栄養士になるには?仕事内容や一日の流れ、必要な資格やスキル・能力を解説
※この記事は5分で読めます。
「栄養士ってどのような仕事?」
「栄養士として働くメリットを知りたい」
など、栄養士に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
栄養士は栄養の専門家であり、学校や病院、福祉施設などで栄養指導などの業務をおこないます。専門職であるぶん他業種に比べて比較的給与が高い特徴があります。
今回は、栄養士の概要、仕事内容や1日の流れ、必要な資格やスキルなどを解説します。この記事を読めば栄養士のことがよくわかり、資格取得をめざすきっかけの一つとなります。
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1.栄養士とは?
栄養士とは、病院や福祉施設、学校などで栄養に関する指導・助言や食事の管理などをおこなう仕事のことです。業務にあたっては栄養士の免許が必要です。
働く現場により、学校栄養士、福祉施設栄養士、病院栄養士など職種が分かれています。大病院や社会福祉施設の勤務などを除き、交代制はほぼなく残業も比較的少ない傾向にあります。
今後、高齢者の方や障がいのある方の社会福祉施設の増加にともない、福祉や医療の現場での活躍が拡大することが予測されます。
雇用形態は多くが正社員で、大部分が女性の方です。
1-1.管理栄養士との違い
栄養士とよく似た名前の職種に「管理栄養士」があります。
栄養士は養成施設を卒業することで得られる都道府県知事による資格ですが、管理栄養士は国家資格です。
栄養士免許を取得したのち、実務経験を積むなどしてから受験資格を得て、年に1度の資格試験に合格する必要があります。
栄養士が健康な方に対する栄養指導をおこなうのに対し、管理栄養士は病気やケガをした方への栄養指導や、特定保健指導などをおこないます。
病院や介護老人保健施設、児童福祉施設や社会福祉施設において、管理栄養士の配置が義務化されています。
2.栄養士の仕事内容
栄養士は専門の資格がないと従事できない仕事ですが、実際にはどのような仕事内容になるのでしょうか。働く場所によってさまざまではありますが、よくある仕事をご紹介します。
2-1.栄養指導
学校栄養士や福祉施設栄養士、病院栄養士などは、学校や社会福祉施設、病院や保健所などで栄養指導をおこないます。
栄養指導とは、健康のためのポイントや、個々の状況に合わせた食事のアドバイスなどを含めた指導のことです。
栄養士は主に学校や保健所で、健康な方に対しての指導となります。一方、管理栄養士になると、病院や福祉施設などで病気の方や高齢の方、一人ひとりに合わせた栄養指導ができます。
2-2.食事管理
病院栄養士や学校栄養士は食事管理をおこないます。食事管理とは、わかりやすくいうと献立作成のことです。
患者さんや生徒の栄養状態などを考慮し、栄養バランスのとれた献立を作成します。献立は栄養価の計算をして、栄養バランスが目で見てわかるようにします。
病院栄養士の場合、入院患者さんは特に症状が変わりやすいものです。それぞれの病状に合わせた食事を提供するため、医師から発行された「食事箋(しょくじせん)」に従って献立を作成します。
2-3.広報活動
公務員の保健所栄養士になると、自治体がおこなう健康習慣などの広報活動の仕事をすることもあります。
その他、食品を扱う企業において、消費者を対象とする広報に関わったり、栄養学を利用し、消費者に魅力的に映るメニューの開発などに携わったりすることもあります。
2-4.調査研究
飲食品メーカーの研究所や食品成分分析会社などで、食品の調査研究に携わる栄養士もいます。
成分検査や官能検査などをとおして食品の安全性を調査することが主な業務で、分析に応じてさまざまな機械を使用することになります。
3.栄養士の一日の流れ
栄養士の仕事内容は働く職場によってさまざまですが、ここでは病院栄養士の例をあげ、一日の流れをご紹介します。
病院の場合、朝食・昼食・夕食と3食の準備があるため、勤務体制も早番勤務、日勤勤務、遅番勤務で分かれている場合が多いです。看護師のような夜勤は基本的にはありません。
日勤勤務の場合、一日の流れは以下のようになります。
時間 | 業務内容 |
---|---|
8:00 | 院内朝礼出席・栄養管理室ミーティング 朝食の点検 → 検食 → 配膳 |
9:00 | 昼食の食札用意・食事せん処理 |
栄養指導・栄養管理計画書作成 | |
