派遣で契約更新しない場合の伝え方は?円満な手続きの進め方や理由の伝え方
- # 派遣・契約社員

※この記事は5分30秒で読めます。
「新しい仕事がしたいから派遣契約を更新したくない」
「もう派遣を辞めたいけど、絶対に更新しなきゃいけないの?」
など、派遣社員の契約更新に関して疑問を持っている人もいるかと思います。
派遣の雇用契約は、きちんとした手順を踏むことで更新しない選択もできます。
今回は、派遣の契約更新の概要や円満な手続きの方法、契約更新しない理由の伝え方などを解説します。この記事を読めば、派遣契約の基礎知識が身につき、今後のキャリアを具体的に考えられるようになります。
エリアから工場・製造業のお仕事を探す
1.派遣契約を更新しないことは可能?
派遣契約は、更新しないという選択をすることも可能です。
ただし、関係者に迷惑をかけないように、適切に更新をしない手続きの手順を踏むのが社会人としてのマナーです。
派遣契約を更新しないと決断したら、まずは派遣会社の担当者に申し伝えます。その後、派遣会社が就業先企業との調整や事務手続きなどを進める形となります。
2.派遣の契約更新について
派遣の契約更新は、正社員などの正規雇用とは異なる仕組みでおこなわれます。
派遣社員として働くうえで知っておくべき、契約更新に関するポイントを5つご紹介します。
- 更新は契約満了日の30日前までに決まる
- 自動更新はされない
- 派遣会社の担当者と更新確認をする
- 契約の最長期間は3年
- 初回更新時でも断ることは可能
それぞれのポイントを確認していきましょう。
2-1.更新は契約満了日の30日前までに決まる
厚生労働省が告示した「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」によると、
派遣会社は、契約更新を3回以上している契約社員や1年以上継続的に就業している派遣社員と次の契約を更新しない場合、契約満了日の30日前までにその旨を伝えなければならないと記されています。
派遣の契約を更新するかどうかの判断基準は企業により異なりますが、就業先企業の内情や派遣社員の働きぶりなどから判断されることになるでしょう。
-
参照:厚生労働省「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/12/dl/h1209-1f.pdf
2-2.自動更新はされない
派遣契約は、自動更新されることはありません。派遣会社の担当者が面談で派遣社員側の意思を確認したうえで更新手続きをおこないます。
これは労働者派遣法第26条に義務として定められているものです。
-
参照:e-GOV「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=360AC0000000088
2-3.派遣会社の担当者と更新確認をする
派遣社員の契約更新に関する手続きは、派遣先企業ではなく派遣会社の担当者がおこなうものです。
派遣先企業は、派遣社員と派遣会社の間にある労働契約には立ち入れません。必ず派遣会社の担当者と契約期間の更新の確認をするようにしましょう。
2-4契約の最長期間は3年
派遣社員が同じ職場の同一部署で働き続けられる期間は、最長3年間と定められています。
一般的な派遣社員が3年を越えて働く場合は、派遣先企業に直接雇用される必要があります。
ただし「紹介予定派遣」の場合は、派遣先企業との直接雇用を前提に半年程度の派遣期間を過ごすことになります。
2-5.初回更新時でも断ることは可能
たとえ初回更新時でも、望まないのであれば遠慮なく更新を断ることが可能です。
職業選択の自由は平等に与えられた当然の権利です。断ったとしても派遣会社や派遣先企業との関係性が悪化することはありません。
3.契約更新しない場合の円満な手続きの進め方
いざ派遣契約を更新しないと決断しても、伝えるタイミングや断り方がわからないという人もいるかもしれません。
円滑な手続きのために、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 契約終了1ヵ月前までに更新しないことを伝える
- 派遣会社の担当者に伝える
- 理由は必須ではないが求められたら答える
それぞれのポイントについてお伝えします。
3-1.契約終了1ヵ月前までに更新しないことを伝える
更新を希望しない場合は、派遣契約が終了する1ヵ月前までにその旨を伝えましょう。派遣先企業は後任の人材を確保する必要があるため、契約終了直前だと対応しきれない可能性があります。
特別な事情がない限り、手続きを円滑に進めるためにも、相手側の状況を考慮してなるべく早く行動することが大切です。
3-2.派遣会社の担当者に伝える
派遣契約を更新しない場合は、前述の通り派遣元である派遣会社の担当者にその意志を伝えます。
雇用契約のない派遣先企業に直接伝えると混乱を招く恐れがあるため、絶対に避けるようにしてください。
その後の手続きは派遣会社と派遣先企業の2者間でおこなわれます。派遣先企業で挨拶や引き継ぎなどをおこなう時期も、派遣会社の担当者に相談してから対応するようにしましょう。
3-3.理由は必須ではないが求められたら答える
派遣契約の更新を希望しない場合、その理由を伝える義務はありません。
ただし、派遣会社の担当者から問われた際には、可能な範囲で回答することをおすすめします。
あなたと派遣先企業の関係性や仕事内容に関する理由であれば、派遣会社側も何らかのフォローが必要になるでしょう。担当者に理由を把握してもらうことで、手続きも円滑に進むはずです。
4.契約更新しない理由の伝え方
派遣契約を更新しないと決断しても、その理由の伝え方は難しいものです。
自分が想定している通りの伝え方ができるとは限りませんが、以下の2点を頭に入れておきましょう。
- 嘘をつかずに伝えられる範囲で話す
- 答えにくい場合ははっきりと伝えなくてよい
それぞれの伝え方についてお伝えします。
4-1.嘘をつかずに伝えられる範囲で話す
派遣契約を更新しない理由は、可能な範囲で伝えられれば問題ありません。
派遣会社に書面で理由の記載を求められたら、「一身上の都合により、派遣契約の更新をおこないません」と記載すれば、ほとんどの場合は受理されます。 万が一、対面や電話で確認された場合は、内容によってはストレートに伝えても問題ないでしょう。
例えば、「正社員の仕事が決まった」「配偶者が転勤になった」といった致し方ない理由であれば、派遣会社も引き止めることはできません。反対に、引き止められる余地がある理由の場合は、詳細まで伝えなくてもよいです。
いずれにしても、話がこじれたり派遣会社との信頼関係が損なわれたりしないよう、嘘だけはつかないようにしましょう。
4-2.答えにくい場合ははっきりと伝えなくてよい
派遣契約を更新しないと決断した背景には、他人には理解されにくい理由や、話したくない事情がある場合もあるでしょう。
その場合は、無理にすべてを伝える必要はありません。答えたくない部分はオブラートに包み、それとなく伝える形で対応しましょう。
退職理由を正確に伝えなければならないという義務はありませんので、可能な限り誠実な対応をしていれば、派遣会社も理解してくれるはずです。
5.次の仕事はいつから探せる?
