工場での働き方
更新日:2024年01月25日

工場の制服・作業着とは?着用する理由や作業着の種類を解説

工場の制服・作業着とは?着用する理由や作業着の種類を解説

※この記事は5分で読めます。

「工場ではなぜ制服を着る必要があるの?」
「工場の制服にはどのような種類がある?」
など、工場の制服に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

工場の制服は、作業者が安全に働けることと、生産する製品の品質レベルを保つ目的があります。

今回は、工場で制服を着る理由、制服を着用する工場の種類、制服ごとの特徴などを解説します。この記事を読めば、工場で身につける制服についてさまざまな事柄を学ぶことができ、実際に就業した際の参考にできます。

1.工場の服装にルールはある?

工場で働く際の服装は、各企業の社内規定で定められています。作業着や制服が貸与され、それを着て作業をおこなうところも少なくありません。どのような服装で作業をするのかについては、工場で作る製品の種類によっても変わってきます。

1-1.制服を着用する理由

一般的には、工場に入社すると制服が貸与されます。洗濯時の着回し用に多めに購入する場合を除き、基本的に購入費用はかかりません。

会社がコストを負担してまで制服を支給する理由は、制服(作業着)の着用が作業者の安全と製品の品質保持のために不可欠と考えているからです。

社内規定を無視した服装で歩き回ったり、制服を着用していてもシャツがはみ出したりしていると、機械に服が巻き込まれるなどして大事故につながる可能性があります。

また、製品の品質保持の観点からも、定められた制服を正しく着用することが重要です。例えば、食品工場で服装規定を守らない方が作業をすると、髪の毛やゴミ・ホコリなどが製品に混入してしまうことも考えられます。

以下の記事では、工場勤務における服装のルールについて、より詳しく解説しています。

2.【工場別】着用を指定される制服の例

ここからは、「食品工場」「製薬工場」「化粧品工場」「製造工場」「クリーンルーム」の5種類の工場および作業場について、一般的に着用する制服の例について紹介します。

2-1.食品工場

食品工場では、作業者の安全を守ることはもちろん、製造している食品に異物を混入させないことが非常に重要です。衛生管理のため、大半の工場では不織布で作られたつなぎや白衣が作業着として指定されています。

また、髪の毛などが落ちてこないように、頭部にはヘアネットや衛生帽子をかぶります。靴に関しては、電気を通しにくい安全靴が多く指定されています。

2-2.製薬工場

製薬会社では、空気中のゴミやホコリが付着しないようなクリーンルームで作業することがあり、髪の毛が落ちてこないようなヘアネットや衛生帽子の着用が義務付けられます。

作業着は不織布でできた無塵衣(上下がつながってホコリが出にくい服)で、口元にはマスクをつけるほか、目元にゴーグルを着用することが義務付けられている場合もあります。

2-3.化粧品工場

化粧品工場も製薬工場と同じく、異物混入を防ぐ目的で作業時の服装は厳格に定められています。上下がつながった無塵衣、ヘアネット、マスク、手袋の着用は必須で、足元は抗菌性に優れたクリーンシューズが指定されることが一般的です。

ただし、製品がすでに形として完成している「包装」「梱包」の段階では、耳や髪の毛が多少帽子から出てもOKなど、規定が緩くなっている場合もあります。

2-4.製造工場

製造工場の現場や倉庫で働く際の制服は、動きやすく汗をかいても蒸れにくい綿の作業着であることが一般的です。上下に分かれた作業着に帽子を着用し、靴は電気を通しにくく丈夫な安全靴が指定されます。

また、倉庫など重い完成品を管理する部門では、落下物が足元に落ちてしまう万が一の場合に備えて、固い素材で作られた靴が支給されることが一般的です。

2-5.クリーンルーム

前述した「製薬工場」「化粧品工場」のほか、半導体をはじめとする精密機器や食品の工場では、ゴミやホコリが排除されたクリーンルームで働くこともあります。

人体に付着するゴミやホコリがクリーンルーム内で広がることを防ぐため、原則的にクリーンルーム専用の作業着が支給されます。

日本のJIS規格には「空気中の微粒子がどの程度少ないか」をあらわす「清浄度」という尺度があり、着用するクリーンルーム用ウェアの種類は求められる「清浄度」によっても変わります。洗浄度の規格は「クラス1」から「クラス8」まで分かれており、それぞれの清浄度を満たす服装ルールが指定されています。

3.代表的な制服の種類

次に、作業者が着用する制服の種類に注目していきましょう。

工場から支給される制服には、大きく分けて「作業着」「白衣」「無塵衣・クリーンルーム用ウェア」があります。

3-1.作業着

作業着(作業服)は、製造工場の現場などで使われる制服です。

工場内は電気で動く機械やドリルなどの機材があるため、多くの作業着には帯電防止の機能が備わっています。また、機械を動かすためには油を使用するため、作業靴には滑り止めの加工が施されていることが一般的です。

