工場の暑さが理由で辞めたいときの対処法と自分でできる暑さ対策
※この記事は5分30秒で読めます。
「工場が暑すぎて辞めたい……」
「工場の暑さが改善されないときはどうすれば良い?」
など、工場の暑さの解決策に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
工場の暑さの原因は工場の作りや機械の数などさまざまで、会社の対策を待つ間に個人でできる対策を実行すれば、より早く暑さ対策ができます。
今回は、工場が暑い理由、自分でできる暑さ対策、どうしても暑さに耐えられないときの対処法などを解説します。この記事を読めば、工場の暑さ対策のことがよくわかり、辞めたい気持ちを抑えて働けるようになります。
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1.工場が暑い理由とは?
厚生労働省によれば、職場での熱中症による死亡者および休業4日以上の業務上疾病者の数は、令和4年(2022 年)で827人に上っています。ピークだった2018年からは減少傾向にあるものの、2021年の561人からは増加傾向にあります。
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参照:令和4年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000900487.pdf
工場が暑いと熱中症のリスクが高まり、最悪の場合は命にも関わるため、長く工場で働くなら暑さ対策は非常に重要です。
ではなぜ、工場は暑くなりやすいのでしょうか。その3つの理由をご紹介します。
1-1.機械が多い
工場が暑くなりやすい大きな原因として考えられるのは、機械が多く設置されていることです。常に動いている機械は熱を持っており、近くで作業をすると非常に暑く感じます。
機械の熱が空気中に広がることで、気温が高くなると考えられます。遮熱(しゃねつ)シートを取りつけることで対策できる場合もありますが、対策できない工場も少なくありません。
1-2.空調設備がない
工場によっては、そもそも冷暖房などの空調設備が用意されていない場合があります。
エアコンやスポットクーラーなどの設備費用、また冷房を工場内に設置するのに必要な改修費用を出せないことが要因の1つです。工場自体が古いために冷房設備を導入できないことも考えられます。
空調設備がない場合は高温多湿のなかで重労働をすることになるため、個人での熱中症対策をすることは必須です。のちほど詳しく解説します。
1-3.工場の構造に問題がある
熱を出す機械が多い、冷暖房設備がないという問題以外に、工場自体が熱をためこみやすい構造になっている場合もあります。
例えば、昔に作られた工場は屋根が低いことがあり、空気がこもりやすくなっています。屋根や壁が鉄でできていると、太陽熱を吸収してしまうことも考えられるでしょう。
また、工場の周囲に背の高い建物がなく開けた土地の場合は、直射日光をさえぎることもできません。
構造の問題で熱が逃げない場合は根本的に改装するしかなく、すぐには着手できないことから、対策がなかなか進みません。個人での熱中症対策でしのぎながら、改装を待つことになるでしょう。
2.工場が暑いときに自分でできる暑さ対策
工場で自ら暑さ対策をするならば、まず暑さに負けない体を作ることが大切です。日ごろから適度な運動をおこない、栄養バランスが良い食事や十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。
ここからは、自分でできる暑さ対策として5つの方法をご紹介します。
2-1.こまめに水分補給をする
喉が渇いていなくても、約20分毎にコップ1杯程度の水分をとるようにしましょう。スポーツドリンクは塩分や糖分を含んでいるため、汗で失った塩分の補給にもつながります。
しかしながら、水分補給のメインはあくまでも水です。スポーツドリンクを飲み過ぎると、糖の摂り過ぎにより肥満や虫歯の原因になるほか、酸性度が高いスポーツドリンクを飲み続けることで歯のエナメル質が溶ける可能性もあります。
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参照:熱中症対策には、水よりスポーツドリンクを飲むとよいと聞いたのですがどうしてですか。また、経口補水液との違いも教えてください。│農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/2007/02.html
2-2.睡眠をとろう
睡眠不足は、熱中症を発症する要因になるといわれています。
普段より1.5時間程度睡眠が短いだけでも、翌日に運動すると体温が高く汗の量も多くなり、体温調節機能が低下します。
暑さ対策のためにも、しっかりと睡眠をとることが大切です。
ただし、寝付きを良くしようと寝る前に飲酒を習慣にするのは避けてください。寝る前にお酒を飲むと寝付きが良くなると感じますが、その効果は数日で消失してしまいます。
