工場での働き方
更新日:2024年01月30日

女性でも工場の夜勤で働ける?よくある仕事例や働く際の注意点

女性でも工場の夜勤で働ける?よくある仕事例や働く際の注意点

※この記事は5分30秒で読めます。

「夜勤の工場って女性でも働けるの?」
「夜勤の工場で女性向けの仕事があるか知りたい」
など、夜勤ありの工場での女性の働き方に関して知りたい方もいるでしょう。

工場にはさまざまな仕事がありますが、体力や腕力が必要ない仕事を選ぶことで、女性でも夜勤の工場で活躍できます。

今回は、女性が工場の夜勤で働けるのか、女性に工場の夜勤をおすすめする理由やメリット、注意点などを解説します。この記事を読めば、女性でも工場の夜勤で働けるかがわかり、転職の選択肢を増やせます。

1.女性は工場の夜勤で働ける?

平成11年4月に労働基準法が改正されるまで、女性に対しては、残業が規制されたり深夜業務が禁止されたりといった措置がありました。

しかし、男女雇用機会均等法が施行されたことなどによって女性の職域は拡大され、現在では女性でも夜勤ありの工場で働けます。

工場の夜勤における勤務体系は、大きく以下の3つに分けられます。

  • 夜勤専属
  • 二交代制
  • 三交代制

夜勤専属は文字通り、夜の時間帯でのみ出勤する働き方です。

二交代制は日勤・夜勤の時間帯を順番に受け持つ方法で、週単位や数日単位で日勤と夜勤が入れ替わります。一度夜勤になったあとはしばらく同じ時間帯で出勤するため、生活リズムが比較的安定しやすい働き方です。

三交代制は、日勤・夕勤・夜勤の3つの時間帯に分けてシフトで勤務する働き方です。夕勤と夜勤は夜の時間帯に働くことで給与が高い傾向にありますが、生活リズムを崩しやすいデメリットもあります。

2.女性にも工場の夜勤がおすすめの理由

夜勤といえば男性の仕事というイメージがあるかもしれませんが、女性でも年齢要件さえ満たせば働くことは可能です。また、生活リズムが乱れ体調を崩しやすいのではと考える方も多いと思いますが、日勤にはないメリットもあります。

ここでは、女性に工場の夜勤をおすすめできる理由をご紹介します。

2-1.日勤よりも稼げる

夜勤の場合、労働基準法37条の定めによって、午後10時から午前5時までの給与が通常の給与の1.25倍になります。同じ仕事をするなら、日勤よりも夜勤のほうが割増賃金の発生分だけ多く稼げます。

【夜勤手当の計算式】

一時間あたりの基礎賃金×深夜労働時間×1.25(割増率)

日勤の時給が1,000円の場合、夜勤で午後10時から翌午前5時まで働いた時間は時給が1,250円になる計算です。この例では、一日夜勤をすると収入が1,750円、月10日を夜勤した場合は17,500円の収入増になります。

以下の記事では、夜勤手当についてより詳しく解説しています。

2-2.落ち着いて作業できる

日勤の場合、自部署・他部署との打ち合わせや工場見学に来た取引先への説明といった仕事が発生する場合があります。

しかし、夜勤ではそういった仕事はあまり発生せず、出勤者も少数で仕事量も比較的少ない傾向にあります。落ち着いて自分の仕事や残務処理に集中したいなら、夜勤の労働環境はおすすめできます。

3.女性の工場夜勤でよくある仕事例

女性が工場で働く場合は日勤でも夜勤でも、腕力があまり必要ない仕事や、体力よりも細かな気配りが求められる仕事を任されることが多いですが、ここでは女性が工場夜勤で担当しやすい仕事についてご紹介します。

3-1.検品・検査作業

検品・検査作業とは、製造物がマニュアルどおりに製造されているかをチェックする仕事です。

目視検査だけでなく、計測器を使ってサイズが規定内に収まっているかを確認したり、目で見えない不良をチェックするために顕微鏡を使ったりする場合もあります。

また、計量器を使って検品するケースもあります。ねじや小さな木材を複数入れた袋詰め製品は本数を数えると非効率のため、袋ごと重量を測ることで既定の本数が入っているかを確認します。

3-2.包装・梱包・仕分け作業

包装・梱包は、検品・検査工程をクリアした完成品を段ボールに入れたり袋に詰めたりして、出荷できる状態にする作業のことです。精密機械の場合は、ダンボールに緩衝材を入れたうえで丁寧に梱包することが求められます。

また、小型のボルトやねじの場合、複数の種類を一つの袋に包装することですぐに現場で使えるようにする「アッセンブリ」と呼ばれる仕事もあります。

さらに、包装・梱包された製品を出荷先ごとなどに仕分けするのも重要な作業です。

3-3.機械操作

機械を操作する機械オペレーターとして、部品の圧造・切削などの加工をおこなう仕事です。加工された製品は、目視や計測器具を使った検品などを実施したうえで次の工程に回されます。

