紹介予定派遣とは?通常の派遣との違い、メリット・デメリットを解説

この記事で分かること
- 紹介予定派遣と通常の派遣は、就業前の面接実施の有無や契約期間の長さが違う
- 紹介予定派遣は、職場の雰囲気を知ってから直接雇用契約ができたり、大手企業で働くチャンスがあったりする
- 紹介予定派遣は、自分の適性を確認したい方や職場の人間関係を重視する方に向いている
- 紹介予定派遣の面接対策は、事前に派遣先企業について調べる、志望動機や自己PRの準備をするなど
※この記事は6分30秒で読めます。
「紹介予定派遣はどのような働き方?普通の派遣との違いは?」
「紹介予定派遣ならではのメリットはある?」
など、紹介予定派遣に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
紹介予定派遣は、派遣先企業での直接雇用が前提となるため、将来的に正社員雇用を希望している方におすすめの働き方です。
今回は、紹介予定派遣の概要や通常の派遣と違い、紹介予定派遣ならではのメリットや注意点などを解説します。この記事を読めば、紹介予定派遣の仕組みがよくわかり、キャリアの選択肢が広がります。
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1.紹介予定派遣とは?
紹介予定派遣とは、派遣社員としての就業期間終了時点で、派遣先企業と直接雇用を締結することを前提とした派遣の種類です。
一定期間設けられる派遣期間は、一般的な中途採用での試用期間に該当するものであり、この期間中に派遣先企業と派遣社員双方が直接雇用契約を結ぶか否かを検討します。
双方の合意が取れた場合は、派遣会社の雇用から派遣先企業の直接雇用に移行し、引き続き同じ環境で勤務します。
2.紹介予定派遣と通常の派遣の違い
派遣社員には「紹介予定派遣」と「通常の派遣(登録型派遣)」の2つがあります。雇用主である派遣会社の紹介を受け、派遣先企業で就業するという大枠は一致しているものの、働くうえでいくつかの違いがあります。
2-1.就業前の面接の実施
通常の派遣では、派遣先企業による面接の実施、選考は認められていません。
しかし、紹介予定派遣は派遣期間終了後の直接契約が前提のため、履歴書・職務経歴書を用いた書類選考や担当者との面接など、一般的な正社員採用と同じような選考フローが課されます。
そのため、派遣だからといって必ずしも就業が約束されているわけではなく、派遣先企業の選考を通過する必要がある点を理解しておきましょう。
2-2.契約期間の長さ
紹介予定派遣と通常の派遣は、契約期間の上限が異なります。通常の派遣は、同一企業における派遣期間の上限が原則3年以内と定められています。
一方で、紹介予定派遣は最長6ヵ月です。契約期間満了後、通常の派遣はそのまま契約終了となりますが、紹介予定派遣の場合は直接雇用するかどうかの判断をおこないます。
2-3.派遣期間中の直接雇用への切り替え
派遣期間中の派遣社員の雇用主は、所属する派遣会社です。そのため、通常の派遣の場合、派遣期間中に派遣先企業と派遣社員が直接雇用を締結することを禁止しているケースもあります。
しかし、紹介予定派遣の場合は、派遣先企業と派遣社員が双方合意すれば、派遣契約期間満了を待たずとも、直接雇用への切り替えが認められています。派遣先企業のニーズを的確に汲み取り成果を出していけば、直接雇用がグッと近づくでしょう。
ここまでお伝えした通常の派遣(登録型派遣)について詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
3.紹介予定派遣の6つのメリット
紹介予定派遣には、通常の派遣とは違う6つのメリットがあります。以下のようなメリットがあると良いと考えている方は、紹介予定派遣としての働き方がおすすめです。
3-1.自分の実力ややる気をアピールできる
