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更新日:2024年05月29日

総合職と一般職とは?仕事内容や給与、キャリア制度の違い

総合職と一般職とは?仕事内容や給与、キャリア制度の違い

※この記事は6分30秒で読めます。

「総合職ってどのような仕事?」
「総合職と一般職の違いを知りたい」
など、総合職と一般職に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

総合職とは、さまざまな業務を総合的に担当し、企業の幹部候補としてキャリアアップできる職種です。一方、一般職は総合職のサポート業務がメインとなり、一つの部署でコツコツと仕事を続けていく縁の下の力持ち的存在です。

今回は、総合職と一般職の概要、2つの違いと向いている人の特徴、選び方などを解説します。この記事を読めば、総合職と一般職のことがよくわかり、自分にどちらの職種が向いているか判断できるようになります。

1.総合職と一般職の仕事内容とは?

総合職はその名のとおり、さまざまな仕事を総合的におこなう職種です。仕事内容は多岐にわたり、営業、企画、人事など、本人の希望や適性に応じて配属されます。例えば、事務系総合職や技術系総合職、営業系総合職などがあります。

なかには、総合的に仕事をこなせる人材として、総合職として入社した人材を将来の幹部候補として育てている企業もあるようです。

また、幅広い業務に関わることが求められるため、ジョブローテーションで部署異動や転勤の可能性もあります。

一般職は、入社の時点である程度仕事内容が固定されていて、同じ仕事を長く担当することになり、基本的に異動や転勤はありません。総合職の方がスムーズに業務をおこなうためのサポート業務が中心となります。一般事務や経理事務などの事務職の他、営業職などもあります。

2.総合職と一般職の違いとは?

総合職と一般職は、同じ会社で働いていたとしても、給与制度やキャリア制度などで違いがあります。ここでは大きな違いを3つご紹介します。

2-1.給与制度の違い

令和2年賃金事情等総合調査の結果をもとに、「大学卒の事務・技術労働者」をモデルにした総合職と一般職の勤続年数別の所定内賃金の推移を表にまとめました。

【勤続年数別モデル所定内賃金】

年齢(歳) 勤続年数(年) 総合職 一般職
22 0 22万2千円 20万1,700円
25 3 24万9,800円 21万8,800円
30 8 32万700円 25万9,700円
35 13 39万1,200円 29万2,600円
40 18 45万8,800円 33万500円
45 23 52万4,800円 37万1,800円
50 28 57万4,100円 40万6,500円
55 33 60万6,700円 41万5,700円
60 38 58万4,700円 38万円

総合職と一般職を比較すると、総合職のほうが2万円ほど初任給が高いことがわかります。また、勤続年数が長くなるにつれその差はひろがり、60歳まで勤続したとすると、給与の差は20万円にもなります。

総合職は業務内容が多岐に渡るため、給与が高い傾向にあります。業種によっては、基本給に加えインセンティブや手当が充実している場合もあり、そういった企業を選ぶことで、高収入を狙うことが可能です。

一般職はサポート業務が中心となるため、企業によっては総合職よりも給与が低い傾向にあります。また、インセンティブなどが用意されていない場合が多く、総合職と比べると高収入が狙いにくいこともあります。

2-2.キャリア制度の違い

総合職はさまざまな業務を経験できることが多く、業界全体の知識やスキルを身につけやすい環境にあるといえます。

また、異動や転勤によりいろいろな職場で数多くの同僚や上司に出会うことができ、学ぶ機会が豊富にあります。幅広い業務に触れるなかで自分にぴったりの業務が見つかれば、どんどん活躍して出世できる可能性もあるでしょう。

一般職の場合、一つの部署で働き続けることが多いため、長く働き続けることでキャリアを積み重ねることが可能です。長く働けば部署内の事情はおおよそ把握できるようになるため、「○○さんに聞けば間違いない」などといった、頼れる存在になることもできます。

ただし、サポート業務が中心であるため、総合職に比べて出世の機会は少ない傾向にあります。

2-3.研修・教育制度の違い

総合職はさまざまな業務に携わるため、それぞれについて教育を受けられる機会があります。入社時点で配属先が決まっていないこともあり、その場合は配属先が決まるまで、会社の事業全体をとおして学ぶ研修の期間に充てられることが多いです。

また、将来的に幹部や管理職に昇進していくことを期待して採用されているケースも多いため、プレゼン力やリーダーシップなど、リーダーに必要なスキルや知識を学ぶ研修がおこなわれることが多くなっています。

判断力、問題解決力などを身につけられるような教育もあり、企業の一線で活躍できるような人材を目指していけます。

一般職は、基本的に同じ業務を続けていくことになるため、自分が担当する業務に関する研修や教育はあるものの、総合職と比べると研修の期間や頻度は少ない傾向にあります。

変化の多い総合職と比較すると単調になりがちな仕事で、なかには毎日の仕事に対するモチベーションがさがってしまう方もいます。そのため、最近では働くモチベーションを維持する意識・行動変化のための研修を取り入れる企業も出てきました。

