転士とは?
クレーン運転士とは、建設現場などでクレーンを用いて荷物の積み下ろしをすることができる資格を持った人です。クレーンオペレーターやクレーン運転工と呼ばれることもあります。
基本的に、工場や建設現場など、製造業や建築業の仕事で活躍することができます。
一般的な製造業の仕事と比べると求人数は少なくなりますが、人手不足に悩まされている工場や建設現場が多いので、クレーンが運転できる資格を持っていれば、就職や転職先は見つけやすいでしょう。
2.クレーン運転士の仕事はきつい?
クレーン運転士の仕事には、高い集中力や根気強さが求められます。大きく重い資材を取り扱うことも多いためケガや事故が発生するリスクも高く、常に気を抜けません。注意力や危機回避能力も求められるでしょう。
そうしたことから仕事中は気が休まらないと感じ、きついと思ってしまう人がいるようです。
3.クレーン運転士が活躍できる現場
クレーン運転士の免許を持っていると、建設現場や倉庫、工場など、さまざまな現場で活躍できます。建設現場では資材や荷物を移動・運搬させ、倉庫や工場では、人の手で運ぶには大きく重すぎるものなどを機械をつかって移動します。
経験を積めば、湾岸のコンテナターミナルの花形であるガントリークレーンの操縦士として活躍することも夢ではありません。
4.クレーン運転士の仕事内容
クレーンで扱う資材は現場によって異なるので、必然的に作業工程も変わってきます。
また、現場によっては資材の運搬・移動だけではなく、資材を組み立てる工程の一部を任される場合もあります。
クレーンの操縦・運転以外にも、関係者との打ち合わせや周りとの密なコミュニケーション、安全確認なども大切な仕事の一つです。
大きなクレーンを扱うぶん、危険がともなう機会は多くなってくるので、ただ黙々と作業するのではなく、周りへの配慮が必要になってきます。
5.クレーン運転士の勤務形態と給料の相場は?
クレーン運転士として働くうえで、勤務形態と給料の相場は気になるでしょう。ここから、クレーン運転士の勤務形態、雇用形態、給与について解説します。
5-1.雇用形態・勤務形態
クレーン運転士の雇用形態は、一般的に契約社員、派遣社員、アルバイトが多いです。安定型派遣(無期雇用派遣)も多いですが、場合によっては契約期間満了後に正社員雇用してもらえるケースもあります。
勤務形態も、週5日のレギュラーワークもあれば、1日のみや1週間などの短期アルバイトもあるなど、さまざまな形態があります。
長期的に安定して働きたいか、短期間でまとめて稼ぎたいか、自分の希望に合わせて求人を選ぶと良いでしょう。
5-2.給料の相場
クレーン運転士になるためには後述する国家資格が必要となるため、現場で働く他の職種よりも平均給与が高い傾向にあります。
具体的には、時給だと1,200円程度、月給だと20〜30万円程度が平均給与となります。また、正社員になれば月給に加えて賞与や手当などがつくため、手取り額はさらに上がります。
6.クレーン運転士に向いている人の特徴
どのような仕事にも向き不向きはありますが、自分に向いている仕事を選べば、入社後にさまざまなシーンで活躍する自分を想像できます。クレーン運転士は以下のような人に向いています。
- コミュニケーション能力のある人
- 車や機械の運転が好きな人
- 自分の腕を磨き続ける意欲がある人
- ルールやマニュアルをしっかり守れる人
- 周りを良く見ている人
それぞれ詳しくお伝えします。
6-1.コミュニケーション能力のある人
クレーンで持ち上げる物は、人の手では運べないような大きく重い資材です。万が一、作業ミスで資材が落下すれば大事故につながってしまいます。
事故を未然に防ぐためには、黙々とただ作業をするのではなく、周囲に気を配り、仲間と声をかけ合いながら作業する必要があります。そのため、クレーン運転士にコミュニケーション能力は不可欠です。
また、事前の打ち合わせや業務報告も重要な業務の一つです。社交的である必要はありませんが、必要最低限のコミュニケーション能力が求められます。
6-2.車や機械の運転が好きな人
クレーン運転士の主な仕事は、クレーンの運転・操縦です。一日中クレーンに乗って作業することも珍しくありません。
そのため、車の運転・機械の操縦が好きな人はクレーン運転士に向いているといえるでしょう。操るものは異なりますが、普段から車の運転や機械の操作が好きであれば、日々続くクレーンの運転や操作も飽きることなく続けられるでしょう。