紹介予定派遣では、面接だけでは伝えきれなかった自分の実力ややる気を、実際に働きながら企業に直接アピールできるため、直接雇用につながりやすいといったメリットがあります。
ただし、紹介予定派遣は、必ずしも直接雇用が約束されているわけではありません。直接雇用に結びつくよう、仕事のなかで企業にアピールすることを心がけましょう。
3-2.職場の雰囲気を知ってから直接雇用契約できる
紹介予定派遣のメリットは、この先5年、10年と働く自分の姿を想像して、疑問や不安を最大限解消した状態で直接雇用を迎えられる点にあります。
派遣期間で職場の雰囲気を体感し、会社の仕組みや業務内容を少しずつ知っていけるため「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを回避しやすくなります。
そのため「なかなか自分に合う職場が見つからない」と感じている方に紹介予定派遣はおすすめです。
3-3.未経験でも応募できる求人がある
業種・職種未経験でも応募できる求人が、比較的多く揃っているのも紹介予定派遣の大きなメリットです。通常、中途採用では即戦力が求められるケースが多く、未経験者に対する間口は決して広いとは言い切れません。
しかし、紹介予定派遣の場合は、人柄や仕事に向き合う姿勢などから評価してもらいやすく、キャリアチェンジを希望する方にとって大きなチャンスです。
また、派遣期間で適性を見極められるため「興味があるけれど正社員としてやっていけるか不安」という方にも紹介予定派遣は適しています。
3-4.大手企業やメーカーで働けるチャンスがある
紹介予定派遣では、仕事紹介などのサポートを派遣会社から受けられます。
派遣社員の希望や要望をもとに、担当者が第三者の視点で企業紹介をしてくれるため、自分だけでは探せなかったような憧れの企業で働くチャンスもあるでしょう。
3-5.派遣会社の担当者がサポートしてくれる
紹介予定派遣では、直接雇用の判断に至るまで派遣会社の担当者からさまざまなサポートを受けられます。
企業選定や選考はもちろん、実際に派遣先企業で働き始めてからも、不安や困りごとがあれば相談に乗ってもらえます。
直接雇用の契約締結にあたっての条件交渉や諸手続きの依頼も可能です。希望を考慮した形で調整してくれるため、より満足度の高い転職を実現できます。
3-6.直接雇用に至らなくても次の仕事を見つけやすい
直接雇用に至らなかったとしても、次の紹介予定派遣の仕事を紹介してもらいやすい点も魅力です。転職サイトなどを活用し自力で転職活動をおこなう場合、企業の選定だけで多大な時間と労力を要します。
しかし、紹介予定派遣であれば、派遣会社の担当者がこれまでの経歴や希望条件をあらかじめヒアリングしているため、最適な次の派遣先企業がスムーズに見つかりやすいです。
4.紹介予定派遣の4つのデメリット
紹介予定派遣には、4つのデメリットがあります。メリットだけでなく、デメリットも知ったうえで、紹介予定派遣の働き方が合うかを考えましょう。
4-1.そもそも紹介予定派遣の求人が少ない
紹介予定派遣は、通常の派遣と比べて求人数が少ない傾向にあります。そのため、自分が希望する業界や職種で就業できない恐れがある点を理解しておきましょう。
「製造業で働きたい」「事務は避けたい」などの強い要望がある場合、希望するタイミングで就業できない可能性もあります。
紹介予定派遣にこだわるのであれば、希望する業界や職種の幅を広げたり、就業タイミングをずらしたりするなどの検討が必要です。
4-2.働き始めるまでに時間がかかる
紹介予定派遣は、基本的に一般的な中途採用と同じような選考フローをたどるため、働き始めるまでに時間がかかります。そのため「来週から働きたい」「来月には勤務したい」といった自分の希望どおりにはいかないことも多いです。
できるだけ早く働き始めるために、手続きをスムーズにおこなうのが大切ですが、ある程度時間がかかる点は理解しておきましょう。
4-3.正社員になれない場合もある
