駐車監視員とは？主な仕事内容ややりがい、大変さ、向いている人の特徴
※この記事は4分30秒で読めます。
「駐車監視員ってどのような仕事？」
「駐車監視員で働くメリットが知りたい」
など、駐車監視員に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
駐車監視員は、警察に代わって駐車違反の車両を見つけて確認標章を貼り付ける仕事で、みなし公務員の扱いになるという特徴があります。
今回は、駐車監視員の仕事内容、魅力ややりがい、大変さ、向いている人の特徴、給与の目安などを解説します。この記事を読めば駐車監視員のことがよくわかり、仕事探しの参考にできます。
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1.駐車監視員とは？
駐車違反の取り締まりは、警察以外に駐車監視員がおこなうことがあります。
駐車監視員は警察から委託を受けた民間企業の従業員であり、警察ではありません。2006年6月1日に道路交通法が改正され、警察から外部に委託が可能になったことで誕生しました。
駐車監視員は、仕事をしているあいだは「みなし公務員」として扱われます。例えば駐車監視員に対して暴力的な行為をはたらいた場合、公務執行妨害が成立し逮捕される可能性があります。
2.駐車監視員の仕事内容
駐車監視員の仕事内容には主に以下の4つがあります。
- 管轄区域の巡回
- 放置車両の確認
- 確認標章の取り付け
- 警察署長への報告
それぞれの仕事内容の詳細をご紹介します。
2-1.管轄区域の巡回
駐車監視員の仕事は、管轄区域の巡回から始まります。
基本的に2人以上、多くの場合は2人1組で行動し、警察署が指定した管轄区域（エリア）を巡回して、違法車両がないかのチェックをして回ります。
区域によっては徒歩による巡回だけでなく、会社が貸与する電動アシスト自転車を使って広範囲の巡回をおこなうこともあります。
2-2.放置車両の確認
管轄区域の巡回を通じ、違反車両がないか確認をおこないます。
駐車監視員は警察ではないため、一般的に交通違反の流れとしてイメージされる「違反者の取り締まり」「交通反則切符の作成」といったことはしません。
2-3.確認標章の取り付け
違反車両が見つかったら、違反車両の写真撮影やナンバープレート等のデータ入力をします。
その際、違反車両に貼り付けることになるのが、確認標章です。駐車違反をした際に車のフロントガラスに張り付けられる黄色い張り紙のことです。
駐車監視員が確認標章をフロントガラスに貼り付けた時点で違反が成立し、違反者は反則金を納めることになります。
2-4.警察署長への報告
巡回が終わったあと、巡回や確認標章を貼り付けた結果について、警察署長に報告をおこないます。違反車両の所有者への放置違反金納付命令や、違反者が出頭した場合の交通反則切符の作成・交付などは警察官の役割です。
3.駐車監視員の魅力ややりがい
駐車監視員は民間企業が警察からの委託を受けておこなうもので、実際に作業をする駐車監視員は作業中のみ公務員とみなされます。街の駐車違反を取り締まって治安の維持に貢献できるため、やりがいを感じられる仕事です。
ここでは、駐車監視員の仕事の魅力や、やりがいについて解説します。
3-1.みなし公務員として働ける
駐車監視員はあくまで民間企業の社員ですが、駐車監視員の仕事をしているときに限って公務員と同等の扱いとなります。違反者から攻撃を受けたような場合、違反者は公務執行妨害として逮捕される可能性があります。
また、みなし公務員は業務中に得た個人情報を公開してはならないといった守秘義務が課されます。
「みなし」とはいえ公務員の一員として地域に貢献できることは、駐車監視員の大きな魅力・やりがいにつながるでしょう。
3-2.地域安全の役に立つ
違反車両を見つける仕事は、違反車両の減少に貢献できる大切な仕事です。駐車禁止のエリアになっているということは、そこに車両を放置してはならない何らかの理由があるということです。
駐車違反を減少させることは地域の安全の維持や治安の向上につながり、大きなやりがいを得られるでしょう。
4.駐車監視員の大変さ
みなし公務員として大きなやりがいが得られる駐車監視員の仕事ですが、以下のような大変さもあります。
- 暑さ・寒さが大変
- クレームやトラブルが発生することもある
それぞれの大変さの詳細について紹介します。
4-1.暑さ・寒さが大変
駐車監視員は、季節や天気に関係なく外を巡回するのが仕事です。座りながら仕事をするのが苦手な人には向いていますが、体力を使います。季節によっては暑さや寒さで体調を崩す可能性もあります。
