調理補助とは?主な仕事内容や一日の流れ、未経験でも働けるのかを解説
※この記事は6分30秒で読めます。
「調理補助ってどのような仕事?」
「調理補助で働くメリットを知りたい」
など、調理補助の仕事に関して詳しく知りたい方もいるでしょう。
調理補助とは厨房において調理師を補助するスタッフのことです。食材の仕込みや食器洗浄など、調理場全体の雑務を任され、ときにはホールの業務もおこないます。
今回は、調理補助の概要、仕事内容や必要なスキル、向いている人の特徴などを解説します。この記事を読めば調理補助のことがよくわかり、料理が好きな方は好きを仕事につなげられます。
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1.調理補助とは?
調理補助は、その名のとおり「調理の補助」の仕事のことです。
厨房で調理師の指示に従い、食材の仕込みや簡単な調理、食器の準備や片付けなど調理場における雑務全般をおこないます。場合によってはできあがった料理の提供やテーブルの片付けをおこなうこともあります。
同じく厨房で働く調理師は、国家資格の調理師免許を持った方のことを指し、調理をメインでおこないます。調理補助においては特に資格などは必要ありませんが、食品の扱いや衛生面については入社してから知識を身につける必要があります。
働く職場は、レストランや病院、介護施設、学校の給食室などさまざまです。多くの方がパートタイマーで、女性が多い傾向にあります。勤務形態はシフト制がほとんどで残業は少ないですが、職場によっては短時間の残業が発生することもあります。
また、近年は人手不足が問題となっています。
2.調理補助の主な仕事内容
調理補助は職場によって仕事内容が異なります。ここでは一般的な仕事内容をご紹介します。
2-1.食材の下ごしらえ
基本的に調理は調理師がおこないますが、簡単な下ごしらえなどは調理補助の仕事です。どの程度任されるかは職場によって異なりますが、野菜の皮むきや食材を切るなどが多いようです。
ドリンクの提供をしているレストランなどでは、ドリンク業務をすべて任される場合もあります。
2-2.食器の準備や皿洗い
オーダーが入って調理師が料理を作る際、完成のタイミングに合わせてお皿の準備をします。職場によっては料理に使うお皿の種類が細かく分かれている場合もあるので、間違いのないように覚える必要があります。
また、片付けたお皿を洗うのも調理補助の役割です。食洗機を導入している厨房の場合は使い方を覚える必要がありますが、感覚的に使えるものが多いようです。数は多くはないですが、手洗いの職場もあります。
使用済みの食器はどんどんたまっていってしまうため、他の業務の手が空いたタイミングなどで素早く効率的に洗う必要があります。
2-3.調理器具の用意
オーダーが入ったら、必要な調理器具をセッティングします。
直接調理をしなくても、どの料理にどの調理器具を使って作られるのかを把握しておく必要があります。調理器具の場所などもあわせて頭に入れるようにしましょう。
2-4.料理のオーダー
飲食店の勤務であれば、料理のオーダーをとることもあります。
大きいレストランだと、オーダーがタッチパネル式になっていたり、調理補助の他にホールのスタッフがいたりする場合もありますが、小〜中規模のお店だと、調理補助がホールの役割も兼ねることもあります。
お客様に呼ばれたら、オーダーの用紙や端末をもってテーブルに伺い、オーダーを聞いて記録します。オーダー間違いがないように、オーダーを聞き終わったあとにお客様に再度確認します。
端末を使用する場合は、お店によって仕様が異なるため、空き時間で練習して操作に慣れる必要があります。手書きの際は、書くスピードを意識しながらも、誰が見てもわかるように丁寧に読みやすい字を心がけましょう。
2-5.料理をお客様に出す・片付け
オーダーと同様、ホールの業務も兼ねる調理補助の場合、料理の提供とテーブルの片付けも調理補助の仕事です。
調理師が料理を作り終わったら、どこのテーブルに持っていくのかを確認してすぐに提供します。お皿の置き方などはお店のルールに従ってください。
提供後はテーブルの様子を常に見ておき、タイミングを見て片付けましょう。デザートや食後のドリンクのオーダーが入っていた場合には、食べ終わった食器を下げたあとにデザートやドリンクを提供します。
2-6.調理場の清掃
調理場を清潔に保つのも調理補助の大事な仕事です。衛生面や異物の混入などには細心の注意を払う必要があり、調理場は常に清潔を保たなくてはなりません。
