食品製造業とは?工場別の仕事内容とスケジュール例、向き・不向きを紹介
この記事で分かること
- 食品製造業には、パン工場や弁当工場、冷凍食品工場、菓子製造工場などがある
- 食品製造の現場で活かせるおすすめの資格には、食品衛生責任者やフォークリフト免許などがある
- 食品製造業は人手不足で需要があり、就業の難易度が低い
- まじめでコツコツ働ける方であれば未経験でも十分活躍できる
※この記事は6分30秒で読めます。
「食品製造業の工場には、具体的にどのような種類があるの?」
「私でも食品製造業で働ける?」
など、食品製造業の仕事内容や、食品製造業で働くメリット、自分に向いているかどうかなどを知りたいと思う方もいるでしょう。
食品製造工場には、パン工場やお菓子工場(菓子製造工場)など、さまざまな種類の工場があります。どの工場も衛生管理が行き届いていること、基本的にシフト制度を導入しているので比較的柔軟な働き方ができることなどが魅力です。
今回は、食品製造工場ごとに異なる仕事内容や1日のスケジュール例、食品製造工場で働くメリット・デメリット、食品製造業での仕事が向いている方などを解説します。この記事を読めば、食品製造業の仕事内容がよくわかり、自分に向いている仕事かどうかを判断できるようになります。
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1.食品製造業とは
食品製造業とは、肉・魚・野菜・果物などを原材料とした食品を製造・加工し、その後の販売までをおこなう業種のことです。食品の中には缶詰や調味料、パン・お菓子なども含まれますが、飲み物は含まれません。
食品製造業の市場規模は、他の産業と比較して企業数が1.2%、売上高が2.1%とわずかです(2022年度)。経営規模を見ても中小企業および零細企業が97.6%を占めており、あまり目立つ業種ではないように思えます。
しかし、食品製造業の仕事があるからこそ、私たちはすでにカットされた肉や魚を買って調理することができ、忙しいときにはパンやできあいのお弁当を、小腹が空いたときにはおやつを食べることができます。
たとえ目立たなくても、食品製造業は私たちの暮らしにとても深く結びついている重要な産業なのです。
また、先ほど食品製造業の経営規模は中小企業および零細企業がほとんどと述べましたが、食品製造業の出荷額は、全体の7割を中小企業が占めていることも事実です。
製造業全体で見たとき、もっとも出荷額の割合が大きいのは大企業で約53%であることを考えると、食品製造業の中小企業がいかに私たちの食生活を支えているかがわかります。
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参照:農林水産省「食品製造業をめぐる情勢」
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/soumu/attach/pdf/meguzi-32.pdf
2.【工場別】食品製造業の仕事内容
食品製造業は扱う食品や製造する商品ごとに、各社がさまざまな工場を設けています。ここでは、代表的な8つの工場の仕事内容について解説します。
工場ごとに向いている方、向かない方もまとめているので、食品製造業での仕事に興味がある方はぜひチェックしてください。
2-1.パン工場
コンビニやスーパーに卸すパン商品を製造する工場です。工場によってはパンだけでなくケーキやお菓子の製造までおこなう場合もあります。
パンに具材をトッピングしたり、袋へ梱包したりと、単純作業の繰り返しが多いのが特徴です。ベルトコンベアを使った流れ作業のため、パン製造の専門技術がなくても仕事ができます。
そんなパン工場での仕事は一人で黙々と進める傾向にあるので、できるだけ人と会話をせず、作業に集中したい方におすすめです。また、業務時間内は同じ作業を何度も繰り返すことから、物事にコツコツと取り組むことが得意な方にも向いています。
一方で単調な作業が続くと飽きてしまう方は、仕事を退屈だと感じてしまう可能性があるため向いていません。また、パン工場での仕事は立ち仕事が中心であり、仕分け作業や箱詰め作業などで体を動かすため、体力に自信がない方も働きづらい可能性があります。
単調な作業が苦手な方は手作業での工程が含まれる食肉加工工場や水産加工工場が、体力に自信がない方は手作業の工程が比較的少ない乳製品製造工場が合っているかもしれません。ぜひ食肉加工工場や水産加工工場、乳製品製造工場の項目もチェックしてみてください。
2-2.弁当工場
