無期雇用派遣とは?契約の仕組みや他の雇用形態との違いを解説

※この記事は4分30秒で読めます。
「無期雇用派遣ってほかの派遣と何が違うの?」
「無期雇用派遣で働くメリットを知りたい」
など、無期雇用派遣に関して興味や疑問を持っている方もいるでしょう。
無期雇用派遣は、雇用期間が設けられておらず、同じ会社で長期間かつ安定的に働ける派遣の種類です。
今回は、無期雇用派遣の概要、似た雇用形態との違い、メリット、注意点などを解説します。この記事を読めば、無期雇用派遣の働き方がよく分かり、自分らしい仕事選びの参考になります。
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1.無期雇用派遣とは?
無期雇用派遣は、別名「常用型派遣」ともいい、期間の定めがない無期雇用契約を締結する派遣のスタイルです。
登録型派遣のように、就業中のみ雇用関係が生じるわけではなく、常時派遣会社に雇用され、「派遣会社の社員」としての立場が保障されます。
そのため、無期雇用派遣で働くには派遣会社の選考に合格しなければなりません。そのハードルがある分、派遣先企業への就業状況にかかわらず毎月一定額の給料を受け取れる安定感が得られます。
なお、平成25年4月1日施行の改正労働契約法により、「無期転換ルール」が適用されるようになりました。現状は有期契約で働く登録型派遣であっても、以下の3点の条件に該当すれば無期雇用派遣として働けるようになります。
- 有期労働契約の通算期間が5年を超えている
- 契約の更新回数が1回以上
- 現時点で同一の使用者との間で契約している
-
引用元:厚生労働省「無期転換ルールハンドブック」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000518484.pdf
登録型派遣から無期雇用派遣への転換は、本人の希望により成立し、雇用主である派遣会社は拒むことができません。
2.無期雇用派遣と似た雇用形態との違い
無期雇用派遣は、似ている雇用形態が3つあります。それぞれの違いや特徴を把握しておきましょう。
2-1.登録型派遣との違い
無期雇用派遣と登録型派遣の大きな違いは、雇用契約の形式と就業期間にあります。無期雇用派遣は期間の定めがない雇用契約を派遣会社と締結し、派遣先企業の就業期間にも縛りはありません。対して登録型派遣は、就業中に限り派遣会社と雇用契約を締結し、就業期間については同一企業での就業が最長3年間以内と定められています。
登録型派遣の詳細については以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
2-2.常用型派遣との違い
無期雇用派遣は、常用型派遣に含まれる派遣の種類です。双方に大きな違いはなく、一つの企業との派遣期間が終了しても派遣会社との雇用契約が継続し、給与が支給され続けます。登録型派遣のような就業期間の縛りはないため、同じ派遣先企業で5年、10年と長期間働くことができます。
常用型派遣の詳細については以下でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
2-3.正社員との違い
無期雇用派遣と正社員は、どちらも期間の定めがない雇用契約ですが、雇用主に違いがあります。無期雇用派遣の雇用主は派遣会社であり、実際に就業している派遣先企業との雇用関係はありません。一方の正社員は、就業している会社と直接雇用契約を結びます。給与の支払いや福利厚生は、それぞれの雇用主より受け取る形となります。
3.無期雇用派遣のメリット
無期雇用派遣には、以下の4点のメリットがあります。
- 給与が安定している
- 3年ルールに縛られない
- 研修などでスキルアップができる
- 派遣先を探す手間が無くなる
それぞれのメリットについて詳しくお伝えします。
3-1.給与が安定している
「派遣=収入が不安定」というイメージがあるかもしれませんが、無期雇用派遣に関しては給与が安定している点がメリットです。派遣の仕事の多くは時給制ですが、無期雇用派遣では月給制が適用されるケースが多くなります。そのため、祝日や大型連休の有無で給与が変動することがなく、毎月安定した収入が得られます。