病棟訪問 | |
献立作成・食材発注・食数管理 など | |
12:00 | 昼食の点検 → 検食 → 配膳 |
13:00 | 休憩 |
14:00 | 回診 |
医療講演 | |
会議・カンファレンス | |
夕食の食札準備・食事せん処理 | |
17:00 | 遅番への引継ぎ・退勤 |
病院の栄養士は回診やカンファレンスなど、病院特有のさまざまな業務をこなすことになります。実際には栄養士内でチームを組んで、シフトごとに仕事を分担してあたっています。
チームでマルチタスクをこなしていく必要があるため、チーム内でコミュニケーションをしっかりとっていくことが大切です。
4.栄養士の平均給与
令和4年の栄養士の平均月収は21.5万円、平均年収は379.1万円です。日本の一般労働者全体の令和4年の平均年収が311.8万円なので、栄養士の年収は平均よりも高い水準にあることがわかります。
また、令和4年の女性の平均年収は258.9万円。栄養士として働く方の大半が女性であることを考えると、他の業種に比べてかなり高い年収であるようです。
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参照:厚生労働省|jobtag「栄養士」
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/171
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参照:厚生労働省|令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/dl/01.pdf
5.栄養士になるには?
栄養士は専門的な知識を活かすことができ、高収入も期待できる仕事です。ぜひ栄養士を目指したいという方もいるのではないでしょうか。
そこで、栄養士になるために必要な資格やスキルをご紹介します。
5-1.栄養士になるには栄養士免許が必要
栄養士になるには、栄養士免許が必須です。
栄養士免許を取得するには、栄養士養成施設(2・3年の専門学校や短大、4年生大学など)で学び、卒業して都道府県知事の免許を受ける必要があります。
5-2.栄養士に求められるスキルや能力
栄養士には栄養士免許や管理栄養士資格のほかにもさまざまなスキルや能力が必要とされています。
5-2-1.傾聴力
傾聴力(けいちょうりょく)とは、相手の話に熱心に耳を傾け、ときに共感しながら話を聞く能力のことです。
例えば栄養指導の場合、普段の食生活や習慣などを聞き取りしたうえで、足りない栄養や食事のこつなどを指導する必要があります。
なかには、不摂生がばれないように本当のことを話さない方もいるかもしれません。しかし、実際の食生活などを聞き出さなければ、正確な指導はできません。
そこで栄養士には、話を聞く力、聞き出す力をもったうえで、指導相手とのコミュニケーション、関係構築をしていく能力が求められます。
5-2-2.説明力
説明力とは、相手にわかりやすく話を伝えるための話術の一つです。
例えば栄養指導の場合、相手の話を聞いたうえで、わかりやすいアドバイスをする必要があります。相手は専門家ではないため、一般の方でもわかりやすいようにかみ砕いて説明しなくてはなりません。
また、入院患者さんのそれぞれの病状に合わせた栄養補給のための食事が必要な場合、栄養士から医師に状況を説明することが求められます。
この場合には専門用語を使いつつ、的確に医師に情報伝達をしなくてはなりません。
このように、栄養士は状況に応じた説明力に長けている必要があります。
5-2-3.指導力
学校や介護施設などで食事や栄養に関する指導をおこなう場合には、指導力が求められます。大勢の人の前に立って講演することもあり、プレゼンテーション力も必要です。
学校栄養士の場合には、食育に関する指導計画を立てることも求められ、教育に関する知識や指導力が重要になります。
6.まとめ
栄養士は養成施設を卒業することで資格が得られる有資格者で、実務経験を積むなどしてから国家試験に合格すると、さらに専門性の高い管理栄養士の資格を得ることができます。
栄養士の免許は2年制の専門学校でも取得を目指せるため、手に職をつけたいという方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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