紹介予定派遣では、派遣期間終了後に必ずしも正社員になれるわけではありません。あくまでも直接雇用の可能性がある仕組みであり、企業によってはまず契約社員として採用するケースも見受けられます。
また、そもそも派遣期間中に勤務態度が悪かった、トラブルを起こしたなど問題があれば正社員登用を認められない可能性が高いです。
正社員になりたいと思っている方は、真面目に働くのは当然ですが、就業を希望する派遣先企業がどのような条件で紹介予定派遣の仕組みを採用しているのか、事前に確認しておくようにしましょう。
4-4.直接雇用後、派遣社員の時の契約条件が変わる場合がある
紹介予定派遣は、直接雇用後に契約条件が変わる可能性がある点に注意が必要です。
紹介予定派遣の間は、派遣会社の雇用条件に従って働きます。しかし、直接雇用に切り替えたあとは、勤務先の雇用条件に従うため、待遇や条件が変わる場合があります。
待遇や条件は良くなることもありますが、悪くなるケースもあるでしょう。想定外の事態を避けるためには、事前に派遣会社を通して勤務先に確認してもらうのが大切です。
条件交渉に応じてもらえる可能性もあるため、懸念事項がある場合、まずは派遣会社の担当者に相談をしましょう。
5.紹介予定派遣に向いている方
紹介予定派遣に向いている方の特徴を3つご紹介します。あてはまる特徴がある方は、紹介予定派遣を前向きに検討してみてください。
5-1.自分の適性を確認したい方
正社員として働く前に、自分の適性や職場環境を確認したい方にとって、紹介予定派遣は納得できる働き方です。
いきなり正社員として働く場合「万が一、職場環境が合わなかった際に辞めづらい」と不安な方もいるでしょう。紹介予定派遣であれば、派遣期間に自分の適性や職場環境を見極めて、正社員になるかを判断できます。
希望するキャリアを実現できたり、スキルを活かせたりする職場であれば、正社員を前向きに検討でき、自分に合わないとわかれば別の仕事を探せます。
派遣期間を通して、自分のキャリアや将来をじっくりと考えたい方におすすめの働き方です。
5-2.職場の人間関係を重視する方
紹介予定派遣は、正社員として入社する前に、同僚や上司との相性を確認したい方にも適しています。
職場の人間関係は仕事のモチベーションや働きやすさにも関わるため、重視したい方もいるでしょう。一度でも一緒に働いた経験があれば、同僚の性格や相性がわかるため、安心して就業できます。
同じ業界や業種でも、職場によって雰囲気や文化が異なります。価値観や風通しの良さなどが自分に合うかどうかは、働いてみなければわかりません。
正社員になる前に、人間関係や職場環境をしっかりと確かめたい方に向いています。
5-3.なるべく早く仕事に就きたい方
紹介予定派遣は、なるべく早く仕事に就きたい方にも合う働き方です。企業にもよりますが、正社員よりも紹介予定派遣として選考を受けるほうが早く働けるケースもあります。
必ずしも「就業=正社員」である必要はありません。まずは紹介予定派遣として働き、将来的に正社員を目指すというキャリアも考えられます。
「早く仕事に就きたい」「自分のスキルや経験を活かしたい」などの積極的な気持ちがある方は、まずは紹介予定派遣を考えても良いでしょう。
6.紹介予定派遣で働くまでの流れ
紹介予定派遣で企業に就業するまでの流れは、以下のとおりです。
6-1.派遣会社に登録する
まずは、紹介予定派遣希望として派遣会社に登録します。派遣会社によって取り扱っている求人の得意分野などに違いがあるため、自分が希望する業種や職種が強みの派遣会社を選ぶようにしましょう。
派遣会社の登録方法については、以下の記事でも解説しています。
6-2.派遣会社の担当者と面談する
派遣会社の登録が完了したら、担当者と面談をします。派遣会社の担当者は、就職活動から就業後のサポートまで幅広い面で関わるため、担当者とコミュニケーションを取ることは重要です。