天候を事前に予想して、寒ければ厚着のインナーや肌着を身につけたり、暑いときは通気性の良い服を用意したりと、事前に対策を立てる必要があるでしょう。
4-2.クレームやトラブルが発生することもある
駐車監視員の仕事をしていると、車両の持ち主からクレームを受けたり、逃げようとしたりといったトラブルに巻き込まれる可能性があります。なかには暴言や暴力などで業務の妨害をされる可能性もあります。
違反者は公務執行妨害で逮捕される可能性があるとはいえ、このようなトラブルが想定されることや、実際にトラブルが起きた際の処理をするのが大変に感じることもあるでしょう。
5.駐車監視員の給与目安
駐車監視員は民間の警備会社などに所属しているため、待遇や年収は会社ごとに異なりますが、一般的には月収15万円～22万円程度、年収換算で200万円～300万円程度が多いようです。
以下は、駐車監視員の給与目安の例です。あくまで例なので、応募する前には必ず募集要項で実際の給与を確認してください。
【アルバイト・パート・契約社員の場合】
A社：日給1万円以上
B社：日給1万千円～1万2千円
【正社員の場合】
C社：月給21万6千円〜23万3,280円
駐車監視員の経験者は日給1万800円×21.6日
未経験者は日給1万円×21.6日
6.駐車監視員に向いている人の特徴
駐車監視員に向いているのは以下のような性格の人です。
- 冷静に行動できる人
- 臨機応変・柔軟性がある人
- ルールを守れる人
6-1.冷静に行動できる人
駐車監視員は違反車両内に人が乗っていないことを確認したうえで、確認標章の貼付けに入ります。
ただ、貼り付ける際に急に車の持ち主が帰ってきてトラブルになることは十分に考えられます。その際、クレームを言われたり、逃げようとしたり、なかには暴力的に訴えてくる人もいるかもしれません。
しかし、いくら駐車監視員に非がないといっても、感情的になって言い返したり暴力に頼ったりするのは絶対にNGです。どのようなトラブルに遭遇しても感情的にならず、落ち着いた対応ができる人が駐車監視員に向いています。
6-2.臨機応変・柔軟性がある人
トラブルが起きた場合、警察署や会社の上司に確認を取って指示を聞けるとは限りません。臨機応変に対応できないと、駐車違反の車両に逃げられるようなことも考えられます。
そうした場合に備え、トラブルの内容と対処法を事前に頭に入れておき、発生したトラブルに応じて柔軟かつ臨機応変に対応できる人が駐車監視員に向いています。
6-3.ルールを守れる人
駐車監視員はみなし公務員であり、違反者が攻撃すると公務執行妨害が成立します。その一方、みなし公務員には守秘義務が課されることに注意が必要です。
業務中に得た個人情報は口外してはいけません。そうしたルールを徹底的に守れる人が駐車監視員に向いています。
7.駐車監視員になるには？
駐車監視員になるには、専用の国家資格である「駐車監視員資格者証」を所持していることが求められます。
駐車監視員資格者になるためには、公安委員会（警視庁）で2日間の講義を受けることが必要です。計14時間の講義ののち、約1週間後に1時間の修了考査がおこなわれ、合格すれば公安委員会から「駐車監視員資格者講習修了証明書」が交付されます。
試験の形式は正誤判定の2択マークシートで50問出題され、90％以上の正答で合格です。合格率は一般的に70％ともいわれますが、試験会場によっても異なります。
修了証明書を受け取れば、駐車監視員資格者証の交付申請が可能となります。
8.未経験から駐車監視員になれる？
求人情報をみると、年齢や学歴、実務経験に関係なく応募できるものが多くあります。実際、駐車監視員の仕事が未経験でも就職は十分に可能です。
駐車監視員は国家資格を持っていないと業務ができないため、求人に応募する時点で資格を持っていることが求められる場合もありますが、企業によっては無資格で入社し、資格支援補助制度を活用して資格を取得することも可能です。
その場合は警備業務から仕事を始め、じっくり資格を取得することになるでしょう。
9.まとめ
駐車監視員の仕事はみなし公務員としての業務であり、治安の向上や安全の確保、景観の改善などで地域に貢献できます。違反車両の持ち主とトラブルになる可能性もゼロではありませんが、非常にやりがいにあふれた仕事です。
強い正義感を持ち、トラブルになっても冷静に対処できる自信がある人は、ぜひ求人への応募を検討してみてはいかがでしょうか。
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