また、毎日の業務に対して常に改良を重ねられるようにするための業務改善研修や、業務の効率化のためのタイムマネジメント研修などを一般職の研修として取り入れている企業もあります。

3.総合職と一般職で採用区分がわかれている理由

1980年代のはじめ頃までは、「男性」「女性」など性別を限定した雇用制度があり、今でいう総合職のような仕事は、主に男性の仕事として扱われていました。

しかし、1985年に男女雇用機会均等法が成立され、性別による不利益が生じるような雇用の方法が禁止されました。そこで、「総合職」と「一般職」といったように、雇用の段階でキャリアコースをある程度定めて採用活動を進める企業が増えてきました。

このような雇用の方法を、「コース別雇用管理制度」といいます。コース別雇用管理制度があることで、男性だけでなく女性も総合職として入社し、幹部や管理職を目指していける機会がうまれました。

しかし、昇進を前提とした総合職は、今もなお男性の仕事といったような風潮がある企業もあり、厚生労働省が注意喚起をしています。性別により総合職か一般職かを分ける採用体制はもちろんのこと、運用上の男女の扱いの差別や、選考基準や採用基準の差別は違法行為です。

平成22年度には、募集・採用、配置について違法な男女の差別をおこなった企業6社について行政指導がおこなわれています。また、調査対象のうち93.8%にあたる121社に対し、雇用管理の是正のための助言がおこなわれました。

最近はIT技術の普及により、一般職の業務が効率化されてきました。それにより、正社員の一般職を雇用する必要性が下がり、アルバイトや派遣社員などが一般職の業務をおこなうことも多くなっています。

そのため、今後の正社員採用においては、コース別雇用管理制度が廃止され、総合職相当の職種に一本化されていく可能性もあります。

4.総合職に向いている人の特徴

以下のような特徴のある方は、総合職に向いている可能性があります。

  • キャリアアップしたい方
  • 企業のリーダーを目指したい方
  • 高い収入を得たい方
  • さまざまなスキルを身につけたい方
  • 新しいことにどんどんチャレンジしたい方
  • 異動や転勤があっても良い方

総合職として働くことで、昇進や高収入が期待できるでしょう。しかし、そのぶん業務内容は難しく、異動や転勤を繰り返す可能性もあります。また、周りから高いレベルを求められることで、プレッシャーを感じることもあるかもしれません。

このような大変さも含めて総合職としてチャレンジしたい方、異動や転勤になっても変化を楽しめる方、高収入を狙いたい方などにとっては、総合職は適職といえるでしょう。

5.一般職に向いている人の特徴

般職に向いている方には、以下のような特徴があります。

  • 裏方として企業を支えたい方
  • コツコツとした作業が得意な方
  • 同じ仕事を長く続けたい方
  • プライベートの時間も大切にしたい方
  • 異動や転勤をしたくない方

総合職のサポート職というと、「あまり重要な仕事ではないのかな?」と不安になる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

適切なサポートがあるからこそ総合職の方は仕事に専念でき、企業の裏方から支える方がいないと、どんなに良い事業をしている企業でも成長はできません。

あまり目立つ存在ではありませんが、裏方として企業を支えたい方や、コツコツと努力を続けていける方には、一般職が向いているでしょう。

また、その日の仕事が終われば定時で退社できる場合も多く、ある程度の収入は必要ではあるけども、趣味や家族との時間などのプライベートの時間を大切にしたい方、異動や転勤をせず、一つの場所で頑張り続けたい方にとっても、一般職は適職かもしれません。

6.総合職と一般職で迷ったときの考え方

今仕事を探していて、これからキャリアを積んでいきたいと考えている方のなかには、総合職で応募するか一般職で応募するか迷っている方もいるかもしれません。どちらも良い面と大変な面があるため、決めにくいこともあるでしょう。

総合職と一般職で迷ったときには、「仕事でどのように活躍したいか」「プライベートとのバランスはどのようにしたいか」など自分の将来を考えて整理してみましょう。

人生において、「仕事」をどのような位置づけにするかは、人それぞれです。たとえプライベートの時間が削られたとしても、ガツガツと仕事をして、高い評価を得て成長していきたいという方もいるでしょう。

逆に、仕事での評価はそこまで求めず、プライベートを充実させることを重視したい方もいると思います。自分が理想とする生活を実現するための職種選びができると良いでしょう。

具体的には、「会社で出世したい」「たくさん稼ぎたい」「仕事でどんどんスキルアップしたい」と考えている方は、総合職を選ぶと良いかもしれません。つまり人生の中心を「仕事」とし、それを核にして生活や人生を彩っていきたいという方です。

逆に、「サポート的な業務で周りを支えたい」「環境の変化を少なくして、長く同じ仕事をしたい」と考えている方は、一般職のほうが合うかもしれません。仕事を続けながらも、趣味や家族と過ごす時間を特に大切にして生きていきたいと思う方です。

もちろん、自分の考え方だけでなく、今までの仕事の経験や自分の性格なども考慮したうえで、どちらの仕事が自分に合うのかを考えると良いでしょう。そうはいっても、どちらが自分に向いているか判断できないという方もいるかもしれません。

