派遣の契約・待遇
更新日:2024年05月29日

派遣社員も健康診断を受けられる?条件や費用負担の有無、検査項目を紹介

派遣社員も健康診断を受けられる?条件や費用負担の有無、検査項目を紹介

※この記事は6分で読めます。

「派遣社員でも健康診断を受けられるの?」
「派遣社員の健康診断の受け方を知りたい」
など、派遣社員の健康診断に関して知りたい方もいるでしょう。

派遣社員も条件を満たすことで健康診断の対象となり、受診費用は会社負担で一般的な健康診断が受けられます。

今回は、派遣社員の健康診断の概要、健康診断の項目や流れなどを解説します。この記事を読めば、派遣社員が健康診断を受ける流れがよくわかり、対象の方は迷いなく受診できるようになります。

1.派遣社員も健康診断を受ける義務がある

労働安全衛生法第66条によって、事業主は常時使用する労働者に対して健康診断を実施しなくてはなりません。また、健康診断を受診することは労働者の義務でもあります。

有期労働者や短時間労働者については、以下の2つの条件を満たす場合に対象となります。

  • 無期契約または契約期間が1年以上の有期契約者
  • 正社員の週所定労働時間の4分の3以上の時間を働いている労働者

これらを満たしていれば、派遣社員でも健康診断を受けることが可能です。

2.派遣社員が健康診断を受けるための条件

派遣社員が健康診断を受けるための条件は、派遣会社の決まりによって異なります。社会保険に加入している方だけを、健康診断の対象としている派遣会社もあります。

健康診断は、入社してすぐに受けられる場合もあれば、半年以上勤務してから受けるという派遣会社もあるため、条件は派遣企業によってさまざまです。

健康診断の予約などは基本的に自分でおこなうケースが多いため、働く前に健康診断を受けられるかどうか、健康診断はどれくらいの時期に受診すれば良いか、などを確認しておくと安心です。

3.派遣社員の健康診断の費用負担はどうなる?

派遣社員に限らず、法定項目の健康診断についての費用負担は会社の義務です。しかし、派遣社員の場合、派遣元と派遣先のどちらが費用の負担をするかは、健康診断の内容によって異なります。

基本的に、派遣社員の健康管理は雇用主でもある派遣元が責任を持つことになっているため、一般健康診断を実施する義務は派遣元にあり、費用の負担も派遣元が担います。

派遣先が会社としておこなう健康診断を受診することもできますが、その場合の費用も派遣元が負担します。

ただし、一般健康診断に合わせて個人的に子宮頸がんや乳がん検診、腹部エコーなどの追加の検査をしたい場合は自己負担になることが多いため事前に確認をしましょう。

派遣先の業務内容が放射線業務や特定化学物質を取り扱う業務など、特に健康を損なう恐れがある業務の場合、一般健康診断の他に特殊健康診断を受診する義務があります。

これは派遣先の業務の都合でもあるため、健康診断の実施義務は派遣先にあり、費用の負担も派遣先です。

また、特定化学物質を扱う業務に従事したことのある労働者に対しては、その業務を離れたあとであっても6ヵ月ごとに特定化学物質健康診断を実施することが企業の義務となっています。

派遣社員の場合、特定化学物質健康診断の受診が必要な労働者に対しては、派遣先で該当する業務にあたっている期間内であれば派遣先が費用負担をします。

しかし、その派遣先との派遣契約が切れ、特定化学物質を扱わない別の派遣先で働き始めた際には、派遣元が特定化学物質健康診断の実施をし、費用も派遣元が負担することになります。

派遣とは違う形で過去に特定化学物質を扱う仕事をしていた方で、退職後に派遣に登録して働き始めたという方も同様です。

健康診断のために勤務できなかった時間がある場合、その時間分の給与は支払われない派遣会社もあるため、事前に確認しましょう。給与の支払いがない場合には、事前に有給休暇を申請したり、休日に受診をしたりするなどの工夫が必要です。

また、健康診断のための交通費は支給されないことが一般的であるため、自宅からなるべく近い病院を探すこともポイントです。

4.派遣社員が受ける健康診断の項目例

労働者が受ける定期健康診断の項目は主に以下の表の内容で、派遣社員でも同じ項目の健康診断を受けることができます。

健康診断項目 省略基準(医師の判断による)
  • 既往歴および業務歴の調査
  • 自覚症状および他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、腹囲、視力および聴力の検査
  • 身長…20歳以上は省略可
  • 腹囲…40歳未満の方(35歳を除く)、妊娠中の女性、BMI20未満の方、自分で測定した腹囲を申告した方は省略可
  • 胸部エックス線検査
  • 喀痰検査
  • 胸部エックス線…40歳未満の方(20歳、25歳、30歳、35歳の方を除く)。 ※ただし、病院などの施設で勤務している方と、常時粉じん作業に従事する労働者でじん肺に所見がないと認められる方(管理区分1)、過去に常時粉じん作業に従事していた労働者で両肺のエックス線写真にじん肺による粒状影または不整形陰影が少量あると認められる方のうち著しい肺機能の障がいがない方(管理区分2)については省略不可。
  • 喀痰検査…胸部エックス線検査によって、病変の発見、結核発病のおそれがない方、胸部エックス線検査の省略が可能な方は喀痰検査についても省略可。
  • 血圧の測定
  • 貧血検査(血色素量および赤血球数)
  • 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  • 血糖検査
  • 40歳未満(35歳を除く)
  • 尿検査
  • 心電図検査
  • 40歳未満(35歳を除く)