特に介護施設や学校などの集団施設の場合には、食品の加熱や保管に十分に配慮して、集団感染の防止に努めます。
調理器具・食器の洗浄や水回りはもちろんのこと、1日の最後には床やコンロの掃除もするのが好ましいでしょう。
3.調理補助の一日の流れ
働く職場によって調理補助の出勤時間や一日の流れもさまざまですが、一例として、病院の給食施設における調理補助の一日の流れをご紹介します。
流れはだいたい決まっていますが、業務が始まるとスピード感が求められるので、さまざまな状況に臨機応変に対応していく必要があります。
- 出勤
- 朝礼
- 調理補助業務
- 清掃
決められた時間に出勤し、ユニフォームを着用します。髪の毛の混入を防ぐため帽子もかぶり、帽子から髪の毛が出ないように整えます。
全員がユニフォームを着用した状態で朝礼をします。その日の計画やメニュー、留意点などを全体で共有します。
手洗い・消毒を済ませたら、食材の仕込み、盛り付けなどの調理師の補助、朝食の配膳・下膳、食器洗いなどをおこないます。昼食や夕食についても同様におこないます。
一日の業務が終了したら、キッチン回りや床などの清掃をして退勤します。
4.調理補助のやりがい
調理補助は立ち仕事で、特に夏などは厨房の室温も高くなり、体力が必要となります。しかし、料理が好きな方にとってはやりがいのある仕事です。
調理補助のやりがいを5つご紹介します。
4-1.好きを仕事にできる
料理が好きな方にとっては、好きなことが仕事につながるため大きなやりがいを感じるでしょう。たとえ調理師でなくても、調理に関わり、料理を完成させて提供することには達成感があります。
もっと調理を勉強したいなら、調理師のテクニックを近くで見ながら、自分でも調理師免許の取得を目指すのも良いでしょう。
4-2.経験を活かせる
例えば専業主婦が長い方や、一人暮らしが長い方など、日頃から料理をする習慣がある方にとっては普段の料理の経験を活かせる絶好の職場です。
毎日料理をする方なら、ある程度手順もわかっており手際も良いため、未経験でも即戦力として活躍できる可能性があります。日常の経験を仕事に活かせるというのは、仕事のやりがいにつながります。
4-3.料理を喜んでもらえる
調理の仕事のやりがいはなんといっても料理を喜んでもらえることです。お客様の喜んでいる姿を想像して働けば、たとえ厨房の業務が大変でも頑張る意欲が湧くでしょう。
特に、ホールも担当する業務だと、提供した瞬間のお客様の「おいしそう!」という喜びがうれしいものです。
片付けや会計のタイミングなどに、「おいしかったです」と声をかけてもらえる可能性もあり、お客様の反応を直接見ることができるのは大きなやりがいにつながります。
4-4.未経験でも働ける
調理補助は未経験可の求人も多数あります。
料理は好きだけれど、仕事として働いたことがない方でもチャレンジすることができ、好きなことに関わりながら働けることにやりがいを感じられるでしょう。
また、新しいことに挑戦して自分のスキルを上げていけるのもうれしいポイントです。
4-5.調理師を目指せる
将来的に調理師を目指している方にとっては、調理補助の仕事をすること自体が夢への第一歩です。
憧れの調理師の仕事ぶりを間近で見られますし、自分も調理師を目指していることを伝えれば、業務の合間に調理の知識を教えてもらうこともできるかもしれません。
なお、調理師は国家資格なので、調理の業界で長く働くのならぜひ取っておきたい資格です。
5.調理補助に向いている人の特徴
調理補助はやりがいのある仕事ですが、他の仕事と同様に、すべての方に向いているとは限りません。では、調理補助に特に向いているのはどのような方でしょうか。
5-1.とにかく料理が好き
とにかく料理が好きという強い気持ちを持っている方は、調理補助に向いています。ただ、調理の仕事は楽しい面もありますが、オーダーが立て込んだときなどはとても忙しく、体力が必要な仕事であることも事実です。
しかし、たとえ大変な環境であっても、それを超えるくらいの料理への熱意があるなら、調理補助の仕事は向いているでしょうし、長く働いた先のキャリアアップも目指せるでしょう。
5-2.人とコミュニケーションを取るのが好き
人とコミュニケーションを取ることが好きで、場を和ませたり相手を笑顔にしたりすることが得意な方には調理補助の仕事も向いているでしょう。
調理補助は、職場によっては接客を担当することもあります。お客様に気持ちよく料理を食べてもらうため、笑顔の接客は欠かせません。
また、配膳や片付け時のちょっとした会話で場を和ませることができれば、お客様により一層お料理を楽しんでもらうことができるでしょう。
