工場勤務の服装は?身だしなみのルールや工場別の特徴、注意点を解説
※この記事は5分30秒で読めます。
「工場の仕事ってどんな服装?」
「私服OKの工場はどんな服装でも良い?」
など、工場の服装に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
工場では基本的に会社から支給された作業着を着用しますが、服装の指定がない場合は動きやすくい服装、滑りにくい靴を選ぶことが重要です。
今回は、工場の服装の基本、作業着を着用する目的、工場の服装に関する注意点などを解説します。この記事を読めば工場の服装のことがよくわかり、事前に準備しておけるようになります。
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1.工場で働く際の服装は?
工場で働く場合、基本的には「作業着」を着用することになります。
作業着は貸与されるのが一般的ですが、支給や買い取りなど、会社によって規定は異なります。着用した作業着の洗濯方法も工場ごとに異なり、持ち帰って自分で洗濯する場合もあれば、一括して工場がクリーニングに出すケースもあります。
自分で洗濯する場合は、「色落ちしないか」「縮んでしまわないか」「生地を傷めないか」といった点に配慮しながら正しい方法で手入れする必要があります。
2.作業着を着用する理由3つ
工場で定められた作業着を着るべき理由として考えられるのは以下の3つです。
2-1.安全に作業するため
作業着を着る最大の目的は「安全に作業するため」です。個人が好きな服で作業すると衣服が機械に巻き込まれる危険があるだけでなく、作業の妨げになってしまう場合もあります。機械に関係ない業務であっても、労働者は会社から作業着の着用を指示された場合は応じるのが義務です。
労働安全衛生規則の第百十条には、以下のような記載があります。
第百十条 事業者は、動力により駆動される機械に作業中の労働者の頭髪又は被服が巻き込まれるおそれのあるときは、当該労働者に適当な作業帽又は作業服を着用させなければならない。
(引用元:e-GOV|労働安全衛生規則)
2 労働者は、前項の作業帽又は作業服の着用を命じられたときは、これらを着用しなければならない
2-2.品質を維持して作業するため
作業着を着用することは、製品の品質を守る意味でも重要です。
食品や薬品、精密機械などを扱う工場では、空気中の小さなホコリが製品の品質に影響を与え、不良品を発生させることもあります。ホコリや細菌が付きにくいように加工された作業着を着ることで、品質に影響を与えずに作業できます。
私服を着て作業をすると、服が製品や検査器具に引っ掛かり破損や不具合につながることも考えられます。体型にフィットする作業着を着ることは、製品を守ることにつながります。
2-3.衛生的に作業するため
定められた作業着を着ることは、食中毒や異物混入を避け、衛生的に作業をするためにも必須です。
例えば食品工場では、食中毒などの発生を防ぐために服装や身だしなみに厳格な決まりがあり、白い作業着やつなぎの着用が一般的です。髪の毛の混入を防ぐことが必要な部署では、帽子やフードの下にヘアネットをつける場合もあります。
決まりを守った服装を着用することで、常に衛生的な環境で作業できるようになります。
3.工場別・勤務時の服装
工場の種類や取り扱う製品によっても勤務時の服装は異なりますが、それぞれの工場で着用する服装には共通する特徴が見られます。基本的には勤務先の工場の指示に従うことが前提ですが、工場ごとの一般的な服装の違いについてご紹介します。
3-1.製造工場の服装
製造工場では上下に分かれた作業服か、上下が一つになった「つなぎ」、髪の毛の混入を防ぐ意味で帽子を着用することが一般的です。
製造の現場では油を使うことが多いため、滑り止めの機能がついた作業靴を支給されることもありますが、靴に指定がない場合でも、滑りにくいように加工された靴が良いでしょう。サンダルなど素足が出てしまうものはもちろんNGで、革靴も避けるべきです。
また、一日中立って仕事をする部署も多いため、疲れにくい靴を選ぶことも重要です。
3-2.自動車工場の服装
自動車工場では大型の機械が数多く稼働していることから、安全性に配慮された丈夫な綿素材の上下に分かれた作業着、安全靴、帽子を着用するケースが一般的です。
自分で作業用ズボンを用意する場合でも、「短パンの禁止」「金具が表面に出ているものは禁止」といったように、安全や製品保護のための規定を会社側で設けている場合もあります。
以下の記事では、自動車工場での仕事についてより詳しく解説しています。
3-3.食品工場の服装
食品工場では衛生管理が重要であり、服装の規定も徹底されています。冷凍食品や弁当などの飲食物を加工・盛り付けする工場では、衛生面への意識から白衣や不織布のつなぎを作業服として着用するのが一般的です。
