二交代制とは?働き方や仕事の例、メリットと注意点を解説
※この記事は6分30秒で読めます。
「二交代制ってどのような働き方?」
「二交代制で働くメリットが知りたい」
など、二交代制の勤務に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
二交代制とは、日勤と夜勤で人員を入れ替えるシフト形態のことです。労働時間が長い分だけ休みの日数が多かったり、夜勤手当などで稼ぎやすかったりする特徴があります。
今回は、二交代制の概要、二交代制がある仕事の例、働くメリットや注意点などを解説します。この記事を読めば、二交代制のことがよくわかり、仕事探しの参考にできます。
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1.二交代制とは?
二交代制は、交代勤務の形態の1つです。1日(24時間)を12時間に分け、そのうち8時間から12時間程度の間、出勤する働き方を指します。
勤務時間は、8時から1時間の休憩をはさんで17時までの日勤と、20時から翌朝5時までの夜勤とすることが一般的です。業種や会社によっても出勤時間は異なりますが、工場の場合は日勤と夜勤の間の空白時間はラインを止めることが多くなっています。
一方、工場によっては、空白時間を減らすために日勤も夜勤も12時間ずつ勤務する可能性もあります。その場合は1時間の休憩と30分の小休憩が入り、残りの2時間30分は残業の扱いになります。
なお、もう1つの交代勤務制度として三交代制もよく知られています。こちらは、1日を三分割して8時間ずつ勤務する形態です。二交代のような空白期間は発生せず、24時間常に稼働している点で二交代とは異なります。
三交代制については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
2.二交代制の例
ひとくちに二交代制といっても、企業によってシフトの作り方はさまざまです。ここでは、代表的な二交代制の特徴やスケジュールの例をご紹介します。
2-1.連続二交代制
連続二交代制は、日勤と準夜勤の2つのグループで交代しながら勤務する働き方のことです。
後述するほ他のシフトよりも日勤の出勤時間が早く、その分だけ夜勤の開始時刻が早まります。出勤時刻としては、日勤は6時〜15時、準夜勤は16時〜0時などがあります。
連続二交代制は24時間稼働ではなく、上記の例でいえば0時以降はラインがストップします。夜勤でも翌朝までの出勤がないため、業務負担が比較的少ない点が特徴です。休日は土日になるケースが一般的です。
2-2.二直二交代制
二直二交代制は、2つのグループで二交代勤務をおこなうシフトのことです。
日勤と夜勤が12時間ごとに分かれており、片方のグループが一定期間日勤を担当する間、もう1つのグループが夜勤を担当します。一定期間が経過後、日勤と夜勤を入れ替えるのが一般的です。
二直二交代制は24時間の稼働が可能であり、ラインを止めないで製造する工場で採用される傾向にあります。
ただし、休憩時間を除いた時間は残業となり、従業員の負担が比較的大きい点がネックです。連続二交代制と同様、一般的には土日が休日になります。
2-3.三直二交代制
三直二交代制は、3つのグループで二交代勤務をおこなうシフトのことです。
日勤グループ、夜勤グループ、休みグループの3グループでシフトを回していくことになります。二直と違って柔軟にシフトを組めますが、企業によってどのようにシフトを回すかは異なります。
例としては以下のようなシフトが考えられます。
- 4日勤務後に2日間の休みをはさみ、そのあと3日間の夜勤に入る
- 3日の日勤と2日間の夜勤のあと、2日間の休みに入る
三直は、休みの位置を組み換えることで土日でも夜間でも連続で稼働でき、フル稼働が必要な工場や医療機関、介護施設などで採用される傾向にあります。
休日は土日固定ではないため、家族や友人と予定が合いにくくなる点がデメリットです。
2-4.四直二交代制
四直二交代制は、4つのグループで二交代勤務をおこなうシフトのことです。
日勤と夜勤のグループがそれぞれ12時間勤務をおこなうため体力的な負担が大きい分、他の働き方よりも休みが多いという特徴があります。
例としては以下のようなシフトが考えられます。
- 日勤で3日働いて3日休み、次に夜勤を3日働いて3日休み
など
三直と同様、土日に休めないことが多いですが、休日数が多いことから身体を休めやすいのがメリットです。土日に必ず休めなくても休日数を増やしたい方に向いている働き方といえます。
3.二交代制がある仕事の例
二交代制勤務は、夜勤を含めて長時間の稼働が必要とされる業界・業種で採用される働き方です。ここでは、二交代制が採用されやすい仕事の代表例をご紹介します。
3-1.工場