6-3.自分の腕を磨き続ける意欲がある人
クレーン運転士は専門職ですので、意欲さえあれば、技を磨いてさらなる高みを目指せる職業です。
自分の腕を磨いて資格を取得し、運転できるクレーンの種類が増えれば給与にも反映されます。高収入を目指したいという向上心のある人にも、クレーン運転士の仕事は向いています。
6-4.ルールやマニュアルをしっかり守れる人
クレーンは、人の手では運搬するのが難しい荷物や資材を取り扱います。荷物や資材が落下したりぶつかったりした場合、大きな事故になるリスクもあります。
決められたマニュアルどおり動くことで事故を防ぎ、どのようなときも細心の注意を払ってルールを守り運転する能力が必要です。
6-5.周りを良く見ている人
現場ではたくさんの人が働いています。クレーン作業中に荷物が作業員や他の車両などにぶつからないよう、作業をする際には常に周りをよく見て安全を確認する必要があります。
自分のことだけでなく、広い視野で周りを見渡せる人がクレーン運転士に向いているといえます。
7.クレーン運転士になるには?
クレーン運転士になるためには、クレーン運転士の資格免許を取得する必要があります。
資格を取得してから求人を探し働くこともできますが、資格免許の取得費用を出してくれる会社もあるので、未経験・未資格でも入社できる会社を探し、働きながらクレーン運転士の資格免許を取ることも可能です。
7-1.免許を取得する
クレーン運転士の免許は、教習所に通う、または安全衛生技術センターで実技試験を受けることで取得できます。
免許は大きく分けて5種類あります。
- クレーン・デリック運転士免許(限定なし):デリックを含めすべてのクレーンを運転できる
- クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定):デリック以外すべてのクレーンを運転できる
- クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定):天井から吊り下げられているクレーンを運転できる
- 移動式クレーン運転士免許:吊り上げ荷重5t以上の移動式クレーンを運転できる
- 揚貨装置運転士免許:船に取り付けられたクレーンやデリックを操縦できる
業務に必要なものを取得しましょう。
7-2.技能講習を受ける
労働安全衛生法に基づき、労働局に登録した事業者が開催する技能講習を受けることで、小型移動式クレーン(吊り上げ荷重1トン以上5トン未満の移動式クレーン)や、床上操作式のクレーンに限り運転ができます。
免許よりも運転できるクレーンの幅が狭まりますが、そのぶん手軽に取得できます。
7-3.特別教育を受ける
特別講習を受けることで、小型移動式クレーン(吊り上げ荷重1トン未満の移動式クレーン)や、吊り上げ荷重が5t以上の跨線テルハの運転・操作ができます。
特別講習は講習所だけでなく出張講習でも受講・修了できます。技能講習よりさらに手軽に取得できる資格です。
8.クレーン運転士の資格と難易度
クレーン運転士として働くには、労働安全衛生法で定められた免許を所持する必要があります。免許試験は安全衛生技術センターで実施されており、主な免許としては、前述のとおり以下の5種類があります。
それぞれの資格について解説します。
8-1.クレーン・デリック運転士免許(限定なし)
限定なしの免許なら、すべてのクレーンとデリックを運転することができます。旧クレーン免許と旧デリック免許が統合されたもので、2006年以前に両免許を取得していた人はこちらの資格を有することになります。
教習所に通うと実技試験が免除されるため、確実に取りたい場合は教習所に通うと取得難易度が下がります。短期間で取りたい場合は独学で勉強し、安全衛生技術センターで実技試験を受けると良いでしょう。
8-2.クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)
つり上げ荷重が5t以上のクレーンを含め、すべてのクレーンの運転・操作ができる免許です。ただし、クレーン限定免許のためデリックの運転はできません。
2006年以前に旧クレーン免許を取得した人で旧デリック免許を所持していない場合は、こちらの資格を有していることになります。
