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更新日:2023年11月27日

石工とは?仕事内容や平均給与、やりがいや向いている方の特徴を解説

石工とは?仕事内容や平均給与、やりがいや向いている方の特徴を解説

※この記事は5分で読めます。

「石工ってどのような仕事?」
「石工として働くメリットが知りたい」
など、石工に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

石工は石材を切り出し加工して墓石や石灯籠、石鳥居などを作る仕事で、何十年と残り続けるものを作る点に特徴があります。

今回は、石工の概要、石工の仕事内容、やりがいと魅力、向いている方の特徴などを解説します。この記事を読めば石工のことがよくわかり、働く自分の姿がイメージできるようになります。

1.石工とは?

石工(せっこう)とは、石に関して幅広い分野で活躍する職業のことです。一般的には「せっこう」と呼ばれていますが、石工業界では「いしく」と呼ばれることもあります。

仕事は、採石場での石の切り出しや墓石の刻印・設計・設営、石垣の復旧、建築現場のタイル張り、薄い石の敷き詰めまでさまざまです。

2.石工の仕事内容

石工の仕事には、大きく分けて、採石場で石を切り出す丁場(ちょうば)の石工と、石材への彫刻やお墓の施工を担当する石材店の石工があります。

丁場の石工は、以下のような方法を用いて岩盤から石を切り出すことが仕事になります。

  • 黒色火薬を発破して岩盤を割る
  • ジェットバーナーで岩盤を焼き切る
  • ダイヤモンドを含むワイヤーで切断する

石材店の石工が加工する石を切り出す重要な仕事ですが、これら採石の仕事は減少傾向にあります。

一方、石材店の石工は、切り出された石をお墓などに利用できるように加工し完成させます。石仏、石灯籠(いしどうろう)、石鳥居といった大型の石細工を製作したり、壁や柱、石垣などを製作する建築関連の作業も石工の仕事の一部です。