工場は、二交代制が導入されている代表的な仕事の1つです。この記事では、工場の二交代制について詳しく解説していきます。
工場の二交代制では、出勤と休日の組み合わせが以下のようになるケースが多いです。
- 4勤2休:出勤・出勤・出勤・出勤・休日・休日を1クールとする働き方
- 5勤2休:1日(24時間)を日勤・夜勤の12時間ずつに分けて2チームで稼働する働き方
4勤2休では、最初の1クール目が日勤の場合、休みを挟んで次のクールが夜勤になるのが一般的です。
5勤2休では、8:00~20:00(日勤)、20:00~8:00(夜勤)といったように、12時間ずつ2つのグループに分かれて仕事をすることになります。
二交代の工場では深夜手当や残業手当が出やすく、日勤のみの工場と比較して効率良く稼げるメリットがあります。
また、夜勤のある日は日中に用事を済ませることができたり、比較的休日が多いことでプライベートに時間を使いやすかったりするメリットがあります。
工場の働き方については以下の記事でも解説しています。
3-2.運送会社
運送会社も、24時間稼働している工場間の配送などを担当する場合、二交代勤務を採用するケースがあります。
シフトは6:00~18:30、19:00~7:00などといった形になります。いわゆる二直二交代制であり、基本的に土日休みです。
1回の出勤時間は長いものの、日勤と夜勤の期間がそれぞれ長いことで(1週間ずつで交代など)、体内時計がずれて体調を悪くするリスクが少ないメリットがあります。
以下の記事では、配送ドライバーの仕事について解説しています。
3-3.病院
病院で働く看護師のシフトについては、二交代を採用する病院と三交代を採用する病院に分かれます。
二交代では以下のように、夜勤の時間が長い変則的なシフトになることが一般的です。
- 日勤:8:00~17:00(8時間)
- 夜勤:16:30~9:00(休憩2~3時間を含めて16時間)
夜勤の拘束時間が他の職業と比べて長い点が特徴で、その代わりに2~3時間の休憩や仮眠が与えられます。夜勤の回数は月4~6回程度で、拘束時間が長い分だけ夜勤の出勤回数は少なめです。
3-4.介護施設
入居者の世話が必要な介護施設では、介護職員の夜勤が必須となります。病院と同様で夜勤が非常に長く、16時から翌9時までといったように、夕方から次の日の朝まで働くことが一般的です。
夜勤の時間が長いことで体力的に大変というデメリットはありますが、一方で1回の夜勤で2日分働くため、夜勤明けの日も勤務扱いになり
ます。夜勤の翌日も休みになるため、体感的には休みが多いと感じる方もいるでしょう。
また、夜勤の時間が長いことで、三交代の介護施設よりも夜勤手当が充実している点もメリットです。
3-5.コンビニ
24時間営業がほとんどのコンビニでも交代勤務制が採用されています。
一般的には、9:00〜18:00、13:00〜22:00、22:00〜6:00といった三交代での勤務が多いですが、なかには二交代制を採用している場合もあります。
3-6.ホテル
利用者のチェックインやチェックアウトをはじめ、さまざまな業務に24時間対応することになるホテル業でも、二交代制が採用されているケースがあります。
以下は、ホテルで二交代制勤務が採用される場合のシフトの一例です。
- 日勤:8:00~17:00または13:00~22:00
- 夜勤:22:00~翌8:00
日勤と夜勤の二交代制ではありますが、日勤の出勤時間がさらに早番と遅番に分かれるケースです。上記のようなシフトによって、二交代制でも実働時間は8時間前後に抑えられています。
3-7.消防署
24時間いつでも火事に備えなければいけない消防署でも、二交代勤務が採用されることがあります。
消防署では、1係、2係という2つのグループがそれぞれ24時間ずつの勤務をおこないます。朝の8:30に勤務が開始されると、翌日の朝8:30まで働くイメージです。
ただ、24時間常に働いているわけではありません。以下のように日勤2回分の働き方をするとイメージすればわかりやすいでしょう。
- 8:30から17:15まで働く(日勤1回にあたる7時間45分)
- 18:45から24:00まで働く(5時間15分)
- 24:00から翌朝6:00まで仮眠
- 翌朝6:00から8:30まで働く(2時間30分)
17:15以降の労働時間を合計すると7時間45分になり、日勤を2回繰り返していることになります。1回の出勤の拘束時間が長い分だけ休みの時間も長く、プライベートの時間を確保しやすいメリットがあります。
4.工場の二交代制で働くメリット
二交代制の工場で働くと、以下のようなメリットが得られます。
4-1.手当が出るので稼ぎやすい
交代勤務には、法律によって支給が義務付けられている手当と、会社独自に支給される手当の2種類があります。法律で支給が決まっている主な手当は以下の2つです。
- 深夜割増賃金(深夜手当)
- 時間外割増賃金(残業代)