8-3.クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)
工場の天井などに設置されているクレーンを運転・操作するための免許です。つり上げ荷重が5t以上の床上運転式クレーンを運転できます。
試験の合格率は、学科試験が4割、実技試験が6割程度です。ただし、教習所に通った場合は修了試験を受けることで実技試験が免除されるので、比較的取得しやすい資格といえます。
8-4.移動式クレーン運転士免許
吊り上げ荷重5t以上の移動式クレーンを運転するための資格です。工事現場や建設現場など、多くの現場で活躍するクレーン車を操縦できるようになるため、仕事の幅が広がります。
なお、移動式クレーンを運転して公道を走る場合には、別途運転免許が必要となります。受験資格は不問ですが、免許交付は18歳以上と法律により定められています。
8-5.揚貨装置運転士
揚貨装置運転士(ようかそうちうんてんし)は、船に取り付けられたクレーンやデリックを操縦するための資格です。
湾岸で船から陸へ荷役を積み下ろしたり、漁船で網を巻き上げたりする仕事に就くことができます。近年の合格率は75%程度となっています。
9.クレーン運転士の将来性
移動式クレーン運転士、クレーン・デリック運転士は国家資格であり、取得することで活躍の場が確実に増えます。
また、クレーンは工事現場や建設現場など、あらゆる現場で不可欠であり、建設の需要がある限り仕事がなくなる心配はなく、将来性の高い仕事といえるでしょう。
10.クレーン運転士は未経験からでも挑戦できる!
免許がないとクレーンの操縦はできません。しかし、年齢・経験不問の資格なので、未経験からでも挑戦できます。
10-1.免許がなくても見習いとして採用してくれる工場もある
クレーンは免許がないと運転・操縦できませんが、免許がなくても見習いとして採用してくれる工場もあります。
最初は見習いとして先輩社員の下につき、業務の流れを理解したあと、免許取得にチャレンジすることも可能です。企業によっては免許取得費用を全額負担してくれる場合もあります。
また、製造現場や建設現場に未経験から入社し、他の業務を一定期間おこなってからクレーン運転士を目指すこともできます。すぐにクレーンを運転できるわけではありませんが、製造業や建設業での経験を積み、業界について理解を深めておけば、スムーズに免許を取れる可能性が高まります。
UTグループでも、未経験からスタートした社員たちが多くの経験を積み、今ではそれぞれの職場に欠かせない存在として活躍しています。
10-2.すぐに相談できる環境で働こう
いざクレーン運転士として現場で働き始めると、仕事のことはもちろん、職場のことや仲間のこと、将来のことなど、さまざまな悩み事も出てくるでしょう。
UTグループでは、スタッフを自社で安定型派遣(無期雇用派遣)として雇用し勤務先となる工場に派遣していますので、どの現場にもUTグループの管理者が常駐しています。
一般的な派遣会社では、何かあったら派遣会社に連絡を取ったうえで担当者と面談の時間を調整しなくてはなりませんが、UTグループの場合はそうした手間が一切ありません。
「人間関係に悩みがあり相談に乗ってほしい」「クレーンの技術を上げるために新しい資格に挑戦したい」など、どのようなことでもすぐに管理者に相談することができます。
「スタッフに良い勤務環境を提供したい」という強い思いがあるUTグループで、あなたも生き生きと働いてみませんか?
少しでもクレーン運転士の仕事について興味を持っているなら、全力で転職活動をサポートさせていただきますので、まずは一度面談をお申し込みください。
11.まとめ
クレーン運転士は未経験からでも挑戦できる仕事です。クレーン運転士は工場や倉庫、建設現場など、さまざまな現場で働くことができます。
JOBPALでは、クレーン運転士を始め、さまざま工場や製造業の仕事の求人を用意しています。仕事探しをしている方は、ぜひ一度求人をご覧ください。
人気の求人は早く募集が終了することもあるので、少しでも気になる仕事があれば、なるべく早めに応募することもおすすめします。
また、溶接工や技術職など、クレーン運転士以外の工場勤務の仕事についてもご紹介しています。それぞれの特徴や必要な資格について詳しく解説しているので、自分に合った仕事を探したいという方は、こちらも一緒にチェックしてみてください。