また、無期雇用派遣に対して昇給や賞与制度を整備している派遣会社もあります。努力に対してきちんと評価が得られればモチベーションにもつながるでしょう。
3-2.3年ルールに縛られない
無期雇用派遣の場合、登録型派遣に適用される「同一企業での就業は3年間まで」というルールに縛られることはありません。期間の定めがない雇用契約を締結しているため、双方の合意がある限り同一企業で就業し続けることが可能です。
そのため、あまり頻繁に職場を変えたくない方には大きなメリットとなるでしょう。
3-3.研修などでスキルアップができる
派遣先企業によっては、自社の社員に対しておこなう研修などの教育制度を無期雇用派遣にも提供してくれるケースがあります。
社内研修では多くの場合、実務ですぐに活かせるスキルが学べます。積極的に参加することで、スキルアップに役立てられるでしょう。
3-4.派遣先を探す手間が無くなる
無期雇用派遣は派遣会社から派遣先の提案を受けられるため、自分で仕事を探す必要がありません。就業先の派遣期間が満了を迎えると待機期間に突入しますが、その間に派遣会社が次の派遣先を調整してくれます。
その他の雇用形態のように、仕事を自ら探して応募する必要がないため、待機期間をスキル習得や自由な時間に充てることができます。
4.無期雇用派遣で働く際の注意点
無期雇用派遣には上記のようなメリットがある一方で、働くうえでの注意点もあります。以下の2点についてあらかじめ確認しておきましょう。
- 採用選考がある
- 職場を選ぶ際の自由度は高くない
それぞれの注意点についてお伝えします。
4-1.採用選考がある
冒頭でも触れたように、無期雇用派遣で派遣会社と雇用契約を締結するためには、採用選考で合格する必要があります。
一般的な正社員と同じように、書類選考や筆記、実技試験、面接などがあります。派遣の選考だからといって軽く考えず、書類を丁寧に書くことはもちろん、面接の受け答えの練習をするなど、事前準備はしっかりおこないましょう。
4-2.職場を選ぶ際の自由度は高くない
無期雇用派遣のメリットの一つは、同じ派遣先企業で長く働ける点です。しかし、条件を選択する自由度の高さは登録型派遣には及びません。登録型派遣の場合は、提示した条件を前提に自由に仕事を選択できますが、無期雇用派遣は基本的に派遣会社から提案された派遣先に就業します。場合によっては、数年間におよぶ長期間、同一企業に就業し続けることになります。
無期雇用派遣として働くことを検討する際には、職場選びの自由度が自分にとってメリット、デメリットのどちらになり得るかを見極める必要があるでしょう。
5.実際に無期雇用派遣として働く際の流れ
無期雇用派遣として就業するまでの流れは、おおまかに以下の通りです。
- 派遣会社へ登録をする
- 派遣会社の採用選考を受ける
- 派遣先の会社で勤める
- 5年を超えて契約が更新された場合に、無期労働契約へ転換する
まずは、ホームページや求人サイトから派遣会社に申し込み、派遣スタッフ登録をおこないましょう。その後、採用が決定したら派遣先企業で就業を開始します。
なお、有期の雇用契約を締結する派遣の場合でも、契約期間が5年を超えた場合、無期雇用派遣に転換することが可能です。無期雇用派遣への切り替えを検討したときは、派遣会社の担当者へ申し出て手続きをおこないましょう。
6.まとめ
今回は、無期雇用派遣の概要やメリット、注意点などをお伝えしました。
無期雇用派遣とは、派遣社員の不安定さを払拭する派遣のスタイルです。就業中でも待機期間でも変わらず毎月一定の収入を得られることは、精神的な安心材料になるでしょう。
さらに、派遣先企業は派遣会社が決めるため、派遣期間満了後に次の仕事が決まらないという不安もなくなります。今回ご紹介したメリットやデメリットをしっかりと理解したうえで、どのようなスタイルで働くことが自分に合っているか検討してみましょう。
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