また、睡眠の質が下がることで夜中に起きる回数が増えてしまうことも考えられます。
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参照:睡眠とお酒の関係
https://www.nishiyamaclinic-nagoya.com/blog1/the-relationship-between-sleep-and-alcohol/
2-3.朝食をしっかりとろう
朝ごはんを抜いたりしていませんか?バランスが取れた朝食を、しっかりとりましょう。十分な睡眠とバランスの取れた食事を取ることが、丈夫な体作りにつながります。
工場は基本的に立ち仕事で重い材料を運ぶことも多く、冷暖房が完備されていない環境では体力を消耗します。このような環境では、しっかりと朝食を食べて1日を乗り切るエネルギーを得ることが重要です。
2-4.衣服を工夫しよう
吸水速乾や接触冷感素材を使用したシャツで、体の体感温度を下げることも工夫の一つです。
加えて、保冷剤付きの服などで服の内部に熱がこもらないようにすることもできるでしょう。
2-5.暑さ対策グッズを使おう
最近では、夏場は毎年のように35度~40度の気温を記録しており、熱中症対策としてさまざまな暑さ対策グッズが紹介されています。ここでは工場の熱中症対策に使える暑さ対策グッズを4つご紹介します。
2-5-1.冷える手ぬぐい
熱中症対策に気軽に使えるアイテムとして、冷える手ぬぐいがあります。見た目は普通の手ぬぐいですが、特殊な繊維で作られた給水パッドがあることで、水を含ませれば冷涼感が数時間持続します。
ハンカチとして汗を拭く、バンダナとして頭に巻く、首に巻くといったさまざまな使い方ができ、仕事中に手を使わずに体感温度を下げられるでしょう。
2-5-2.冷袋や冷ベスト
冷える手ぬぐいのように首や頭に巻きつけるタイプではなく、肌着のように着用してヒンヤリ感を得られるグッズもあります。
例えば「冷袋(冷ベスト)」は、氷や保冷剤を背中の袋に入れて作業着の下に着ることでクールダウンできる商品です。
熱を帯びやすい両脇の下には高吸水繊維が施され、効率よく身体をクールダウンできる仕組みになっています。
2-5-3.冷やすスプレー
学生時代、真夏の部活が終わり、着替え中に不意打ちで冷却スプレーをかけたり、かけられたりして騒いでいた方も多いはず。休憩中に冷やすスプレーを体にかけることでも熱中症対策になります。
また、今では直接身体にかけなくても清涼感が味わえるスプレーがあります。メントールなどの冷感成分が入ったジェット噴射によって服の上からでも体を冷やせるため、人前で服をたくし上げることなく熱中症対策が可能です。
2-5-4.空調服・ファン付き作業着
空調服とは、衣服の内部に小型の冷却ファンが取り付けられた商品のことです。
内部に取り付けられた小型のファンから作業着の中に風が送られるため、一般的な作業服よりも体感温度を下げる効果が期待できます。
電池が切れたら充電が必要になるデメリットがありますが、電池が切れるまでは常に風を受けられる点がメリットです。
3.工場の暑さに耐えられなくなったときの対処法
ご紹介したような方法で熱中症対策をとることは可能ですが、工場内の暑さによっては対策にも限界があります。
個人の対策では耐えられないくらい暑く、我慢できない場合に、どのような対処法があるかをご紹介します。
3-1.上司に相談する
個人でできる熱中症対策をやりつくし、それでもフラフラになってしまうような場合は、取り返しのつかないことになる前にすぐ上司に相談しましょう。
暑さへの対応力は個人ごとに異なるため、本当に辛いことを伝えることで室内勤務への部署異動などを検討してもらえるかもしれません。
また、多くの現場オペレーターから相談があれば、会社としても対応に乗り出す必要に迫られるため、我慢の限界を感じたらすぐに相談しましょう。
3-2.転職を検討する
上司に相談しても部署異動ができず、工場の空調導入や改装といった対策にも乗り出してくれないときは、本当に体が壊れてしまう前に転職も考えましょう。
ただし、転職先の企業でも空調が完備されていないと、同じことの繰り返しになってしまいます。面談など相談ができる転職サイトを利用して、求人を出している企業の工場の空調が整っているかを確認することが、転職を始める際の大前提です。
JOBPALでは面談を通じて、掲載企業の工場の空調を始めさまざまな情報を得ることができます。転職活動で快適な労働環境を探したい方は、以下のリンクからぜひ面談に応募してみてください。
4.まとめ
熱中症は重度になると命に関わるため、工場の暑さに耐えられないときにはすぐに上司に相談しましょう。多くの従業員から声が上がれば、会社としても対応せざるを得なくなるはずです。
しかし、工場の改装や空調の導入にはコストも時間もかかるため、すぐに実現できるとは限りません。まずは個人でできる対策を徹底して快適な環境を作りましょう。
それでもどうしても暑さに耐えられなくなったときは、JOBPALの面談サービスを利用して、快適な工場への転職を考えてみてはいかがでしょうか。