機械の操作には体力も腕力も必要ないため、工場での勤務が初めての女性でも働きやすい傾向にあります。

3-4.ピッキング作業

ピッキングは、指示書や出荷伝票に記載された製品を倉庫からピックアップして出荷場に流す仕事です。製品によっては、バラの製品を小箱に梱包してから出荷場に流すこともあります。

どの工場で働くかによって扱うものは異なり、家具や家電などの大きなものもあれば、ボルト・ねじなどの小さな部品を扱うこともあります。

ピッキングの仕事には腕力や体力が求められる印象があるかもしれませんが、重いものは台車やフォークリフトを使うため、最小限の体力で仕事を進められます。

軽い部品の運搬なら力に自信がない女性でも問題なくできるので、入社したばかりの方が配属されるケースもあります。

4.女性が工場の夜勤で働く際の注意点

女性でも夜勤に従事できるのはすでにご紹介したとおりですが、人が少なく暗い場所もある夜勤で女性が働くことには防犯上の懸念があります。また、育児や介護などとの両立も課題です。

労働基準法では、女性の夜勤に対して、防犯上の安全確保や子育てなどの家庭状況に配慮することが定められています。具体的に事業主が講じるべき措置には以下のようなものがあります。

  • 女性が通勤時における安全を確保し、1人で作業をすることを避ける
  • 育児や介護、本人の健康や家事の負担などに配慮する
  • 女性が育児や介護を請求した場合は深夜業をさせてはいけない
  • 仮眠室や休憩室を整備するほか、健康診断に基づいた配慮が必要

上記のように、女性は夜勤をする際に一定の保護を受けられますが、それ以外にも以下のような注意点があります。

4-1.体調管理が大変なことも

女性に限った話ではありませんが、夜勤の場合、体が慣れるまではきついと感じることがあります。

特に三交代の現場では生活リズムや体内時計が狂ってしまったり、日光を浴びる時間が短くなったりすることから体調を崩しやすくなる可能性があります。

生活リズムを整えるためには、就業前や休憩時間に睡眠をとるなど、睡眠不足にならないように気をつける必要があります。

また、日光を浴びる時間が短いと心身ともに不調になる可能性があるので、休みの日は積極的に外に出て日光を浴びる心がけも必要です。日光を浴びることで心身の健康につながることはもちろん、気分転換になって仕事のモチベーションアップも期待できます。

夜勤の体調管理についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

4-2.家族やパートナーと時間が合わない

家族やパートナーとの時間が合わなくなる可能性があることも、女性が夜勤をするうえでの注意点です。時間的なすれ違いはもちろん、子どもがいる家庭では子育てをどのように分担するかという問題も発生します。

顔を合わせない時間が長引いたときでも手書きメモやSNSを利用してコミュニケーションを取ったり、生活スタイルについてパートナーと定期的にしっかり話し合ったりして、不満が出ないようにしましょう。

4-3.防犯面で不安がある

解説したとおり、事業主は女性一人だけで作業することを避けるように努めることが法律で定められています。とはいえ、通勤時はどうしても一人になる瞬間もあり、不安を感じることもあるでしょう。

対策として、まずは防犯ブザーを常に携帯し、可能であれば2人以上で通勤できないか検討しましょう。

一人での通勤になってしまう場合は、

  • 暗い近道より、遠回りでも明るい道を通る
  • 駐輪場はひと目のあるところにする
  • 交番やコンビニなど、万が一の際に逃げ込める場所を把握しておく

といった対策も大切です。

5.女性の工場夜勤に関するQ&A

最後に、女性の工場夜勤に関してよく聞かれる質問とその回答をご紹介します。

5-1.実際に働く前に工場の様子を知りたいのですが、どうしたら良いでしょうか?

求人票だけでは伝わらない工場の夜勤の様子や社風を知りたい場合、転職サイトの面談サービスなどを利用しましょう。転職サイトによっては面談を通じて職場の雰囲気を確認できます。

例えばJOBPALでは、面談を通じて募集要項や求人票だけではわからない夜勤の様子や社風、業務内容などをキャリアパートナーから教えてもらえます。

5-2.夜勤中に仮眠を取ることはできますか?また、仮眠室はあるのでしょうか?

夜勤があって夜間に仮眠をとる必要がある職場など、一部の工場では仮眠室が設置されています。

なお、仮眠室は男女別で設置しなければいけないと労働安全衛生法で定められているので防犯上も安心です。

6.まとめ

工場の夜勤は男性向けというイメージがあるかもしれませんが、体力や腕力があまり必要ない部署での仕事なら女性でも十分に戦力として働けます。

ただし、パートナーとのすれ違いや子育て・介護の時間の確保など、夜勤を始めるまでにクリアすべき課題もあります。

不安な場合はJOBPALの面談サービスを利用し、夜勤で心配なことを相談してみることをおすすめします。

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