退職挨拶の基本的なマナーとは?印象の良い一言挨拶の例文を紹介
※この記事は5分30秒で読めます。
「退職の挨拶ってどうすれば良いの?」
「印象の良い簡単な一言挨拶の仕方が知りたい」
など、退職時の挨拶に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
退職の挨拶は、挨拶する範囲とタイミングを押さえ、シチュエーションに適した内容にすることで、相手に好印象を与えられます。
今回は、退職当日にやること、挨拶のタイミング、基本的なマナー、シチュエーション別の一言挨拶の例文などを解説します。この記事を読めば、退職の挨拶のことがよくわかり、印象の良い挨拶ができるようになります。
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1.退職当日にやること
退職当日に欠かせないタスクが、社内外への挨拶回りです。社内の上司や同僚、社外の取引先や顧客など、今までお世話になった方々に感謝の気持ちを伝えましょう。
また、業務の引き継ぎ関連で補足や伝え漏れがあれば対応しなければいけませんし、社外の人へ後任者を伝えることも忘れずにおこなわないといけません。
退職当日にやるべきことは挨拶以外にもあります。退職当日は、普段と違う雰囲気に飲まれてしまいがちなので、あらかじめ以下の4点を頭に入れたうえで当日を迎えるようにしましょう。
1-1.デスク周りの整理・片付け
今まで使用していたデスク周りの整理・片付けをしましょう。退職当日をスムーズに終えるためにも、始業時間前や休憩時間に進めるのがおすすめです。
私物と貸与物・備品を仕分けし、退勤時に慌てないよう、持ち帰る私物はひとまとめにしておきましょう。
1-2.退職の挨拶
退職当日の午後に、退職の挨拶まわりをしていきます。昼休憩のあと、かつ退勤前の慌ただしい時間帯を避けるのが一般的です。
従業員が多い大企業の場合は関係者全員に直接挨拶するのは現実的ではないので、特にお世話になった方や部門のみで問題ありません。それ以外の人には、直接の挨拶が叶わなかったお詫びとともに挨拶メールを送るようにしましょう。
1-3.貸与品の返却
パソコンやタブレット、制服など、会社からの貸与物を返却しましょう。ボールペンやファイルなど細かい文房具類に関しても、もれなく返却します。
退職日までに返却できなかった場合は、退職後に再度来社するか、郵送する必要性が出てきてしまいます。そうなれば、自分はもちろん対応する担当者にも手間をかけてしまうので注意しましょう。
1-4.退職手続きの書類受け取り
上司や人事担当者から退職手続きの書類を受け取りましょう。渡される書類は会社により若干異なりますが、主に以下のものです。
- 離職票
- 退職証明書
- 源泉徴収票
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
転職先の会社に提出するものや、国民健康保険の手続きで必要になる書類が渡されることになります。再発行には時間や手間がかかるので、紛失しないようにしましょう。
書類については下記で詳しい情報をご覧いただけます。
2.退職の挨拶をするタイミング
退職の挨拶は、上司に退職届を提出し、会社から了承を得たタイミングでおこなうのが一般的です。
ただし、会社や部署、業務状況、自分自身の立ち位置によって適切なタイミングは異なるため、勝手に判断しないことが重要です。退職の挨拶をいつおこなうのが適切なのかは、上司と相談するようにしましょう。
3.退職挨拶をする範囲はどこまで?
退職挨拶をする範囲については、今まで関わりがあった人やお世話になった人が目安です。ただ、明確な基準があるわけではないので、客観的にお世話になった人だけでなく、自分のなかで挨拶しておきたいと思う相手にする形で問題ありません。
会社規模がコンパクトで、日常的に全メンバーと自然にコミュニケーションが取れるような環境であれば、挨拶する人を厳選する必要はないでしょう。
また、退職挨拶は社内だけでなく、取引先など社外の人にもおこなうのが一般的なマナーです。後任者の案内なども必要になってくるため、上司と連携の上、社外にも挨拶をするようにしましょう。
4.退職の挨拶における基本的な4つのマナー
退職の挨拶時に押さえておきたい4つの基本マナーをご紹介します。退職に抱く感情は人それぞれなので、業務上必要な要点のみまとめて伝えましょう。
4-1.退職理由は話さない
どのような理由であっても、退職挨拶においてその理由は明確に話さないのが得策です。自分では問題ないだろうと思っている理由だとしても、聞き手によっては快く思わない場合があります。
人によって価値観はさまざまであることを念頭に置き、むやみに退職理由を話さないようにしましょう。
退職理由の伝え方についての詳細は、以下の記事でご覧ください。
4-2.お礼とお詫びの言葉を伝える
退職の挨拶で必須なのが、お礼とお詫びの気持ちを言葉にして伝えることです。仕事における待遇や環境がポジティブなものではなかったかもしれませんが、採用してもらい、一緒に働けたことに対する感謝をひと言でも良いので伝えておきましょう。
「これまでお世話になりました。」「ありがとうございました。」などで十分です。これは、自分自身が気持ちよく退職するためにも必要なことといえます。
また、退職によって後任者のアサインや引き継ぎなどが生じるため、少なからず周囲へ負担をかけることになります。その旨に対するお詫びの気持ちも、きちんと言葉にして伝えるようにしましょう。
4-3.前向きな言葉で締めくくる
退職の挨拶は、前向きな言葉で締めくくるのがマナーです。決して会社や上司・同僚に対するネガティブな発言をしないように注意しましょう。
過去を振り返るだけでなく、この先を見据えた前向きな挨拶を付け加えることもおすすめします。たとえ別の会社に移っても、別の立場で一緒に仕事をする機会が将来的に訪れる可能性があるためです。
