物流事務とは?仕事内容や仕事の難しさ、しんどさを解説

この記事で分かること
- 物流事務は、伝票作成やメール対応など商品の入出荷に関する事務作業が中心
- 在庫管理や出荷手続きなどの作業が多く、人とのコミュニケーションの多さがしんどいと感じる方もいる
- 顧客から直接感謝される場合があるなど、人と接する楽しみが味わえる
- コミュニケーション能力が高いなら向いているが、もくもくと作業したいなら向いていない可能性がある
- 物流事務になるのに必要な資格はなく、最低限のパソコンスキルなどがあれば挑戦できる
※この記事は5分30秒で読めます。
「物流事務の仕事はしんどいって本当?」
「物流事務の業務内容ややりがいを知りたい」
など、物流事務の仕事に関して興味や疑問を持っている人もいるでしょう。
物流事務とは、商品の入出荷に関する事務作業を担う職種であり、コミュニケーションを取る楽しみを味わいながら働けるのが特徴です。
今回は、物流事務の仕事の概要やしんどい部分、やりがい、向いている人の特徴などを解説します。この記事を読めば、物流事務の仕事の魅力や、働く際に必要なスキルなどがよくわかり、前向きな気持ちで応募を検討できます。
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1.物流事務とは?
物流事務とは、商品の入出荷に関する事務作業を担当する職種のことです。
インターネット上で販売をおこなっている企業は多いですが、すべての企業が自社配送のシステムや倉庫をもっているわけではありません。多くの企業は、物流会社の倉庫や配送システムを借りて運営をしています。
物流事務は、そうした販売業を手がける企業で、業者から送られてきた商品を受け入れ消費者のもとに届けるまでに生じる事務作業を担っています。
2.物流事務の仕事内容
物流事務は、運送会社や配送センターにて以下のような物流に関する事務作業を担当します。
- 商品のデータ入力
- 入荷、出荷に使用する伝票作成
- メール・電話、窓口対応
- ドライバー対応
事務要素が強い作業だけでなく、対人的な業務に関しても役割を担います。
2-1.商品のデータ入力
倉庫内の商品の在庫管理のためのデータ入力をおこないます。
入荷・出荷のステータスを更新し、正確な在庫状況を把握できるようにします。
2-2.入荷、出荷に使用する伝票作成
商品の配送に必要な伝票を作成します。
伝票をもとに配送手続きがおこなわれるため、日々大量の伝票が必要となります。
2-3.メール・電話、窓口対応
一般事務と同様、メールや電話の対応も重要な仕事です。
倉庫やセンターに窓口が設置されている場合は、顧客対応も担います。
2-4.ドライバー対応
ドライバーに対し、配達時間の指定やルートの指示をおこないます。
渋滞やトラブルによる遅延などについて、ドライバー側から連絡を受けることもあります。
3.物流事務の仕事の一日のスケジュール例
物流事務は、どのような流れで一日の業務をこなしていくのでしょうか。物流事務の仕事の一日のスケジュール例は、以下のとおりです。
時間 | 業務 |
8時 | 出勤・朝礼 |
8時半 | メール対応 |
9時 | 在庫確認・管理 |
10時 | 出荷準備・手配 |
12時 | 休憩 |
13時 | データ入力 |
14時半 | 顧客対応 |
15時半 | 書類作成 |
16時半 | メール対応 |
17時 | 翌日の準備・退勤 |
上記のとおり、内部での事務作業や外部との連絡など、一日中さまざまな業務の予定があるのが特徴です。
特に、在庫管理や出荷準備などの仕事は、現場の配送スケジュールに合わせて作業をおこなわなければならないため、時間に追われることがあります。
この他にも、緊急の配送依頼や納品トラブルの対応など、予想外の業務が発生する可能性もあります。そのため、今やるべき仕事は何かを慎重に見極めつつ、効率を意識して仕事をこなしていくことが大切です。
4.物流事務の仕事の難しさ、しんどさ
物流事務の仕事は、一般事務とは異なる仕事の難しさから、しんどいといわれることがあります。