そのような方は、キャリア相談を活用するのもおすすめの方法です。JOBPALでは、たくさんの方の転職相談を受け、適職をご紹介してきたノウハウがあります。あなたの経歴や希望などを聞いたうえで、一般職か総合職、どちらがあなたに向いているかアドバイスします。

まずは無料の面談応募からお申し込みください。

7.総合職と一般職のキャリアチェンジについて

一般職から総合職にキャリアチェンジできるかどうかは、企業の制度によって異なります。

男女の雇用の機会が法律上平等化されているといっても、総合職において、女性の割合は依然として低いのが現状です。

国は格差解消のため、総合職の女性割合が4割を下回っている企業に対し、総合職の女性の雇用や、一般職女性の総合職へのキャリアチェンジなどをおこなうことを推奨しています。

また、キャリアチェンジを後押しするため、一般職の労働者を対象として、総合職へのキャリアチェンジについての研修をおこなう企業もあります。このような取組をおこなっている企業であれば、性別に関係なく、総合職へのキャリアチェンジがしやすくなる可能性があります。

もちろん、具体的な取組がなくても、キャリアチェンジのための制度がある企業であれば、試験や面接を通過することによって総合職へのキャリアチェンジが可能です。キャリアチェンジを考えている方は、社内に支援や制度があるか確認してみると良いでしょう。

もしも今働いている企業にキャリアチェンジに関する制度がない場合、総合職を志したくても、実現することはできません。その場合には、総合職として転職することを検討しても良いかもしれません。

一般職から総合職の求人に応募することが不安な方は、一般職から総合職へのキャリアチェンジ制度がしっかりしている企業で、一般職として採用されるのも手段の一つです。一般職の仕事を通して企業に慣れながら、目標である総合職を目指してみましょう。

8.総合職と一般職に関するよくあるQ&A

総合職と一般職の取り扱いは企業によって微妙に異なることもあり、経験のない方にとっては特にわかりにくいことがあるかもしれません。ここでは、総合職と一般職に関するよくある疑問に回答します。

8-1.一般職から総合職への転職は難しい?

一般職から総合職への転職は可能です。同じ業種でも、総合職になることでより幅広い仕事を任せられることになる可能性が高いですが、これまでの経験を活かせる職種であれば、転職できる可能性は充分にあります。

例えば、一般職の経理アシスタントをしていた方が総合職の経理担当者の求人に応募した場合、経理の知識と業務内容をしっかりと把握していることなどが評価され、採用に結び付く確率が高くなる可能性があります。

面接の際には、さまざまな仕事を任される可能性や、異動や転勤の可能性なども踏まえ、どのような状況にも柔軟に対応できる姿勢を示すことが大切です。

また、総合職への転職を志した理由や、一般職での経験を総合職でどのように活かせるかなどをアピールできるように準備しましょう。

総合職は企業の将来へ向けた人材育成という面も担っているため、20代や30代の若手であれば、それほど経験がなくても、将来的な成長を見込んで採用してもらえる可能性もあります。

8-2.同じ企業の総合職と一般職の求人に両方応募できる?

転職サイトなどを見ていると、総合職と一般職の両方の求人を出している企業もあることに気が付くかもしれません。しかし、両方の求人を出している企業であっても、応募できるのは基本的に、総合職か一般職のどちらかになります。

仮にどちらの求人にも応募できたとしても、業務内容が異なるため、2つの面接で志望動機などに矛盾が出てしまうこともあります。面接官からの印象もあまり良くはならないため、採用してもらえる可能性は低くなるかもしれません。

一度総合職で落ちた場合、一般職での再応募ができない企業が多いため、原則どちらか片方に応募すると考えましょう。

応募する際には、企業研究をしっかりとし、「この企業の一般職か総合職のどちらで働きたいか」を慎重に検討しましょう。気持ちが決まったら、なぜその職種が良いのかをより深堀りすることで、説得力のある志望動機につながります。

8-3.総合職と一般職以外の選択肢はある?

総合職と一般職以外にも、さまざまな職種があります。例えば、化粧品や医薬品などの商品開発に関わる研究職や、理系や工学系の分野でものづくりに関わる技術職などです。

また、商品などを売りこむ営業職や、販売をおこなう販売職も職種の一つです。総合職に準じるポジションの準総合職や、総合職と一般職の間の業務をする中間職などがある企業もあります。

また、総合職のなかにもエリア総合職や地域総合職といって、転勤がなく決まったエリアで働くことができる総合職もあります。

9.まとめ

総合職は企業のなかで特に昇進し幹部などを目指すことのできる職種です。業務の幅は広く大変ですが、そのぶんスキルアップを見込めたり、給与が高かったりするメリットがあります。

一方、一般職は総合職のサポート的ポジションの職種です。総合職と比べると給与などが低い傾向がありますが、同じ部署でコツコツと働くことができ、プライベートの時間も確保しやすくなっています。

もし、今の職種が自分に合っていないと感じている場合には、転換制度や転職などの方法でキャリアチェンジを検討してみると良いかもしれません。

JOBPALでは正社員の求人を掲載しています。キャリアチェンジを検討している方はぜひ求人を探してみてください。

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