これらの検査は、最低でも年に1回おこないます。結果は後日届き、それぞれの数値と、その数値について「要注意」「基準範囲」「異常(再検査)」などの判定が記載されています。再検査の判定がでた場合には、速やかに専門の診療科を受診するようにしましょう。

5.派遣社員が健康診断を受けるまでの流れ

派遣社員が健康診断を受けるまでの流れは以下のようになります。

  • 健康診断のお知らせが派遣会社から届く
  • 会社が定める健康診断の時期になると、派遣会社から健康診断のお知らせが届きます。メールまたは書類が届くので、お知らせが届いたらなるべく早く健康診断を受けられるよう準備しましょう。

  • 受ける健診センターまたは病院と、受診コースを選ぶ
  • 会社から病院の指定などがない場合、自分で受診する病院と受診コースを選んで予約します。

  • 健康診断を受ける
  • 健康診断の予約が完了すると、病院から受診票が届きます。その際、尿検査や喀痰検査などの検査容器も一緒に届くこともあります。受診表をよく読んで、指示どおりのタイミングで採取しましょう。

    健康診断当日は、健康保険証、受診表、採取した検体を持って予約の時間に病院に行きます。視力矯正をしている方の場合には、眼鏡やコンタクトを忘れないようにしましょう。

    また、健康診断の費用は会社負担ですが、受診した方が病院窓口でいったん立て替えるというパターンもあるため、支払いの準備もしておきましょう。

    窓口で健康診断費用を立て替えたら、領収書を受け取ります。この際、領収書の宛名は会社名にしましょう。立て替え分の金額は、領収書を会社に提出することで、後日現金や給与に福利厚生費として上乗せで返金されます。

  • 健康診断の結果が郵送される
  • 健康診断の結果は後日郵送にて届きます。しかし、病院によっては手渡しのこともあるため、その場合は病院に出向いて受け取る必要があります。

結果には、各検査項目の測定値とそれについての判定などが記載されています。検査結果によっては再検査が必要なこともあるため、結果が届いたらすぐに確認するようにしましょう。

検査結果を確認できたら、すみやかに会社に提出します。病院によっては自宅用と職場提出用の2枚の結果用紙が届く場合もあるため、その場合には2枚のうちの1枚をそのまま提出しましょう。

検査結果が1枚しか届いていないという場合には、コピーを提出するなどして、自分の手元にも検査結果が必ず残るようにしてください。

以下の記事では、健康診断を含めた企業の福利厚生について詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

6.派遣社員の健康診断に関するよくあるQ&A

最後に、派遣社員の方の健康診断に関するよくある質問と回答をご紹介します。

6-1.健康診断を派遣会社から指示されました。行かないといけないですか?

健康診断は、企業が「健康診断を実施する」ことと、労働者が「健康診断を受診する」ことの両方が義務となっています。

拒否した場合は健康診断を拒否する理由を聞かれる場合があります。また、就業規則に健康診断が必要という記載があれば、懲戒処分の対象にもなり得ます。

6-2.健康診断の日時を指定されましたが、予定が合いませんでした。

健康診断の日時を会社から指定された場合、予定が合わないこともあるでしょう。特に女性の場合、月経期間を避けて健康診断を受ける必要があり、指定された日時では受診できないという場合もあります。

その場合には、受診予定の病院に自分で連絡して、再度日程を調整することが可能です。その際、派遣会社側にも日程がずれることを連絡しましょう。

6-3.派遣先の会社から健康診断で仕事を抜ける許可をもらえません。

健康診断を受診したいのに派遣先の会社から仕事を抜ける許可をもらえないという場合には、すぐに派遣元企業の担当者に相談しましょう。

健康診断は労働安全衛生法に定められた義務です。労働者から健康診断による欠勤を求められた際には、企業はそれを許可しなくてはなりません。

仮に繁忙期などで、そのタイミングでどうしても社員に休んでほしくないなどの事情がある場合には、企業側は日程調整などの打診をすべき立場にあります。そういった調整などもせずに一方的に仕事を抜けさせない場合は、労働安全衛生法違反となります。

7.まとめ

労働安全衛生法によって定められた労働者の健康診断は、それを実施する企業と、受診する労働者の両方に対して義務が課せられています。

長く働くためには健康であることが大前提です。働く本人と企業の双方が健康に対しての意識を高めることで、個人だけでなく企業全体の生産性を高めることにもつながるため、健康診断を定期的に受けて、健康で働き続けられるようにしましょう。

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