コンビニやスーパーに卸す弁当を製造する工場です。食材の下処理、調理、盛り付けといった作業を手作業でおこなう業務に配置されることが多く、流れ作業になるためスピードと正確性が求められます。
お弁当は賞味期限が短いため、食中毒や異物混入などを防ぐためのさまざまな対策が講じられているのも特徴です。衛生服を着用したり、エアシャワー室を通ったりするなど、工場ごとに厳重な衛生管理がおこなわれます。
そんな弁当工場での仕事はきれい好きな方に向いています。衛生管理がとりわけ厳重な環境なので、快適に働きやすいでしょう。またスピードだけではなく正確さも大事な仕事なので、ある程度丁寧に作業ができる方も適性があります。
一方で仕事でもプライベートでも細かなことが苦手な方は、弁当工場での仕事にストレスを感じてしまうかもしれません。
細かなことが苦手な方は、手作業が少なく機械を使った作業が多い乳製品製造工場が合っているかもしれません。ぜひ乳製品製造工場の項目もチェックしてみてください。
2-3.冷凍食品工場
冷凍食品工場では、製造や調理は基本的におこなわず、冷凍倉庫に保管されている商品の検品や梱包、出荷などをおこないます。
冷凍食品の品質を維持するために、冷凍倉庫で作業をする点が他の食品工場との違いです。温度差によって体調を崩してしまうことがあることから、こまめな休憩が設けられている工場も少なくありません。
そんな冷凍食品工場での仕事は体力や健康管理に自信がある方に向いています。温度差に負けず仕事ができる方は、適度な休憩を挟みながら働けることもあいまって疲れにくいでしょう。
一方で体力に自信がない方や、生活習慣が乱れがちな方は健康面に不安が残ります。快適に働けるとは言いづらい環境です。
体力に自信がない方は力仕事が比較的少ない乳製品製造工場が合っているかもしれません。ぜひ乳製品製造工場の項目もチェックしてみてください。
2-4.食肉加工工場
食肉加工工場は、肉を店舗で販売できる状態に加工する工場です。手作業で肉を切ることもありますが、冷凍肉を切る工程が多く、工場の規模や取り扱う肉の種類によってはスライサーなどの機械を使います。
肉の鮮度を守るために室温が低く、涼しい環境で仕事をするケースも多いです。
手作業で肉を切り分ける場合、ある程度調理器具に慣れているほうが仕事がしやすいので、普段から料理で包丁を使っている方だとスムーズに作業がしやすく、食肉加工工場に向いています。
一方で、においに敏感な方は注意が必要です。食肉加工工場は生肉を取り扱うのでにおいが鼻につく可能性があります。長時間働く場所としては向いていません。
においに敏感な方は、癖のあるにおいが比較的少ないパン工場が合っているかもしれません。
2-5.水産加工工場
水産加工工場は魚や魚介などの海産物を切ったり、魚の頭や内臓を除去したりする工場です。生の海産物は傷みが早く、保存性を高めるためにさまざまな加工が施されます。
水産加工工場で扱う製品はツナ缶、小魚や海苔などの佃煮、かまぼこのような練製品などさまざまです。
食肉加工工場と同様に、水産加工工場も担当する工程によっては手作業で仕事をします。例えば魚などの下処理、エラとり、骨とりなどの作業をおこなうので、包丁の扱いに慣れていて、かつ魚をさばくのが得意な方に向いています。
一方で水産物を扱う都合上、水に触れる機会が多いことから、「手が荒れる」という懸念点があります。肌が弱い方には向いていません。
また、こちらも食肉加工工場と同様、においが気になりやすい環境です。どの工程でも総じて海産物独特の生臭さの中で作業することになるため、海産物のにおいが苦手な方は気分が悪くなってしまうかもしれません。
海産物のにおいが苦手な方は、癖のあるにおいが比較的少ないパン工場が合っているかもしれません。
2-6.菓子製造工場
菓子製造工場は、チョコレートやクッキー、スナック菓子などの製造や梱包などをおこなう工場です。さまざまな種類の原材料を配合したのち、加熱や冷却などの工程を経て、専用機械による検品をおこないます。
原材料の配合や加熱などの作業は機械が中心ですが、ラインへの生地並べやトッピングをのせる作業など、細かい作業は人の手でおこなわれます。専門的な技術は特に必要ないため、未経験からでもチャレンジしやすい仕事といえます。
菓子製造工場では、季節やトレンドごとに新しい製品が開発されます。定期的に新作のお菓子の製造に携われるので、目新しいことが好きな方はやりがいや楽しさを感じられるでしょう。
一方でクリスマスやバレンタインデーなどの繁忙期は忙しく、スケジュールが過密になりがちです。勤務時間の変動もあるため、体力に自信がない方には向いていません。