現状の派遣契約を更新せず、別の職場で仕事をしたいという人もいるでしょう。
次の仕事探しをスタートするタイミングは、その後の進路により異なりますが、以下の3パターンを確認しておきましょう。
5-1.同じ派遣会社で探したい場合
同じ派遣会社で新たな仕事を探したい場合は、担当者に契約更新しない旨を伝えるタイミングで次の就業先を相談すれば問題ありません。
その後、派遣会社から打診を受けたり、求人を検索したりして仕事探しを進めていきます。
納得できる就業先を見つけるためにも、希望する業界や職種、労働条件などをあらかじめ担当者に伝え、把握しておいてもらいましょう。
5-2.派遣会社を変える場合
所属する派遣会社を変えたい場合は、現状の派遣会社に契約更新しない旨を伝える前に仕事探しを進めて問題ありません。
まずは希望する新しい派遣会社の登録手続きを済ませましょう。
タイミングによってはすぐに就業先が見つからず、現状の派遣契約終了から空白期間ができてしまう恐れもあります。そのため、すぐに就業したい場合は早めに新たな派遣会社へ登録しておくと安心です。
5-3.正社員として働きたい場合
正社員として働くには2つの方法があります。1つ目は一般的な転職活動で正社員採用を目指す方法です。
求人サイトやハローワークなどを活用して自力で転職活動をおこないます。
何にも干渉されず自分のペースで進められるため、派遣契約を更新しないと伝える前から仕事探しができます。
2つ目は、紹介予定派遣として正社員を目指す方法です。紹介予定派遣とは、派遣社員として一定期間就業後、派遣先企業と本人の合意をもって直接雇用に切り替えられることを前提とした派遣の種類です。
紹介予定派遣を希望する場合は、同じ派遣会社で次の派遣先を探したい場合と同様、派遣会社の担当者に契約更新しない旨を伝えるタイミングで相談すれば問題ありません。
6.更新しない旨を伝えたあとの働き方について
派遣会社に契約更新をしないと伝えたものの、契約終了までどのような姿勢で働くべきか悩むこともあるかもしれません。
あまり考えすぎず、以下の2点だけを意識するようにしましょう。
- 契約終了まで精一杯働
- 後ろめたく思わなくてよい
それぞれについて詳しくお伝えします。
6-1.契約終了まで精一杯働く
契約を更新しないことになったとしても、派遣先企業で精一杯働く気持ちを失ってはいけません。派遣契約終了日まで、今まで通り手を抜かずに仕事を遂行しましょう。
「どうせあと数週間」といった気持ちを持ってしまうと、コミュニケーションや仕事ぶりに反映されてしまいます。
今までお世話になった派遣先企業と社員の方々に感謝の気持ちを持ち、最後まで自分の仕事を全うしましょう。
6-2.後ろめたく思わなくてよい
派遣会社に対して「新しい人を探すことになってしまい申し訳ない」と思ったり、派遣先企業に対して「人手が少ない時に仕事を増やして申し訳ない」と思ったりする人もいるかもしれませんが、後ろめたく思う必要はありません。
仕事を選ぶ権利は、誰もが有しています。適切な方法で手続きしているのであれば、自分の決断に自信を持ち、契約終了日までしっかりと勤め上げましょう。
7.まとめ
この記事では、派遣契約を更新しない際の手続きやポイントについてお伝えしました。
派遣契約においては、自分の意思で「更新しない」という選択ができます。多様な働き方が浸透している世の中で「新しい仕事にチャレンジしたい」「もっと自分に合う職場を探したい」などと考えることは特別なことではありません。
今回解説した内容を参考に、社会人として望ましい振る舞いを心がけ、円満な状態で次のステップに進みましょう。 派遣契約を更新しないと決めた方や、契約終了を検討している方のなかには、新しい仕事を探している方もいるでしょう。
弊社JOBPALでは、幅広い業種・業界の求人情報を掲載しています。自分に合う新しい仕事を探してみてはいかがでしょうか。ぜひご活用ください。
関連記事
人気ランキング
工場・製造業の職種図鑑
以下の条件から求人を探す
都道府県からお仕事を探す
職種からお仕事を探す