ミスマッチが生じないよう、これまでの経歴と自分の意思をしっかりと伝える必要があります。自分の希望を明確にすることはもちろん、勤務地や給与、福利厚生など、優先順位もある程度固めておくと良いでしょう。
6-3.紹介予定派遣の仕事を紹介してもらう
面談で派遣会社の担当者に希望を伝えたら、担当者に仕事を紹介してもらいます。
担当者は求職者の希望をもとに求人を選定していますが、募集要項が自分の希望する条件と合致しているかどうか、自分でもきちんと確認しましょう。
6-4.派遣先企業の担当者と面接する
希望する就業先が決まったら、派遣先企業との面接をおこないます。
前述のとおり、通常の派遣では派遣先企業による選考は認められていませんが、紹介予定派遣は派遣期間終了後の直接契約が前提のため、書類選考や担当者との面接などがおこなわれます。
面接の際には、志望動機はもちろん、紹介予定派遣を選んだ理由についても答えられるよう準備をしておきましょう。
6-5.派遣先企業で就業を開始する
書類選考や面接を経て採用されたら、希望する派遣先企業での就業を開始します。契約期間満了後、企業側が直接雇用するかどうかの判断をおこないます。
7.紹介予定派遣の派遣先企業との面接対策
紹介予定派遣の派遣先企業との面接で意識すると良いポイントは3つです。ぜひ参考にしてください。
7-1.事前に派遣先企業について調べる
派遣先企業の情報を事前に調査し、理解を深めておきましょう。派遣先企業の公式ホームページを見たり、派遣会社の担当者に聞いたりして、以下の内容をチェックすると良いです。
- 業界
- 事業内容
- 企業文化
- 実績
企業情報だけでなく、応募するポジションの具体的な業務内容や、求められるスキルについて理解しておくのも重要です。
企業情報に関わる質問をされる可能性もあるため、事前に調べておくと、聞かれた際に慌てずに答えられるでしょう。
7-2.志望動機・自己PRを準備する
面接にあたっては、志望動機や自己PRの準備が必要です。
派遣先で働きたいと思った理由や魅力など、志望動機を整理しましょう。自己PRでは、過去の経験やスキルを具体的に挙げ、派遣先でどのように活かすかを伝えるのが重要です。
派遣先企業の事業や、応募するポジションの業務を踏まえて、自分のキャリアをあらためて見直してみましょう。
また、紹介予定派遣を希望する理由や、将来のキャリア目標を考えておくと、スムーズに受け答えができ、好印象を与えられます。
7-3.面接での立ち振る舞いに注意する
面接での立ち振る舞いは、合否に関わります。基本的なことですが、面接官への礼儀や、正しい挨拶・姿勢を心がけ、適切な態度で面接を受けましょう。
「一緒に働きたい」と思ってもらうには、第一印象が大切です。どれだけスキルを持っていても、礼儀やマナーに問題があれば、採用してもらえません。将来的に正社員を目指すのであればなおさらです。
質問に対して明確に回答し、自分の意見や意欲を伝えられると、スムーズにコミュニケーションが取れる人だと評価してもらえるでしょう。
8.まとめ
派遣期間終了後の直接契約が前提の紹介予定派遣は、派遣期間があるため、業務内容や職場の雰囲気などを把握したうえで、適性を見極められます。したがって、「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを回避できます。
「興味があるけれど正社員としてやっていけるか不安」という方でもチャレンジしやすく、キャリアチェンジを希望する方や担当者のサポートを得ながら仕事を探したい方などにおすすめの働き方です。
一方、企業側は長期的な雇用を見込んでいるため、通常の派遣よりも就業決定までのハードルが高いのも事実です。
満足のいく就職活動が実現できるよう、派遣会社の担当者と綿密な打ち合わせをおこない、選考に通過できるようしっかり準備をして臨みましょう。
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