体力に自信がない方は、乳製品製造工場が合っているかもしれません。夜勤などの勤務時間の変動は避けられない可能性がありますが、機械化が進んでいるので身体的な負担は軽減できます。ぜひ乳製品製造工場の項目もチェックしてみてください。
2-7.乳製品製造工場
乳製品製造工場は、牛乳やヨーグルト、チーズやバターなどを製造する工場です。
牛乳の製造では、生乳の検査や殺菌冷却、紙容器やビンなどへの包装作業をおこないます。乳製品は新鮮な原料を使用するため、徹底した温度管理と検査は欠かせません。完成した製品の抜き取り検査や、細菌のチェックなども大切な作業です。
ほとんどの工場では機械化が進んでいるため、手作業の工程はあまり多くありません。マニュアルに沿ってしっかり作業できる方であれば、無理なく働くことができるでしょう。
手作業が少ない乳製品製造工場での仕事は体力面の負担が少ない一方で、機械に頼りきりになるため気が緩みがちです。責任感があり、機械の操作一つでも丁寧に仕事ができる方だと、しっかり業務を遂行できます。
一方で単純な作業を繰り返すだけでは飽きてしまうという方は、乳製品製造工場での仕事は退屈してしまうでしょう。
単純な作業の繰り返しが苦手な方は、手作業での工程が含まれる食肉加工工場や水産加工工場が合っているかもしれません。
2-8.農産加工品製造工場
農産加工品製造工場は、農産物を原料としたジャムやピクルス、缶詰野菜などの加工や製造をおこなう工場です。
製品は品質とともに保存性が重視されるため、冷凍や加熱、フリーズドライや瓶詰めなど、製品の特性に合わせてさまざまな加工法が用いられます。
例えばジャムの製造の場合、果物を洗浄・選別し、細かく切ってから他の材料と一緒に煮詰めます。できあがったジャムは殺菌処理とともに瓶に詰める、というのが一連の流れです。
農産加工品製造工場では農産物をおいしく保つための加工技術を間近で見られるため、食品の品質管理に興味のある方であれば、学びを得られて充実した気持ちで働けるでしょう。
一方で農産物の選別のように正確性を求められる作業があることから、丁寧で細かな仕事が苦手な方は働いていてストレスを感じる可能性があります。
細かな仕事が苦手な方は、手作業が少なく機械を使った作業が多い乳製品製造工場が合っているかもしれません。
3.食品製造業で働く1日のスケジュール例
食品製造業の1日のスケジュールは、取り扱う食品の種類や自身の担当業務によっても異なりますが、一般的なライン作業をおこなう場合の1日の勤務スケジュール例は、以下のとおりです。
- 8時:出勤後、着替えて朝礼
- 8時30分:手洗い、消毒などの衛生管理や作業準備
- 8時45分~12時:製造作業
- 12時~13時:昼休憩
- 13時~15時:製造作業
- 15時~15時15分:小休憩
- 15時15分~16時30分:製造作業
- 16時30分~17時:片付け、清掃
- 17時:退勤
食品製造業で働く場合、徹底した衛生管理のもと、効率的に製造作業をおこなえるよう1日のスケジュールが組まれることが多いです。
出勤後は粘着テープやエアシャワーなどを使って全身の埃やゴミを取り、清潔な状態で仕事に臨むのが基本です。
朝礼では、その日の製造予定や伝達事項の共有がおこなわれます。作業内容ごとにラインが分かれている場合は、グループリーダーから具体的な作業内容の指示を受けることもあるでしょう。
4.食品製造工場で働く8つのメリット
食品製造工場の種類はさまざまですが、共通して以下のようなメリットがあります。それぞれのメリットについてお伝えします。
4-1.空調が効いている環境で働ける
食品の品質を維持するため、空調の効いた環境が維持される工場がほとんどです。夏場でも涼しい環境で働けるのは、食品製造業ならではのメリットといえます。
ただし、冷凍食品の工場は冷凍倉庫で働くので、涼しいどころか寒いと感じることもあります。
また、炒め物や揚げ物をする工場は、火や油が発する熱によって暑すぎると感じることもあるでしょう。どのような環境で働くのか、一度確認してみることをおすすめします。
4-2.衛生的な環境で働ける
人の口に入るものを扱う食品製造工場は、安全性の観点から衛生面にとても気を遣っており、常に清潔に保たれています。
特に令和3年以降は、国際的な衛生管理手法「HACCP」に沿った取り組みを実施するよう国によって制度化されており、どの工場もいっそう衛生管理に力を入れるようになりました。
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参照:農林水産省「食品製造業をめぐる情勢」
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/soumu/attach/pdf/meguzi-32.pdf
