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更新日:2023年11月27日

ボイラー整備士になるには?資格の取り方や仕事内容、向いている方の特徴を解説

ボイラー整備士になるには?資格の取り方や仕事内容、向いている方の特徴を解説

※この記事は5分30秒で読めます。

「ボイラー整備士ってどのような仕事?」
「ボイラー整備士として働くために必要な資格が知りたい」
など、ボイラー整備士に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

ボイラー整備士は、ボイラーの整備・メンテナンスのスペシャリストであり、工場などの空調設備を安全な状態に保つための重要な仕事です。

今回は、ボイラー整備士の概要、ボイラー技士との違い、ボイラー整備士の平均年収、向いている方の特徴などを解説します。この記事を読めば、ボイラー整備士のことがよくわかり、転職活動の参考にできるでしょう。

1.ボイラー整備士とは?

ボイラー整備士は、施設で使用される一定規模以上のボイラーが正常な状態で使用できるように管理することを目的に、労働安全衛生法に定められた国家資格です。

ボイラーの清掃業務に特化した資格であり、特定のボイラー整備はボイラー整備士を取得した方でなければできません(業務独占資格)。大型のボイラーや「第一種圧力容器」の整備には必須となります。

免許交付要件として実務経験が必要になることから、すでにボイラーの業務をしている方が業務範囲拡大を目指して取得することが一般的です。

1-1.ボイラー技士との違い

ボイラーに関して似たような名称の仕事がいくつかありますが、今回はボイラー整備士とボイラー技士との違いをご紹介します。

ボイラー技士は、ボイラーを使って熱を作り供給することが仕事です。特級・1級・2級の3段階があり、上位資格ほど扱えるボイラーの種類が増えていきます。

簡易ボイラー・小型ボイラーなどは資格がなくても取り扱えます。ただし、伝熱面積が3㎡以上のボイラーに限っては、ボイラー技士の資格が必要となります。

ボイラー整備士とボイラー技士の違いをまとめると以下のとおりです。

ボイラー整備士 一定規格以上のボイラーや第一種圧力容器を点検・整備するための資格
ボイラー技士 ボイラーを運転し、水に熱を加えて温水や蒸気を作る操作をするための資格

つまり、ボイラー整備士はボイラーを整備する資格、ボイラー技士はボイラーを操作する資格です。

「ボイラーを操作して、必要な整備もする」という仕事をするなら、ボイラー整備士とボイラー技士の両方の資格が必要になります。

2.ボイラー整備士の仕事内容

ボイラー整備士は、一定の規模以上を持ったボイラーや第一種圧力容器を停止させて点検したり、部品交換をしたりといったメンテナンスが主な仕事になります。

ボイラーを止めてボイラー水を排水したあと、ひびや割れなどがないか確認し、ボイラー本体や付属装置の清掃・整備・メンテナンスをする流れです。

また、ボイラーの付属設備についての清掃や点検・整備、必要に応じた交換をおこなうのもボイラー整備士の重要な仕事です。水を燃焼する効率を上げる装置や推移を検出する装置などを整備することで、ボイラーの安全性を確保します。

働く場所は、工場、ホテル、病院、学校など、ボイラー設備のある大型施設です。ボイラーメンテナンス会社に就職して、大型施設のボイラー整備を担当することになります。

3.ボイラー整備士の平均年収

ハローワークで「ボイラー整備士」で検索すると、ボイラー整備士の手当などを含む月給は18万円〜28万円が相場でした。

手当を含めた月給が25万円、賞与を年4ヵ月分と仮定すると、平均年収は400万円と計算できます。

一方、「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者全体の平均年収は443万円でした。

したがって、ボイラー整備士の平均年収は、全体平均と比較して同じ水準か、やや下回る程度といえます。

ただ、ボイラー整備士の給与は、スキルや経験、資格手当の有無によっても変わります。長く勤務してボイラー整備士としてのスキルを身につけ、資格を取得することで、平均以上の年収を狙うことも十分に可能でしょう。

4.ボイラー整備士に向いている方の特徴

ボイラー整備士にはどのような特徴を持つ方が向いているのでしょうか。ここでは、ボイラー整備士に向いている方の特徴を3つ解説しましょう。

4-1.少しの変化に気付ける方

ボイラー整備士はボイラーを止めて分解し、不具合が発生していないかを点検することを仕事にしています。

不具合や故障を見逃したままメンテナンスを終えてしまうと、大きな事故につながってしまいます。ひびや割れなどの小さな変化や違和感に気付ける方は、ボイラー整備士に向いているでしょう。