深夜割増賃金は深夜手当とも呼ばれています。午後10時から午前5時まで労働した場合に、基礎時給プラス25パーセント以上の割増賃金が支払われます。
時間外割増賃金(残業代)は、法定労働時間を超えて従業員が働いた場合に超過分について支払われる手当です。法定時間を超えて労働した分について、基礎時給プラス25%以上の割増賃金が支給されます。
二交代制では12時間拘束で仕事をする場合がありますが、法定労働時間を超えた労働時間については残業代の支給対象となります。
このような手当を基本給とは別で受け取ることで、日勤のみの仕事よりも効率的に稼ぐことが可能になります。
4-2.通勤ラッシュを避けやすい
夜勤には、通勤ラッシュの時間帯を避けて通勤できるメリットがあります。
多くの会社員が日勤のために出勤・退勤する朝7:00~8:00や18:00~19:00は、通勤ラッシュによる渋滞が発生しやすい時間帯です。
一方、夜勤の出勤時刻である夜間や退勤時刻である早朝は通勤ラッシュの時間とかぶっておらず、体力的・精神的な負担なく通勤できます。
4-3.休日が多い傾向がある
二交代制の場合、拘束される時間が日勤や三交代制よりも長いケースがあります。その場合は働いていない休日の時間が長くなったり、休日の日数が多くなったりします。
働く日は長時間労働で大変ですが、休日は旅行に出かけたり用事を済ませたりと、プライベートの時間を確保しやすいでしょう。
また、夜勤前の昼間の時間に自由に動けることで、市役所など土日には片付けられない用事を済ませやすい点もメリットです。
4-4.平日のイベントに参加できる
二交代制には、連続二交代制をはじめとして土日休みのケースもありますが、三直や四直ではシフト勤務のため土日出勤になるケースがあります。その代わり、シフト次第では平日に休みを取ることも可能です。
平日にしか終わらせられない用事を済ませやすいだけでなく、平日限定のイベントへの参加もできます。
土日よりも平日の休みを重視したい方や、混雑が少ない平日にプライベートな用事を入れたい方は、二交代制の働き方が向いているでしょう。
5.工場の二交代制で働く際の注意点
深夜手当や残業手当などで効率的に稼げるメリットのある二交代制ですが、以下のような注意点があることも覚えておきましょう。
5-1.家族やパートナーとの時間を合わせにくい
工場の二交代制は変則的なシフトであり、土日が仕事で平日に休みになるケースも多くあります。
一般的な会社員や学生は土日休みであることから、二交代制で働いていると家族やパートナーと時間を合わせにくいというデメリットがあります。
また、家族やパートナーが働いている時間に寝る生活になると、会話も少なくなってしまうことも考えられます。
土日や夜間に時間を合わせられない分だけ、平日昼間の時間を共有してプライベートを過ごす、休憩時間などにこまめに連絡を取り合うなど、コミュニケーションをたくさん取る工夫が求められます。
5-2.体調管理を徹底しないといけない
二交代制では日勤・夜勤という極端な勤務時間が設定されており、昼夜逆転の生活になりがちです。
昼夜が逆転すると身体への負担が大きく、疲れが溜まってしまう、疲れが抜けにくいといった状況になってしまうことも考えられます。
特に夜勤から日勤への切り替わり、日勤から夜勤の切り替わりでは生活リズムが逆転するため、身体に大きな負担がかかります。
シフトが変わる前は休日を利用して睡眠時間をしっかり確保したり、体調管理のためにバランスの良い食生活を心がけたりするなど、体調を維持する工夫が求められます。
5-3.基礎体力がないと続けるのが難しい場合もある
夜勤と日勤の繰り返しは、どれだけ気をつけていても身体に疲れが溜まりやすいものです。
二交代制は三交代制よりは体力の消耗は控えめなことも多いですが、どうしても夜勤が身体に合わない方もいるでしょう。体力に自信がない方や体質的に夜勤が合わない方は、長く働き続けることが難しいかもしれません。
同じ二交代制でも、職場によって就業時間や休憩時間、残業時間は大きく異なります。休みの間隔や拘束時間の長さが自分に耐えられるものかを事前に確認しておきましょう。
また入社後は、プライベートの時間を確保してなるべくストレスを溜めないようにする、睡眠をたっぷり取るなど、体力が長続きするような対策を取りましょう。
6.まとめ
二交代制には、1週間など比較的長い期間にわたって日勤や夜勤を連続しておこなう特徴があります。
三交代制よりも拘束時間が長くなる可能性がある一方、出勤時間が固定される期間が長いことで三交代制より疲れにくいメリットもあります。
一方、シフトが不規則なことで家族やパートナーとの時間が減ってしまうデメリットもあります。二交代制勤務に興味がある場合は、まず家族に相談してみましょう。
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