衛生管理が徹底されている環境は、人にとっても清潔かつ快適で過ごしやすいといえます。細菌やほこりが少ないので、きれい好きな方や体調を崩しやすい方でも働きやすいでしょう。
4-3.比較的力仕事が少ない
食品製造業はベルトコンベアを用いたライン作業がメインとなり、ほとんどが軽作業の部類です。
金属製の部材を扱う一般的な製造業と比べれば、力仕事が少ない傾向があります。そのため、腕力に自信がない方でも無理なく働けるでしょう。
食材の搬入など重い荷物を運ぶタイミングもありますが、フォークリフトを使ったり周りの人のサポートを受けたりできるので、自分だけで重いものを持つことはほぼありません。
4-4.チームで働く達成感がある
食品製造工場の仕事は、他の従業員と複数人で取り組むライン作業がメインです。
自分の仕事が遅れると、あとの方の仕事に影響してしまい、逆に前の方の遅れが自分の仕事に響くこともあります。だからこそチームで仕事をしている意識を持ち、スピード感を持って正確に仕事をこなすことが大切です。
自分の仕事ぶりが他の従業員に影響すると聞くとプレッシャーを感じるかもしれません。しかし、チーム一丸となって働くからこそ、仲間との一体感やみんなで働く達成感、やりがいを得られるのも事実です。
場合によっては他の従業員との絆を育むきっかけにもなるでしょう。
4-5.仕事を通して食の意識を高められる
食品製造業は人間が生きていくうえで絶対に欠かせない「食」を支える仕事であり、仕事を通して食への意識を高められます。
日々何気なくコンビニやスーパーで購入しているパンやお弁当などにも多くの方が関わっていることを実感できるでしょう。
また、季節の新商品にいち早く携われるのもメリットです。仕事は単純作業が多く飽きやすい側面もありますが、さまざまな商品加工に携わることで新鮮な気持ちとやりがいを持って仕事に取り組めるでしょう。
4-6.シフト制で柔軟な働き方ができる
食品製造業の仕事の大きな魅力として、柔軟な働き方を実現しやすいという点が挙げられます。
食品製造工場の多くは、早番や遅番、夜勤などに分かれたシフト制を採用しています。そのため、自分のライフスタイルや希望に合わせてシフトを組むことができ、仕事とプライベートを無理なく両立させることができます。
また、効率的に稼ぎたい方は、積極的に夜勤のシフトに入ることで、日中にシフトを組むよりも短時間で高収入を狙うことができるでしょう。
4-7.夜勤や交替勤務で収入アップが期待できる
食品製造工場での仕事には夜勤があります。国は企業に対して、午後10時から午前5時までの時間帯で働く従業員に25%以上の深夜手当を支払うことを義務付けているため、夜勤のシフトを希望すれば、同じ労働時間でも日勤のシフトより多くの収入を得られます。
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参照:厚生労働省「割増賃金の基礎となる賃金とは?」
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040324-5a.pdf
また、24時間稼働の工場だと、交替勤務をおこなう従業員に対して交替勤務手当が支給されるケースもあります。
交替勤務手当は、生活リズムの乱れによる健康面への負荷を考慮して支給される手当であり、支給額の平均は月額制の場合1万5,983円、一律日額制の場合1,594円です(※3交替の場合)。
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参照:厚生労働省「調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/churoi/chousei/chingin/15/dl/index3-03.pdf
交替勤務手当の支給は義務化されているわけではありませんが、深夜手当とは別にもらえるので、場合によっては大幅な収入アップを期待できます。
4-8.未経験から始めやすい
食品製造工場の仕事は特別な資格が不要で、学歴不問や未経験の募集も多くあります。スキルや学歴に自信がなくても働きはじめることができます。
また、人が生きるうえで欠かせない「食」に関係する仕事なので常に需要があります。安定して長く働けるのも大きなメリットといえるでしょう。
5.食品製造工場で働くデメリット5つ
上記のようなメリットがある一方、どの食材の工場にも共通するデメリットもあります。4つのデメリットを見ていきましょう。
5-1.立ちっぱなしでの仕事になる