4-2.体力に自信がある方

ボイラー整備士は工場や病院、学校など大規模な施設で仕事をすることが多く、かなりの距離を歩くことも少なくありません。

また、ボイラーの点検や整備で不具合が出れば対応に追われることになり、基本的には常に動き回っています。このような仕事上の特性から、体力に自信がある方はボイラー整備士に向いているでしょう。

4-3.コミュニケーションを取るのが好きな方

ボイラー整備士は自分だけでコツコツと仕事をするイメージがあるかもしれませんが、実際にはコミュニケーションが多く発生する仕事です。

点検の前後では打ち合わせや報告で顧客と連絡を取り合い、不具合が見つかれば修理のために業者とも話し合いを持つことになります。

多数の方とコミュニケーションを取ることが得意な方であれば円滑に仕事が進められるため、ボイラー整備士の仕事に向いています。

5.ボイラー整備士に必須の資格

ボイラー整備を仕事にするなら、業務独占資格であるボイラー整備士の国家資格が必須です。

ボイラーを整備する際はボイラーの使用を止めてボイラーに不具合がないかをチェックし、故障箇所があればメンテナンスをおこないます。

これらの整備・メンテナンス業務は、労働安全衛生法に基づいておこなうことが義務になっており、一定規格以上のボイラーについてはボイラー整備士の免許の交付を受けた者でないと作業に従事できません。

5-1.資格概要

ボイラー整備士の資格を取得するには、安全衛生技術試験協会が実施しているボイラー整備士試験に合格して、免許証の交付を受ける必要があります。

試験は学科のみで実技はなく、出題形式は以下のとおりです。

試験方式 五肢択一式
科目別出題数と配点
  • ボイラーおよび第一種圧力容器の整備の作業に関する知識:10問(30点)
  • ボイラーおよび第一種圧力容器の整備の作業に使用する器材、薬品 などに関する知識:5問(20点)
  • 関係法令:5問(20点)
  • ボイラーおよび第一種圧力容器に関する知識 :10問(30点)
問題の出題数 30問
試験時間 13:30~16:00(2時間30分)科目免除者は13:30~15:10(1時間40分)

5-2.資格要件

ボイラー整備士を受験するにあたっては、学歴などの要件は特にありません。資格を取得できるのは、以下に該当したうえでボイラー整備士免許試験に合格した方です。

  • 一定規模以上のボイラーまたは第一種圧力容器の整備の補助業務を6ヵ月以上経験した者
  • 小規模ボイラーまたは一定規模未満の第一種圧力容器の整備業務を6ヵ月以上経験した者
  • 職業能力開発促進法による職業訓練のうち、ボイラー運転科を修了した者

職業訓練でボイラー運転科を修了した方の場合は、ボイラーおよび圧力容器に関する知識の試験科目が免除されます。

5-3.合格率

令和4年度にボイラー整備士を受験した人数と合格率は以下のとおりです。

受験者数(人) 2,968
合格者数(人) 2,009
合格率(%) 67.7%

令和4年度の合格率は、67.7%でした。

ボイラー整備士には受験資格がなく、誰でも受験できることを考えても、難易度はさほど高くなく、実務経験と事前学習を通じてしっかりと知識を身につければ合格は十分に可能です。

6.ボイラー整備士資格の勉強のコツ

ボイラー整備士は年に3回受験できますが、出題パターンが決まっている傾向にあります。

過去問を少しだけ変えたような類似問題も多数出題されるため、過去問をひたすらに解いて問題の傾向と回答を把握することが合格への近道です

何度も繰り返し過去問を解き、解答を暗記するくらいになれば、合格は十分に可能です。

時間配分としては、毎日2時間30分の過去問をフルでチャレンジすることに勉強時間を割くのがおすすめです。

そのあとに自己採点をして間違った問題の解説文を熟読し、要点をノートにまとめたら、再び過去問を繰り返す、といったイメージです。

7.ボイラー整備士の将来性

ボイラー整備士の資格は一度取得すれば更新がなく、一生続けられます。

工場や病院、ホテルなど、ボイラー設備がある限り点検業務は発生しますので、ボイラー整備士の需要もなくならないと考えられます。将来まで安定した需要が期待できるでしょう。

また、工場や病院は全国にあり、ボイラー整備士を抱えるメンテナンス会社も全国にあります。主要都市だけでなく、工業都市を中心に日本中の地方都市でも必要とされるため、就職先に困りにくいという点もメリットです。

8.まとめ

ボイラー整備士はボイラーのメンテナンスに特化した国家資格で、有資格者でなければできない作業を担います。工場や学校、病院まで、ボイラーを使うあらゆる施設で活躍できることから、将来性も十分にあります。

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