3-1-1.作業着の定番カラー

作業着として選ばれるカラーとしては、以下のようなものがあります。

  • 定番のブルー系
  • 控えめなグレー・グリーン系
  • 明るめのオレンジ系 など

作業着のカラーは働く工場によって異なりますが、ブルー系の色が定番です。ゴールドラッシュ時代のアメリカの作業員に配られた青色のデニムに由来しているとされています。

虫やヘビが嫌うインディゴによって青く染められたのがデニムの始まりですが、今でも「汚れが目立たないカラー」としてよく選ばれています。油や鉄クズが付着しても汚れが目立たないため、鉄鋼製品や金属部品を扱う工場で使われることが多くなっています。

控えめなグレーやグリーン系も、汚れが目立たない定番のカラーです。視覚的にも目立たないため、作業中に気が散ることを避けたい職人の仕事(建設や土木など)で選ばれる傾向があります。

反対に、明るめで目立つオレンジ系の作業着は消防士やロードサービスなど、暗い夜間に働く業種で主に利用されます。

3-1-2.白衣

白衣は、衛生管理の徹底が求められる食品工場で利用される制服です。髪の毛の脱落を防止するための「フードキャップ」、髪の毛の飛び出しを防ぐ「インナーキャップ」、体毛の落下を防止する機能が備わった「白衣」、「パンツ」、熱や油を防ぐための「エプロン」などで構成されています。

この中でも、白衣は以下のように細かな種類に分かれ、製造されている食品や工場の規定によって使い分けられています。

  • シャツ型白衣:裾をパンツに入れることで体毛落下を防止するタイプ
  • 高機能白衣:体毛落下防止のネットがついたタイプ
  • コート型白衣:高機能上衣がコート型になり、腰回りまでカバーするタイプ

3-1-3.無塵衣・クリーンルーム用ウェア

無塵衣は、粉やホコリの発生を抑える機能をもつ作業着のことです。その中でも、空気中のゴミやホコリが出ないように管理された作業場「クリーンルーム」で着用する無塵衣は「クリーンルーム用ウェア」と呼びます。

クリーンルーム用ウェアはホコリの発生を抑える素材で作られており、薄くて軽いため、一般的な服を着る感覚で着用できます。

4.作業着のインナーは何を着れば良い?

作業着の下には、肌着にあたる「インナー」を着用することになります。特に、エアコンがない環境で働く製造工場の作業員は、着用するインナーによって仕事の快適度や安全性が変わってくるため、インナー選びは重要です。

上半身用のインナーは、春・夏は接触冷感を使用した素材、秋・冬は裏綿に保温性の優れた起毛素材が使用されたタイプがおすすめです。

ズボンの下のインナーも、夏は接触冷感、冬は保温機能のあるものを着用することによって作業が快適にできるでしょう。その際は、足の動きを邪魔しないようストレッチ性の高い素材にすることをおすすめします。

5.工場の制服に関するQ&A

最後に、工場の制服に関して疑問に感じやすい点と、その回答をまとめました。

5-1.作業着などの洗濯は自分でやるの?

作業着の洗濯に関するルールは企業ごとに異なりますが、会社でまとめて洗濯業者に依頼することが一般的です。

特にクリーンルームで使う作業着などの制服に関しては、洗濯方法や使用期間、洗濯回数などが厳格に定められていることも多く、業者に管理してもらうほうが効率的かつ安全です。

一方、製造工場の作業着は自分で持ち帰って洗濯をすることもあります。作業着には油や汗による汚れや臭いが染み込みやすいため、できるだけこまめに洗濯することが望まれます。

5-2.工場に出勤するときは制服のままでも良い?

工場によって出勤・退勤に関する服装のルールには違いがありますが、制服での出勤はNGとしている企業がほとんどです。一般的には私服で通勤し、更衣室で制服に着替えてから作業場に移動することになります。

ただし、一部の企業では「作業着での通勤OK」「作業着の上に上着を着ればOK」など例外もありますが、いずれにしても、ルール違反にならないよう事前に社内規定を確認することが大切です。

仮に制服での出勤がOKであった場合でも、最低限の身だしなみを整えたうえで出勤することを心がけてください。

5-3.工場で着用する制服は自分で購入するの?

一般的には、入社時や季節の変わり目の時期に、春・夏用と秋・服用の制服がそれぞれ支給されます。ただし、洗濯時に着回すように会社の支給ルールを超える枚数を希望する場合は、自費での購入になることもあります。

6.まとめ

制服を着ることを面倒に感じる方も多いかもしれませんが、制服を着用することは製品の品質を保持し、作業者の安全を守るという重要な目的があります。

ひと口に工場といっても、手がけるものが違えば貸与される制服の種類も異なるため、働きやすい服装で働ける職場を選んでみるのも良いでしょう。

工場の仕事を探す際は、ぜひJOBPALの求人一覧をチェックしてください。

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