食品製造業はベルトコンベアで流れてくる食品を加工するのが主な仕事です。基本的に作業中は同じ姿勢のまま立ちっぱなしになり、足腰に負担がかかりやすくなります。
座りながら作業ができる工場もありますが、長時間同じ姿勢になることは変わりません。座りっぱなしの仕事は足への負担が抑えられる一方、腰痛や肩こりに悩まされる方も少なくありません。
家に帰ったらゆっくりお風呂につかったり、足のマッサージをしたりして、一日の疲れを癒やして翌日に備えましょう。
5-2.作業スピードについていく必要がある
食品製造業ではベルトコンベアで流れてくる大量の食品を加工する必要があります。一日に大量の食品を製造・加工するため、スピード感を持って作業をこなしていかないと間に合いません。
また、自分のペースで働けばよいわけではなく、他のラインで働く従業員のペースとも合わせる必要があります。そのため、休憩時間まで基本的に手を止められません。
慣れれば問題なく作業できますが、最初は作業スピードについていけない、自分のペースで働けない、といった点で苦労する方もいます。数ヶ月もすれば徐々にスピードに慣れてくる場合が多いです。
5-3.繁忙期になると忙しくなる
食品製造業に限った話ではありませんが、多くの仕事では「繁忙期」と「閑散期」があります。需要が増える時期は仕事も忙しくなるでしょう。
特に消費期限が短く、作り置きできない食品の場合、繁忙期には非常に忙しくなります。
繁忙期に合わせて短期のアルバイトを募集する工場もありますが、社員一人ひとりの一日のノルマも閑散期より大きく設定されます。ノルマをこなすまでは終業できず、残業が発生することも珍しくありません。
残業が多すぎて心身に不調をきたしそうな場合は、早めに部署異動や配置換えの相談をしてみましょう。
5-4.手が荒れてしまう可能性がある
方法は異なるものの、衛生管理が徹底されているという点はどの工場も共通しています。衛生管理の観点から、アルコール消毒をひんぱんにおこなう必要がある工場も少なくありません。
担当する作業次第ではハンドクリームの使用が禁止されている場合もあり、手荒れに悩む方もいます。
作業の現場ではゴム手袋をつけて作業するため通気性が悪く、一度手荒れを発症するとどんどん悪化する可能性もあるでしょう。
仕事が終わったらすぐにハンドクリームなどでケアできるように、普段からケア用品をカバンに入れておくことをおすすめします。
5-5.メイクやアクセサリー禁止の工場が多い
食品製造工場では文字通り食品を扱います。異物混入や食中毒を起こしたら大変なので、従業員はピアスやネイル、香水などが禁止されているのが一般的です。おしゃれを楽しみたい方にとっては物足りなく感じて、最初はモチベーションが上がらないかもしれません。
しかしファッションやメイクに大きな差が出にくいので、人と比較されることがありません。みんなが同じルールで働く環境を、かえって居心地がよいと感じる方も多いです。
また、朝の支度に時間がかからないのも、長く働き続けるうえでは大きなメリットといえるでしょう。毎日の支度の時間を省けるので、そのぶんゆっくり寝たり、趣味に時間を使ったりできます。
このように、格好が制限されているからこそ気楽に働けるという一面もあります。メイクやアクセサリー禁止のルールに抵抗があるという理由で働くことをためらっている方は、一度食品製造工場の仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
6.食品製造業に向いている人の特徴
食品製造業に向いているのは、以下のような特徴を持った方です。
6-1.単純作業が苦にならない
食品製造業は扱う食材に関わらず、ベルトコンベアを使った流れ作業がメインです。力仕事が少ない一方で、単純作業が多い傾向にあります。
単純作業の中身は、食材をカットする、調理する、パンにバターを塗るなど多種多様ですが、基本的には同じ作業をずっと続けることになります。
このような単純作業を苦に感じない方は、食品製造業の仕事に向いています。一つの作業に集中することが得意な方は働きやすいでしょう。
6-2.食に対して興味がある
食品製造業で働くのなら、自分たちが作る製品に興味を持てることも、仕事を長く続けるうえでは大切です。
食品製造業で働いていると、私たちが日常的に口にする食材や製品がどのように作られているのか、どのような作業工程があるのかを知ることができます。今まで知らなかった食材や製品を知るきっかけにもなるでしょう。
おいしいものを食べることが好きな方や、グルメそのものに興味がある方は、楽しんで働けるかもしれません。
6-3.調理が好き