物流事務の仕事の主な特徴は、以下の4つです。
- コミュニケーション能力が必要になる
- 業務の幅が広い
- 迅速な対応が求められる
- クレーム対応がある
ただし、これらの特徴をしんどいと感じるかは、人によって異なります。それぞれ詳しく解説するので、自身にとって難しいかどうか確認してみましょう。
4-1.コミュニケーション能力が必要になる
物流事務の仕事は、同じ事務職のスタッフだけでなく、社内外のさまざまな関係者と関わりながら仕事をするため、多方面に配慮してコミュニケーションを取らなければなりません。
ときには相手の状況に配慮して妥協しなければいけない場面も出てきます。各所へ根回しをしたり、顔色を伺ったりしながら、相手に不快感を与えないように配慮しなければならないこともあるでしょう。
コミュニケーションを取ることが苦手な方は、こういった他者への配慮をしんどいと感じてしまいます。
4-2.業務の幅が広い
物流事務の仕事は、通常の事務作業はもちろん、物流特有の作業が加わるため、幅広い業務をこなさなけれなりません。
具体的には、配送スケジュールの管理や、在庫確認、出荷手続き、ドライバーとの綿密な調整などの業務があります。場合によっては、一つの業務に時間と労力を大幅に費やし、それがストレスや疲労につながることもあります。
この業務の幅の広さは、やりがいを感じる源にもなりますが、人によってはしんどいと感じる一面にもなるでしょう。
4-3.迅速な対応が求められる
物流事務の仕事は時間との戦いで、状況の変化に素早く適応し、的確な判断を下す能力が求められます。
荷物の状況は常に変わり、顧客によって要望もさまざまです。しばしば発生する配送トラブルや急な注文変更など、予期せぬ事態への迅速な対応が求められるため、高い処理能力で複数の業務を同時にこなす必要があります。
このように、常に気を張って仕事をこなさなければならないのは、人によってはしんどいかもしれません。
4-4.クレーム対応がある
物流事務の仕事には、クレーム対応があります。クレーム対応では、顧客の声に耳を傾け、状況を正確に把握し、迅速に対応しなければなりません。
具体的なトラブルとしては、梱包が破損している、まったく違う商品が届いてしまったなどが挙げられます。このようなとき、どこに問題があるかを素早く調査し、顧客にとって最適な解決策を提案する必要があります。
感情的になっている顧客とやりとりしなければならないこともあるため、しんどいと感じることもあるでしょう。
5.物流事務ならではのやりがい
物流事務でこそ味わえる仕事のやりがいは、「ありがとう」と感謝される機会が多い点です。
正確かつ迅速な配送が求められる物流の世界では、スタッフ同士の連携が欠かせません。そのなかで、細やかかつ正確に仕事をこなせば、ミスを防ぐだけでなく無駄のないスムーズな業務の遂行にもつながるため、感謝される機会は多いでしょう。
慌ただしい中でも効率を考えて立ち回れたときには、自分の仕事ぶりやスキルに自信が持て、やりがいにつながります。
さらに、電話や窓口での顧客対応で直接人の役に立てる実感が持てたり、親身な対応をすると良い評価をもらえたりすることもあります。
6.物流事務に必要な資格やスキル
物流事務の仕事に必須となる資格はありません。物流事務の仕事は、データ入力や伝票作成、窓口対応などが中心で、専門性は求められないためです。
しかし「物流技術管理士」「運行管理者資格」などの専門資格があれば、物流に関する知識と能力の証明になり、キャリアの可能性が広がります。入社後に実務経験を積みながら取得を目指すのもおすすめです。
スキル面では、主に下記の5つが大切なポイントとなります。
- コミュニケーション能力
- WordやExcelの操作など最低限のパソコンスキル
- マルチタスク能力
- 問題解決能力
- データ管理能力
いずれも事務職の基本となるスキルであり、身につけていればすぐに戦力として活躍できるでしょう。ただし、職場によっては、上記すべてが必要ではない場合もあり、日々の業務を通じて磨いていけるものもあります。
7.物流事務の仕事が向いている人