特に同業界への転職の場合は、「またどこかでお会いした際には、どうぞ宜しくお願いいたします」といったひと言があると、和やかな雰囲気をつくれるでしょう。
4-4.退職日や引き継ぎのことを伝える
退職の挨拶のなかで、退職日や引き継ぎの詳細についても伝えましょう。具体的には、各業務の引き継ぎ先と担当者の連絡先、進捗状況などです。詳細を伝えておくと、引き継ぐ担当者だけでなくその周囲の人も、今後の動き方や対応方法が明確になり安心できます。
自分がいなくなることで社内の連携に不具合が生じないよう、気配りの気持ちをもって挨拶をおこないましょう。
5.退職日の一言挨拶の例文
ここからは、退職日におこなうひと言挨拶の例文をご紹介します。挨拶のシチュエーション別にご紹介するので、それぞれ参考にしてみてください。
5-1.口頭で伝えるとき
口頭で伝える挨拶は、感情が入ってしまいつい冗長的になりがちです。皆さんの時間をいただいて挨拶させてもらうことを念頭に置き、できる限り簡潔にまとめるようにしましょう。
お忙しい中恐縮ではございますが、数分程度お時間をいただけますでしょうか。
私○○は、一身上の都合により、○月○日をもちまして退職することになりました。○○社との新規プロジェクトメンバー募集のタイミングで入社してから早○年、ただがむしゃらに目の前の仕事に向き合い、成果を求めて走ってきた日々でしたが、今日こうしてここに立てているのは、ひとえに皆さまのご指導・ご支援のおかげです。
ときに、自分の頑固な思考にとらわれて一人で突っ走ってしまい、自己中心的な振る舞いで皆さまに不安やご迷惑をおかけしたこともありました。しかし、○○部長をはじめとし、皆さまは私を見捨てずに、成長を促し見守ってくださいました。心の底から感謝の気持ちでいっぱいです。
今後は、この会社で学んだことを支えに、ビジネスパーソンとしてさらなる成長を目指して精進していく所存です。
○年間という短い間でしたが、大変お世話になりました。皆さまのご活躍とご健康を、心よりお祈りしております。
5-2.メールまたはチャットで伝えるとき
メールやチャットで退職挨拶をおこなう際の例文は以下のとおりです。社内・社外で最適な文面は異なります。以下を参考にアレンジしながら作成してみましょう。
5-2-1.社内向けの例文
社内向けの退職挨拶はできる限り直接おこなうのが望ましいものの、人数が多い場合は現実的ではありません。そのため、メールもうまく活用しましょう。
ただし、なかにはメールのみの退職挨拶を快く思わない人もいると思いますので、相手の特性や関係性を踏まえたうえで臨機応変に対応するようにしましょう。
件名:退職のご挨拶【○○部:○○○○】
お疲れ様です。 ○○部の○○です。
突然のご報告となり恐縮ですが、このたび、一身上の都合により、○月○日をもちまして退職することになりました。 なお、最終出社日は○月○日です。
右も左もわからない状態で入社してから早○年、○○さんには多大なるご指導・ご支援をいただき、感謝の思いでいっぱいです。
ここで得た経験や学びを活かし、さらなるレベルアップを目指して、新しい環境でも精進していきたいと思っています。
本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、このようにメールでのご挨拶となりますこと、ご了承いただきたくお願いいたします。
最後となりますが、今後の会社の発展と、皆様のご活躍を心よりお祈りいたします。
今まで本当にありがとうございました。
以下、署名
5-2-2.社外向けの例文
社外に向けた退職挨拶を送るタイミングは、上司に確認を取ってからにしましょう。後任者の名前や連絡先についても伝える必要があるので、引き継ぎ先や引き継ぎの進捗がある程度進んでから挨拶することをおすすめします。
件名:退職のご挨拶【株式会社○○】
いつも大変お世話になっております。 株式会社○○の○○でございます。
突然のご報告となり誠に恐縮ですが、○月○日をもちまして退職する運びとなりました。
○○様とは、○年間の長きに渡りお付き合いをいただきました。 弊社にご協力いただき、心より感謝申し上げます。
私の後任は、以下の者が務めさせていただきます。
後任者:○○ ○○ 所属:○○部 メールアドレス:○○@○○ 携帯電話:○○○○
後日あらためて○○からご連絡させていただきます。 引き継ぎもすべて完了しておりますので、ご用件などお気軽にお申しつけくださいませ。
本来であれば直接ご挨拶すべきところですが、このようにメールでのご挨拶となりましたこと、 お詫び申し上げるとともに、ご了承いただきたく存じます。
最後になりましたが、貴社のご発展と、○○様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
以下、署名
6.退職挨拶に対する返信はどうするべき?
退職挨拶のメールに対して返信がある可能性も考えられます。その際、必須ではありませんが、内容や送り主によっては返信するのが望ましいケースもあります。
望ましいケースの一例としては以下が挙げられます。
- 退職後も個人間で関係性が継続する場合
- 現職と転職先企業が同業界、取引の実態や可能性が考えられる場合
- 返信しないと引き継ぎや業務に支障が生じる場合
- 特にお世話になった方の場合
- 個人的な親交がある場合
返信すべきか迷ってしまうケースもあると思いますが、迷う場合は返信する方向で考えれば問題ないでしょう。
7.まとめ
退職の挨拶は、お世話になった方々へ感謝の気持ちを伝える良い機会です。また、自分が退職したあとも滞りなく業務が進むよう、挨拶先と後任者の間を取り持つ目的も担います。
「立つ鳥跡を濁さず」という言葉もあります。「どうせ辞めるのだから」といって挨拶を怠るのではなく、最後まで責任と思いやりのある言動を心がけていきましょう。
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