食品製造業の仕事では、食材の下処理やカット、調理、盛り付けなど、一部の工程を手作業でおこないます。これらは日常の料理にも含まれる工程なので、食品製造業で働くことで、料理のスキルが上がります。食材の扱いや管理に関する知識も身につくでしょう。
このように、料理に関するいろいろなことを学べるので、調理が好きな方は前向きな気持ちで働くことができます。
6-4.衛生管理への意識が高い
衛生管理への意識が高いかどうかも、食品製造業への向き・不向きを考えるうえでは重要です。どの食品製造業でも衛生管理は非常に重要度が高いため、消毒などを苦に感じない方が向いています。
きれい好きでこまめに掃除をする方や、手洗い後の消毒を習慣としている方は、ストレスを感じにくいかもしれません。
7.食品製造業に向いていない人の特徴
向いている方がいる反面、以下のような方は食品製造業に向いていない場合があります。
7-1.生臭さが苦手
食品製造業の中でも生肉や生魚を扱う食肉加工工場・水産加工工場は、食材の生臭さが気になりやすい環境で働くことになります。
比較的独特なにおいが少ないパン工場や弁当工場でも、食品特有のにおいはゼロにできません。このため、においに敏感な方は食品製造業に向いていない可能性があります。
においが苦手な方が食品製造業で働くなら、臭気対策がしっかりされているかどうかを、事前に確認するのがおすすめです。送風設備を使って空気を循環させていたり、消臭・脱臭装置が導入されていたりする工場は、多少働きやすいかもしれません。
7-2.細かい作業が苦手
食品製造業の仕事は細かな作業がメインなので、細かい作業が苦手な方は基本的に向いていません。特に食材の加工や調理などは細かな作業が多いため、避けたほうがよいでしょう。
しかし、例えば冷凍食品工場のように、商品の検品や梱包、出荷などがメインの工場もあります。細かな作業が少ない工場を選べば、細かい作業が苦手な方でも食品製造業の仕事を充分にこなすことが可能です。
7-3.単純作業に飽きやすい
食品製造業の仕事は単純作業の繰り返しなので、同じことをずっと続けていると飽きてしまう方には向いていません。毎日働いていて、退屈に感じてしまうでしょう。
それでも食品製造業で働きたい場合は、自分なりに単純作業を「楽しい」と思えるような工夫をしてみてはいかがでしょうか?
例えば一日でこなす作業量に目標を定め、それをクリアするための工夫を考える働き方を意識すると、働くことに対するやる気や、目標をクリアしたときの達成感につながり、仕事にも貢献できて一石二鳥です。
このように飽きっぽい方は、「どうすれば仕事が充実するのか?」を考えながら、仕事に取り組んでみてください。
8.食品製造業で働くには?
食品製造業で働くのに特別な資格や経験は不要です。学歴も問われないので、工場が提示している条件さえ満たしていれば、スキルや経歴に関係なく働きはじめることができます。
8-1.食品製造業の難易度
資格・経験・学歴が不問でも、企業が人材を募集していなければ働くことはできません。しかし食品製造業は、その点の心配は少ないです。
令和4年以降の食品製造業の有効求人倍率は3倍以上、もしくはその付近で推移しています。
有効求人倍率とは、ハローワークにおける1ヵ月あたりの求人者数に対し、有効な求人の件数がどれだけあるかを割合として表した数値のことです。
これが1倍を上回ると求職者よりも求人数が多い=人手不足と判断されます。有効求人倍率が3倍近い食品製造業は、充分に人手不足といえる状況です。
実際に多くの食品メーカーが、「人材の育成・確保」を自社の経営課題として挙げているというデータもあります。
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参照:農林水産省「食品製造業をめぐる情勢」
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/soumu/attach/pdf/meguzi-31.pdf
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参照:経済産業省「食品製造業における省力化推進体制の構築」
https://www.hkd.meti.go.jp/hokcf/20250527/detail.pdf
このように、慢性的な人手不足の状況にある食品製造業は多くの労働力を必要としているので採用されやすく、就業の難易度が比較的低いです。
8-2.食品製造業の仕事に活かせる資格・経験
ここでは、食品製造業の仕事に活かせる資格や経験について紹介します。食品製造の仕事に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