また、髪の毛が落ちないよう、髪を中に入れる形で帽子やフードを被り、マスクも着用します。靴はクリーン加工されたものを履くことが多く、水産物の加工場では水が靴のなかに入らないように長靴が支給されます。
食品の工場にも精密機械が導入されているケースは多く、そのような部署で働く人の作業着は、ゴミやほこり、汚れが付きにくい加工が施されています。
以下の記事では、食品工場での仕事についてより詳しく解説しています。
3-4.精密機器工場の服装
チリやホコリが許されない精密機器工場では、制電加工が施された作業着を着用することが一般的です。
また、クリーンルームでの作業時はクリーンスーツを着用します。頭部は髪の毛が入らないように衛生帽子やフルフードを被るなど、食品工場に似た服装で作業します。
以下の記事では、半導体工場での仕事についてより詳しく解説しています。
4.工場勤務時の服装の注意点
ここまでご紹介した以外にも、工場勤務なら知っておきたい服装の注意点があります。
4-1.規定どおり着用する
会社員として当然の心掛けですが、会社で定められた規定通りに作業着を着用することが重要です。
前述の通り、作業着は安全や衛生などの目的のために必要なものであり、着用に関しては工場ごとに明確なルールが定められています。
「ボタンを止めずインナーが出ている」「暑いからと腕をまくっている」など、ルールに反する着用をしていると、ケガや事故につながりかねません。自分の身の安全のためにも、ルールに従った服装で仕事をしましょう。
4-2.滑りにくい靴を履く
安全靴など作業に適した靴が支給されることもありますが、支給がない場合でも滑りにくく脱げにくい靴を選ぶことが大切です。
滑りにくい靴を選ぶ理由は、工場内に滑りやすい現場が多いためです。食品工場や製造工場は油を使っていることが多く、革靴はもちろん、スニーカーでも滑ってしまうことがあります。
また、滑りにくさ以外に「脱げにくい」「靴紐がない」ことも求められます。靴紐がついているスニーカーは紐が機械に引っかかったり巻き込まれたりする可能性があるため、工場での着用は避けるべきです。
4-3.髪はまとめる
衛生面や安全面に敏感な製造業の現場でも、髪形や髪色は比較的自由にできるのが一般的です。ただし、何をしても良いというわけではなく、周囲との調和がとれるヘアスタイルが望まれます。
また、帽子からはみ出さないように後ろで結ぶなど一定の制限がある場合もあります。髪が長すぎて帽子のなかに入れられないと、衛生管理や安全面で問題になるためです。
4-4.アクセサリーは外す
髪型よりも厳格な決まりがあるのが、ピアスや指輪などの「アクセサリー」です。異物の混入を防ぐ意味で、多くの工場内ではピアスやイヤリングなどのアクセサリーの着用は禁止されています。
製品に混入すると探すのに多大な労力が必要になるだけでなく、万が一見つからない場合、製品にロスが生じたり機械の故障を招いたりするなど、大きなトラブルにつながります。
また、髪色に決まりがある場合もあります。どのようなケースがあるか気になる際は以下の記事を参考にしてみてください。
5.工場で軽作業をする時の服装
製品の梱包や検査、シール貼り、簡単な運搬などといった軽作業の場合、制服が支給されないケースも少なくありません。そのような現場では、「動きやすい」かつ「汚れてもいい」服装にすることをおすすめします。
また、工場によっては空調が完備されていない場合や、機械の熱で作業する場所が高温の場合もあります。季節の移り変わりによっても工場内の気温が変わるため、臨機応変に服装を変えるように準備しておくと良いでしょう。
以下の記事では、軽作業の仕事内容について解説しています。
6.制服がない工場で働く時の服装
工場勤務では基本的に作業服が支給・貸与されますが、製品に直接触らない軽作業や製品の積み込みの仕事では制服が支給されないケースもあるようです。
制服がない場合は私服で作業することになりますが、動きやすくて汚れても構わない服装にすることが鉄則です。短パンやスカートなど肌が露出した格好や、飾りが多い服、袖や裾が長すぎる服は危険なためNGです。機械に巻き込まれたり、裾が踏まれて転倒したりする可能性があります。
作業時の服を自分で用意する際は、上は長袖Tシャツやトレーナー、下はジャージやジーパンのような動きやすい服装が基本となります。ホームセンターなどで売っている作業着や安全靴を買う方法もあります。
7.まとめ
工場の服装は、会社から支給・貸与される作業着と安全靴を着用するのが基本です。会社や所属部署によっては作業着が支給されない場合もありますが、私服でも安全かつ衛生的に作業ができる動きやすい服装を心掛けましょう。
服装以外にも「髪をまとめる」「ピアスなどのアクセサリーはつけない」といった会社ごとのルールを徹底して守ってください。
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