主な作業は以下のとおりです。

  • お墓などの大きさに合わせて石材を切断
  • 整形加工
  • 彫刻
  • 研磨やつやだし
  • 墓地での設置
  • アフターフォロー など

石切機を用いて大理石や花こう岩を決められた寸法に切り出して石材の表面を研磨し、のみなどを使って文字や模様を掘ることで墓石などを製作します。

3.石工のやりがいと魅力

石工として働く魅力は、大きく分けて以下の3つが挙げられます。

3-1.ものづくりに携われる

石工の仕事で一番やりがいや達成感を感じるのは、仕事で携わった石材がきれいな墓石や石灯籠などの完成品に生まれ変わったときです。

切り出した状態の石を研磨したり彫刻したりして完成品を作りあげる仕事は、石工ならではのものです。ものづくりが好きな方は、石工の仕事には大きな魅力を感じるでしょう。

3-2.手がけたものが形になって残る

石材店といえば墓石が思い浮かびますが、その他にも石の仏像や石畳、灯篭、さらに大きなものでは橋を作ることもあります。

数十年、さらにその先までずっと残り続けるものを手がけることが、石工の仕事の特徴です。

自分が手がけた完成品が子どもの代、孫の代までずっと残って使われていくことは、ものづくりが好きな方にとって大きな魅力・やりがいにつながるでしょう。

また、ときには河川敷のタイル張りなど、市民の日常に深く関わる公共事業に参画することもあります。

3-3.多くの人から感謝される

石工が作り上げる製作物は、墓石、石灯籠、石鳥居など、神社や仏閣に関係するものが多くあります。

特に墓石は先祖をまつる重要なものとして注文を受けるため、完成品を納品すれば多くの人から「ありがとう」と感謝されることも多い仕事です。

自分が手がけたものが人の生活の一部になり、お礼をいってもらえる仕事は、そう多くはないでしょう。

4.石工に向いている人の特徴

石工の仕事は石材を加工する仕事であり、職人的な仕事であることから、向き・不向きがハッキリと分かれます。ここでは石工に向いている人の特徴を3つ挙げます。

  • 職人気質な人
  • 真面目な人
  • コツコツと物事を進められる人

4-1.職人気質な人

石工として一人前になるには10年かかるともいわれており、すぐに技術をマスターできるものではありません。

先輩や親方の見習いとして勉強することになりますが、石工は大工やとび職のような職人気質の性格をもったベテランが多い世界です。

見て覚える、技を盗むという職人の性格を理解して早く一人前になるためにも、技を身につける意味でも、見習う側も職人気質であるほうが良いでしょう。

以下の記事では、職人の仕事について詳しく解説しています。

4-2.真面目な人

石材は耐久性が高い一方、石ごとに異なる性質を理解して繊細な加工をおこなう難しさがあります。

真面目で勉強熱心な方なら石に関して勉強を欠かさず、材料によって最適な加工方法で完成品を作り上げることができます。

また、何十年以上も残り続ける石細工を作るには妥協が許されず、丁寧な仕事ぶりが要求されます。そのような観点からも、石材加工には真面目な方が向いています。

3.コツコツと物事を進められる人

近年は石材の加工にもコンピュータが導入されて機械化が進んでいますが、重要なところはいまだに手作業で加工がおこなわれます。

手作業で石を削ったり研磨したりしていくには相応の時間がかかるため、根気がいります。そのため、長期に及ぶ作業でも集中力を切らさず、コツコツとひたすら作業できる方に向いています。

5.石工になるには?

石工の世界では、親から子へ家業が引き継がれるケースが少なくありません。しかし、現在は石工へのなり手が減少しているとされており、業界未経験で就職したり中途採用で転職したりすることも可能です。

未経験から始める場合、まず石材加工会社や石材店に見習いとして就職することになります。一般企業と同じように就職・転職フェアで説明会を開いたり、ハローワークでの募集に応募したりと、就職・転職に至るパターンはさまざまです。

就職後は、親方・先輩の見習いとして働きながら技術を磨き、一人前を目指すことになります。

6.石工の平均給与

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、石工の平均年収は437万7千円でした。

一方、「令和3年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本の給与所得者全体の平均は443万円でした。

石工の平均年収は、全体平均と比較してもほぼ同じ水準です。

ただし、職人の一種である石工の給与は、スキルや経験によって変動します。年齢が上がるごとに平均給与が上がっていき、45~49歳で517万1,600円のピークを迎えます。

長く勤務して石工としてのスキルを身につければ、全体平均以上の年収を狙うことも可能でしょう。

7.石工におすすめの資格

石工としてのスキルを証明する資格に「石材施工技能士」があります。

石材施工技能士は都道府県の職業開発能力協会が実施する技能検定で、石材加工に関する試験に合格した方に与えられる国家資格です。

資格を取得すると、建設業許可における「石工事(一般)」の選任技術者になれます(2級の場合は合格後1年以上の実務経験が必要)。

資格は「石材加工作業」「石張り作業」「石積み作業」に分かれており、それぞれ1級~3級があります。3級は実務経験なしでも受験可能ですが、2級は実務経験のみなら2年以上、1級は7年以上が必要になります。

試験は学科だけでなく実技も含まれるのが特徴で、実技試験では石材加工作業、石張り作業、石積み作業などをおこないます。

石材加工会社などに就職して実践で経験を積むことが、石材施工技能士を取得するうえでは有効でしょう。

8.まとめ

石工は、墓石をはじめ日本の宗教関連の建造物と関係が深い仕事です。墓地や神社・仏閣がある限り石工の仕事がなくなることなく、人々から必要とされる仕事であり続けるでしょう。

完成品はどれも生活に密着したものが多く、仕事を通じて感謝されたり完成品が後世まで残ったりするところに魅力ややりがいがあります。

最初は見習いからのスタートになりますが、努力して技術を身につければ給与も増し、資格取得をすることでさらにキャリアアップを目指すこともできます。

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