ただし、名称のある資格や特別な経験を持っていなくても、食品に興味・関心があれば食品製造業で働く素質としては充分です。
料理が好きな気持ちや、日常的に料理をしている習慣なども食品製造業の仕事に活かすことができるので、難しく考えすぎずチャレンジしてみてください。
8-2-1.食品衛生責任者
食品衛生責任者は、食品業界で需要の高い資格の一つです。食品衛生責任者の資格を取得すると、食品製造業や食品販売店などの現場で、食品の安全性を管理する責任者として働くことができます。
食品衛生責任者の資格は、都道府県などが実施する養成講習会を受講し、修了試験に合格することで取得できます。修了試験は、講習会の内容から出題されるため、しっかり復習しておけば、難易度はそこまで高くないといえます。
また、食品を扱う施設では食品衛生責任者の配置が法律によって義務付けられているため、取得しておくことで転職時に有利に働く可能性が高いです。
8-2-2.調理師資格
調理師資格は、料理や製菓に必要な調理技術や栄養学などを保有していることを示すことができる、調理師法に基づく国家資格です。
調理師資格があれば、新商品の開発時に、専門的な視点でアイデアを提案できることもあるでしょう。料理や製菓の専門的な知識を仕事に活かせるため、取得することで社内での評価が高くなる可能性もあります。
ただし、調理師資格を取得するには、中学校卒業以上かつ、2年以上調理業務の経験があるという条件を満たす必要があります。少しハードルは高くなるものの、取得できれば食品製造業で活躍するための強力な武器となるでしょう。
8-2-3.フォークリフトの運転免許
食品工場では、原材料や製品などの搬入にフォークリフトを使用します。そのため、フォークリフトの運転免許を取得すれば、食品製造業での仕事の幅が広がるでしょう。
フォークリフトの運転免許は、普通自動車運転免許を持つ方であれば4日間で取得できます。費用も2~4万円程度と比較的安価で、合格率も高いため、無理なくチャレンジできるでしょう。
以下の記事では、フォークリフトの運転免許取得方法について詳しく解説しています。気になる方は、ぜひ参考にしてください。
8-2-4.機械操作やメンテナンスの経験
食品製造の現場では、さまざまな機械を使って製品の加工や包装をおこないます。そのため、食品製造に関わる機械操作やメンテナンスの経験がある方は、食品製造の現場で活躍できる可能性が高いといえます。
製造ラインで突然機械が停止してしまった場合も、経験者であればその原因を素早く特定し、適切かつ迅速に対処できるでしょう。
トラブルを解消して生産性の向上に貢献すれば、社内でそのスキルを高く評価してもらえるかもしれません。
8-3.食品製造業は未経験でも働ける?
食品製造業として募集している仕事は単純作業が主であり、未経験からでも働けます。
取り扱う商品や製品の知識がないと不安に感じるかもしれませんが、入社後に知識を身につけられるので心配は無用です。入社時点で特に経験や資格を持っている必要はないでしょう。
工場特有のルールや作業の手順も、入社後に先輩に教えてもらえるので、事前知識として勉強しなくても入社は可能です。
ただし、商品開発や品質管理の仕事には専門知識が必要です。もし募集があったとしても未経験者が就職することは難しいでしょう。まずは、ライン作業で経験を積んでからキャリアアップを目指すのが望ましい形です。
未経験からの入社に不安があるなら、サポート体制が万全の工場を選ぶことをおすすめします。
9.まとめ
食品製造業は、私たちの生活に欠かせない「食」を支える重要な役割を担っており、工場の種類もパン工場や弁当工場などさまざまです。
食品製造業の仕事の魅力として、体力をあまり使うことなく、シフト制で働きやすいこと、手当で収入アップが期待できること、未経験でもチャレンジしやすいことなどが挙げられます。
一方、人によっては立ちっぱなしの状態や繁忙期の忙しさ、ファッションが制限されるルールにしんどさを感じるかもしれません。
しかし、食そのものに興味がある方や、コツコツ続ける作業が得意な方であれば、食品製造業の仕事に大きなやりがいを感じられるはずです。
また、就業の難易度が低く、それでいて安定して長く働けるのも食品製造業の魅力といえます。資格や経験を問われない業種なので、未経験の方もぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
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