5-3.気持ちのオンオフの切り替えができる
ときには料理を提供したタイミングでクレームを受けたり、調理師から指導が入る場合もあるでしょう。
また、不注意で食材をダメにしてしまったり、食器を割ってしまったりする可能性もあります。そんなときでもオーダーが立て続けに入るなど、手が止められない状況も考えられます。
厨房は常に動き続けなくてはいけないので、トラブルが起きたときにずっと落ち込んでいると、その他の業務にも支障がでてしまいます。気持ちがずっと落ち込んだままではなく、すっと切り替えて次に活かそう!と頑張れる、失敗を糧にできる方は調理補助の仕事に向いているかもしれません。
6.調理補助の平均給与
調理補助の令和4年の平均年収は339.5万円、平均月収は23.5万円です。一般労働者全体の令和4年平均年収が311.8万円なので、平均よりも少し高い水準にあることがわかります。
ただし、パートタイマーやアルバイトが多い業種でもあるため、時給や勤務時間によって収入は大幅に異なります。自分が希望する雇用形態、就労時間などで月に稼げる金額をシミュレーションしてみるのも良いかもしれません。
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参照:厚生労働省|jobtag「調理補助」
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/492
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参照:厚生労働省|令和4年賃金構造基本統計調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/dl/01.pdf
7.調理補助として働くには?
では、実際に調理補助として働くためには、どのような資格やスキルが必要なのでしょうか。
7-1.必要な資格
調理補助には特に必要な学歴や資格などはありません。高卒未満の方から大卒の方まで、さまざまな学歴の方が業務にあたっています。
衛生管理について細心の注意を払う必要があるため、食品管理や衛生管理の研修などが繰り返しおこなわれることが多いです。
7-2.必要なスキルや能力
資格や学歴は必要ありませんが、スキルや能力によって調理補助に適性があるかどうかが変わってきます。調理補助に求められるスキル・能力を3つご紹介します。
7-2-1.体力がある
厨房の仕事は基本的に立ちっぱなしの仕事です。厨房内、あるいはホールまでを動き回る必要があり、体力が必要です。
また、自分の仕事をしながらも調理師の動きや客席の状況などに気を配る必要があり、業務中は常に神経を研ぎ澄ませ、集中力を維持する力が必要とされます。
7-2-2.衛生観念が高い
衛生観念の高さは調理補助の必須項目としてあげられるでしょう。食材の扱い方、保管の仕方、手指の消毒など、普段の生活の何倍もの衛生観念で仕事にあたらなくてはなりません。
衛生管理に対して、「きっと大丈夫だろう」といった妥協はNGです。初期研修などを通して自分の衛生観念が低いと感じたら、その場で考え方を変える必要があります。
7-2-3.マルチタスクが得意
調理師の補助をしながら、オーダーをとり、片づけをして食器を洗い、会計をするなど、調理補助は業務中に複数のタスクを効率良くこなしていかなければなりません。
常に身体を動かしながら、無駄のない手順でマルチタスクをこなすことが得意な方は、調理補助としても活躍できるでしょう。
7-3.未経験でも働ける?
必要なスキルはありますが、資格も学歴も問われない調理補助は未経験でもチャレンジしやすい業種です。
人手不足なこともあり、未経験でも歓迎してくれる職場も多いでしょう。業務は幅広いですが、入ってから覚えれば問題ありません。気になっている方はまずチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
8.まとめ
調理補助の仕事内容は働く現場によってさまざまですが、主に食材の仕込みや食器洗浄、調理のサポートなどをおこないます。あくまで調理師の補助ですが、料理の勉強をすることもでき、スキルアップして調理師を目指すこともできます。
レストランなどで働く場合にはホールの仕事まで任されることもあり、お客様と直接関わり、自分が携わった料理のリアクションを見られるのもうれしいことです。
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