物流事務に向いている人には、以下のような特徴が見られます。
- コミュニケーション能力がある人
- タスク管理能力が高い人
- 数字やデータ管理が得意な人
- 人と関わりながら働きたい人
それぞれの特徴についてお伝えします。
7-1.コミュニケーション能力がある人
毎日が時間との勝負となる物流の現場では、お互いに声をかけ合い、チームとして円滑な業務遂行を目指さなければなりません。
そのため、相手に配慮する気持ちを持ちつつ、こちらの意図を明確かつ端的に伝えられるコミュニケーション能力が役立ちます。
7-2.タスク管理能力が高い人
タスク管理能力が高い人も物流事務向きの人です。物流事務の業務は多岐にわたるため、 抜け漏れがないよう作業を洗い出し、優先順位を見極めながらこなす能力が求められます。
交通事情や天候など、こちらの意思でコントロールできない予定変更が生じることもあります。だからこそ、日頃のタスク管理が非常に重要なのです。
7-3.数字やデータ管理が得意な人
物流事務の仕事は、在庫数の把握、出荷量の記録、配送スケジュールの管理など、あらゆる場面で正確な数値処理が求められます。細かい数字を扱うことやデータ管理が得意な人は、物流事務の世界で活躍できるでしょう。
例えば、Excelなどを駆使して効率的に在庫を管理したり、出荷データを正確に入力したりする能力は、大きな強みとなります。また、ミスを見逃さない高い注意力を持つ人も、物流事務に向いています。
7-4.人と関わりながら働きたい人
人と関わりながら働きたい人にとって、物流事務は日々喜びを感じながら働ける仕事でしょう。
物流の仕事はチームで進めるものであり、人と積極的に関わらなければスムーズな作業は実現しません。
8.物流事務の仕事が向いていない人
仕事には人によって向き不向きがあるものです。物流事務の仕事にも向いていない人はいます。
- 単純作業が好きな人
- 一人で仕事を進めたい人
自分が当てはまらないか確認しておきましょう。
8-1.単純作業が好きな人
単純作業を好む人は、物流事務向きであるとはいえません。
物流事務の仕事には、臨機応変な対応が求められるため、コツコツ同じ作業を継続したい人にとっては苦痛を感じる仕事となってしまいます。
8-2.一人で仕事を進めたい人
一人で仕事を進めたい人も、物流事務には向いていません。
物流事務には、社内外さまざま人との関わりが生じ、チームで仕事を進めていくことになります。そのため、自分のペースで黙々と仕事に向き合いたい人は、ストレスを感じてしまうでしょう。
9.未経験から物流事務で働くのはしんどい?
業務範囲が多岐にわたる物流事務の仕事ですが、入社時点で必ずしも高度なスキルが求められるわけではありません。そのため、異業種・異職種からの転職でも、内定を獲得することは十分可能です。
ただし、誰でも内定をもらえるわけではありませんので、未経験から働きたいのであれば、物流に関する業界研究をおこなったり、事務に必要な資格の勉強をしたりして、働きたい意欲が高いことを面接でアピールする必要があります。
もし未経験からの転職で不安を感じているなら、転職相談を利用することをおすすめします。
JOBPALでも、就職や転職に関する相談を受け付けています。経験豊富なキャリアパートナーが転職活動をサポートするので、お気軽にお問い合わせください。
10.まとめ
物流事務とは、商品の入出荷の事務作業を担当する職種です。業務の幅が広く、物流の状況の変化に応じて臨機応変な動きも求められるため、しんどいといわれることがあります。
一方、顧客から直接感謝される場面が多く、効率的に業務をこなせば達成感を得られるなど、やりがいのある仕事です。
物流事務になるために専門的な資格は特に必要なく、事務職の基本スキルや、人と関わることが苦にならない性格が備わっていれば、未経験でも挑戦できます。
事務関連の仕事は人気の職種のため、求人が早くなくなる可能性がありますので、少しでも気になる求人があれば、積極的に応募してみましょう。
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